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第96話 新たなる難関



 僕達は、転移して、家に帰ると、


「みんな、お帰り。どうだった?。」



 メイサが、帰りを待っていてくれた。


「メイサ。やったよ。81階層を、クリアしたんだ。」

「やったね。随分、時間が掛かったし、お腹減ったんじゃない。じゃあ、食事の支度するね。」

「私も、手伝いましょう。」


「婆やさんは、疲れているでしょ。今日は、私がやるわ。」

「じゃあ、すいません。お願いします。」


 しばらくすると、食事の準備が出来た。


 今日は、攻略祝いも兼ねて、ステーキだった。


「ねえ、ライト。結局、81階って、どうなってたの?。」

「やっぱり、ずっと、ゴーレムが出たよ。全部で2000体。」


「に、2000って、そんなに出るんだ。」

「うん。片側が、1000体だったからね。」


 その会話を聞いていた、他のメンバは驚いた。


 ライトって、ゴーレムを数えていたのって。

 でも、ライトにとっては、特に驚く事はない、普通の事なのであった。



 翌日。


「ねえ、みんな。次の攻略を進めるのに、一旦、試しに行きたいんだけど。」

「分かったわ。未知のフロアだから、全員で、行ってみましょう。」



 とりあえず僕達は、装備を整えて、リビングに集まった。


「よし、じゃあ、行ってみよう。」


 僕は、指輪の転移の魔法陣へ、魔力を注いだ。



 ぶわあああああん!!。




 其処は、昨日、指輪を隠した81階の奥にある休憩所の更に奥、82階へ行く為の階段入り口。


 僕達は、階段を下りて行く。


 そして、82階のフロアへ出た。


「ええ~!!、またなの?。」



 みんなが見たのは、また、81階と、同じ通路だった。


「嘘。また、同じなの?。」

「いや、ちょっと、待って。」


 僕は、フロアの先の通路をよく見た。


「いや、違うよ。ほら、壁に書かれた壁画が、青っぽいよね。」

「そうね、色が違うわね。」


「それに、数が、違うニャ。」

「数?。あっ!、ほんとだ。このフロアは、左右交互に、壁画が描かれてるね。」


 青いゴーレムって何?。


 その時、カエデさんが呟いた。


「アイスゴーレム、.........。」


「えっ、カエデさん、あの青い壁画、知ってるの?。」

「いえ、青いゴーレムって言うから。東の国の北の方に、アイスゴーレムって、氷のゴーレムが居るのよ。」


「氷って事は、やっぱり、壊すか、火で溶かすとか。」

「うん、普通はね。でも、81階の事もあるから、油断は、出来ないと思うけど。」


「よし、とりあえず、一体やってみようよ。ゴーレムも試してから、攻略出来たしね。」

「そうね。一体だけ出して、やってみましょう。」


 みんなも、試さないと、何とも言えないっていう、結論になったので、やってみる。



 僕は、フロアで一歩、踏み出してみた。



 ゴゴゴゴゴゴ!!。



 壁画がある右の壁から、石が崩れるような音が響く。

 白煙とヒンヤリした空気が漂う。


 そして、新たなゴーレムが、出没する。



「やっぱり、カエデさんの言った通り、氷のゴーレムだね。」

「そうね。」


「カエデさん、東の国に居た時に、アイスゴーレムと、戦った事あるの?。」

「いいえ、私は無いわ。聞いただけよ。」


「ライト殿、私があります。」

「婆やさん。その時と、何か、違いがありますか?。」


 婆やさんは、出現して、此方に向かって来るゴーレムを、移動しながら見ていた。


「何か、形が違うような感じですね。」


「何処が違うか、分かりますか?。」

「そうですね。部位毎に、板の様な物が、付いていると思います。」


「えっ!、板の様な物?。」

「ええ。東の国で戦った時には、81階と同じ様相をしておりましたから。」


「あっ!、本当だ。何か一枚、着いてるね。」


「ライト。一回、攻撃してみましょう。」

「そうだね。観察だけしていても、しようが無いね。」


「僕が、最初に、やってみるよ。」

「火炎放射!!。」


 僕は、火属性魔法で、アイスゴーレムに向かって、炎を噴射してみた。



 ブヲオオオオオオオオ!!。



 しばらく、炙ってみたが、


「ええ~!!。あれで、融けたの少しだけなの。」



 アイスゴーレムは、少し溶けただけで、問題なく進んでくる。


「嘘でしょ。氷なのに、火で炙っても、平気なんて。」

「じゃあ、私がやってみる。」


 次にミーサが、剣を抜き、


「電撃!!。」


 剣に、雷を纏った。


 ミーサが、アイスゴーレムに、攻撃を加えてみる。



 カキン!!。

 キン!!。

 キン!!。



「嘘でしょ。堅いわよ、此奴。ゴーレムよりも固いかも。それに、電気も通じてない。」


「次は、俺の出番ニャ。」

「ポポ。黒炎で、あいつの胸の板を、攻撃してみて。」

「分かったニャ。」


 ポポが、双剣を出して、


「黒炎ニャ!!。」



 剣に、黒炎を纏った。


 その時、ピピが、アイスゴーレムの気を逸らすため、脇から、槍で攻撃する。


 アイスゴーレムが、ピピに、注意を向けた隙に、ポポが近づき、胸の板に向かって、切り付けた。



 ザシュッ!!。


 ジュワアアアアア!!。

 パリン!!。



「胸の板が、割れたわ。」

「黒炎で、板だけなの。」



 僕は、アイスゴーレムを、鑑定してみた。



 其処には、硬氷壁こうひょうへきと言う技が、出てきた。


「此奴、硬氷壁って言う、技を使っているんだ。」


「硬氷壁って、あの周りに出来ている板の防御の事なのね。」

「そうだね。だから、固いんだよ。」



「じゃあ、次は、私がやってみる。」

「カエデさん、同じ氷だけど。」


「でも、やってみないと、何か、あるかも。」



 カエデは、アイスゴーレムと、対峙した。



「何かしら、何時もと、違う感じがする。」



 カエデは、アイスゴーレムに対して、正面から、ぶつかった。

 最初から、槍を出し、攻撃する。


「でやああああああ!!。」



 カキン!!。

 キン!!。

 キン!!。



「確かに、堅いわよ、此奴。それに、板は、傷も付かないわ。」



 カエデは、ゴーレムの至る部分を、突いてみたが、結果は、同じだった。


 その時、カエデに、不思議な声が聞こえた。



「楓、よくぞ参った。選ばれし娘よ。」

「ええっ!!。誰?!。」


「カエデさん、どうしたの?。」

「誰かが、私に、話しかけてきた。」


 カエデは、この声によって、隙が出来た。



 アイスゴーレムは、右手に、白い煙を纏わせながら、カエデを殴った。


 カエデは、かわす事が出来ずに、一撃を、喰らってしまう。

 そして、入り口近くまで、吹っ飛ばされたカエデは、意識を失った。



「カエデさん!!。」

「カエデ様。」



 みんなが、カエデに、駆け寄る。


「くそ!。とりあえず、ゴーレムを倒して帰ろう。」

「ライト、不味いわよ。カエデの体が。」


 カエデの体を見たライトは、驚く。


 ゴーレムに、攻撃された箇所が、徐々に、凍ってきていたからだ。



「ライト。ゴーレムは、放って置いて、直ぐに、帰りましょう。」

「分かった。」


 僕と、婆やさんは、カエデさんを支えて、階段まで戻った。


 そして、指輪を出して、転移の魔法陣へ、魔力を注いだ。



 ぶわあああああん!!。





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