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第80話 セバスの葛藤とダンジョンへ



 翌朝、僕たちは朝食に出かけると、食堂にセバスさんがいた。



「セバスさん、おはようございます。昨日の怪我は、大丈夫ですか?。」

「ライト様。ええ、かすり傷ですから、心配はいりませんよ。」


「夜、姿を見なかったので、心配してたんですけど。」

「心配させて申し訳ございません。お気になさらずに。事故ですから。」


 そして、その日は、特に何もなく過ぎていった。



 それから、出発を翌日に控えた日。


 僕たちは、何事もなく過ごしていた。

 昨日の夜にも、指輪は一個出来ていた。


 指輪同士での、転移の確認をしないといけない。


「そういえば。この間、訓練を見かけた時に、今日が最終確認だと言っていたよな。」


 僕は、どんな攻略を行うのか気になって、見に行くことにした。


 場所は、宿舎から出て、母屋のちょうど反対側。

 僕は、訓練をやっているであろう場所へ行ってみた。


「その角を曲がれば、やっているはずなんだけど。」

「あれ?、誰もいない。おかしいなあ、あの時、セバスさんが言っていたんだけど。」



 ライトが庭に現れたのを、母屋の窓からアルフォードとセバスが見ていた。


「アルフォード様、やっぱり、参りましたね。」

「そうだろう。自分達が、何をさせられるか、気になっているんだろう。」


「しかし、先日の訓練の際に、現れたことをご報告を致しましたが、まさか日程を変えられるとは、流石で御座いますね。」

「まだ、考え出した攻略は、誰にも知られるわけにはいかんからな。」


「でも、彼らは本当に、こちらのことを探りに来たのでしょうか?。」

「ああ、それは間違いない。フォルスタッドの所にいる奴からの情報だからな。」


「では、予定通り、明日、ダンジョンへは出発ですが、如何いたしましょうか?。」


「そうだな。家族もいないあいつらに、いつもの手は使えない。ピピとポポが、金貨2500とかほざいていたが、金では動かんだろう。名誉か。これも時間が掛かれば、無駄だろう。」


「では?。」

「ああ、明日、ダンジョンへ行ったら、これを奴に渡してくれ。」


「これは?。」

「私からの特命だ。」


「特命でございますか?。」

「フォルスタッドの息のかかった奴らなど、虫けら同然よ。後で邪魔になっても困るんでな。逆に、こちらが利用してやるわ。」


「分かりました。明日、ダンジョンへ行きましたら、これを渡してまいります。」


「ああ、頼んだ。今晩が最後だ。何か集まって話をするかもしれん。何時ものように頼むぞ。」

「はい、畏まりました。」



 side:セバス


 ライトさん、あなたも、やはり無理なのでしょうか?。


 アルフォード様から、あなた達のことを初めて聞いた時には、また、可哀そうにと思いましたが、あのフォルスタッド様が、認められたということを聞き、もしかしたらと期待しておったのですが、残念です。


