表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/407

第9話 初めての採取とスキルの確認

 

 僕は翌朝からミーサさんとの訓練へ向かった。


 ミーサさんは基本的な構えから剣の振り方まで教えてくれた。



 そして訓練が終わると、僕はギルドへ向かった。


 丁度、朝の混雑も終わった頃だろうか。

 中に入ると、殆ど人が居なかった。



 僕は丁度、カウンターに居たカペラさんへ声を掛けた。


「カペラさん。昨日はお世話になりました。」

「あら、ライト君。まだ、ゆっくりしていた方が良かったんじゃない。今日はどうしたの?」


「何かじっとしていても、何にもならなそうなので、少し動いてみようかと思いまして。」

「そう。それがいい方向に行けばいいわね。」


「あのギルドカードって、どうなっているんでしょうか?」


「あっ、そうか。ライト君は何も無くなっちゃんだよね。じゃあ再発行しないとね。」


「再発行って出来るんですか?」

「ええ、出来るわよ。でもCランク以上は無料だけど、Dランクまでは有料よ。」


「ゆ、有料なんですか?。そうですか。」


 残念そうな顔をしたら、カペラさんが、


「今回のライト君は事故扱いだから、条件は別になるから大丈夫よ。」


「えっ、そうなんですか?」

「今直ぐ発行する?」

「はい、お願いします。何か自分が誰か、何か持ってないと不安で。」


「そう分かったわ。準備するから待ってて。」

「あっ、カペラさん。依頼ってどうやって受けるんですか?」


「ああ。あそこに掲示板が在るでしょ。通常のはあそこに張り出しているから、そこから自分のランクの一つ上までが、受注できる範囲ね。」

「分かりました。待っている間に見てみます。」



 僕は教えられた掲示板を見に行った。


 数人の人が見ていたが、余裕で確認できる範囲だ。



 どれどれ。

 どんな依頼が有るんだ。


 やっぱり、ランクが低いと、採取や、手伝いが多いな。

 Dランクからが討伐か。


 薬草の採取あたりでもやってみるかな。



 丁度、カウンターの方を見ると、カペラさんが戻って来た。


「ライト君。カードが出来たわ。じゃあこれを。無くさないでね。」


「はい、ありがとうございます。すいません。薬草の採取って受注出来ますか?」

「ええ、大丈夫よ。でも大丈夫?。昨日の今日で?」


「まあ、体は元気ですから。すいませんけど、何処でどんな草を取ればいいんですか?」

「そうだよね。ちょっと待って。」


 カペラさんがカウンターの奥に行って戻って来た。


「これはギルドが低ランクの人に貸している地図と、薬草はこれね。」

「この草を取ればいいんですね?」


「そうね。10本単位で清算だから、数はちゃんと数えてね。」


「はい。すいません。貸出って袋とか装備って有るんですか?」

「ええ。低ランク者向けならギルドから無料で貸し出すわよ。」


「じゃあ。それもお願いします。」

「その通路の奥に貸し出し窓口があるから、そこで話をしてみて。」

「カペラさん。有難う御座いました。」



 それから僕は教えられた通路の奥に行った。


 何か怖そうなおじさんが座っているけど。



「すいません。装備を借りたいんですが?」

「ギルドカードを、見せてくれ。」

「はい。」


「ライトか?」

「はい。」


「ちょっと、サイズを見るからな。」

「よし。じゃあ、これとこれだ。」


 渡されたのは皮の上下の鎧っていうか、プロテクターって感じの装備だった。


「武器は何にする?」

「誰にでも使えるのって何ですか?」

「まあ、ナイフだな。」

「じゃあ、それで。」


 ナイフを渡されたけど、これナイフか?


 両手で持てるぐらいのグリップに、刃渡り30センチを優に超えている。

 昔、アクション映画でアメリカの俳優さんが持っていたような。

 結構、重いな。


「お前何も知らんのだな。先ずはこれをな、こうやって、こうして、どうだ。」


 何か、ちょっと、様になったかも。



「じゃあ、これで。」

「おう。帰還したら、また此処に来いよ。」


「はい、分かりました。あっ、すいません。採取した物を入れる袋も貸して下さい。」


「よっと。これでどうだ。」

「はい、有難う御座います。」


 よし。

 これで準備出来たな。


 初めての依頼だ。

 出発!!



