第89話 魔法防御って
翌日も、みんなは、訓練を続けた。
僕は、また、新しい実験をする。
「昨日の黒炎って、相当、火力が高いんだな。」
僕は、昨日の炎を見て、黒炎って、呼ぶ事にした。
どっかで、聞いた事あるような気がするけど、それしか言いようがないんだ。
爆発とかさせる分には、いいんだけど、味方にも、影響があるとか、ちょっと、使いずらいよね。
「うう~ん、どうするんだろ。」
何か、方向とか、一部分とかって、出来ないだろうか。
何だっけ、そういえば、あの時、エリンさんが、魔法使いは、味方に影響しないように、魔法を使うんだって、言ってたよな。
っていう事は、何か、制限を付けられるって事か。
制限、制限。
僕は、手の平に、炎を出してみた。
「あれ、そういえば。」
昨日の周りの人は、熱かったけど、自分は平気って。
今もそうだ。
自分は、手の平で、炎を出しているけど、熱くない。
火炎放射の時も、そうだ。
僕は、火の出ている根元を、ジッと見た。
「ん!。何だ、浮いてる?。」
そうか、魔法を使えるって、無意識に、何か膜のような物で、自分が防御されるんじゃないんだろうか。
これを、意識的に出来れば、自分で、制限出来るんだ。
意識的に、意識的に、意識的にって、どうすれば?。
あっ!。
自分で、自分に撃ち込んだら、どうなるんだろう?。
「火球!!。」
僕は、自分で出した、手で抱えるぐらいの火の玉を、頭上に投げた。
そして、それが落ちてきて、僕に当たる。
ドオンン!!。
ブワアアアアアアア!!。
「ラ、ライト!!。何してるの?!。」
ブワアアアアアアア!!。
みんなが、慌てて、近づいて来た。
火が収まると、そこには、何も無かったかの様に、僕が立っていた。
「あれ、みんな、どうしたの?。」
「な、何って。ライトが、火達磨になって。」
「御免、御免。今、ちょっと、新しい事やってて。」
「もう、心配させないでよね。」
「御免。もうちょっと、何回かやるから、気にしないで。」
僕は、確認した。
やはりそうだ、自分の魔法では、無意識に、防御するんだ。
それから、僕は、何回も、火の玉を、自分で受けた。
そして、等々、見つけた。
火の玉が、当たる瞬間に、何か、膜のような物が、作られる所を。
「よし、これだ。今の瞬間の感覚を、忘れないように。」
それから、火の玉を投げずに、自分で、想像しながら、何度も繰り返す。
「ふっ!、よし。」
「ふっ!、よし。」
大分、出来るように。なったぞ。
誰かに、魔法を出して、欲しいなあ。
僕は、ミーサが、練習している所へ、行った。
「ミーサ。ちょっと、お願いが、あるんだけど。」
「何?、ライト。」
「僕に、魔法を、撃ってくれないかなあ。」
「ええっ!。攻撃するって事?。」
「うん。ちょっと、試したい事があって。」
「いいけど、大丈夫なの?。」
「相手を、痺れさすぐらいの攻撃で、いいんだけど。」
「分かったわ。」
僕とミーサは、向き合った。
「いくわよ。ライト。」
「いいよ。」
「電撃!!。」
ピシっ!!。
バリバリ!!。
キン!!。
「えっ!!、嘘。」
「もう一回、お願い。」
「え、ええ。」
「いくわよ。ライト。」
「いいよ。」
「電撃!!。」
ピシっ!!。
バリバリ!!。
キン!!。
「えっ!!、嘘。どうして、何とも無いの?。」
そして僕は、スキルを、確認した。
魔法防御 レベル1
やっぱり、新スキルが、生えた。
「ミーサ、ありがとう。僕の考えが、正しかったよ。新しいスキルが、生まれた。」
「あ、新しいスキルって?。」
「魔法防御!!。」
「なっ!!、どうやって?。」
「うん。また、説明するけど。どうせ、みんなにも、やって貰わないといけないし。」
「そ、そうなの?。」
その日の晩、僕は、食事が終わった後に、みんなに、魔力の操作方法を教えた。
これは、以前、エリンさんが、教えてくれた事を、僕なりに、やった方法だ。
僕は、スキルに、魔力強化と、魔力操作をセットして、メイサも含めて、全員に、順番で、手を取って、教えた。
毎晩、僕がやっている様に、頭の中で、体全身を意識しながら、魔力を流していく。
「ライト。何か本当に、全身で、魔力が流れている様な、感覚がするわ。」
「そうニャ。今まで、こんな事、した事ないニャ。」
「毎日、やっていれば、無駄に、使っている魔力が無くなって、今の最大量も、増えるって聞いたからね。」
side:ライト以外
「ねえ、ミーサ。メイサ。ライトって、昔から、あんななの?。」
「あんなって?。」
「何か、新しい事考えたり、見つけたり。」
「そうねえ。王都に来る前も、自分で色々と、確認していたみたいだけど。」
「確認って?。」
「色んなスキルを、試してたって事。」
「でも、それだけじゃ、あんなに、新しい事思いつかないわよね。それに何だろう、あの戦いの最中でも、周りの状況を、一瞬だけ見て判断して、覚えてるって。」
「あっ!!。」
それを聞いた時、ミーサと、メイサは思った。
「カエデ、貴方の一言で、ライトの凄い所が分かったわ。ライトは、スキルが使えるから、凄いんじゃない。スキルを使おうとする事と、今まで経験した事、勉強した事を忘れずに覚えていて、それを応用して新たな事を思いつく事なんだわ。」
「じゃあ、もしかして、前世の知識とかも使って、色んな事を、思いつくって。」
「そうだわ。だから、誰も真似出来ないし、想いもつかない事をやるんだわ。」
その話を聞いて、全員が納得した。
ライトは、この世界で、唯一無二の存在だと。
そう、そして、この時、全員が思った。
自分は、一生、ライトと共にいようと。
そして、何があっても信じようと。
翌日になると、練習していた課題が、出来るように、なってくる。
「今日からは、新しい事を、やって貰うからね。」
「また、一人づつやるの?」
「いいや、先に、みんなで、同じ事をやって貰らおうと思って。それはね、魔法防御。」
「魔法防御って。それってスキルが、いるんじゃ?。」
「大丈夫。この間、僕が、自分で、自分に火の玉ぶつけて、大丈夫だっただろ。あれって、魔法が使える人って、みんな、魔法防御が、出来るって事なんだ。」
「ええ!!。そんな話、聞いた事ないわよ。」
「まあ、そんなの誰も、考えなかったんだろうね。だけど、練習すれば、スキルが無くても、出来るようになるんだ。この間の僕が、試した後に、スキルを確認したら、生えてたから。」
「先ずは、自分が出来る魔法を、手の上に、出してみて。」
みんなが、それぞれ出来る魔法を、手の平の上に、出してみた。
「それって、手の平で、何か感じる?。」
「いいえ。」
「だよね。だけど、じゃあ、どうしてそれが、相手には、効果があるって、不思議じゃない。」
みんなが、
「あっ!!。」
っていう顔をした。
「今、魔法が、出ている手の平の根元を、よく見て。少し隙間が、あると思うんだ。」
「そうね。確かに、凄く薄く隙間があるわね。」
「その隙間が、魔法を、防御している壁なんだ。」
「ええ~!!。」
「だから、魔法を使える人って、潜在的に、誰でも、防御が出来る筈なんだ。」




