第82話 初めてのゴーレム討伐
翌日、特に、やる事も無く、暇を持て余していた。
お昼ぐらいになって、集合が掛かる。
クロードの仲間と僕達、そして先行して来ていたのか、屈強そうな男達が10人。
セバスさんが、挨拶をする。
「ええ~、皆さん。明日には、後発部隊が到着します。実際に、攻略を再開するのは、明後日になります。」
「随分、ゆっくりな攻略ね。」
「もう此処まで来て、焦っても、仕方ないと思ってるんじゃない。他のパーティーとかは、噂を聞いて、クイーンに替えたって、話もあるし。」
「まあ、あのゴーレムの話を聞いちゃあね。」
ミーサと、カエデが、そんな話をしていた。
次に、クロードが挨拶をする。
「いいか、お前ら。明後日からが、勝負だ。必ず、この階層をクリアして、キングを攻略するぞ。」
ニヤ!。
また、僕を見て笑った。
「そうそう、明後日まで、時間がある。休んでもいいが、もし、もしだが、ゴーレムを確認したい奴がいたら、自分の責任で、81階に行って、ゴーレム討伐の確認の機会をやる。精々、頑張れ。」
ニヤ!。
また、僕を見て笑った。
なんなんだ、あのクロードの笑いは。
「ライト。彼奴、貴方を見て、笑ったんじゃないの?。」
ミーサも、カエデも気づいた。
何だ、何があるんだ。
僕は、そんな疑心暗鬼もあり、悶々としていた。
そして、僕達はテントに戻った。
「81階で、ゴーレムの確認て、彼奴、私達に言ってるよね。あれ。」
「そうだね。何で、昨日の話を、知っているんだろう。」
「このテントで、話している時には、周りには、誰もいなかったニャ。」
そうなんだよな。
もし、誰かが近くで潜んでいたら、優秀な斥候である、ピピとポポが、気づいた筈。
屋敷での話を、聞かれたのか。
アルフォードを、探りたかった話をした翌日には、僕達は、此処に来させられた。
何故だ?。
幾つかの疑問の答えも分からないまま、ゴーレムの攻略方法も、見つからない状態。
「まあ、気にしていても埒があかないから、ゴーレムに、行ってみようよ。」
「そうね。私も、ピピとポポの話だけだと、どれぐらいのゴーレムなのか分からないし、行ってみるのがいいと思う。」
「わたしも賛成。」
「ライト。81階で試すって、どうするの?。」
「そうだなあ、有効な手段を確認したいから。ミーサと、カエデさん、婆やさんは、武器で。僕は魔法かな。ピピとポポは、邪魔が入らないように見張ってて。」
「分かったニャ。」
「後、控えている人は、ゴーレムの出現範囲を、超えないかも、見ていて欲しいなあ。」
「分かったニャ。」
それから僕達は、81階へ向かった。
「兄貴。彼奴等、81階へ、行くみたいですぜ。」
「やっぱり、動いたか。まあ、そんな事したって、無駄なんだよ。此処はなあ、力なんだよ。力で進むしかないんだよ。やっぱり、Eランクだぜ。セバスの旦那。ゴーレムを試させるって、本当に大丈夫なんですか?。」
「クロード、特命を受けたんだ。失敗は、許されないぞ。ライト達が、どんな手を持っているか、事前に、知っておいた方が、此方も何か考えられるんじゃないのか?。」
「まあ、そりゃそうですが。」
「じゃあ、問題ないだろう。」
ライトさん、私が出来るのは、此処までです。
幸運を。
「おい、何をするか、こっそり見てこい。」
「へい、兄貴!。」
僕達は、81階への階段を下りた。
誰もいないフロア。
ピピが、そっと言った。
「ライト、誰か見てるニャ。」
「分かってる。そっと、しておこう。」
「いいのかニャ。」
「まだ、試しだからね。」
「ポポ、この石畳を超えると、駄目なの?。」
「そうニャ、ここからが境界線ニャ。」
「じゃあ、この中心の線が、左右の境界?。」
「多分、そうニャ。そこまで確認してないニャ。」
僕は、じっくりと、周りを見渡す。
