ぼっちくん
ぼっちくん
今日もあの家から夕方六時位に怒鳴り声が聞こえた。
その家は横浜の港南区にある外壁は白でちょっと長いコンクリートの階段の上に建っていた。庭は芝生で周囲を自然石が組まれていて樹木もそこそこ植えてある。
そこには夫婦二人と兄弟妹三人が住んでいた。
夫婦の名前は池一と礼子で兄弟は兄が樹で弟が栄二で妹は恵という名前であった。
兄は小学三年生、弟は小学一年生であり妹はまだ一歳いかない位の赤ちゃんであった。
兄は私立の小学校に通っていて、朝は早く帰りも遅いようで弟の栄二は地元の小学校に通っていて普通の通学時間帯であった。
礼子が夕食の支度をしながら栄二に勉強を教えている様で
「栄二、昨日教えたばかりなのに何で分からないの」
と怒鳴り声を発していた。
栄二は小さな声で
「ごめんなさい」
と返事をしていた。
横では恵は何が起きているのかもわからず赤ん坊用のいすに座り親指をくわえていた。
「昔はこんなじゃなかったのに何でこんなに怒られなくてはいけないのだろうか」
と思っていたのであった。
最近では参考書の問題が解けないだけで料理用包丁の背の部分で叩かれたり、素っ裸で町内一周させられたり、ズボンを脱がされて自分で自分の尻を竹刀で五十回叩かされたり何せ問題が解けないと容赦なく怒鳴られてその様な体罰を日々課せられていたのだった。
栄二は
「誰か何とかこの地獄の日々から救い出してくれ」
と心の中で叫び続けていたのであった。
今日も礼子が夕食を作りながら台所の椅子とテーブルに栄二を座らせて参考書の問題を解かせているが、栄二は難しいのかなかなか解けないでいると、
また礼子が
「何でまたこんな問題解け何の」
と罵声を挙げて包丁の背中で栄二の頭を叩いた。
そのあと礼子は
「こんなに問題が解けない子はうちの子じゃないから家から出ていきなさい」
と言われて栄二は何も言わず椅子から降りて玄関で靴を履いて扉を開けてでていってしまいました。コンクリートの階段を俯きながら降りて
「なんでなんだ、僕ばかりこんな目にあって如何してなんだ」
とブツブツ言いながら道路に降りて坂道を下って行きとりあえず学校へ行く道をとぼとぼと交差点を渡り歩いていきました。
歩きながら以前の出来事を頭の中で浮かばせながら歩いて行った。
妹ができる前はこんなじゃなかったのにと思い出していた。
もう周囲は夜なので真っ暗の中目的もなく歩いた。
その時頭に浮かんだのは三ツ沢のお婆さんの家にいたころのことだった。
栄二君は物心ついた頃は其処にいたのだった。三ツ沢に居る時はみんなに良い子だと褒められていたのだった。
三ツ沢に居た時を思い出していた。
この家は三ッ沢下町のバス停から前の坂を十分くらい上った家で周囲より少し大きい二階建ていて青色の屋根で外壁が漆喰壁の家で庭は土で裾の中に植木が少々植えてある。玄関周りは棕櫚の木が植わっていて目隠しをする様に植えてあつた。
この家の苗字は泉と言いはばあばとじいじとその夫婦の子供の叔母さんと息子の正の子供兄弟の勝と浩二の兄弟の五人で住んでいたのであった。
そこに栄二は預けられていたのであった。
そこで栄二は朝起きると皆に
「おはよう」
と声をかけるとすぐに廊下を小走りに急いでトイレに向かった。栄二はそのころ二歳であった。
それが済むと台所の自分の椅子に座った。するとばあばとおばさんが朝食の準備をしながら
「栄二君おはよう」
と返事を返してきた。栄二が
「今日の朝ごはんは何」
と聞くと
「今日は目玉焼きと焼き魚と大根のお味噌汁だよ」と答えた。そして少しすると
正も二階から降りてきて
「おはよう」
と栄二の頭を軽くなでて言った。するとまた二階からバタバタと兄弟たちが降りてきて台所の椅子に腰かけて、
「栄二君おはよう」
と声をかけてくれた。
朝の三人は時間がないのかいつもバタバタしている。
ご飯を掻き込むように食べているとばあばが
『もう少しゆっくり食べなさい』
と言った。が、聞いているのかいないのか分からなかった。
食べ終わるとすぐに席を立ちランドセルを背負い
「栄二君帰ったら遊ぼうね」
と言って間髪入れずに
「じゃあ行ってきます」
と声をかけて玄関から出て行った。
兄弟は小学校の三年生と一年生で近所で歩いて三十分位の処にある三ツ沢小学校に通っていた。正も二人が出て行った後鞄を持って玄関から
「行ってきます」
と言って玄関の扉を閉めて出て行った。
その後じいじが起きてきて台所の椅子に座った。さぁてやっと残りの家族の朝食が始まりでした。ばあばが栄二君に、
「魚に骨があるからほぐしてあげるね」
と言って骨を取り外してくれた。
栄二はそれをスプーンですくい口に入れて食べ始めた。
目玉焼きは自分で小さくして口にほおばった。
ばあばが
「美味しいかい、でもゆっくり食べてね」
と言ったので栄二君も
「うん大丈夫だよ」
と言い返した。
他の皆もゆっくり朝食を食べていた。食事が終わると栄二君は椅子から降りて今のテレビつけて見ていた。
その間食事の後片付けづけをばあばとおばさんがしていた。栄二君はばあばに
「後片付け終わったら表に遊びに行こう」
と言うと
「はいはい、分かっていますよ」
と返事が返ってきました。
「いつもの公園に行こうね」
と念おしする様に頼んだ。この公園は家から十五分くらいのところにあり幼児用の遊び遊具がそろっていた。栄二はさらに
「帰りに吉田屋さんも行こうね」
と更に念おしした。
吉田屋さんはもう何十年も営業している駄菓子屋さんでぱっと見は緑のトタン屋根で外壁もトタンでぱっと見は崩れそうなお店であった。
「はい分かりましたよ、栄二君ちょっと待ってね、後片付けもう少しで終わるから」
「はい、いいですよ待てますから」
と栄二は良く分からないテレビを眺めて言いました。
栄二は叔母さんに
「このテレビ何の番組」
と聞くとおばさんは洗い物を途中で手を止めて、テレビの前に来ると
「此れはね子供向けの番組だよ、何か気に入ったぬいぐるみいたの」
と聞いてきたので、
「このぬいぐるみが気に入った」
とテレビのキャラクターを指をさした。叔母さんは
「あっそうこれが気に入ったんだ」
「これはねこの番組で一番人気なのだよ」
と教えてくれた。
