第81話 クロード再び
「なっ!、なんでお前が、ここに。」
「ライトオオオオオオオ!。お前のせいで俺はな。俺は、犯罪奴隷になったんだ。ぶっ殺す!!。」
あのう。
元々、あなた達が悪い事を、長い間してきていましたよね。
それで捕まったのに、逆恨みもいいとこですね。
ホント脳筋。
はあ~あ。
「おい、クロード。お前の事情は知らないが、アルフォード様から、これを預かってきているからな。」
セバスさんが、クロードに手紙を渡す。
クロードは、渋々、手紙に目を通すと。
「ふっ!。」
一瞬、笑った?。
ライトには、そう見えた。
「ちいっ!!、仕方ねえ。今は勘弁してやる。ダンジョン攻略が先だ。行くぞ!!。」
クロードは、そう言って、安全地帯の奥に設置された、大型テントへ引っ込んだ。
「兄貴、どうしたんですか。急に。」
「これを、読んでみろ。」
「これって、さっき貰ったアルフォード様からの手紙じゃないですか。いいんですかい。何々、スパイ、....81階のゴーレムで、.....。」
「どうだ。どの道、あいつはお終いよ。」
「あの小僧、アルフォード様まで。馬鹿に漬ける薬は、無いってことですねえ。」
「ああ。調子に乗りやがって。小僧。三日後が楽しみだぜ。」
「でも、兄貴、あのミーサとかいう女と、カエデって奴は、いい女じゃないですか。勿体ないですぜえ。」
「ああ。分かってる。81階で閉じ込めたらな、死ぬか俺の女になるか取引だ。向こうから命乞いを、始めるかもしれねえぞ。」
「ミーサ様達は、81階は、初めてでいらっしゃいますから、一度、ご覧になってみますか?。」
「ええ、お願いします。」
僕達は、セバスさんに連れられて、奥にある階段を下りた。
「こちらが、81階になります。」
「これが、81階。」
そこには、先が見えない程、長く奥まで続いた通路があった。
そして、
「両脇の壁にあるのが、壁画です。」
確かに、両脇には、人の形なのか土偶なのか、壁画が描かれていた。
それに、左右両脇に描かれた壁画も、先が見えない奥まで、ずっと続いていた。
「では、私はこれから打ち合わせがありますので、戻りましょうか。」
「はい、セバスさん。ありがとうございます。」
僕達は、80階にある安全地帯に戻り、テントに案内された。
セバスさんは、本部がある奥の大きいテントに消えていった。
「ピピ、ポポ。あれが81階なのね。81階ってゴーレムなんでしょ?。」
「カエデは、詳しく知らないかもしれないけど、今も最新攻略地点で、それ以上は、進んでいないのよ。」
「じゃあ、進めばいいんじゃ。」
「それがそうもいかないのよ。ピピ、ポポ、説明してやって。」
「さっき見たニャ。階段を下りた先にあった両脇の壁に描かれた壁画ニャ。」
「ええ、確かに絵があったわね。何か人形っていうか、人っていうか、絵がずっと書いてあったけど。」
「そうニャ。あれが、ゴーレムニャ。」
「ゴーレムって、石や岩で出来てるあれでしょ。話には聞いていたけど、フロアにいないのね。あの壁画がゴーレムなの?。」
「そうニャ、最初はいないニャ。通路に足を踏み入れると、壁から、あいつが出て来るニャ。」
「えっ!!。あ、あれが。でも、ずっと、奥まであったけど。」
「そうニャ、踏み込む度に、両脇から出て来るニャ。」
「嘘でしょ。だって見える範囲でも、奥までずっとあるわよ。」
「そうニャ。あれ全部ニャ。」
カエデは、茫然とした。
あの壁一面のゴーレムが、出て来るなど信じられなかった。
「でも、ピピとポポって、何で、ゴーレムが壁から出てくるって知ってるの?。」
