表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/410

第97話 カエデの試練


 転移して、屋敷に戻った僕たち。

「カエデさん、しっかりして。」

「まずいは、意識もないわよ。」

 僕は、治癒魔法と回復魔法をセットして、

「凍るのよ、治まれ!!。」

「強回復!!。」

 カエデは、治癒と回復の魔法によって、凍っていた箇所も治り、回復したように見えた。

 しかし、意識は戻らなかった。


「ライト殿。カエデ様は、大丈夫でしょうか?。」

「婆やさん、分からない。治療は、してみたけど。」

「一応、呼吸も、脈も、大丈夫そうだけど。」

「では、何故、意識が戻られないのですか?。」

「うう~ん。分からないなあ。とりあえず、部屋に連れて行って、横にさせよう。」

 僕たちは、カエデさんを、部屋に連れていき、ベッドに横にした。

 しかし、カエデの意識が、戻ることはなかった。


 side:??????

「とうとう来たね。」

「はい、もう何百年と待っておりました。」

「お前を、ここに留めておいたけど、これで安心出来るんじゃないか。」

「そうで御座いますね。」

「しかし、娘とは思いもよりませんでしたが。」

「今はそうだね。だけど、本命は次だよ。」

「では、この娘の次に来るものが。」

「来るっていうか、継ぐっていうかかな。」

「そうですか。ありがとうございます。では、わたしは、この娘に伝えれば。」

「そういうことだね。」

 ライト、順調そうじゃないか。

 僕の思った通り、君はやっぱり、......。



「ん!、ここは、.......。」

「よく来たのう。楓。」

「えっ!、ここは?。みんなは何処?。」

「ここは、彷徨さまよえるものが、来る所じゃよ。」

「じゃあ、私は、死んだんですか?。」

「いいや、まだじゃ。」

「ライトという若者が、ギリギリで救いおった。」

「ライトが、......。」

「だから、もう少しすれば、元に戻るじゃろう。」


「そう言えば、あなたは何方どなたですか?。」

「そうか、名乗っておらんじゃったのう。わしは、氷雪原玄斎じゃ。」

「玄斎、げんさい、げんさい。もしかして、氷雪源流の創始者様のですか?。」

「そうじゃ。ここで会うとは、お主も縁があるのう。これも、あの若者が影響しとるんじゃろう。楓、儂に聞きたいことが、あるんじゃろう。」

「はい、氷雪源槍術、第5の型。」

「絶対零度か?。」

「そうです。どうすれば出来るのか。」

「ふぉおっ、ふぉおっ、ふぉ。あれはな、死にそうにならんと、無理じゃ。」

「えっ、死にそうに?。」

「そうじゃ。仮死状態というかのう。絶対零度は、一度でも温度が上がれば、出来んのじゃ。だから、体を、0度以下にする必要があってのう。死にそうなぐらいになることを、耐えねばならん。」

「そ、そんな無茶な。」

「だから、今まで出来た奴が、おらんじゃろう。」

「でも、創始者様は、出来たんですよね?。」

「そうじゃ。わしは、雪山で遭難したんじゃ。」

「遭難?。」

「雪崩にあってのう。気づいたら雪に埋もれておった。そして、どんどん体が冷えて動けなくなった。だがな、儂は死なんかったんじゃ。何故か分かるか?。」

「いいえ。」

「自分の体の表面を、自分の魔力で、冷たくしたからじゃ。そして、埋もれた温度と同じになった。そして、長い時間、耐えたんじゃ。その間に、策を考えた。どうやったらここから脱出できるか。その時に、見つけたんじゃ。体の中で、更に温度を下げる方法を。」

「同じ温度?。体の中で温度を下げる?。」

「同じものが、あったとしよう。それが、まったく同じ温度だとすると、二つ足しても同じよのう。」

「はい。」

「だが、片方が、ほんの少し大きかったとしよう。どうじゃ。」

「大きい方の温度に、近くなる。」

「そうじゃ。だから、体全部を0度にするのではなく、半分と少し減らした分を冷たくする。残りは、魔力で、冷たさを通さぬようにするんじゃ。そして、体の冷たい部分を通して、温度を下げることを循環させ、絶対零度を練り上げるのじゃ。」