 僕は楽しみや不安を感じながら、教えてもらった草原に向かう。



 途中、実験用に手ごろな石ころを拾いながら向かった。


「この辺だな。森の手前に広がる草原って。」



 よく見ると、何人か同じように、草を取っている人がいた。


 やっぱり手ごろだから居るんだよね。



「先ずは、何本か探してみようかな。」


 街道から入った近場には、薬草は見つからなかった。



「この辺だと採ってしまったのかな。見つからないのか。成程。」



 人が既にいる方へと歩いて行く。


 直ぐ近くで採ると怒られそうなんで、もっと奥の方へ行ってみる。


 おお!!

 これは。



 早速、薬草を見つけた。

 念の為、鑑定もしてみた。



 薬草 回復薬の基になる草



 よし、これを10本と。



「おお~い、お前。この辺で初めて見るな。」


 近くで採取していた男の子が声を掛けてきた。


「御免。何か迷惑だった?」

「あ、いやいや。この辺で採っている奴って、みんな顔馴染みなんだ。久しぶりに新顔だと思って、声を掛けてみたんだ。」


「そうなんだ。僕はちょっと色々あって、簡単な事から始めてるんだ。」

「そうか。じゃあ、しばらくはこの辺に顔出しそうだな。俺はアレク。あそこに居るのが妹のクレイだ。宜しくな。」

「僕はライト。宜しく。」



「みんな名前で呼び合っているから、気にしないで名前で呼んでくれ。」

「うん、分かった。所で薬草採ったりする時に、注意する事はあるの?」


「一応この辺は安全なんだけど。たまに魔鼠が出てくるんだ。特に牙が生えた雄が凶暴だから気を付けろ。」

「ありがとう。そんな事も知らなかったよ。」


「普通、初めて此処に来る時は、先に誰かに連れて来てもらって、色々と教えてもらうもんだぜ。」


 何だろう。

 会社に入った時を思い出したよ。


 先輩に色々と教えてもらったなあ。

 先輩、元気かなあ、.....。


 あっ!

 いけない。


 思い出にふけっている場合じゃないよな。

 この世界で生きていくんだから、今を一生懸命しなくちゃ。



「アレクに声を掛けてもらってよかったよ。ありがとう。」

「じゃあ、俺は、また薬草摘みに戻るな。何かあれば声を掛けてくれよな。」

「分かった。」


 お互いに、にっこり笑って、アレクは元の場所に戻っていった。



 僕は周りを見渡し、スキルの確認が出来そうな場所を探した。


 丁度、森の方へ行った所に、草もほとんど生えていない所が見えた。

 其処には大きい岩があったので、其処まで移動してみた。



 よし。

 この岩を目印にして、確認してみようかな。



 岩の高さが、丁度、僕の肩ぐらいの高さで、横に広がった岩だった。


 その上に近くにあった大きい石を載せ、的にした。


 先ずは10mから。

 スキルに投擲を設定して、僕は袋から石を取り出し、目標の岩の上にある石に向かって投げた。



 がつっ!!



 と音がして当たった。



 次に、20m。



 がつっ!!



 これも当たった。


 次に、30m。


 ダンジョンでゴブリンに当てたよりは距離が長い。



 シュウウウ



 当たらないか。


 流石に遠いか。

 一旦、スキルレベルを確認した。


 投擲レベル2


 あれっ!!


、コピーした時は、1だったような。

 もしかしてダンジョンで、使った事で上がったのか?


 一回しか投げてないよな。


 いや、今投げるじゃん。

 それか?


  うう~ん。


 最初に確認しておけばよかったな。


 まあ、レベル2が今という事は、約20mぐらいまでは使えてるのかなあ。


 もう一度、30mでやってみた。



 シュウウウ



 当たらない。


 もう一度。



 シュウウウ



 当たらない。



 もう一度。



 がつっ!!