叔母さんは再び台所に戻り洗い物を始めた。栄二が一人テレビを暫く眺めていると台所のガチャガチャ音が聞こえなくなった。すると暫くしてばあばが
「台所の片づけが終わったから出かけましょうか」
と栄二に言った。栄二は
「やった、じゃあ早く行こう」
と元気よく返事をし、わくわく感がこみあげてきた。テレビの前からすっくと立ち上がり
廊下を小走りで玄関に向かい靴を履いて、
「早く行こうよ」
とばあばを呼んだ。すると
「はいはいでもちょつと待っていて」
とばあばが廊下をとことこと歩いてやってきた。ばあばも靴を履いて、
「じゃあ行こうかね」
と栄二の頭を軽くなでた。玄関の扉を開けて一緒に外へ出た。栄二は嬉しくて何時もの事だがわくわくしていた。
二人は何時も来ている公園に向かった。
家の前の坂道を下り横断歩道を渡り左に曲がって五分位の所にある下町公園に着いた。栄二は一人鉄棒やブランコに乗ったりして遊んだ。その後栄二はばあばに少し気になっている事を尋ねた。それは、
「ばあば、何で僕は何時も一人なの、何でみんなと違うの」
と問いて来たので。
するとばあばがこう答えた。栄二君、
「一人じゃないよばあばも居るし勝や浩二もいるでしょ」
「其れはそうなんだけど何か普段からうまく言えないんだけど何か変なんだよな」
と呟いた。まあいいや、と言って再び自動車のタイヤで遊び始めた。
そこそこ遊び終えた栄二はお決まりの駄菓子屋吉田屋に行こうとばあばを誘いばあばは座っていたベンチから腰を上げると
「もう十分遊んだでしょ。じゃあ吉田屋さんに行きましょう」
と今時珍しい吉田屋に向かった。
吉田屋は公園家と逆方面で十五分位の所にあった。
其処まで二人でてくてく歩いて向かった。向かっている途中でも栄二の頭の中では今だ一人で居る様な気持ちは晴れていなかった。
暫くすると吉田屋に到着した。店の中には誰もいない様子なので栄二は店の奥に入って行って
「すいません」
とできる限りの声で店の人を呼んだ。すると中から
「ハーイ今行きます」
と女の人の声が聞こえた。
「はい、いらっしゃい何にしますか」
と問いかけられて栄二は少し悩んで「えーとこのお餅に粉の降ってあるやつ一つとこの棒が入っているやつ一つとあのとぶ飛行機一つください。
ばあばから一日三個までにしなさいと前々から言われていたのでそれを守る様にしていた。栄二は
「よし、この飛行機を勝や浩二に飛ばしてもらおう」
と思っていた。今時そんな物で遊ぶ時代では無いとは思ってもいたがそんな事は気にしない。
ばあばがお金の支払いを済まして昼食の準備があるので二人は帰宅する事にした。まあ叔母さんが準備していると思われたが帰宅するのは昼過ぎになってしまいそうだった。昼食が出来ていないとじいじが困るので少し心配があった。家に着くと
「ただいま、お腹空いた」
と栄二が言うと案の定昼食は叔母さんが作ってあった。
「今日の昼食は何」と言うと叔母さんが
「冷やしうどんとサラダと果物ですよ。栄二君は食べづらいと思ったからハサミで細かくしておいたから大丈夫だと思うよ」
と言われた。
栄二は嗽と手洗いを済ませ台所の自分の椅子に座った。もうすでにじいじは食べ終わっていて自分の部屋に戻っていた。残すは自分たち三人だけだった。
栄二のうどんは短く切ってありフォークで食べることが出来ました。
「うーん美味しいよ」
と叔母さんに言うと
「それはよかった」
と返事が返ってきた。時間はすでに十三時を過ぎていました。
栄二は食べ終わると椅子から降りてまた居間にあるテレビをつけて眺めていた。栄二は
「勝と浩二は何時ごろ帰って来るの」
と皆に聞くと
「三時くらいだよ」
と言われた。
栄二はそれ迄また一人かと思った。
そうだ少し寝る事にしようと思い今から出てじいじの部屋に向かった。普段は此処でばあばと共に寝ているのだった。寝て待っていると玄関から
「ただいま」
という声が聞こえてきた。勝と浩二が小学校から帰ってきた。二人は洗面所で手を洗いそして嗽をしてから二階の自分達の部屋でランドセルを下してから居間に降りてきてテレビゲームを始めていた。
其処に栄二が寝床から起きてきて
「おかえりなさい、あのね今日飛行機買ってもらったから飛ばして見て」
と尋ねるとやっていたゲームを止めて
「あーいいよ、どんなの買ってもらったの?」二人が覗き込んだ。
「此れかーこれはねープロペラを回して個々のゴムを巻くのだよ」
と答えて飛ばせて見せてくれた。
「あーほんとだ飛んだね」
と満足したのかご満悦でよしやってみようと今度は自分でやってみた。
すると矢張りうまく飛んだのでもっと満面の笑みで喜んでいた。二人はまたテレビゲームに戻った。今度はそれが気になり
「ねえ、そのゲーム僕には出来ないの?」と言うと
「出来ないことはないけどやってみるかい?と勝が答えた。
「うん、やってみたい」
と言うと
「じゃねここのボタンを押してこうするとこう動くんだよ」
と手取り足取り教えてくれた。
すると栄二も物覚えが良いのか何となくゲームができるようになっていると勝が
「栄二君すごいなもう少しできるじゃん」
と驚いていた。
「今度は対戦してみようよ、そうすれば一緒に遊べるからね」
と言った。栄二達が遊んでいる時ばあばと叔母さんは夕食の準備を台所でしていた。するとばあばが十八時半ごろ
「もうすぐご飯できるから手を洗ってきなさい」と言った。三人は「はーい」
と言って洗面所に向かい手を洗った。そして自分たちの席に着いた。浩二が「今日のご飯は何」
と尋ねるとばあばが
「今日はすき焼きと豆腐の味噌汁と漬物だ
よ熱いから気お付けてね」
と答えた。
「やったーすき焼きだって」
勝が言った。
栄二の分はばあばが小さく切ってふうふうとして取り分けてくれた。
栄二は美味しいと言いながらゆっくり食べていた。他の二人も鍋から取りながら美味しいと言いながら食べていた。
勝が食べながら
「栄二君ご飯食べたらお風呂に一緒に入ろと言ったた。栄二は
「うん、入ろう」
と答えた。そんな会話をしているうちにお腹もいっぱいになったので
「ご馳走さま」
と言って席を立った。ばあばが
「まだお風呂のお湯が入ってないから今入れるから少し待っていて」
