第66話 新たな攻略方法
僕たちは、50階層をクリアして、転移を使って地上へ戻った。
さてさて、困ったぞ。
ギルドで、ミノタウロスクイーンについて、情報を提供するべきか。
確かに情報を提供するのは構わない。
しかし、クリア方法はどうする?。
「いやいや、同じように、斧嵐でぶつかればいいんですよ。」
なんて、まさか、言えるわけがない。
はあ~、頭痛いなあ。
「み、みんな、ちょっと、相談があるんだけど。」
「どうしたのよ。ライト。」
「さっきのクイーンなんだけど。あの特殊技について、ギルドに伝えないと、まずいと思うんだよね。だって、もし、次に遭遇した人がいたら、危ないよね。」
「まあ、ピピやポポだって知らないんだから、ギルドだって情報は持っていなかったんでしょうね。ライトの言う通り、知らないで挑んで全滅なんて、同じ冒険者としては、放っておけないわね。」
「私も同じ意見ね。確かにみんなと出会う前までは、最低の冒険者たちとしか関われなかったけど、ちゃんとしている人もいるって分かったから、言うとおりね。」
「だけど、技出しますよって言ったとしても、「じゃあ、お前らはどうやって倒したんだ。」って言われるよね。」
「それもそうね。うう~ん!。」
「ライトは特別だって分かったけど、言われてみればそうよね。」
「ライト、あんな技、普通だったら、逃げ回るしかないニャ!。」
「えっ!、逃げ回る?。確かにそうなんだよなあ。逃げ回る?、逃げる、逃げ、........。そうかあ。その手があったな。」
「どうしたの、ライト。何か思いついたの?。」
「うん、ちょっとね。でも、確かめないと。」
「うふふ、はいはい、もう一回行くんでしょ。」
「みんな、スイマセン。」
僕たちは、もう一度、50階層への転移の列に並んだ。
待っている間に、手に入れないといけないものがある。
「ミーサ、攻略を試すのに、これぐらいで、マントか布か無いかなあ。」
「えっ!、急に言われても。あっ!、ちょっと待ってて。」
ミーサが、管理している兵士の人のところへ行った。
すぐに戻ってきたメイサが、
「ライト、これでどうかしら。」
差し出したのは、騎士の人が付けているマントだった。
「ミーサ、これどうしたの?。」
「ほら、デルポートで知り合ったアルフレッドさんがいたでしょ。その人の部下だった人が、ここの責任者だって、思い出したのよ。だから、ちょっと、話をしたら貸してくれたの。」
「えっ!、じゃあ、本物の騎士のマントなの?。」
「そうよ。だから汚したりしないでよ。」
マジで、凄いプレッシャーなんだけど。
ま、まあ、いいか。
ちょうど、表は黒で、裏が赤地だから、都合もいいし。
順番がきて、僕たちは転移した。
また、さっきと同じだけど。
通路を通り、ボス部屋の順番に、同じように並んだ。
まさか、また、出ないよね。
とりあえず、上位種が出ないことを前提に、作戦を話した。
「僕が、一体を相手に動きの確認をするから、みんなは他の四体を、抑えて欲しいんだ。」
「分かったわ。じゃあ、私、カエデ、婆やは一対一で。ピピとポポは二人で倒しましょ。早く倒せた人は、加勢して。」
「了解。」
「もし、また上位が出ても、下っ端を先に確認したいから、同じ分担でお願いします。」
「もう出ないんじゃないの?。」
「だって、また、こんな話すると出るかもしれないじゃないか。」
「まあ、ライトだしね。」
えっ!、何それ。
僕って、何かを呼ぶの?。
まさかね。
僕なんて、只の雑魚キャラだし。
そして、順番がやってきた。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!。
扉が閉まる音が、聞こえる。
「さあ、ライト、また出るわよ。」
床からデロデロって、湧き出てくるものがあって、だんだん形が出来上がってきましたね。
はい、出た~。
「あっ!!。」
「一、二、三、四、五、六?、はあ~あ、はいはい。」
「ライト、また、当たりよ。」
またって、またって、何よ。
「ライト、後ろの上位種は、最初、動いてこないはずだから、作戦通りよ。」
「うん、わかってる。はあ~あ!。」
「ライト!、ちゃんとやりなさい。みんなのための新しい攻略なんだから。」
「はい!、すいません。」
5人は、予定通り左側の一体を除いて、倒しに掛かる。
僕は、左端の一体に、数メートルを開けて正面に立った。
ヒラっ!。
マントを取り出すと、ミノタウロスに向かって、昔、テレビで見た闘牛の真似をして、ひらひらさせてみる。
ボフッ!!。
やっぱり、気になってるんですね。
どんどん、鼻息が荒くなる。
いやいや、そのままやん。
右足を前後に、
ズシャッ!