 当たった。


 今度はスキルレベルを確認してみた。


 投擲レベル3



 レベルが上がっていた。


 成程。

 投擲は、多分、適応性があるから、数回の練習でレベルが上がったのか。


 もしかして前世での経験があるからかもしれない。


 野球やキャッチボール、弟とやったなあ。

 今頃、.....いやいや、考えるのは止めよう。


 これだと剣術も、中学、高校での授業だったけど、6年間、週1時間はやったな。

 どれぐらい影響するんだろう。


 そんな事をやっていたら、大分、時間が経っていた。

 そろそろ帰ろう。


 僕は街まで帰り、ギルドに報告をした。

 結果、銀貨1枚だった。


 まあ、薬草10本だからね。

 孤児院まで戻った僕は食事を済ませ、自分の部屋で横になった。



 魔法の習得は確か、......。

 イメージが大切なんだったな。


 エリンさんが言っていたなあ。


「発動させずに、全身で魔力を巡回させてみて、それを増幅していくと、川のように小さい川が、どんどん流れていくにつれて、大きくなって海に流れ着くように、体を巡らせる量を増やしていく。それが慣れてくると魔力も増える。」



 先ずは簡単に、火をイメージしてみようかな。


 僕は指を立てて、その先にろうそくの炎を灯す感じで。



 んん~ん!



 何も起こらない。


 確かにイメージしても、想っているだけだからなあ。


 そうだ。

 もっと意識を集中してみよう。


 僕は学生時代にやっていた集中方法を試してみた。


 正しいかは分からいけど、自分なりに集中出来たので続けてきた。

 両手をお腹の下に当てて、真っ直ぐ前を向き、何も考えずに、ゆっくりと深く深呼吸をする。



 ふううううううううう!!



 吸った息を、大きくゆっくりと吐き出す。

 それを何度か繰り返す。


 全身に吸った空気を巡らすイメージで、深く深呼吸をする。


 廻った空気が、手に集中して戻るイメージ。



 よし!!



 目を空けて空気の流れをイメージしたと同じように、火をイメージする。


 全身を駆け巡り、最後に手に集中する。


 そして指を立てて、ろうそくのイメージで火を着ける。



 シュウウウウ!!



 で、出た!!




 ゆらっと火が出て揺れた。



 ふううううううううう!!



 もう一度、もう一度。

 僕は何回も火を着けた。



 ばたっ!!



 僕はベッドに横になった。



「つ、疲れた。久しぶりに、こんなに集中したなあ。」


 でも、こんなの毎回やっていたら、疲れちゃって魔法処じゃないよなあ。


 きっと、まだ無駄が多いんだろうなあ。

 そんな事を考えながら、その日は眠りについた。



 それから僕は1週間。


 只、只、同じように、朝はミーサさんと訓練。


 昼間は薬草採り。

 夜は魔法の練習に明け暮れた。



 主だったスキルは、

 剣技    レベル8(3)

 肉体強化  レベル7(2)

 火属性魔法 レベル6(3)

 水属性魔法 レベル8(1)

 木属性魔法 レベル8(1)

 土属性魔法 レベル5(1) 

 風属性魔法 レベル7(1)

 雷属性魔法 レベル7(1)

 回復魔法  レベル7(1)

 治癒魔法  レベル6(1)

 棒術    レベル5(1)

 魔力強化  レベル7(3)

 盾技    レベル2(1)

 統率    レベル2(1)

 穴掘り   レベル3(1)

 薬草    レベル2(1)

 調合    レベル1

 槍術    レベル1

 投擲    レベル6



 何か表示が変わってる。


()ってどういう意味なんだろう?


 何もしていないスキルは1という事か?

 剣技も、まあ毎日、訓練してるし投擲なんて6だよ。


 んん?!


()無いやつも有るし。


 元々のコピーを超えたから消えたんだな。


 元々コピーした時が、1の調合と槍術は、()無しで1なのか。


 肉体強化も(2)っていうのは、ダンジョンを抜ける時に使ったからな。


 おやっ?!


 魔力強化が(3)って何でだ。

 もしかすると火属性魔法(3)と、一緒に上がっているのか?


 でもこの短期間で、此処まで上がるってどうなんだろう。


 スキルの枠はあるから、使えば経験値として埋まっていくのかな。





当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