と言うので三人はまた居間にあるテレビゲームをして待つことにした。
「栄二君ちょっと対戦してみる」
と勝が言ったので栄二は
「うん、やってみる」
と返事をした。
テレビゲームを暫くしているとばあばが
「お風呂のお湯張れたからもう入れるよ」
と言ったのでゲームを止めてお風呂場に向かった。三人は服を脱いで洗濯籠に服を入れてお風呂場に入った。栄二が
「二人にもこのぶらぶらしているのが付いてるね」
と股間を指さした。すると
「男の子は皆なついてるよ」
と浩二が言った。そして勝が栄二も体をごしごしと洗ってくれた。勝も自分の体を洗い終わると栄二と一緒に湯舟に入った。その間に浩二も自分でごしごしと体を洗っていた。二人が湯船から出ると次は浩二が湯船に入った。風呂から出ると勝が栄二の体を拭いてくれた。栄二は素っ裸で廊下を小走りで台所に向かいばあばに
「お風呂から出たよ、服を着せて」
と言った」
ばあばは
「はいはいちょっと待って今パジャマ持ってくるから」
と言って食事の後片づけを叔母さんに任せて自分の部屋から持ってきて栄二に着せた。勝と浩二も自分の部屋に行ってパジャマを着て下の居間に来ていた。
すると勝と浩二はテレビゲームで対戦を始めた。栄二はそれを暫く見て動き方やボタンの使い方を眺めていた。
そんな日々が続き日曜日がきた。今日は学校も休みなので勝も浩二も家にいて矢張り居間で朝からゲームを始めていた。そんな時ピンポーンと音がして誰かが来たようだった。栄二が廊下を小走りで玄関に向かい扉を開けるとそこには大人の人が二人と子供が一人立っていた。後からばあばが玄関に来て
「いらっしゃい疲れたでしょう」
と言うと
「何時も面倒をかけてすいません」
と男の人が問いかけてきた。栄二はこの人たち知り合いみたいだけど誰だと思った。すると三人は玄関から家に入ってきて居間に向かい座りだした。
すると女の人のほうが紙袋を
「つまらないものですが」
と言ってばあばに渡した。すると栄二に向かって
「いい子にして面倒かけてない」
と言ってきた。栄二は何だか馴れ馴れしいなと思っていた。ばあばと話し込んで
「家も大分出来上がってきたしもう少しで引っ越しももう直ぐ出来ますので」
とか話していた。子供の方は矢張り知っているのか勝と
浩二と話している。栄二は
「皆知っているみたいで知らないのは僕だけか」
と思って一人なのは僕だけかと思っていた。そんな中男の子は勝と浩二とテレビゲームを始めていた。
栄二は居間で一人飛行機を飛ばしたりゲームを眺めたりしていた。この日の昼食は出前のお寿司だった。そのお寿司を台所のテーブルに叔母さんが置いて昼ごはんよと言って小皿を配り終えていた。
栄二は自分の席に着き食べ始めた。他の人はまだ話をしたり、ゲームをしたりしていた。栄二が食べ終わると、今日来た三人組も台所に来て席に着き食べ始めていた。栄二は一人で
「この三人組は誰なんだ」
と思っていた。そんなことをしているともう夕方になっていた
「そろそろ遅くなりますので帰ります。」
と男のほうがばあばに言った。
「あっそう、うちは平気なのに」
とありきたりの返事をした。が
「私も明日朝が早いのでこの辺で失礼致します」
と男の方が言った。
そして立ち上がると他の二人も立ち上がったそして廊下を玄関の法へ向かって歩いて行った。
栄二もそれをおうように玄関に小走りで見送りに向かった。そして三人向かって手を振り
「じゃあねバイバイ」
と言って手を振った。すると女の方が
「栄二皆に面倒かけない様にいい子にしててね」と言ってばあばと勝と浩二に宜しくと言って出て行った。栄二は何だか良く分からないこと言われたなぁと思いながら見送った。
栄二は
「あの人達は誰なの?」
とばあに尋ねると、
「栄二君の家族だよ」
と答えた。
「えー家族と言っても一緒に住んでないしどういう事、家族なら一緒に住んでいるはずでしょう何でなんだろう」
と不思議に思った。
そう思いながら居間で勝と浩二のもとに行きゲームに混ぜてもらった。其処でも栄二は二人に
「さっきの人たち僕の家族だって。知ってたの」
と聞くと
「そうだよ栄二君の父親と母親とお兄さんだよ」
と勝が答えた。栄二は
「えー皆知ってたの」
と栄二は答えた。なんだか急に僕だけ皆とは違うんだ、矢張り一人ぼっちなんだと思って急に皆と距離を感じてきた気がした。
ばあばが食事の準備をするので台所に向かった。叔母さんも台所に立った。そこでトントンと野菜を切る音がした。栄二は其の距離をはねのける様に
「今日のご飯は何?」
と思い切って尋ねると
「今日はねカレーライスとワカメのお味噌汁と漬物ですよ」
とばあばがいつもと変わらない返事をしてくれた。栄二はそれでも何かさっきの家族と言う思いが気になっていて、ゲームを見ながら気になっってしょうがなかった。ゲームは交代交代でやりそんな事をしているとばあばが
「ご飯できたから手を洗って来なさい」
と言ったので皆で洗面所に向かい順番に手を洗って台所の席に着いた。栄二の分と勝と浩二の分と分けてカレーライスがテーブルに置かれてきた。それをスプーンですくいながらもぐもぐと食べ始めた。
食べてる間も矢張り華族と言うのがどうも気になって仕方がなかったので、しつこいようだが勝に
「じゃあ僕は皆と違う家族がいたの?だけどあの家族たちと一緒にいないじゃないでしょ
」
と再び問いかけると勝は
「うーんとそれは僕にも良く分からないだけど栄二君はあの家族の一員なんだよ」
と答えた。
「ふーん、そうなんだ何かおかしいね」
と栄二は答えた。ばあばが皆が食事している間にお風呂場に行きお風呂に湯を張りに行った。
そして食事が終わると何時もの様にご馳走様と言って席を立ち洗面所で歯を磨き再び居間のテレビゲームを始めて少しやっていると、ばあばが
「お風呂入れてあるから入ってらっしゃい」
と言ったので三人は
「はーい、じゃあ入ってきます」
と勝が答えてテレビゲームのスイッチを切った。
何時もの様に三人でお風呂場に向かい栄二の服を勝が脱がし自分の服も脱いで洗濯籠に入れた。そして何時もの様に勝が栄二の体をゴシゴシと洗ってくれてその後自分の体もゴシゴシと洗い石鹸を洗い流して栄二君と勝でお風呂に入った。
