2:音質の良し悪しにファイル形式は関係ない
高いイヤホンはボッタクリだと証明するはずが、逆に高いイヤホンに魅了されたあの日、新たな相棒として選んだのはE◯ECOMのE◯P-CH3000。
偶然なのか必然なのか…そのイヤホンは「ハイレゾ対応イヤホン」だった。
家に帰るなり早速開封し始める。「Hi-R◯s AUDIO」のロゴが描かれた高級感溢れるパッケージ。
中に入っているのは無骨なメカっぽい感じが特徴的なカーキ色のイヤホン。
イヤホンを手に取り、iP◯dに接続し、再生ボタンを押す…
家にいながら迫力のある力強い音が鳴り響いて大興奮!
色んなイヤホンがあった中でなぜこのイヤホンを選んだのか?
それは、試聴した中で略称「も◯ゅっと」の最初の部分にある低音(?)の迫力が1番凄かったからである。
曲の最初から2フレーズ歌って間奏の後、Aメロに入るこの曲。
その2フレーズ目の終わり頃から間奏の頭にかけて流れ出すじわじわとうねりだしていく感じの効果音が超ド迫力だったのだ!
とにかくイヤホンは新品で最高だしこれで完璧!!!
…とはならなかった。
イヤホンが良くなっただけでこれだけ変わったのだ。
他も変えたらより完璧で素晴らしい音楽鑑賞の時間になるのではないか…?
まだ、聞いたことのない最強のイヤホンがあるのではないか??
そんな考えが自然と湧いてきた。
そんな思いを抱きながら平日を過ごして迎えた翌週の休日。
PCを立ち上げ、取り込んだ曲を選択し削除…
なんと、今までコツコツとT◯UTAYAでCDを借りて収集した数千曲(延べ数万円)の音楽データを一瞬にして消し去ったのだ!!!
特に気にせずCDの音源をPCに保存する時に使っていたのはmp3の128kbps。
iP◯dの前はmp3プレイヤーで聴いていた名残である。
この保存方法は元々入っているCDの中のデータ量対して、保存したデータの容量を約1/8に節約してくれる非常にありがたいものなのだが、その分情報量が減っている。
例えるなら、一人前の丸いピザを頼み1/8カットだけ食べて残りを捨てるようなものである。
これを改善することで今までの8倍クオリティがアップし、音楽鑑賞の満足度も8倍アップするはず…
こうしてPC内の既存音楽データの削除とそれに伴うCDの借り直し及び取り込み作業という一大リニューアル作業をするに至った。
これは最高の音楽鑑賞ライフのために必要な犠牲なのだ!
アルファベットのタイトルや曲名の入力に手間取り、今までより8倍(?)かかる取り込み時間を過ごし、T◯UTAYAと家の往復を続けること数日。
ある程度曲が揃ったところでiP◯dの中のデータを入れ替え、8倍ハッピーな世界への再生ボタンを押す……
・・・・・・。
あんまり、変わらない…?
良くなった…かも?
8倍ハッピーではないことだけは間違いなかった。
とにかく、この日から違いが分からないながらもわざわざ質を落とすこともないので、CD音源をそのまま保存し再生するようになったのだった。