ズシャッ!。
っと掻き始めた。
「ほらほらほら、どうした。向かって来いよ!。」
僕は、ミノタウロスを挑発した。
フンフンフン!。
相当、鼻息が荒くなったかと思うと、突然、こちらに向かってきた。
「キタ、キタ、来た~!!。」
僕は、見様見真似で、ヒラヒラさせていたマントを、ハラリとさせてかわす。
「よしよし、上手くいったぞ。この調子で。」
僕は、その後も、幾度となく同じ要領で、かわしていく。
しばらく経つと、ミノタウロスが疲れてきたようで、勢いが無くなってくる。
「そろそろかな。」
僕は、剣を抜いて、マントと合わせて構える。
そして、次に突進してきたときに、すれ違いざま、
ザシュッ!。
ミノタウロスの右足に、一撃!。
動きが止まったミノタウロスを回り込みながら、止めを刺した。
「よし、行けそうだ!。」
じゃあ、上位種って、思ったら、
「あれっ!、クイーンじゃないよね。」
「ライト、キングよ。」
「き、キング?。確かに王冠被ってるよね。」
ミノタウロスキング:レベル55 HP534/MP153
スキル 斧術 レベル6 剛力 レベル7 突進 レベル7
統率 レベル8
「ライト、マント貸して。」
「えっ!、ミーサ、どうするの?。」
「私が、やってみる。ライトじゃなくても出来ないと、攻略にはならないでしょ。」
「う、うん、そうだね。ミーサ、コツはマントを、正面で構えないで、左右のどちらかで構えて、突進してきたら、マントで空を切らせるんだ。」
「分かったわ。」
僕は、マントをミーサに渡して、みんなの方へ下がった。
ミーサは、僕と同じように、キングと数メートルを開けて正面に立った。
ヒラっ!。
マントを取り出すと、キングに向かって、ひらひらさせてみる。
ボフッ!!。
やっぱり、基本の種族が同じだから、気になるんですね。
どんどん、鼻息が荒くなる。
右足を前後に、
ズシャッ!。
ズシャッ!。
っと掻き始める。
相当、鼻息が荒くなったかと思うと、突然、ミーサに向かって行った。
やっぱりね。
ミーサは、さっきの僕がやったように、見様見真似で、ヒラヒラさせていたマントを、ハラリとさせてかわす。
流石だなって思わせる身のこなしで、難なくかわしている。
しばらく経つと、キングも疲れてきたようで、勢いが無くなってくる。
「そろそろかしら。」
ミーサは、剣を抜いて、マントと合わせて構える。
そして、次に突進してきた時に、すれ違いざま、
ザシュッ!。
キングの右足に、一撃!。
動きが止まったキングを回り込みながら、止めを刺した。
「どうお、ライト!。」
やっぱり、考えさせないで相手にすれば、技は出ないんだな。
「ええ~、流石です。問題ありません。」
って、みんなを振り返ると、当然ですよね。
「次は、私がやってみる。」
でしょうね。
カエデさんが、言っていた。
「えっ!。でも、もういないですよね。」
「なら、もう一回、入ればいいじゃない。」
「そ、そうですよね。入ればいいだけですよね。そうですとも。」
もう一回、入ることになった。
僕たちはもう一回、通路を回り、部屋に入った。
しかし、今度は、フラグが立ってないのか上位種がでない。
「なんか、つまらないわね。」
カエデさん、つまらないって。
「じゃあ、2体でやってみるわ。」
「2体一辺は、危険じゃないですか?。」
「国では、魔牛を相手にしているから。大丈夫よ。」
「そ、そうですか。じゃあ、危なくなったら、手を出しますからね。」
「分かったわ。」
だが、カエデは、2体を上手くかわし、難なく仕留める。
「あら、複数相手も試してみないと。」
いやいや、そこで競うんですか。
結局、ミーサ、カエデが、交互に数を増やしながら、競って倒す羽目になった。
そして、最後には、一人で五体を相手にしても、倒せることが証明された。
でも、結局、個人の身体能力に寄るんじゃないだろうか。
僕たちは、大量のドロップ品を持ってギルドへ行った。