「そ、そんな秘密が、あったのですね。分かりました。」

「いいか、時間を掛ければ、体が弱ってくるぞ。全ての流れを、瞬間的に行うのじゃ。」

「はい。」


「あのゴーレムは、良い試練じゃろう。」

「えっ!、82階のことですか?。」

「そうじゃ。」

「いつか、儂に会いに来れる奴が現れた時の為にな、作ってもらったんじゃ。」

「それじゃあ、私が、.......。」

「そうじゃよ。楓が此処にきたのも、運命じゃろう。おう、まだ、もうすこし時間がありそうじゃ。楓、起きてみよ。」

「えっ!、起きるって?。」

 カエデは、いつの間にか、肉体があるがごとく、草原に立っていた。

「ほれっ!。」

 正面には、老人が立っており、カエデに槍を投げてきた。

 カエデは、それを受け取った。


「時間が無いからのう。楓、構えて、儂を突いてきなさい。」

「宜しいのですか?。」

「まだまだ、お主には負けんよ。」

「それでは、行かせて頂きます。」

「うおおおおおおお!!。」

 カエデは、玄斎に向かって行った。

 玄斎の胸に、槍が当たる寸前、

「キンっ!!。」

「な、何で!。」

 カエデは、玄斎の胸を見た。

「そ、それは!。硬氷壁。」

「そうじゃよ。これは、元は儂の技じゃからな。」

「ほれ、どうした。楓、まだ、終わりじゃないぞ。」

「はい!!。」

 カエデは、必死に玄斎に向かって行った。

 しかし、ことごとくが阻まれた。


 すると、

「楓、何か気づかんか?。」

「何かに気づく?。」

「そうじゃ。」

「硬氷壁は、固い絶対防御なのですか?。」

「ふぉおっ、ふぉおっ、ふぉ。絶対防御かのう。絶対防御は、無いんじゃ。」

「えっ!、では、玄斎様の硬氷壁でも、敗れると。」

「そうじゃ。まあ、見ておれ。」

 そういうと、玄斎が楓に向かって、手を翳した。

 すると、楓の胸の前に硬氷壁のプレートが出来た。

「では、行くぞ。楓。」

 今度は、玄斎が、カエデに向かって攻撃を始めた。

 カエデは、玄斎の槍をかわし、かわす。

 しかし、玄斎の槍は鋭く、カエデがかわしきれずに、胸の前の硬氷壁のプレートに、一撃を喰らった。

 すると、

「パリン!!。」

 あっけなく硬氷壁のプレートは、砕け散った。


「こ、これは、.........。」

「楓。何故、儂の一撃は、硬氷壁を砕いたか、分かるか。」

「わ、分かりません。」

「目じゃよ。」

「目?。」

「そうじゃ、目じゃ。硬氷壁はな、氷が出来るのと同じじゃ。最初に出来た部分は固くなってくるが、最後に出来た部分は硬くない。そこが目じゃ。そしてそこを突くんじゃ。」

「でも、どうやって、その目を見極めれば。」

「何度もやって、自分で見極めるしかないのう。」

「はい!。」

 それから、カエデは、時間が許す限り、玄斎と槍を交えた。

 そして、微かに、目の位置が分かり始めたころ。

「楓、そろそろ時間のようじゃ。」

「えっ!、でも、まだ。」

「あとは、自分で掴むんじゃ。それとな、絶対零度の硬氷壁は、ほぼ完ぺきじゃぞ。」

「あ、ありがとうございました。玄斎様。」

「お前の活躍を、見守っとるぞ。」

 カエデは、だんだんと意識が薄れていった。



 side:??????

「玄斎、どうだった。」

「はい、確かに、類稀な才能かと。」

「そうか。やっぱり、この時代に集まるんだなあ。」

「神よ。この時代に集まるとは?。」

「七聖。そうなんだ。彼の周りには、......。」


「神よ。お願いが御座います。」

「ん!、どうした。」

「今しばらく、留めては頂けないでしょうか。」

「ああ、楓とライト、その先も見ないと安心できないかい?。」

「はい。」

「まあ、今まで待ったんだ。直ぐに、成仏しなくてもいいいんじゃないの。」

「ありがとうございます。」

「今まで通り、見守ってやってよ。」

「はい。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