表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/40

(六日目) 6-1:開示

 未来でもし逢えたら。素敵なことだね。

・・・




 おじさんだよ!

 そろそろ全部終わるRTA、はぁじまぁるよぉ!




 そういうわけでさっそく魔物さんたちをボコボコのボコにしてる最中なのだけど。

 ここまでくると慣れてきて、やってる最中ぶっちゃけ暇になってきちゃったね。

 作業ゲーを強要されるのは割と拷問なのよ。つらたん。



 えーっと、そうそう。昨日は『伝達』ちゃんに会いに行って、最後に話したところで終わったんだっけ。

 この子とのフラグ立てはチャート上、割とハイリスクだった。できることなら会わずに済ませたかったんだけど……。

 でもね、どっかの勘のいいガキ(暴言)がおじさんを、どうあがいても探し当てちゃうからね。

 未来をいっぱいみたけど、あの探索クソチートを回避できる未来はなかったから、もうそれはタイミングを調整して受け入れるしかなかったんだ。

 おかしいじゃん。きっかけすらないのに、なんとなく、で正解引いちゃうなんて。チートだよチート。まさしくズルだよ。


 そんで会うのは確定で、『伝達』ちゃんがそれを監視してくる。そん時、万が一にでもこの子のヘイト稼いで敵認定されちゃうとその時点で詰むのよ。

 敵対が決定的になった時点で二択の未来しか観測できない。



 つまり、やるかやられるか(意味深)


 油断ならぬ相手。実際コワイ!



 いやいや、おじさんが戦いたくない相手って、実はめっちゃめちゃすごいからね?

 あの魔法、普通の魔法少女じゃはっきりいって戦いになった時点で、そもそも勝負にすらならないよ。


 低消費、距離の制約もない、障害物も無視、瞬時に防御力無視のダイレクトアタックを仕掛けられる。

 こんなイカレたチート魔法を使う条件が、対面するだけでいいってまじやばだよね。

 正直、魔物には効きにくいから存在を許されてる感ある。


 いや、魔物より人間に対して殺意高い魔法って魔法少女としてどうなんだとも思うけど。

 というかそもそも本来攻撃用じゃないのに、攻撃にバリバリ使ってる時点でおかしいんだけどさ。


 ともあれこの子とは最後の最後に会ってその場で説得するより、予め会っておく方が費用対効果的にお得だった。

 だから結構なリソースを消費して一応成功する前提で会いにいったものの……。


 実際対面するとき、内心は結構ドキドキしてたりしたんだ。



 これが……恋? (吊り橋効果)



 ほいでほいで、『伝達』ちゃんに会うと決めた時点で、この子に隠し事は出来なくなっちゃう。

 伝える意味もあるから聞かれなくてもある程度は打ち明けるつもりだった、のだけど……。


 どうやらおじさんのギャップにクラクラ来てるみたいだ。罪作りだね。



 ……まぁおじさんは馬鹿だけど鈍感ではないので何を思われたかくらい、本当は分からんでもない。


 でもそれは君に関係ないことだろう?

 やるべきことをやる。ただそれだけの話なのだから。

 君は君のやるべきことをやっている。だから分かってもらえるはずだ。


 観測で彼女の様子を確認しようともちょっと思ったけど、まぁまだ問題ないことは知ってるので放置中。




 さて、気を取り直して予定を確認しようか。

 色々ラストイベントがある最終日のウェーブ数はできれば20~30ウェーブ……100体以下まで抑えたいところ。


 というわけで、ここ3日間連続で1500体、30秒殲滅だと足りないので目標20秒殲滅を無心で頑張ってきた。

 なので今日の予定は1000体だね。これも半分くらい終わって、あとは消化試合みたいなもんだ。

 もう魔物も残り少ない。だいぶ終わりが見えてきた感じ。


 あ、そういえばだけど、以前話題に上がった"仲間になる魔物"はすでにお亡くなりになってるよ。

 こいつは魔王様(仮)の研究仲間で、数少ない頭かしこな猫っぽい可愛い魔物だ。

 魔物だからくそでかいけど。




(……魔物が仲間?)




 あ、やっと復活した。

 うん、そうだね。この時間軸の君らはまだ魔界のことも知らないけど、そんな未来もあったんだ。


 もしもこの世界が、いわゆる魔法少女ものな物語なのだとしたら。

 正史とも言える未来では、この魔物が最終的に特異点を閉じてくれる。


 こいつにも「なんか異世界の生き物が仲間のせいでいっぱい死んでる。可哀想」って思うくらいの倫理観があるみたいで、そっからずっと特異点を閉じる研究をしてたそうだ。

 そしてついに完成したから向こう側の処理をして、こっち側の処理をするためにやってきたって流れで登場する。

 で、いろいろあって全ての特異点が閉じられるのだけど、もちろん特異点が閉じられたら魔力の流入が止まる。

 なのでこちら側に閉じ込められた魔力生命体な猫さんは、そのまま魔力を失い続け、衰弱して死んでしまうってことになる。


 みんなに看取られて、満足げにね。


 本来ならこいつが来るのが、大体2、3年後くらいかな?