暫く湯船につかってから鵜舟から出て勝がタオルで栄二の体を拭いてその後自分の体も拭いた。その間浩二は遅れて湯舟に入っていた。
栄二は何時もの様に素っ裸でばあばの元へ廊下を小走りに走り向かいパジャマを着せてもらった。今日は色々とあって疲れたので勝たちに
「おやすみなさい」
と言ってばあばの寝床に早めに入った。そんな毎日がアッという間に過ぎていきまた日曜日が訪れた。
するとまた午前十時位にピンポーンと玄関から聞こえた。栄二はまた廊下を小走りに歩き玄関の扉を開けた。するとそこには先週来た家族なる者達が立っていた。遅れてばあばも玄関に来てそして
「いらっしゃい毎週大変でしょう。栄二君は何時もいい子にしているから大丈夫ですよ」
と三人向かって言った。また三人は玄関で靴を脱ぎ家の中へ入ってきて居間に腰を下ろした。
栄二は気になって気になってしょうがなかった家族である事を何とか調べておきたいと思ってしょうがなかった。しかし大人達は腰を下ろしてからばあばと
「家の引っ越しも大体済みまして」
とか話こんでいた。子供の方は勝と浩二と再びテレビゲームを始めていた。栄二は間を見て本人たちに家族である事を確かめたくてしょうがなかった。そこで叔父さんの方に
「ねえ叔父さんは僕のお父さんなの?」
と栄二は尋ねた。すると叔父さんは
「そうだよ。訳があって栄二とは一緒に住んでないけどね」
と答えた。どんな訳があるんだ。そんなの可笑しいじゃないか。どんな訳があると言うんだ。
どんな事があっても一緒に居なければおかしいじゃないかと思っていた。叔母さんはまだ話しているが途中割って入り
「叔母さんは僕のお母さんなの」
と尋ねると
「そうだよ」
と答えてニコニコして軽く頭をなでてそう答えて
「栄二が良い子にしているみたいで安心したよ」
と答えた。
「ふーん」
と栄二は矢張り何で一緒に居ないんだとまたも矢張りおかしいと思った。じゃあこっちの子供にも
「あのさあ君は僕のお兄さんなの?」
と尋ねると
「そうだよ何で知らなかったの」
と言われたから
「知らなかったよ」
と返事を返した。そして栄二は矢張り家族なんだ。だけど僕は邪魔で一人ばあばの家においてけぼりにしてるんだなと勝手に思い込んだ。
でもばあばの家ではとてもよくしてくれるし居心地もよいからまあ良いや。勝も浩二も勝のお父さんやおばさんやばあばもじいじも大好きだからまあいいや。と思った。しかし母はまた話を始めていた。それを聞いていると
「でも次の週末から出張でアメリカに行かなければならなくなってその時栄二を連れて行こうと思ってるの」
とばあばと叔母さんに
「話していた」
あらすじ
主人公の栄二は母親に勉強が出来ないと暴力を受けていた。そしてついに家を追い出されて途方に暮れ歩いている時前はそんな事なかった事をを脈々と思い出しながら歩いていた以前預けられていたお婆さんの家での事やアメリカに移住していたころのことなどを思い出しながら歩いていた。お婆さんの家では何でも自分でできるとても良い子だと褒められていたことやその家でも皆と仲良くしていたある日自分の家族と言う者達が栄二を迎えに来たのだったがその事が何なのか戸惑ってしまう時間もなくアメリカに一緒に連れていかれる事に為る。そしてアメリカでの家族と言う者達との生活だったことも思い出していた。しかし以前の生活では仲良くしていたのに母親が日本に帰ると急に窯変して何かと栄二に八つ当たりの如く体罰を与える様に成ったそして歩きながら以前褒められていた三ツ沢にあるお婆さんの家に行く事にしたが道が分からず交番で三ツ沢下町までの道筋を聞こうとするが子供の外に居る時間でないので連れ戻されてしまう。連れ戻されてから何をされるかと心配する栄二だったがそこに丁度父親の
一が帰宅して居てほっとするそして一は礼子にいくら何でも遣り過ぎだと言って聞かせた
来たので皆でピザを食べて一も早くに帰つて来たので一緒にピザを食べて過ごした。家の中は備え地家のベットが有ったので何で皆はベットで就寝する事にしたのだった。
帰国当日は皆に早く起きて来た。朝食は無いので空港の中で食べるようにした。そして一家はみんなでタクシーで空港に向かい到着すると早速朝食を摂る場所を探してそこに落ち着いた。栄二は大分アメリカ人になれて来たのでたいして空港では驚くことも少なくなっていた。朝食を食べ終わると一はチェックインする手続きをしに行きその間一家は此処のハンバーグ店で待つ事にした。暫くして一が登場手続きを済ませて
「じゃあ行こうかと言って手荷物預かり所に行きそれらを預けて未だ飛行機に搭乗するまで一時間半位時間は有ったが中に入り待合場で待つ事にした。大分長く待つてい居ると、搭乗時間が来たので飛行機に搭乗した。席は来た時のファーストクラスではなくビジネス
クラスでの搭乗であったので席は少し狭かった。後で知った事だが行きのファストクラスは事務の間違えで予約していたらしいので今回のビジネスクラスは妥当であったらしい。
二人は
「今回は随分と席が狭いなぁ」
と話すので
「此れが普通の席なのだと言い聞かせていた
であった。予定時間になり飛行機は日本へっ出発した。昼食の時間なで軽めの昼食を食べて暫くすると二人は寝入ってしまいました。暫くすると寝ている途中で起こされて夕食の時間が来て配られていたので二人を起こし機内食を食べさせたすると食べ終わると二人共はまた睡眠し始めてしまった。その後二人はかなりの疲れが出てしまったのか日本に着く暇で起きなかった。やがて日本の空港に到着して皆が飛行機から降りだしたので二人を起こし飛行機から出口まで行って降りる事にしたが何時もの事く凄い行列で中々降りる事が出来なかったので待って最後に降りる事にしたがなかな進まずそのうち
樹と栄二が
「おしっこしたい」
と言い出してしまう始末で
「もう少し我慢して空港に着いたら直ぐにトイレに行くから」
「それ撫で我慢し出来ない」と言うので添乗員三さんにダメもとで聞いてみると矢張りダメとの事なので
「もう一度二人にはやはり我慢しなさい」と
と伝えた。そこで搭乗口を出ると直ぐにフロ
アーの案内係に聞くと直ぐそこにあると教え
