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第85話 ライトの最後?

 



「よし、お前らよくやった。戻って、一杯やるぞ。」


「クロードの兄貴。見ていかなくて、大丈夫ですかい?。」

「お前、あそこから、彼奴等が、帰ってこれると思ってんのか?。」

「いいえ。」


「よし、攻略の前祝だ。」


 おおおおおおお!!。


 クロード達は、階段を上がっていった。



「くそっ!!。彼奴等!!。」

「ラ、ライト。どうするのよ。」


 入り口側側からやってくるゴーレムの方が、距離がある。


 そっちを抑えるか。



「みんな、聞いて。先に進むのは、無理だ。だから、引き返す。だけど、この二体を、倒さないと挟まれる。いい、合図をしたら、入り口側の近い二体を、同じように、抑えて時間稼ぎをする。カエデさん、僕が、この二体を、火炎で熱くします。氷属性の槍で、突いて下さい。」


「分かったわ。」

「行くよ。みんな。」


「いいわよ。」

「今だ!。」


 みんなは、指示通り、抑えていたゴーレムを交わし、入り口側へ向かって、先頭の二体を、抑えた。


 僕と、カエデさんは、少し下がって、対応する。


「火炎放射!!。」



 ボワアアアアアアアア!!。



 僕は、ゴーレムを、火で炙った。


 徐々に、迫ってくるゴーレムが、炎で焼かれ、赤くなる。


「カエデさん!。今です。」

「いくわよ。うをおおおおおおお!!。」



 ドゴオオオオン!!。

 ドゴオオオオン!!。


 ガコ!!、ガコ!!。

 ボトボトボトボト!!。


 ガコ!!、ガコ!!。

 ボトボトボトボト!!。



「やったわ。」


 しかし、入り口側からは、20体以上のゴーレムが、迫っていた。


「ライト、どうするの?。抑えるのも、限界があるわよ。」


 あれをやるにしても、魔力が、何時までもつか。

 それに押されれば、また、挟まれる。


 どうする?。

 どうする?。

 どうする?。


「ピピ、ポポ。あのゴーレムを超えて、逃げれる?。」

「何ニャ!。また、仲間を見捨てて、逃げろって言うのか。そんな事出来る訳が無いニャろ!!。」


「じゃあ、誰かを、一緒に、連れて行ける?。」

「連れて?。連れてかニャ。一人ずつなら、何とかなるニャ。」


「ぼ、僕と、ミーサが残るから。カエデさんと、婆やさんを、連れて行って。」

「い、いやよ。私も残るわ。」


「ひ、姫様!。それはなりません。」

「カエデさん。僕達は、大丈夫だから。新しい攻略方法を、きっと、成功させて戻るから。だから、先に行って!!。」


「ライト、でも。」

「カエデさん、僕を信じて!!。」

「ライト。わ、分かったわ。」


「でも、そうすると。この抑えも、無くなるニャ。」

「分かってる。ミーサと、カエデさんが代わって。僕と、ミーサは、後ろ、ギリギリまで、下がるから。」


「いい。いくよ。今だ!!。」



 カエデと、ミーサが、位置を代わった。


「ピピ、ポポ。何時でもいいよ。行って!!。」

「わ、分かったニャ。ライト、必ず生きて、帰るニャ。」


「ああ、分かってるよ。」

「行くニャ!。カエデさん、婆やさん!!。」


 ピピと、ポポが、目で合図を送りあい、タイミングを、合わせた。


 その瞬間、ピピが、カエデさんを、ポポが、婆やさんを抱っこして、ゴーレムの頭を、蹴って抜けて行く。


 そして、僕と、ミーサは、ゴーレムを抑えるのを止めて、下がった。


「ふうう!。」

「ライト、また、二人になっちゃったわね。」

「そうだね。いつも、御免。」


「何、言ってるのよ。生きて帰るのよ。メイサだって、待ってる。」

「そうだね。」


 僕は、元気なく、答えた。



 でも、その時、僕は、他の事を考えていた。

 これは、僕の失敗だ。


 だから、僕が、何とかしないと。

 そうしている間にも、ゴーレムは、迫って来ていた。



「ライト、時間が。」

「分かってる。」


 僕は、その時、スキルに、怪力、雷属性魔法、魔力強化、魔力操作、肉体強化を、セットした。


「ピピ、ポポ、カエデさん、婆やさん。これ、受け取って!!。」


 その瞬間、僕は、両手で、ミーサの両手を取った。

 そして、その場で、両手を持ったまま、一回転して、ミーサを入り口に向けて投げた。


 ミーサは、宙に浮きながら、


「ライト?。」


 何が起こったのか、分からない様子で、宙に浮いていた。


「御免。残るのは、僕だけでいいんだ。後は頼んだよ。」



 どしん!!。


 ゴロゴロゴロ。



「痛ったああ!!。ラ、ライト。何するのよ。」

「御免。」


 僕は、その場に、一人で残った。


 目の前には、ゴーレムが、迫っていた。

 何か、、可笑しくなって、


「ふっ!。」


 って笑った。


 何か、この世界に来てから、こんなの多いよな。

 この時、クロードや、アルフォードの事は、何も思っていなかった。


 僕は、雷の魔法に、集中する。


 僕は出来る。

 僕は出来る。

 僕は出来る。

 僕は出来る。


「電撃!!。」



 ビリビリ!!。

 シュウウウウウ!!。



「駄目か。もう一度。電撃!!。」



 ビリビリ!!。

 シュウウウウウ!!。



「駄目か。もう一度。電撃!!。」



 ビリビリ!!。

