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第78話 転移と攻略部隊



 今晩が最後のチャンスだ。


 実験を完了させないと、攻略への課題が解決しない。

 僕は、夕飯を食べ終わると部屋に籠った。



 前回と同じように、スキルをセットし、目の前に1本の魔力回復薬を置く。


 今日、手に入れた指輪を一個取り出し、もう一度、確認する。



「よし、この角度で、裏を見ればいけそうだ。」


 僕は、ウィンドウを開いて、転移の魔法陣をクリックする。

 ウインドウいっぱいに、描かれる魔法陣。


 左手で指輪を持ち、少し離してかざしながら、ウィンドウをサイズ調整をする。


 丁度、指輪の台座の裏に、魔法陣が描かれるように、左手で持った指輪とウィンドウを、動かして調整する。



「よし、もう少し。これで。」


 ピシャッ!。



 僕は、クリックした。


 ガアン!。

 グワン!。

 グワン!。



「また、キタッ!。」


 僕は急いで、目の前にあった魔力回復を飲んだ。



「はあ、はあ、はあ。」


 本当に、ギリギリなんだなあ。


 少しでも薬を飲むのが遅れたら、また、意識を失うかもしれない。

 僕は、指輪を確認した。


「よしっ!、書かれてるぞ。魔法陣。」


 そして鑑定をしてみる。


 転移の魔法陣:ライト 

 時空魔法(魔力固定、空間操作、転移) レベル9



 昨日作った羊皮紙と同じだ。

 これで対になるはずだ。



 僕は、地下にある訓練場へ行った。


 中央まで歩いていき、羊皮紙を置く。


「頼むぞ、これが出来ないと、みんなの、........。」


 僕は、指輪をぎゅっと握った。



 そして、中央から離れていく。


 壁際まで来た僕は、上を見上げ、ため息を吐いた。


 ふううううう!。



 僕は、中央に置かれた羊皮紙を見る。

 そして、握っていた指輪の、台座の裏に描かれた魔法陣を見る。


「頼んだよ。」


 そして僕は、目を閉じて、指輪の魔法陣へ魔力を注いだ。



 ブワアアアアアアん!!。



 50階層と同じ浮遊感があったけど、すぐに治まった。


 僕は、ゆっくりと目を開けた。

 そして、足元を見た。


 そこには、羊皮紙があった。


 僕は、周りをキョロキョロ見渡す。



「間違いない、部屋の中央だ。やったぞ、やった!。」


 そうだ、体を触ってみる。


 異常はないだろうか。

 頭、顔、手、両肩、腕、体、足、問題ない。


「やったんだ!。」


 なんか、嬉しさと安心したことで、ドっと疲れが出た。


「さあ、部屋に帰って寝よう。」



 翌朝、僕は朝食の前に、リビングにあった植木に、昨日の羊皮紙を巻いていた。


「これで、何かあっても、この指輪さえあれば、戻れる。」


「ライト、ご飯できたわよ。植木なんか何しているの?。」

「あ、いや、何でもない。この植木も、しばらく見れなくなるんだなあって。」


「あっ、そう。変なライト。」


 そして、みんなが起きてきた。


「朝食を食べて、しばらくしたら出発しよう。」

「了解!!。」



 僕たちは、家を出て、アルフォードの屋敷に向かった。



 結局、みんな、いつもと変わらぬ格好に、荷物だった。

 なんかそれが、妙に可笑しかった。


 アルフォードの屋敷に着くと、セバスさんが出迎えてくれた。


「ようこそ、いらっしゃいました。ミーサ様、カエデ様、トメ様、ピピ、ポポ、ライト様。では、ご案内いたします。」


 セバスさんに付いて屋敷の中に入り、この間、来た時に見た、宿舎の一棟へ案内された。



「ささ、こちらがご用意させていただいた、お部屋になります。」


 そこは、二人部屋で、前の世界でいうツインルームと同じだった。


「部屋割りは、皆さまでお決めください。」

「分かりました。」


「セバスさん、これからの予定とかって、何かありますか?。」

「三日後に、81階層へ行っていただきます。」