てくれたので急いで連れて行きました。そし
てトイレから出てくると二人は
「ふうやっと間に合ったもう少しで漏らすと
炉だったあー良かった」と言って出て来たが
栄二は本当は少し漏らしていたのだが言わずに黙っていることにした。そして空港の荷物
の引き取り場に行き荷物をとると、一が良しじゃあ家に帰るかと言って電車の乗り場に急いで乗り遅れないようにした。そして上大岡をで電車からバスを乗り次日野のバス停で降りた。そして少し長い坂を上るとコンクリートの壁の上に家が建っていた。そこで礼子が「あの家よ」
と言って指を差して教えてくれたが栄二には「そう言われてもピンとこないなぁ。」
と思い三ツ沢の家の方が良かったなぁ」
と感じていた。」何故なら少し寒々しい家だなと感じていた。
階段を上り家に入ると三ツ沢の家とは全然違っていた。そして礼子が
「引っ越し屋さんが明日には来るからそれ迄不便だけど我慢してね。」と皆に伝えて食事は出前ですべて済ます事にした。すると翌日一は会社に向った朝食は駅の売店でお蕎麦と稲荷ずしを二つ食べて益々日本に居る感が強くなりよし今日も一日頑張るかと呟ききながら
会社に向かった。礼子は礼子で引っ越し屋さんが来てそsレは其処とかあれは其処と荷捌きで大忙しで有った。そして一が帰って来て
「引っ越し屋さんで大分家らしく成ったな」とほっとしていた。この日を境に一は朝は早く帰りはとても遅く帰って来る様になった。翌日も早く起きて朝食はまた駅の中にある蕎麦とお稲荷さんを二つ食べて会社に向かった
すると樹と栄二が掟きて
「今日もご飯無いのかな」
と尋ねるとそうなのよ
「冷蔵庫は有るんだけど中が空っぽなのよ
御免なさいね。」
と返事が返って来た。
「ああそうそう今日学校の編入トドけを出しに行くからちょっと遠いけど我慢してね」
と樹に話して準備を始めた。
「そこは私立の小学校だから大変だけれど上手に通ってね」と樹に話をしていた。栄二はその間お留守番に成って朝昼兼用のご飯代を置いてあげ注文は私が携帯で連絡しておくから着たらお金を払ってそれを食べなさい。と言って玄関の扉を開けて樹と一緒に出て行った。すると栄二はご飯が来るまでやることが無いので取り敢えずテレビを付けて眺めていた。
「うおーやっと日本語のテレビだこれなら言ってる事が良く分かる」
と一人で大喜びしていた。
するとテレビを眺めていると玄関でピンポンと音がしたのではーいと言って玄関に向かうとお蕎麦屋さんが親子丼えお持って立っていたのでお金を払って商品を受け取り台所のテーブルに置き
「これが親子丼か何か良い匂いがする」
「でも少し熱そうだから少し冷ましてから食べよう」と呟いていた。その後栄二は自分の荷物を片付け始めてから さて少しは冷めただろうと思い二階から一階の食卓で親子丼をよく噛みながら食べるとこ
れは美味しいぞ。このどんぶりの名前何だっけ「あーそうだ親子丼ぶりだった。」字今度礼子が出前取る時はこれにしよう。と思っているほど美味しいご飯で
「完全に圧倒されるとても美味しかった。」
食べ終わるとテレビを消して栄二が自分の部屋で整理を始めた。整理をしていると玄関ドアがお空く音がしていたので出て行くと礼子と樹が帰って来た。そしてお土産を買って来てくれた。栄二は台所で
「ふたを開けてこれ何弁当なのと言うと
「これはねシュウマイ弁当だよ」
「ふーんそんな名前なんだ「じゃあ早速食べてみるよと言って食べ始めるめ」
「これも中々美味しいぞ。」と思いながら
「これは何処で売ってたのかなぁ」
「これは横浜駅の売店で売っているてもし越し冷めた買ったらレンジで温めようか」
「そうだねちょっと温めてくれるかな。」
「それでは温めようかねちょっと持ってきてくれるかなぁ。」と礼子が持ってくる様に。」頼むともって来るとシュウマイ弁当を受け取り
ると電子レンジで少し温めて再度渡すと
「あー矢張り温めたほうが美味しいなぁ。」と
と言って食べ始めて御馳走様と言って席を立ってまた自分の荷物を片付けに二階へ行った時樹ももうすでに自分の荷物を片付け初めていたので
「今日の学校は如何だったやっぱり遠いの
と」聞くと
「ああ電車で行かないといけない処に有って結構大変そうだったけど通って要ればなれるだろう」
「あーそうなんだ。僕は幼稚園途中で入っても半年位しかないからいけないのかなぁ」
「そんな事ないよ礼子が明日栄二の幼稚園の準備をしなくては」
ってお就てたよ。
「だから大丈夫だよ心配しなくても」
「そうなんだ。そんな事言ってたの」
「明日編入の手続きを遣りに行くと言ってたから」
と樹の話を栄二に言っていて
「あっそうじゃあ生徒が一杯居るのかな僕も友達いっぱい作りたなぁ。」と言ってまた片づけを始めたて
「あっそうだ僕筆記用具が何もないんだ」
「そうかじゃあ取り合えづ俺のあるからこれ使えよ。」
「有難うそれじゃあ遣わせてもらうよ」と感謝した。
翌日礼子と栄二は一緒に近所の幼稚園へ向かい編入届を提出して後は制服を買いに行くだけになり先生に売っている場所を確認して買い出しに出かけると丁度良くサイズの合う制服があり購入して帰宅すると
「礼子が先生に有りましたので宜しくお願いします」
「はい分かりましたので迎えのバスに行くように伝えておきますから時間に気お付けて待ってる様にしてください。」と言え有れたので「はい分かりました」と伝えて電話を切りました。
「栄二は少しわくわく感と少し不安を持って明日を待つ事にした」そして翌日バスが家の前に止まり幼稚園に向かったのである。幼稚園に到着すると自分のクラスに先生が連れて行ってくれ栄二に
「ここが栄二君のクラスだから忘れないで」
と伝えると皆に紹介してくれて席まで連れて行ってくれて皆に紹介してくれました。がその後の自由遊びの時間は流石に初日なので一人ぼっちに成ってしまいました。それを見た先生が遊具で遊んでいる子供達に
「栄二君も仲間に入れてあげて」
と言うとそのうちの一人がが
「こっち着て一緒に遊ぼうと」
声を掛けてくれて
「うんじゃぁ遊びに混ぜてくれる」
「良いよこっちに早く来て遊ぼう」 と言ってくれて仲間に混ぜてくれました。その後昼食の時間もその仲間に入れてくれた三浦君と一緒に食べて親睦を深めました。昼食はお弁当は持参したお弁当を食べました。食べておる時三浦君が家は何処なのとか兄弟は居るのと聞いて来てくれ