 そんで、その物語の主人公ポジションは『察知』ちゃんだ。

 特異点は猫さんでも見えないから、この猫さんは『察知』ちゃんの相棒みたいになる。

 そして『察知』の魔法はこれから成長していくと、ほぼ未来を見れるのと変わらなくなっていくんだけど。


 それはともかくとして、このルートは色んなイベントがあって見どころさんはたくさんあったよ。

 いやぁ特に、弱っちい『察知』ちゃんが魔力暴走でボロボロになりながら戦う姿には、おじさん涙を禁じ得なかったねぇ。


 ま、観客として見る分には面白かったかな。

 でも演者として見ちゃうと、やっぱ流石にちょっと悠長すぎるね。


 そもそもおじさんこのエンディングには納得いってないし。



(私たちの敵が、どの面下げて)



 そうだね。おじさんも同意。

 だからこいつは一言も喋らせることもなくおじさんの経験値になってもらった。

 割と高位の魔物だったからexpうまあじです。



(……そもそも、どうして、一週間なんですか)



 お、そこ聞いちゃうかー。

 そりゃおじさんの至高のチャートのこと、気になっちゃうよねー。

 こないだは時間なかったから端折ったけど、別に隠すことでもないからね。


 よーし、もう最後の最後だから、今日は解説回ってやつだ。

 じっくりねっとり教えちゃうよー。



 とりあえず、おじさんの『未来選別』には時間的制約が無いんだけどさ。


 あ、これは別に好きな時間にアクセスできるって意味じゃないからね。

 念の為断っておくけど。


 ともかく、未来を見ている間は時間が経たないんだ。

 だから、おじさんの頑張り次第で限りなくゼロに近い可能性を100%にできる。


 だけどそうだなぁ、確率論ってわかる?

 厳密な数学的確率論では、どれだけ確率を掛け合わせても元の発生確率がゼロでない限りゼロにはならない。

 だけど、現実の確率って色んな要因が複雑に絡まっているから、そうとも限らないんだよね。

 特に物質的な制約があると上手くいかない。


 おじさんは魔力変換の代償を『未来』の魔法による無限の観測と決定で乗り切ってるんだけど。

 それでも魔力核が無限に魔力変換できるかっていったらそうでもないんだ。

 いずれ、確率の丸めが起こる。臨界点といった方がわかりやすいかな?


 うーん……じゃあ例えばだけど、 ちょっと物騒な話。鉄砲で一発撃たれたとする。

 そりゃ死ぬかもしれないけど、多分一発じゃ死なない確率のが高いかな?

 死ななかったらもう一発撃たれる。多分まだ死なない確率の方が高い。

 じゃあもう一発。死ななければさらにもう一発。

 生きている確率はどんどん下がるだろう。さて、どこまで生き残れる?



 生身の生物である以上、最終的には、どう足掻いてもゼロだ。



 さて、本題。

 未来の選別対象には無限乗積が通用するものと、それ以外があるのだけど、違いはなんだと思う?

 レッツ、シンキングターイム!



(無限? 乗積?)



 ……あれ、高校で習わなかったっけ。

 えっとね、おじさんも高等数学はそんな得意ではないんだけどね、簡単に言うと。

 コイントスを無限に繰り返して一回も表が出ない確率っていくつ?って話。

 もしくはその逆。確率は繰り返すことでゼロか1に収束していく。

 そして本来、その確率がゼロになることは決してない。

 そもそも可能性がゼロなことを含めない限り、ね。

 でも現実的にはこれが通用しないことがある。何故だろうねってこと。



(確率にゼロが混じる?)



 それは前提として省こう。それぞれの一回一回は不可能ではないということで。



(世界に、コンピュータみたいな計算限界がある?)



 それも、まあいずれあるかもしれないけど今のところ関係ない。



(……何か別に失うものがある?)



 近いね。正確ではないけど正解でいいか。


 さっきの例えでいうなら、撃たれたことによる即死の状態異常を確率で回避している。

 でも撃たれたことによって、弾が当たれば間違いなくヒットポイントは削られていく。

 だから続けていけば、いずれ必ず死ぬ。当たれば必ず傷つくという前提条件の元、それが行きつく結末からは逃れられない。

 死にたくないっていうなら、撃たれても一発も当たらないことを選択し続けなければならないんだ。


 これを魔力変換でいうなら、代償を絶対に発生させない最善は使わないこと。そう、君みたいにね。

 つまり、そういうことだ。見えずとも削れるものがある以上、それを補えなくなった瞬間、必ず破綻する。



 あー、魔力変換については君たちはどこまで知っていたっけ?


 ちょっとおじさん未来を視すぎててさぁ。

 ()()()()()()()()()()分かんなくなってたまに混乱するんだよね。


 まあいいや。続けるけど、魔力核には属性の許容量ってのが存在する。代償の許容量って言ったほうがいいかな。

 魔力核は属性を材料に魔力を作る。そのサイクルの変換効率は非常に高いけど完全ではない。

 そして少しずつ代償による欠損が蓄積されていく。普通だと自然に回復して無視できてしまうくらいのそれが、いずれ限界を迎える。

 普通にしてればそこまでいくことなんかまず無いけどね。


 ここで、代償発生に伴う魔力核の破損、コアブレイクについても教えてあげるよ。


 代償発生が変換量に対しての確率ってのは伝えたっけ?


 同じく、代償発生量に対しての確率で魔力核が壊れる。

 すると、魔力核が常時やっている極々小規模の魔力変換がバグって大規模になる。

 だから本来は壊れるというより暴走と言った方が近いね。壊れても、魔力核自体は死んでなくて生きているから。


 その壊れた魔力核により、そのまま属性の変換が止まらなくなり、代償が発生し続けてしまう。

 属性の自然回復量を常に変換量が超えてしまった結果として、実質的に属性が消えてしまうってことだ。


 おじさんの場合、魔力変換のし過ぎで代償発生が回避できなくなる。この限界が今回のチャートでの一週間。

 その間に溜めに溜め込まれた桁違いの代償量により、これまた許容量を超えて回避しようもなく確実に一発でコアブレイクを引き起こす。




 ()()()()()()()()()()()




(……)

 次回『邂逅』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