 始めてお会いした時も、何か不思議な縁を感じておりました。

 そして、先日の事故の際も、今まで誰にも見られたことのない痣を、あなたは、もしかしたら、気づかれたかもしれません。


 その時も、何かの運命かもしれないと思ったのですが、ダンジョンへ行けば、きっとあなた達も、......。

 あのフロア以降の攻略は、無謀でございます。


 元冒険者であった私でさえ、どうすればと思うようなフロアなのです。

 どんな屈強な男を揃えようとも、最高の魔法使いを揃えようとも、無理としか。


 でも、ライトさんならと、思える不思議な感覚があったのですが、やはり無理なのでしょうか。

 アルフォード侯爵を、止められるのはではと、今までそう思えたのはあなただけです。


 私に出来ることがあればいいのですが、.........。

 あなたのご武運を、願っております。


 だけど、今回も私の願いは叶えられそうにありません。




 翌日には、ダンジョンへ潜るため、夜に僕の部屋に集まっていた。


「ライト、明日にはダンジョンだけど、どうするの?。」

「向こうの攻略方法の最終確認が、今日ある予定だったんでけど、見に行ったら、やって無かったんだよね。」


「そういえば、昨日の夜にあの男たちが、何かが無事に終わったとかで、遅くまで酒盛りをしていたニャ。」

「えっ!、それってもしかしたら。今日じゃなくて、昨日、最終確認をやったってことじゃないかなあ。」


「そういえば、あいつら。今日は、一切、出歩いていなかったわ。」

「僕たちには、一切、知らせないで、潜らせる気なんだね。」


「ライト。ゴーレムの攻略って、何か思いついたの?。」

「いや、まだなんだ。大きくて硬いって、話は分かるんだけど、それがどれぐらいかを、自分で確かめないと、分からないと思っているんだ。」


「じゃあ、潜ってみてからになるのね。」

「うん。できれば、一回、戦ってみたいんだけど。」


「それが、許されるかは、分からないニャ。」

「ここに来てから、何か分かるかもって思って、いろいろ見て回ってけど、侯爵についても何も分からないね。やっぱり屋敷の中に入らないと。」



「でも、潜入は無理ニャ。」


「ピピ、何か知ってるの?。」

「前にいた時に、潜入騒ぎがあったニャ。」


「潜入騒ぎ?。」

「そうニャ。誰かが潜入しようとしたらしいニャ。」


「誰かって?。」

「夜中に騒いでいたしか、分からニャいニャ。でも、次の日、たまたま耳にしたニャ。外部から来た奴が、窓から潜入しようとして入ったけど、直ぐに見つかったって。こんな所に来る奴ニャ。スキルを持っている奴ニャ。それが、直ぐに見つかるニャんて、何か仕掛けがあるニャ。」


「そうか、ピピは、隠密と斥候スキル持ちだから、仕掛けには敏感なんだね。母屋では、何も感じないの?。」

「そうニャ。分からないニャ。何か特別の仕掛けがあるニャ。」


「まあ、今更、動いても仕方ないよ。今は、ダンジョンに集中しよう。とりあえず、ゴーレムを、どうするか。」


 そんな話をしてみたが、今の段階では、何も進展はなかった。



「アルフォード様。」


「何か分かったか?。」

「はい、先ほど集まって相談しておりました。やはり何かを探りたかったようですが、見つからずに、ダンジョンに専念するようです。」


「そうか。何か攻略方法は、言っていたか?。」

「いえ、それもまだのようです。」


「いきなり、あのゴーレムでは、間違いなく終わりだな。」

「そうで御座いますね。」


「おお、そうだ。明日、手紙を渡したら、こう伝えておいてくれ。もし、女が、命乞いをして慰み者になったら、始末せずに、こちらに送り返せと。あの二人なら、高く買い取る奴も、おるだろうからな。ハハハハハハハハハ!。」


「畏まりました。」



 そして翌日。


「それでは、ミーサ様達は、午後にここを出て、ダンジョンへ行って頂きます。」


「他の人たちは?。」

「はい、他の攻略部隊は人数が多いので、別に移動いたします。本日は、ミーサ様達だけで御座います。」


「セバスさん。じゃあ、まだ、潜っても直ぐに攻略は、始まらないんですか?。」

「ええ、何組かに分かれて、ダンジョンに入り、物資も運び込みますから、数日の後となります。」



 僕たちは、昼食を済ませ、セバスさんと、ダンジョンの入り口まで来た。


 セバスさんは、管理している兵士に挨拶をして、50階層向けの転移の扉の隣に行き、壁をいじった。


 そうすると、今まで壁であった場所が上に、


 ガガガガガガガガア!!。


 と音を立てて、摺り上がると転移用の魔法陣が現れた。



「セバスさん、こんな所に、転移があったんですね。」

「ええ、これが見つかるまでは、只の壁だと思われていましたから。」


「そうえば、更に、この隣の扉は何ですか?。」

「ああ、開かずの扉ですね。」


「開かずって?。」

「ライト、そこは何の扉なのか分かっていなのよ。」


「えっ!、そうなの。」

「そう、だから、誰も何なのか知らないの。」


「ライト様。噂では、最下層を攻略すると、開くのではという、昔からの話があるんですよ。」

「へえ、そうなんですね。」


「では、80階に転移いたします。」



 そう言うと、セバスさんが、奥の壁にあるダイヤルのような数字をいじった。


「セバスさん、それが暗号何ですか?。」

「ええ、下から転移する際に、壁に描かれた数字を覚えて来て、次に、下に戻る際に、同じ数字を設定すると、転移が出来ます。」


「それって、一回だけですか?。」

「いえ、下から誰も戻らなければ、下の数字は変わらないので、上からは、何度でも行けるんです。」


「それでは、参ります。」


 セバスさんが、魔力を込める。

 そして、扉が閉まっていく。



 ブワアアアアアアん!!。



 何かか、ちょっと、浮遊感があったけど、すぐに治まった。



「ここが、80階なんですか?。」

「ええ。ここは、転移の部屋を出ると、安全地帯になっていて、その奥に81階層への階段があります。」


 そして僕たちは、セバスさんと一緒に、安全地帯の奥に進んでいく。


 そこには、幾つものテントが準備されていて、一番奥に、巨大なテントがあった。


「こちらが、本部のテントになります。」


 僕達は、セバスさんと一緒に、テントに近づくと、中から人が出てきた。

 そこには、僕が、顔を知っている奴がいた。



「な!、何で、お前が、此処に!!。」




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