「住んでいるのは日野住宅で兄弟は二人だよ
」などと返答すると
「じゃあ僕の家と近いね今度終わってから遊びに往こうよ」と誘ってくれた
「そして午後はまた遊び時間だったので三浦君と一緒に遊び、更に親睦をふかめて「
「じゃあ今度家に来て遊ぼう」と家に招いてくれ「うん行くよ」と答えた。そして次の時間が来ると先生が本を読んでくれて帰りの支度をして帰宅の時間となりバスへ乗り込み帰宅する事に為ったのですが帰りの車中でたまたま栄二の後ろの席に座っている子が気分が悪かったのか車に酔い吐いてしまい栄二の背中にかかってしまった。先生も困った様子で栄二に「家に着くまで我慢してくれる」
と諭しおとなしくしている様に言うのでおとなしく我慢をしていました。するとバスの停車場の家の前まで付くと礼子が出迎えで待っていると先生が事情を話て栄二はバスから降りた。降りると先生が「ごめんね」と声を掛けてくれたが栄二の初園は凄いことで幕を閉じた。
すると礼子は「あら大変だったね早く制服をお風呂場で脱いできて」といい栄二が脱いだ制服を洗濯機に放り込んみ洗濯を始めた。そして栄二にお風呂場でシャワーを浴びる様に
言いシャワーを浴びて綺麗して匂いまで洗い落とした。その後暫くすると玄関の呼び鈴が鳴り礼子と栄二が玄関へ向かうと知らない人達が立っていて「はい何かしら」
「今日こちらの息子さんにご迷惑を掛けた近所の原と申します」
「本日は大変嫌な思いをさせてしまい本当に申し分けありませんでした。」
と二人は頭を下げてくれました。礼子は
「大丈夫ですよ家はもう制服も洗濯機に入れてシャワーにも入れましたのでお気にされなくてもいいですよ」
「これ詰らないものですが」と言って手土産を渡してきたので本当に家は大丈夫ですからと言って手土産を受け取るとお母さんの後ろからさっきの女の子が顔を出してまたペコリと頭を下げていた。栄二は
「君名前は何と尋ねると
「原由子と言います」
と畏まった口調で答えて今日はごめんねと謝るので栄二は
「由子ちゃん近所なら今度遊ぼうよと」するとお母さんがこれを聞いていてこれから家へ来ませんか」と言うので
礼子が栄二に「じゃぁそうさせてもらったら
」と相手の気持ちを汲んでそう言うと
「じゃあ遊びに往くから」
「そうそれは良かった私も少し肩の荷がおり
ます」とお母さんが言った」ので行く事にした。家に行くと直ぐにお菓子とカルピスを持って来てくれてどうぞ食べてくださいと言って来たので早速食べる事にした。食べている間由子ちゃんと今日は僕が帰国して初めての通園だった事やアメリカでの話などしながら遊んでいた。
「そうなんだそんな初日に大変な目に合わせてしまい本当にごめんね。」
「いや大丈夫だよ。その御蔭で由子ちゃんと友達な慣れたから気にしないで」
「でも本当にごめんね。何かあの時体調が悪くてあんな事に為ってしまったの。」と言って
いた。その後もたびたび由子ちゃんと遊ぶようになり栄二はとても嬉しいハプニングだったと思う様になりました。とある日由子ちゃんと公園で遊んでいるとたまたま三浦君が後から遊びにきたので一緒に遊ぶ様にしました
。遊ぶ中で栄二はアメリカの遊具はとても数多くあって遊ぶものがとてもユニークな物ば
ばかりあるんだよと話ていた。すると三浦君が今度は僕の家に遊びに来てよとの事なので
分かったじゃあ今度ねと約束して今日は帰宅する事にした。帰宅すると礼子が夕食の準備をはじめていたので「ただいま」と声を掛けてお風呂場でシャワーを浴びて台所に行くと礼子が食事もう直ぐ出来るからちょっと待っててと言うのでテレビゲームをしながら待っていると
「お兄ちゃんはまだ遅いから先に夕食ると」
言って来たので「うん食べる」横たえると「分かった」と言って料理を続けていた。兄の樹が帰宅するのは何時も大体六時半位に帰宅していた。普段はそれを待ってから食事をするのだが今日は外で遊んできたのでその様にしたのだ。
食事を始めると栄二が「幼稚園で友達に成った近所の三浦君と遊びに行くからと報告しながらもぐもぐと食事を続けていた。すると食べ終わると樹が帰って来たので手洗いと嗽をして自分の部屋に行き荷物を降ろして食卓の自分の席に着いた。着くと直ぐに礼子が夕食を並べてそれを樹が食べ始めていた。すると栄二が
「お兄ちゃんの学校は大分遠いね」
「遠いけど仕方がないよ学校が電車で通う処にあるからさぁ」
「ねえ友達は大分出来たの」
「ああ大分出来たよ。栄二の方は如何よ?でもまだ行き始めて未だ数日だからまだ無理か
」
「いや友達は大分出来たよでも近所の友達は
三人位だけどね」
「なんだ近所にそんなに出来たのか羨ましいな」
「僕なんか友達出来ても皆遠くから来てるから学校で遊ぶしかないからなぁ」と樹が答えた。
「そうなんだそれはそれで寂しい事だね」と栄二が返答した。
「そうなんだよ。でも学校では会えるから未だましだけどねぇ」と返答してきた。
樹の通う学校は逗子駅から歩いて二十分位かかる処にあるキリスト教の学校で有った。
栄二は幼稚園から帰るのは二時半位だったので由子ちゃんや三浦君と遊ぶ時間は十分に時間が有った。栄二は三浦君の家で遊んでいるとお母さんからたまには家でご飯食べて行かないと言われたので家に電話しないと分からないというと三浦の母が栄二の家に電話して確認するとご迷惑では無ければ大丈夫です。と答えたそうなのでご馳走になることにした
。そして三浦君の家の夕ご飯をご馳走になるとおかずとかが一つの皿にどしゃと盛り付けて有りびっくりしてどうやって食べるのかを見ているとどしゃつと盛り付けてあるお皿から自分の分を食べるのであった。すると三浦君が栄二の分を取り分けてくれた。ので
「家だと一人ずつ食事のおかずを取り分けてから来るので驚いた」ことを三浦君に話すと笑って
「ああそうなんだ」と答えてくれた。
すると家は親が大工だから皆帰り際に食事を食べて帰るからこんな感じに成っているんだ
と説明してくれた。その後テレビゲームを一緒にしていたがもう大分遊んだので帰る事にすると三浦君のお父さんが家まで送ってくれる事に為り車で栄二は帰宅した。「ただいま
