第70話 攻略報告
それから、僕たちは、ギルドへ行った。
「イザベラ、今、帰ったわ。」
「ミーサさん。随分、時間が掛かりましたね。」
「一人一人に、やってもらったから。」
「ちょっと待ってくださいね。」
それから、僕たちはギルマスの部屋に通された。
「おう、どうだった。」
「問題なく、確認できました。」
「ブラッディーファングのメンバも、それでいいか?。」
「はい、大丈夫です。」
「よし、分かった。手順については、また、後で詳しくそれぞれのメンバに、確認させてもらうからな。」
「分かったわ。」
「ああ、そうだ。報酬は金貨300枚だ。まあ、既に攻略されている階層だからな。そんなもんだ。」
「えっ!。じゃあ、新規で攻略したらどうなるのよ?。」
「まあ、金貨1000枚以上は出るかな。」
「そんなに。」
「だって、お前らよく考えてみろ。そのフロアのドロップが有効なものだったら,挙って他のパーティーが押し寄せるんだぞ。どんだけの貢献だってことだよ。」
「あ、あのう、ギルマス。」
「何だ、メグ。」
「これって、換金したら幾らぐらいですか?。」
メグが、王冠を出してみる。
「おお~!。これはキングの王冠じゃねえか。出たのか?。」
「はい。」
「どれどれ、そうだなあ。金貨500ってとこかな。」
「ご、五百って、そんなにするんですか?。」
「ああ、ドロップ品は、傷とかがほとんどないし、欲しがる貴族が多いんだ。」
「は、は、ははははは!。」
「イザベラ、今日のドロップ品は、帰りに窓口に渡しておくわね。」
「ミーサさん、いつもスイマセン。」
ギルマスとの話が終わり、ミーサが、ブラッディーファングのメンバに声を掛けた。
「あんた達、これからどうするの?。」
「これからって?。」
「一緒に食事でもしない。」
「いいんですか?。」
「ええ、いいわよ。」
「あのう、ミーサさん。食事って、どこまで行くんですか?。」
「家だけど。」
「家って、この辺、高級住宅地ですよね。」
「ええ、今、ここに住んでるから。」
そこには、でで~んと、一軒家に見える屋敷の入り口があった。
「あの~、なんか兵士が立ってますよ。」
「そうよ。警護してるから。」
「け、警護って、どんな家なんですか?。」
僕たちは、警護の兵士の人に挨拶をして通った。
「も、もしかして、家って、このバカでかい屋敷ですか?。」
「ええ、そうよ。」
「ミーサさん、凄すぎて、入りずらいです。」
「遠慮しないで入りなさい。」
そうして、ブラッディーファングのメンバを連れて家に帰るのであった。
「メイサ、婆やさん、今日は、また、お肉が一杯だよ。」
「じゃあ、今日もお肉にしないとね。」
メイサ、なんか期待してるよね。
「婆やさん、ゴマと唐辛子ってありましたよね。」
「ええ、ええ、ありますよ。」
「また、少し貰えますか。」
「ええ、どうぞ。」
よし、これで準備は出来るな。
「メイサ、婆やさん、豚肉でまた、生姜焼きの準備してもらえますか。あとは、キャベツを切って、別に、ニンニクとショウガを、下ろしておいてもらえますか。そうそう、あと、リンゴも。」
「分かったけど、また、新しい料理なんでしょ。」
「そうだよ。みんなで食べれるようにね。」
下ごしらえのお願いをした僕は、地下の訓練場で、準備を始める。
「ええと、ガンドウさんが、土魔法でこうやって、壁を作っていたから、真似てみると、.....。」
枠が出来る、枠が出来る、枠が出来る。
「枠よ、出来ろ!!。」
ピシッ!。
ピシッ!。
ピシピシ!。
やったあ、毎日、魔法だけは、念じているおかげか、最近は、色々と使えるようになってきた。
後は、確か炭があったよな。
訓練場の壁を隔てた、裏側は倉庫になっていて、使わないものが仕舞ってあるのだ。
「おっ!、あった。あった。暖炉用の薪と炭だ。」
僕は、炭を持って、さっき作った枠の所にやってきた。
そう、これは、バーベキュー用のコンロだ。
「まだ、只の四角い枠だけど。こことここかな。えい!。」
土魔法を念じて、通風孔を空ける。
「よし、じゃあ、炭を入れて、火魔法で。えい!。」
前の世界と違って、この辺は、便利だよね。
イメージさえあれば、いくらでも出来るし。
「ライト、コマースさんが来たよ。」
「メイサ、ありがとう。」
僕は、ギルドの帰りに、コマース商会によって、夕飯に誘ったのだ。
「ライトさん、お招きに預かりまして。」
「いえいえ、いつもお世話になっているので、また、新しい料理を作りますから、一緒にと思ったんですよ。」
「それはそれは、楽しみですなあ。ライトさん、すいません。今日は、連れがおりまして。」
「連れですか?。」
「ライト様、初めまして。コマースの妻でございます。」
「あっ!。すいません。いつもお世話になってます。」
「いつも、主人から話だけは、伺っていたのですが、ご挨拶も出来ずに。」
「いえいえ、大きい商店ですからね。奥さんもお忙しいんじゃないかと思ってました。」
そんな挨拶があって、僕は、調理室に行った。
「じゃあ、メイサ、婆やさん。ミノタウロスの肉を種類ごとに、これぐらいの厚さに切ってほしんだ。」
「分かったわ。で、どうするの?。」
「これから、タレを作るから、出来たら、それで、肉を揉んで馴染ませてから、焼いて食べるんだ。」
「へえ、そのタレがあれかあ。」
「そうそう、準備してもらったやつを、入れて作るんだ。」
「醤油、お酒、砂糖、ニンニク、ショウガ、ゴマ、唐辛子っと。婆やさん、ゴマで作った油って持ってます。」
「ええ、ありますよ。」
「やっぱり。ゴマ油も少々と。メイサ、婆やさん、タレも出来たよ。お肉ごとに、器に入れて、タレを入れたら揉んでみてください。」
「分かりましたよ。」
「ライト、こっちにある別にしてあるタレは?。」
「それは、焼いた後につけて食べるんだ。」
「ああ~、なるほどね。ライト、焼かないの?。」
「えっ!、ああ、そうか。訓練場にコンロ用意したから、みんなの目の前で、焼いて食べるんだよ。」
「コンロって、そんなのあった?。」
僕は、メイサの耳元でそっと、
「さっき作った。」
バシッ!!。
思いっきり肩を叩かれた。
「やるわね。ライト。」
昔の世界でも、こういうタイプのお姉さんって、いたような。