 シュウウウウウ!!。



「ラ、ライト!。もう、時間が無いわよ。」


 そう、もうゴーレム達は、目の前だった。


「くそっ!。」


 間に合わない。


「そこに電気が走ってる。走れ、電気、走り続けろ!!。電撃!!。」



 ビリビリ!!。

 シュウウウウウ!!。



「駄目か。もう一度。」


 その時、もう先頭のゴーレムは、僕に、手の届く位置まで、来ていた。



 どごっ!。



「うわああああ!!。」


 僕は、ゴーレムに殴られ、吹っ飛ばされる。


「痛たたたたた。不味い!!。」


 僕は、一線を越えた。



 ゴゴゴゴゴゴ!!。



 石が、崩れるような音が響く。


 吹っ飛ばされた事により、左右から、数体のゴーレムが出てきた。



「ライトオオオオオオ!!。」


 ミーサが、叫ぶ。


「私が、助けに行く!!。」

「駄目よ。行かせない。」


 涙を流しながら、ミーサの前に、カエデが、立ち塞がった。


「何でよ。私なら、雷属性の魔法が使える。だから、私が。」

「駄目!。ライトが言ったの。僕を信じろって。だから信じる。私だって、助けに行きたい。」


「ライトオオオオオ!!。」


 カエデは、涙を流しながら、叫んだ。



「ミーサ、カエデさん。僕は、こんな所で負けれない。生きて、生きて帰るんだ。」


 ライトは、集中した。



 どごっ!。



 僕は、また、ゴーレムに殴られ、吹っ飛ばされる。

 だけど、直ぐに、立ち上がる。


 僕は、殴られた痛さや、恐怖も、音も聞こえないぐらい、集中した。



 バチバチっ!!。

 バチバチっ!!!。



 ライトの両手から、床に向かって、電気が走る。

 更に、殴られて飛ばされた為、



 ゴゴゴゴゴゴ!!。



 石が崩れるような音が、響く。

 更に、ゴーレムが出てきた。



 その時、ライトが、目を見開いた。

 入り口の方向へ、雷魔法を放つ。


「電撃!!。」


 ライトは、左の壁と、通路の中心との中間に、電撃を放つ。



 ビリビリ!!。

 ジイイイイイイイ!!。



「出来た!!。もう一度。電撃!!。」


 今度は、右の壁と。通路の中心との中間に、電撃を放つ。



 ビリビリ!!。

 ジイイイイイイイ!!。



「出来た!!。」


 これで、僕の理論が正しければ、ゴーレムが、倒せる筈。


「頼む!!。」


 僕に、これ以上は、何も出来ない。


 ライトの周りには、前方から迫ってきたゴーレムが溢れ、前が詰まった事により、壁際を進んでしまったゴーレムと、出てきたゴーレムで、溢れかえっていた。


 もう、ライトの周りには、隙間すら無くなっていた。


 僕は、残りの魔力を使って、出口方向にも、同じように、


「電撃!!。電撃!!。」


 それぞれ二本づつの電撃を、撃った。



 入り口と、出口の方向に、広がる電撃の二本線。


「頼む!!。」


 しかし、無数のゴーレムは、前後左右から、僕に迫ってくる。

 もう、逃げ場は、無かった。


 遠くに見えるライトの姿が、ゴーレムの陰に消える。


「ライトオオオオオ!!。」


 ミーサも、カエデも、涙を流しながら、叫んだ。


 ピピと、ポポは、顔を背け、ライトを、見ていられなかった。

 また、自分達は、生き残り、自分を助けたライトが、死んだと思った。



 だが、その時、婆やだけが、ライトを見ていた。

 婆やは、気づいた。


「ひ、姫様!。ゴ、ゴーレムが、......。」

「ゴーレム?。」


 カエデは、婆やが、何を言っているのか、分からなかった。

 そしてカエデも、涙で潤んだ瞳で、通路を見た!!。


「えっ!。ゴーレムの動きが、遅くなっている?。」


 ライトの近くのゴーレムは、動きを止めているものもいた。


「ミ、ミーサ!!。見て、ゴーレムが。」


 ミーサも、涙を流しながら、通路を見た。


「ゴーレムが、止まり始めた?。」


 そして、ライトに近いゴーレムから、



 ガタ!、ガタ!、ガタ!!。

 ブルっ、ブルっ、ブル!!。


 ガタン!!。

 ゴロゴロ!!。


 ガタン!!。

 ゴロゴロ!!。



 一体、また一体と、ゴーレムが、崩れていく。


「やった、やった。ライト。やったよ。ゴーレムが。」

「ライト?!。ライトオオオオオ!!。」



 ゴトっ、ゴトッ!!。

 ガラガラ!!。



 ライトが、居た筈の場所に、ゴーレムの破片の山が、出来上がった。

 ミーサや、カエデが叫んでも、何の反応もなかった。



「ラ・イ・ト?!。何処!!。」


 みんなは、瓦礫の山を見ながら、呆然としていた。


 すると、瓦礫の山と化したゴーレムが、微かに動く。

 瓦礫の山から、手が出て、頭が出て、ライトが出てきた。


「ふうううううう、危なかった。痛てててててて、はあ~。殴られたなあ。」



 ライトは、バッグから、魔力回復を取り出し、飲んだ。


「ふうう!!。上回復!!。」


 ライトは、一瞬、光に包まれ、回復した。

 その様子を、二人は、茫然と見ていた。


「ライト、ライトが、生きてた!!。」


 ミーサと、カエデは、へたり込みながらも、抱き合った。



「さて、どうやって、戻ろうかな。時間が掛かったから、ゴーレム復活してるんだよなあ。」




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