」と言うと礼子が随分遅かったわねと言うので三浦君のお父さんが送ってくれた事を言うと「ああそうなのそれならいいけれどあんまり遅いと心配するから帰る前に電話して頂戴ね」
と栄二に言った。
「分かった今度からは電話する様にするから
」と礼子に返事した。
返事をしていると樹が戻って来て鞄を自分の部屋に置いてから食卓に着いて栄二に
「何よ栄二は今帰って来たのか良いな」
「そうなんだよ友達の家でご飯食べさせてもらってから今帰って来たんだよ。」
「そうか、友達が近くに居ると良いよな」
「そうなんだよそいつの家のお父さんが車で送ってくれたんだよ」
「そうなんだよとても仲の良い家で何だか羨ましい感じがした位だよ」と樹に説明した。
すると樹はご飯をもくもくと食べ始めて
「近いと何かと便利だよなぁ羨ましい」と栄二に話したのである。栄二はあの家族が仲良さを目のあたりにしてその方が何故か羨ましかった。
「由子の家も中々皆仲良くしている事を見ていて」
「何か家とは違うよなぁ」と感じがしてしょうがなかった。それから数か月経ち運動会を開催されることを知り
「一体何するんだ、だれが見に来るんだろう
でもどうせうちの家族達は興味無さそうだから来ないだろう。」と呟き三浦君や由子に
「あのさあ皆両親が見に来るの」と尋ねると
「えー皆家族が来るよ多分と」
「それに運動会なんて今度で最後だから間違えなく来るよ」
「そうだよね普通は来るよねでもうちの親は聞いたら
「あっそうなの知らなかった」と言っていたから来ないだろうと三浦君と由子ちゃんに話していたが「いやぁ来ると思うよ」と二人が「大丈夫心配しなくても来るに決まっているからさぁ」
そうよ私の家でも逆に「運動会には絶対行く
から」と今のうちから言っている位だから。
と気を使って話してくれた。
「そうかな?でもそうだよね」
「心配しない様にするよ」と答えた。
運動会当日栄二が
「今日の運動会誰か来るのかな」
「いや今日は一もいないし行けないよ」と予想道理の言葉が返って来た。
「栄二はやっぱり僕は一人ぼっちなんだ。
と改めて感じていてしょうがなかった。運動会当日の悲しい返事と共に幼稚園にバスで向かった。向かうと先生達が協力して運動会用にグランドが変えられていた。
三浦君の親も由子ちゃんの親ももうすでにスタンバイしているが家の親は見回してもいなかった。樹のは行っていてそういゆ所が家族の中で一人ぼっちに感じる処であった。
しかし栄二は徒競走では一番と貢献していたがあまり嬉しくなかった。三浦君と由子ちゃんも心配してくれて「如何来てる」と聞いてきたので「矢張来なかった」と伝えた。
何か最近うちの両親は何かちょっと冷たい気がしていた。
運動会も終わり暫くすると冬休みとなったが他の家ではどこどこに行くとか話をしていたが栄二の家ではその様な話は無かったが暫くして一が皆で年末年始にスキーに行こうという事に為り少しほっとしていた栄二だった。これで皆へ話す話題が出来たと思っていた。これで由子ちゃんと三浦君に話が出来るとほっとしていたので早速話をし
「良かったよスキーに行く事に為ったよ」
と話すと
「良かったね栄二君ちょっと心配しすぎだよ
」と言われ
「そうだよね僕の心配しすぎ見たい」と話していた。スキーではやはり樹も栄二もしたことが無いのでスキースクールに入り練習すると段々コツを覚えてきて帰りまでには滑れる様に成っていたので三人で滑って遊ぶまでに上達していた。ホテルを出ると家へ帰宅する事となった。今はスキーや靴などはレンタル
出来る様に成り大分荷物が減って軽やかに帰つて来た。家に帰ると正月の儀式を行いゆっくりして過ごした。そこで栄二は「何か自分だけ家族のお荷物に感じているのだけれどどうなの」
と一に聞くと
「そんな事ないよ今も一緒に居るじゃないか
と言って来たので
「そうかなぁなんか最近特に感じるんだけど
「何でかな。」と話していた。そして
幼稚園が始まり皆に冬はスキーに行って来た事を話していた。すると皆が
「それは良かったね」
僕なんか家にずうと居たよなどと様々の過ごし方で栄二はホットしていた。
しかし何か最近礼子の接し方がちょっとおかしい気がしていた。そして幼稚園の卒園式が来ました。すると「今日は誰か来るのかな」と尋ねると「いいえ今日も誰も行けないからそのつもりでいてね」
と冷たい返事が返って来た。
「何だか矢張りおかしいんだよな。」と呟き卒園式に向かった。由子も三浦も心配して
「やっぱりご両親は来ないの」
「うんやっぱり忙しいからと言って誰も来ないんだよ」
「何だかおかしな話ね家なんか両親二人共来
ているのに。」
「僕の家も二人共来ているよ。」
「まあ考えてもしょうがないからさぁ」
と三人で集まって話をしていた。
皆小学校は如何するの近所の小学校に通うよ」二人は答えると
「そういえばこの前樹の通う学校に面接を受けに行ったなぁその時の結果がダメだった
んだよ」
「その位から礼子がおかしかったんだよなあ
そのせいで怒っているのかなあ」と思い出していた。そしてそして小学校に行き始めて数週間後赤ん坊が一人家の中に居て
「この子は何処の子供」と聞くと家の家族だよ」
「そんな事より今日から台所で勉強しなさい
私がしっかり教えるから」
と言うので台所の自分の席に座ると分厚い参考書が置いてあり礼子が
「じゃあ始めるからまずこの問題から解いて
見なさい。
と徒然言い始めた。問題が分からないと頭をバチンと叩いてきた。
「栄二これはねこうやってこうし答えを出すの分かった」と厳しい口調で答えると赤ん坊が泣きだしたので礼子が見に行った。そして台所に戻って来ると
「問題解けた」と言うので正直に
「良く分からない」と言うと
「いま教えたばかりでしょ。」
と怒鳴りつけてきた。のでそんな急に言われても分からないものは分からないよ。と栄二が思った。「分かるまで考えなさい」と怒鳴りつけて来た。栄二は何で急にこんな仕打ちが始まったのだろう。きっと妹の恵が出来たのでストレスが溜まって僕で発散しているのだろうと感じていた。が「問題が解けるまでそこで考えなさい。」と言ってくる有様であった。そして「問題解けるまで夕食は無しだからと捨て台詞をいって食事の用意をし始めた