「三日後ですか?。」

「はい、80階層の休憩所に、拠点を設けて御座いますので、攻略部隊と合流して頂きます。」


「じゃあ、それから直ぐに攻略が、始まるんですか?。」

「今はそれしか、申し上げられません。詳しい話は、ダンジョンへ行ってからになりますので。」

「分かりました。」


「それまでは、ご自由にお過ごしください。食堂は、母屋に御座いますから、いつでもお食事ができます。最初に申しました通り、敷地外への外出は、出来ませんので、お守りください。」


「セバスさん、敷地の中は見て回っても、いいんですか?。」

「ええ、構いませんよ。ただし、母屋は、侯爵様の私的な空間ですので、ご遠慮ください。」

「分かりました。」



 部屋割りは、僕とミーサ、カエデさんと婆やさん、ピピとポポになった。


「三日後って、どういうことかしら。」

「そうだね。既に攻略の手順とかは、出来ているのかもしれないね。」


「ライト。先に攻略されちゃうとか、心配じゃないの?。」

「えっ!、うん、まあ。」


「なんか、あんまり心配してなさそうね。」

「焦ってもしょうがないと思っているから。ちょっと、周りを見てくるよ。」



 僕は、屋敷の中を、見て回ることにした。


 確かに、攻略や侯爵の秘密もあるんだけど、中世のヨーロッパのお城って感じだから、実物を見てみたかったんだ。


 僕は、宿舎から中庭に出て、母屋の周りをぐるっと回ってみた。


 ちょうど、母屋を半分ぐらい回った、宿舎から母屋を挟んだ反対側にも広い庭があり、そこに来た時、屈強そうな男の集団が、何かをしていた。



 少し離れた場所に、セバスさんがいた。


「おや、ライト様、如何なされました?。」

「いえ、こんな大きなお城というか、邸宅に来たことがないので、珍しくて見学をしていました。」

「そうですか。」


「ところで、この方たちは私兵の方ですか?。」

「いえいえ、あなた達と同じ攻略部隊の人間です。」


「攻略部隊ですか?。」

「もうすぐダンジョンに入りますから、最後の確認で、訓練をしているところですよ。」


 僕とセバスさんが話しているところに、男たちの中から数人がやってきた。


「セバスの旦那、陣形の最終確認、完了しました。」

「よし、後、三日だからな。明日は休憩で、明後日は実物を使って確認だ。」

「了解です。」


「お前たちに紹介しておくが、こちらはライト様だ。お前たちと一緒にダンジョンに潜ってもらう。」


 男たちが、僕をいぶかしげな眼で見ていた。


「ライトです。宜しくお願いします。」

「..........。」


 なんか、まずいことあった?。


「ん、んん。ああ~、ライト殿といったかな。お一人か。」

「いえ、6人のパーティーで参加しています。」


「ほおおお、6人で。ちなみにランクは?。」

「いえ、パーティーは登録していないので、ランクはありません。メンバはAが2名とBが3名とEが一人です。」


「Eというのは、誰のことかな。」

「はい、僕です。」


 わあっはあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ!。



 あれっ!、なんか僕、可笑しなこと言いましたっけ?。


「やはりな。なんのオーラも感じなかったんでな。」


 僕からしたら、脳筋のあんたの方が、オーラなんか感じれるのかって思うけど。


 集団の中から一人が走ってきて、そいつに耳打ちした。


「お前のパーティーは、女が多いのか?。」

「ええ、Aランクの二人は、女性ですよ。」


 なんか、妙にイヤらしい目したよね。


「ほう、それは、楽しみだ。Eランクの小僧じゃ、あっという間に、ぺしゃんこにならんようにな。」


わあっはあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ!。



 やっぱり、ランクだけで判断しちゃうんだ。




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