表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

1:イヤホンの良し悪しに値段なんて関係ない

「ついにこのイヤホンもダメになってしまったか〜」

iP◯dから流れる音楽を聴きながら休日を楽しんでいたある日、ケーブルが切れて音楽が唐突に切れてしまった。


「まあ、数百円の安いイヤホンだから仕方ないな」

そこまで貧乏というわけではないが、余計なことになるべくお金は使いたくない。しかし、音楽は聴きたい。そんなこんなで確立された環境がiP◯dとV◯ctorの耳かけタイプのイヤホンでの音楽鑑賞だった。


「さて、家電量販店にでも行って買ってくるか…」

ほとんどを仕事に費やすサラリーマンにおいて電車に乗っている時や歩いている時に聴く音楽は生きるのに必要な癒しである。幸い壊れたのが休日だったので、すぐに新たなV◯ctorを求めて店へと向かった。


歩き慣れた道を家電量販店を目指して進む中、ふと頭の中にある考えが浮かんできた。

「イヤホンって高いの買う意味なんてあんのかな?音楽聴けるならなんでもええんとちゃう?」

家電量販店はそれなりの規模の店なので品揃えは豊富なはず…


「イヤホンの良し悪しに値段なんて関係ないことを証明してやろう!」

意気揚々と家電量販店を目指しているこの時、この日音楽鑑賞に対する価値観を根底から覆されることになるとは一ミリも思っていなかった…


家電量販店に着きエスカレーターでB1に下り、人生で初めてイヤホンコーナーを訪れる。

ずらりと並べられた試聴機は安いものから高いものまで様々なものがあり、自由に試聴できるようになっている。


1万円のイヤホンなんて買う人はいるのだろうか?そんなことを思いながら目についたのはra◯iusと書かれたそこそこ高級感のある赤い筐体のイヤホンだった。

値段は1万数千円。

「高い!高すぎる!!絶対ボッタクリだ!!!」


試聴機を手に取り、イヤホンを装着し、iP◯dに差し込み、再生ボタンを押し、音楽が流れ出す…


「!!!」


1万数千円の筐体から解き放たれた音が体の中を駆け巡ったその瞬間、衝撃と共に様々な思考が吹き飛ばされた。

これは一体なんなんだ!これが今まで聴いていた音楽なのか!?

力強く鳴り響く低音、心地良く流れていくメロディ。

いつも聞き慣れた音楽のはずなのに、こんなにも違うなんて…

音楽鑑賞の新たな世界に触れた瞬間だった。


時間を忘れていつも聴いている様々な曲を聴きまくった。

色々なイヤホンを試しに試した。

新たに触れた世界に興奮し、魅了され、気づいた時にはV◯ctorの安いイヤホンではなく、E◯ECOMの1万円弱のイヤホンを購入していた。


こうして、新たな音楽鑑賞ライフが始まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