そして考えるとやっと答えが分かると、次はこの問題と更にこの様な仕打ちが続いたので有った。頭を叩かれながら要約次の問題を解くと
「これから毎日宿題を出すからそのつもりでいなさい」と言い始めた。次の日も明後日も
礼子が次々と問題を出して来てその度に頭を叩かれていた。そのうち恵を台所の幼児用の椅子に座らせて見張る様に問題を解かせる地獄の日々が続き始めた。そして解けない罰は日に日にエスカレートし始めていた。栄二は助けてもらえる者もいなく更家族の中で一人ぼっちに成っていた。ある日問題が解けずにいると竹刀で叩かれる様に成っていた。樹は帰って来てその光景を見てもさっさ食事を済ませて自分の部屋に逃げる様に成っていた。そこで樹が一言でも助けてくれたらまだ良かったのだが自分が巻き込まれるのは嫌だったので自分の部屋にいつも逃げて行った。そして栄二は早く家に帰るのが嫌になり学校の帰りは友達と遊んでから帰るようにした。帰れば何されるか分からなかったからであった。
どうせ家に帰ればあの拷問が待っているだけだったからである。そうして家での地獄から
逃げ出すと礼子が
「最近帰って来るのが遅いはよ」と言って来たので
「新しい友達たちが出来て学校で遊んでくるからだよ」と言うと礼子が
「そんなに遊ばなくていいから早く帰って来て宿題と私の出す問題を済ませてから遊びにいきなさい。」と無理な事を言って来て台所でまた問題を解かされていた。問題が解けないと夕食前までやらされて解けないと更にエスカレートして
「じゃあ履いてるズボンを降ろして自分のお尻を竹刀で五十回たたきなさい。」
と段々無茶な仕置きをするようになっていった。栄二は何で僕ばかりこんな目に合わされるのだろう。と不思議でしょうがなかった。でもこの家には助けてもらえる人もいつもいないし矢張り僕は一人ぼっちなんだ。と感じていた。そんな日々が毎日続たある日
「そんなに問題が解けないならうちの子ではないから出て行きなさいと言われて今の状態で行く当てもなくとぼとぼと歩きながら想いでに浸りながら歩き続けていた。その時
「そうだ三ツ沢の家に行こうと」と
思ってその方面に行く事にした。こんは少し足取りも軽くなり一生懸命に歩き始めたが近くまで行っているはずなのだが今一方向が分からなく成ったので交番を探して交番で聞くことにした。
関内あたりの交番に着くとおまわりさんが如何したのと聞いてきたので
「三ツ沢下町のバス停に行きたいのだけどどう行けば分からなくて聞きに来たの。」と答えると
君は何歳なのと聞かれたので小学一年生と伝えると一人で三ツ沢から来たのかなと聞かれたので仕方がなく此処にくるまでの経緯を説明した。でも家へは帰りたくない胸を話したのであった。お巡りさんが本部に行方不明の届けは出ていないか聞くと今のところ出ていないですねとの返事だったのでお巡りさんがじゃあ君は何処から来たのと聞かれたので港南区の日野町から着ました。と答えて
でももうあの家には居てはいけないし行くのも嫌なのです。と答えるとお巡りさんがもう今は夜の十時だからそのまま返すわけにはいかないよ。
だから今パトカーを呼んだからお巡りさんもついて行くからそれに乗って家へ帰らなきゃいけないよ。と優しく行ってくれているとパトカーが来てこの子ですかと尋ねるとそうなんだよでも家で虐待されていたみたいで家には帰りたくないと言うんだよ。
「そうですかでは私が親御さんにきちんと確認と説明をしますので道は連れて行きながら本人に聞きいて送り届けますので。と答えて
いた。「じゃあ僕車に乗って日野の交差点まで行くからその後はお巡りさんに教えてくれるかな」と言われたので
「でも家へは帰りたくないんだ。あんな地獄の日々はもう嫌なんです。」と訴えたがお巡りさんが
「もうそんなことしない様に十分に言ってあげるから大丈夫だよ」と諭てくれた。そして日野の交差点を左に曲がり坂を上りきると栄二がここを右です。それから十件目ですとその通りに行くとコンクリートが白い壁の処を指さして「此処です」と伝えた。そしてお巡りさんが呼び鈴を押して待つと一と礼子が玄関に出て来た。そこでお巡りさんが「お宅の息子さんですね」と尋ねると一が
「はいうちの子です。こんな時間まで何してたのですか」と周囲をキョロキョロしながら聞くと「旦那さんねえこの子に聞いたのですがちょっと体罰を与えすぎではないのですか
」その子が言うには色々な体罰を受けて来て
「最後にはうちの子じゃないから出て行けと
」と言われて
「出て来たそうじゃないですか」
これが本当なら虐待に近いものがありますよね」と一は知らなかったみたいで礼子に
「お前そんなことしていたのか」と礼子に
確認すると礼子は「ええでも其処まで酷くはないと思って勉強教える時だけ厳しくはしていましたが」
と礼子がおろおろし始めたのでお巡りさんは
「この子の言っている事は本当だな」と思っていた。ので「あんまりそんなん事をするなら逮捕も免れませんよ」
「大体こんな時間まで捜索願の連絡をしないなんて親のする事ではないじゃないですか」
と言い渡した。すると一は周囲の家を気にしながら
「この度は本当にご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませんでした」と
深々と頭を下げて感謝したのであった。
最後にお巡りさんは
「僕、今度何かで打たれたり叩かれたりしたら交番のお巡りさんに言うんだよすると直ぐにお巡りさんが駆けつける様にしておくからいいね。」と言って帰つて行きました。
一は栄二にそんな事していたなんて知らなくてごめんね。」と優しく言ってくれた。一は礼子が元教師だったので安心して任せていた事に後悔していたが皆がいない時の栄二の扱いが心配でならなかった。栄二もそれをとても恐れていた。お巡りさんまで連れてきてしまったのでこれから先どうなるのかがとても不安だった。また分からない様に仕返しが来るのではないかと。翌日は礼子が昨日はごめんなさい私も恵が生まれて少しイライラしていたのが度が過ぎてしまったのもうあんな仕打ちはしない様にするから許してねと栄二に言って来たのだった。