見渡したが、他に、何か気になる所は無かった。
「やっぱり、単純に一線を越えると、ゴーレムが出るんだろうね。他に変わった所も無さそうだし。じゃあ、一回、ゴーレムいってみようか。」
ミーサは剣を、カエデさんと、婆やさんは、槍を出した。
「じゃあ、行ってみるね。」
僕は、通路の中心より右側で、一歩踏み出した。
ゴゴゴゴゴゴ!!。
石が崩れるような音が響く。
砂煙が舞い、右の壁から、ゴーレムが現れた。
「此奴がゴーレム。ミーサ、此奴って大きいの?。」
「ええ。ピピと、ポポが言ってた通り、一回り、いえ、二回りは、大きいわね。」
「動きはどう。」
「余、代わらないんじゃない。鈍そうだし。」
ゴーレムは、ゆっくりと、此方に向かって来る。
僕は、まず、水属性を試してみる。
「水球!!。」
バスケットボールぐらいの大きさで、水の球が現れて、ゴーレムに向かって飛んだ。
どおおん!!。
ザッ、バアアアア!!。
ゴーレムは、当たった衝撃で、動きが一瞬止まったが、直ぐに、また、動き出した。
「水は、余り効果が無いと。」
「次は、私がやるわ。」
「ふん!!」
キン!!。
キン!!。
キン!!。
「全く駄目ね。」
「暴風!!。」
ブヲオオオオオオ!!。
ゴーレムは、動きが一瞬止まったが、また、直ぐに動き出した。
「はい、風も、効果が無いと。じゃあ、此奴はどうかな。木よ。生えろ!。」
ゴーレムの胸と、足から、木が生えた。
「おっ!。動きが止まった。」
だが、少しするとゴーレムは、胸の木を引っこ抜き、此方へ投げてきた。
足から生えた木も、引っこ抜き、こちらへ投げてきた。
木が抜けた跡に、若干の、削れた跡は残るが、ダメージは、殆ど無かった。
そして、また、ゴーレムが動き出した。
「うう~ん。これが一番効果があると、思ったんだけど。駄目か。もう一丁、火球!!。」
バスケットボールぐらいの大きさで、火の球が現れて、ゴーレムに向かって飛んだ。
どおおん!!。
ボワアアアアアア!!。
「まあ、何とも無いか。」
ゴーレムの胸の辺りが、赤くなっていた。
「次は、私が。」
カエデさんと、婆やさんが、槍を構える。
そして、二人同時に、突く。
「キエエエエエエエ!!。」
ギイイイイイイン!!。
ギイイイイイイン!!。
ガコッ!!。
ボトッ!。
「えっ!、壊れた?。」
何で?。
ゴーレムは、胸の辺りに、ぽっかりと、丸く欠けていた。
その後、僕は、雷、氷の魔法を使ったが、効果は無かった。
「ライト、どうするの?。」
「仕方ないから、後片づけは、みんなでタコ殴りかな!!。」
「ええ~!、そうなるの。」
「仕方ないだろ。今の所、それしか無いんだから。」
「ピピ、ポポも手伝って。」
「分かったニャ。」
僕は、みんなの周りを、すっと回って、分からないように耳打ちした。
「大げさに、駄目そうにして。」
みんなが、
「えっ!。」
て顔をしたけど。
「ホント、何て、堅さなのよ。」
「こんなの一匹でも、無理だわ。」
「やっぱり駄目ニャ。」
「おっ!。居なくなったな。」
「ライト、どう言う事?。」
「いや、多分、クロードの子分が見てたからさ。大げさに駄目そうにしたら、明後日、彼奴等が、何か仕掛けてきても、直ぐに、成功したって思うだろ。」
「じゃあ、此奴どうするの?。」
「カエデさん。さっきの槍、氷属性が、入ってましたよね、」
「ええ。私の槍は、元々、属性持ちだから。」
「じゃあ、もう一度。合図したら、今度は、氷属性の効果を上げて、やってもらえますか?。」
「ええ、いいわよ。」
ライトは、
「火炎放射!!。」
ボワアアアアアアアア!!。
ゴーレムを、火で炙った。
「そろそろ、いいかなあ。カエデさん」
「いくわよ。うをおおおおおおお!!。」
ドゴオオオオン!!。
ガコ!!。
ガコ!!。
ボトボトボトボト!!。
「やった!。」




