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(0) プロローグ
―――ここはどこだろう……?
「おお……! 成功しましたぞ! これで、世界が救われる……!」
「何を言っておる。まだ成功するとは限らんだろう」
赤い髪の青年は、ただ辺りを見回した。人が多くて見通せないが、森の中にいるようだ。視界がぼやけていて、周囲にどのような人物がいるのかはわかりかねたが、声から男だろうと思えた。赤毛の青年は年配の男に囲まれている。
「―――ぅあっ」
突然両腕を乱暴に掴まれる。思わず呻いたが、その拘束が緩むことはない。少し鮮明になった目は、既に高齢と言える男たちの姿を捉えたが、男たちの視線は自分を見下しているのか、あるいは見定めているのか……どちらにしても好意的な視線は皆無であった。
これからどうなってしまうのだろう。青年は必死で考えたが、まるで目覚めたばかりのように、思考は回ってくれなかった。