第75話 返事と課題
翌朝、僕は、アルフォードの屋敷に向かった。
屋敷に着いたはいいが、さて、どうやって返事をするんだ。
僕は、門番の人に、セバスさんを呼んでもらった。
呼んだら出てきてくれるのか?。
出てきたよ。
呼び鈴とかないから、なんか面倒くさい。
「これは、これは、ライト様、如何なされました?。」
「はい、攻略の件で、ミーサ様から、返事を預かってきました。」
「そうですか。それで、如何だったのでしょうか?。」
「はい、やはり参加させてほしいと、いうことになりました。」
「そうですか。いやあ、良かった。」
「それでなんですが、いつこちらに、伺えば宜しいのでしょうか?。」
「そうですねえ。三日後ぐらいで如何でしょうか。いろいろと、準備もあるでしょうし。」
「分かりました。三日後に全員で、こちらに伺います。」
「そうそう、宿舎はどうしますか。一人部屋、二人部屋、大部屋でも大丈夫ですよ。」
「そうですねえ。二人部屋でお願いします。」
「分かりました。いらっしゃるまでに、用意しておきます。」
「よろしくお願いします。」
僕は、家に戻った。
「みんな、返事はしてきたよ。三日後にアルフォードの屋敷に、行くことになった。」
「そう、三日後ね。」
「でも、ライト、この三日間でどうするの?。」
「みんなは、最低限の荷物を準備してくれれば、いいと思うよ。上手くいけば攻略が進むし、無理だった時も辞めるにしろ、逃げるにしろ、荷物は持っていけるか分からないし。」
「そうね。アルフォードがどうやって攻略するにしろ、その先だって分からない訳だし、いつまで攻略部隊にいるかも分からないからね。」
僕は、荷物なんて特に無いんだよな。
それよりも、考えなきゃいけないことが二つある。
ゴーレムを、どうやって倒すのか。
それと、81階層にどうやって行くのか。
「倒し方、この間から考えているんだけど、なんだったかなあ。物理だっけ科学だっけ、どっかで勉強したんだけど。会社に行くようになってから、そんなの使ってないから、思い出せないんだよな。はあ~あ!。」
幾ら悩んでも思い出せそうにないんで、もう一方の作業でもしよう。
もし、アルフォードと決別した時に、どうやって81階に行くのか、それは少し考えてあるんだ。
この間行った50階、あれを利用できれば行けるんだけど。
僕は、もう一度、スキルの一覧を確認した。
時空魔法 レベル9
そうなんだ、あの時コピーしておいたんだけど。
魔法を使用するのは、問題ない。
転生して初めて出会った天空の城のメンバであるエリンさんに、使い方や魔力の上げ方を教わった。
それから、僕は毎晩、毎晩、教わったことをやっていた。
「そうか、あれから、もう一年以上経ったんだな。」
魔法のレベルでは、コピーしたものは、全てコピー時のMAXまで上げていた。
そう、時空魔法も。
協会の時に、コピーしたのは、レベル8。
今は、レベル9だけど、もう少しでMAXだ。
みんなを連れて移動するには、この間見た魔法陣が必要なんだ。
確かに僕がいれば、その時は出来るかもしれない。
でも、僕にもしものことがあったら、みんなが、......。
だから、何か形で残さないと。
「魔法陣って、どうやって書くんだろう。」
学校も行っていない僕が、教わっても理解できないんじゃないかと思うと、
「はあ~あ、こっちもダメなのかあ。」
僕は、もう一度、ウィンドウを出して、スキルを確認した。
「新しいものなんか、無いよねえ。」
いつもスキルしか確認しない僕は、その時は何故か、技の項目を開いて見た。
「そうだよなあ。百花繚乱、万花繚乱、斧嵐。」
「ん!、なんだこれ?。」
技の項目には、上から順に、
「百花繚乱」、
「万花繚乱」、
「斧嵐」
って出ているけど、その下に、二つ、四角いアイコンのようなものがあった。
今まで、気づかなかったけど、知らないうちに、何かが登録されていた。
「なんかクリックしたくないなあ。ウイルスかもしれないから、分からないものはクリックしないようにって、教わったんだけど。でも、ここにはウイルスなんて無いか。」
僕は、恐る恐るクリックしてみた。
ボワン!。
「えっ!。」
そこには、目の前のウインドウいっぱいに、絵が出てきた。
「あれ?。これって、教会で鑑定した時の魔法陣じゃあ。」
ウィンドウいっぱいに、絵が出ちゃっているけど、どうすんだこれ。
それに、絵が透けて向こうが見えている。
右クリックを押すと、メニューが出た。
「映す。」
「閉じる。」
メニューから閉じるを、選んでみる。
「おお!。元に戻った。でも、映すって何だ?。」
でも先に、もう一つの方って、もしかして。
「おおっ!!。やっぱり、50階層への転移の魔法陣じゃないか。」
こんな事も、出来るようになっていたのか。
神様、先のことまで考えて、ほんとよく作ってくれたんだな。
「じゃあ、さっきのメニューにあった映すって、映写のことか?。」
でも、映写って、映すだけだよね。
でもいいか先に確認しよう。
何か映せそうなものって、
「そうだ、確か。」
僕は、ズタ袋の中を漁った。
「あった。あった。羊皮紙。この世界って、紙は見かけなくて、羊皮紙なんだよなあ。」
僕は、転移の魔法陣をクリックし、透けた先の羊皮紙に向かって、メニューの「映す。」をクリックした。
ガアン!。
グワン!。
グワン!。
何だこれは、急にめまいがして、ふらふらになる。
「や、やばい、これって、.........。」
バタッ!!。
僕は意識を失った。




