第拾陸話
「か、戒翔殿…!?」
「サラ…君なのか?此処まで雰囲気が変わるのも凄いがそれ以上に綺麗だと心から思うよ。」
「そ、そんな私が綺麗などと、私は無骨な軍人でしかありません。」
戒翔の言葉にサラは顔を赤らめて否定する。
「おやおや、サラ騎士団長に良い所を持って行かれちゃいましたね…?」
「姫の私よりもサラに目が行くとは…!」
「来て早々にモテモテだのお主は。」
サラと戒翔の雰囲気にミオンはおっとりとした感じでリオは愕然としていた。
「所で、王女様。女王様はまだ来られないのですか?」
「母様はもう少ししたら来るはずですわ。支度に時間を取られているのかと思いますわ。」
そんなリオの言葉に先程まで響いていた音楽が止み、広場の明かりが薄暗くなる。そして、階段の上の踊り場がライトアップされるとその場に華美な装飾がされておらず簡素に見えながらも着ている者を美しく見せると言った現実にすれば難しい。その色は燃える様な赤色のドレスで足元まで延びるスカートに腕を露わにするほどのノースリーブで胸元はこれでもかと言うほどに際どい所まで開けておりミオン以上の山をその身に宿していた。
「皆さん、この度はお集まりくださり誠に感謝します。此度の宴はこの国に住まう下賤な者達を捕らえて下さった者を招いた宴です。私は感謝の意も込めてこの宴の席を設けました。どうか皆さんも存分にお楽しみください。」
王女はそう言って一礼すると傍らにいる女性騎士の人と一緒に階段を下り、戒翔たちの所へ歩みを進めてきた。
「宴は満足して戴いたかしら?」
「この度、俺如きの為に盛大な宴の席を設けて下さり誠に恐縮します。王女様の御前にいる事ですら恐れ多い中で感謝の念を抱いておりました。」
「か、戒翔様!?」
「お主は上の者に対する礼儀も出来るのだな?」
片膝を床に付いた状態で頭を垂れて上の者に対する作法を見せる戒翔だが、その様子が意外だったのかリオにサラ、そしてシュウが驚く。
「顔を上げて下さい。戒翔様、貴方の話は娘のリオから聞いています。親子揃って助けて戴いたのですからその様に畏まらないで下さいな。」
「しかし、仮にも貴女と貴女の娘は王家の者、その様な事では不穏分子に付け込まれるだけです。」
「それはそうですが、今宵は宴の場です。その様な事は抜きにして一緒に大いに今、この時の幸せを一緒に分かち合いましょう。」
「女王様が仰るのであれば。」
戒翔の言葉にシオンは気を良くしたのか戒翔の手を取り立たせると手に持ったワインを勧める。
「…俺は酒は飲めないのですが?」
「気分ですよ。私達の世界では18からが成人なのですが、戒翔様はお歳は?」
「…今年で19になります。」
「まぁ、では成人祝いと言う事でこれをお飲みになって下さいな。勿論、御断りになりませんよね?」
「…それでは俺に拒否権は無いではないですか。」
戒翔はそう言いながらもグラスを手に取り、シオンはウェイターらしき人物から新しいワイングラスを貰う。
「それでは、この国の繁栄と安寧を祝して」
「「乾杯!」」
「…なんだ?急に意識が」
その場の者達がワインを飲むが戒翔は飲み方を知らずに一気に飲んでしまい、そのまま意識を手放してしまった。
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