「ピピとポポは、一度、ここまで来て、挑んでるんだ。ゴーレムに全滅させられたパーティーの生き残りだよ。」
「そうだったの。ピピ、ポポ、ごめんなさい。」
「いいニャあ。今度こそ、攻略してやるニャ。」
「ピピ、ポポ。もう一度、確認するけど、ゴーレムって、ハンマーか何かで、壊すんじゃないの?。」
「普通ならそうニャ。だけど、此処のゴーレムは、ちょっと違うニャ。」
「違う?。大きいとか硬いって言ってたやつね。普通じゃないんでしょ。」
「まず大きさニャ。今まで見た事のあるやつの一回り、二回りデカいニャ。それに堅いニャ。」
「やっぱり、堅いって、どういう事かしら。」
「分からないニャ。普通はハンマーで叩いたら、ヒビなり、砕けるニャ。だけど、此処の奴は、なんともないニャ。頑丈ニャ。」
岩や、岩石で出来てるって言ってた筈だけど、固いって何だろう。
石の密度が高いのか?。
全体がデカいから、衝撃が伝わりにくいのか。
「ライト。何か攻略、思いつかないの?。」
「んん~ん、やっぱり、見てないからなあ。何とも言えないよ。大きいって言うのは、想像出来るけど、固いって言うのが分からない。どこかに欠片の一部でも、残っていればいいんだけど。」
「それは、無理ニャ。倒しても魔石ぐらいしか、得るものがニャイから放ってくるニャ。だから時間が経つと、みんな消えてしまうニャ。何も、残ってないニャ。」
「そうか。やっぱり、一回試しに戦いたいなあ。」
「試しって言ったって、踏み込んだら、出てきちゃうんでしょ。」
「大丈夫ニャ。踏み込んでも、次の壁画の範囲まで、踏み込まなければ、次は出てこないニャ。」
「じゃあ、ゆっくりと、順番に倒せばいいんじゃないの?。」
「それも駄目ニャ。一度、倒しても、しばらくすると、壁画の絵が、復活するニャ。」
「ふ、復活って。じゃあ、下手に進んでしまったら、時間が経ったら、挟まれちゃうって事?。」
「そうニャ。だから、行くなら最後まで倒して行くか、通った所を倒し続けるしかないニャ。」
「そんなの無理じゃない。体力がいくらあっても。それにあの壁、先が見えてなかったでしょ。」
「そうニャ。だから精神的にも、堪えるニャ。」
改めて話を聞いても、ほぼ、無理ゲーじゃないかと思った。
じゃあ、何で、こんな階層を作ったんだ。
人間には、クリア出来ない階層何て、在っても意味がない。
この階層で、何をさせたいんだろう。
そんな疑問を想う、ライトであった。
その日は、何も無く、配給された食事を済ませ、休む事にした。
僕は、寝静まった頃、起きてトイレに行った。
その帰りに、81階に降りてみた。
「あの壁画が、全部ゴーレムか。」
僕は、ズボンのポケットから、指輪を取り出した。
その指輪は、まだ台座に、何も細工をしていないものだった。
「よし、今日の分も作っておこう。」
僕は、昨日までの手順通りに、指輪を作った。
「これで、3個目か。」
そして、僕は、昨日作った物を、階段入り口の右側に、さっき作ったものを、左側に置いた。
「頼むぞ。上手くいってくれ。」
僕は、最初に作った指輪を握り、階段の右側を意識して、魔力を注いだ。
ブワアアアアアアん!!。
ちょっと、浮遊感があったけど、すぐに治まった。
そして、ゆっくりと目を開ける。
「よし、通路の右側だ。」
今度は、持っていた指輪をポケットにしまい、置いていた指輪を拾って、階段の左側を意識して、魔力を注いだ。
ブワアアアアアアん!!。
ちょっと、浮遊感があり、すぐに治まった。
そして、ゆっくりと目を開ける。
「よし、通路の左側だ。」
これで、転移の確認も出来た。
後は、ゴーレムか。
僕は、階段を上がって、自分たちのテントに戻った。




