第65話 またまたでましたクイーン?
僕の目の前で、段々と、魔物が姿を現していった。
あれ、あれ、胸元まで来ると、胸が出てるよね。
クイーン?。
ミノタウロスクイーン:レベル51 HP565/MP183
スキル 斧術 レベル7 剛力 レベル8 突進 レベル8
ミルク生成 レベル8
「ライト、やったわね。クイーンなんて。めったに出ないわよ。ミルク確定よ。」
「マジっすか。なんか、料理作らせたいんですか。それに、ミルク生成って何?、くそ~!!。やってやる。」
とりあえず、スキルをコピーして、
「あれ、剛力ってコピーしたのに、グレーアウトって、なんで?。」
とか思ったが、そんなの後でいいよ。
僕は、五人が戦っている間を抜けて、クイーンに向かって行った。
でも、クイーンって、デカくないですか。
ガキン!、ガキン!。
ミーサが戦いながら、声を掛けてきた。
「ライト、言っておくけど。クイーンって、キングより強いって話よ。」
「嘘っ!!。何で?。」
「どうも、子供産んだり、育てたりするのが前提になっているみたい。だから、母は強しって!。」
それ、前の世界でもあったわ。
近づくと、やっぱりデカい。
普通のより二回りは、デカいよ。
持ってる斧も、デカくないか。
と、思った時、斧が水平に振られてきた。
「やばっ!!。」
僕は、屈んで避け、頭上を斧が、
ぶわああああ!!。
っと通っていった。
まともに食らったら、真っ二つだよ。
これ。
とりあえず、剛力が使えないから、怪力と身体強化、剣術、回復魔法をセットした。
剣を抜いて構える。
クイーンは、お構いなしに斧をぶん回してくる。
「そんな、ぶん回していたら近づけないよ。」
ぶん!!。
「うわっ!!。」
そのころ、ミーサとカエデは、すでにミノタウロスを倒していた。
「ミーサ、ライトは大丈夫なの?。」
「あ、そうか。カエデはライトの戦いを、見たことないんだよね。まあ、いつも何とかするから。それよりも、雑魚を倒しちゃいましょう。」
ミーサとカエデが、加勢することで、婆や、ピピ、ポポも討伐が終わった。
「久しぶりに戦ったから、時間が掛かったニャ。」
「あっ!、そうか。ピピとポポも、ライトと一緒に戦うのって、初めてなのよね。」
「そうニャ。加勢しないでいいのかニャ。」
「多分ね。」
ライトの後ろで、そんな会話がされているころ、ライトはクイーンに近づけず、必死になって、避けるのが精一杯であった。
「くそっ!、足止めしてって、言ってたけど、こんなブンブン丸、近づくのも無理じゃないか。」
僕は、チラッと視界に入った、
「あれ、みんな終わったの。じゃあ、加勢してよ。」
って、見~て~る~だ~け。
マジで!!。
その時だった。
クイーンが斧の軌道を変えて、一撃を放ってきた。
「まずい!!。」
ガキン!。
咄嗟に、剣を出してみたが、剣は弾かれて飛ばされてしまった。
僕も、その勢いで、吹っ飛んだ。
飛ばされた先で、手をついて起き上がろうとする僕。
視線を前に向けると、そこには、既にクイーンが角を出しながら、突進して来ていた。
カエデが思わず、
「ライト、危ない!!。」
その時、僕は、昔、テレビで見た闘牛場で、お笑い芸人が吹っ飛ばされるシーンを思い出していた。
目の前に迫って来ているのは、テレビで見た牛の倍以上あるミノタウロスクイーン。
こんなのまともに喰らったら、死んじゃうよ。
しかし、剣は弾き飛ばされ、腰を着いた状態で、避けることもできない。
「くそっ!!、一か八か。」
僕は、起き上がった。
目の前には、ミノタウロスクイーンの角。
どおおおおおおおおお~ん!!。
「ら、ライト~~!!。」
思わずミーサも、声を出した。
砂煙が舞い、良く見えない。
「ライト!、ライト、大丈夫なの?!。」
カエデも心配して叫ぶ。
砂煙が晴れてくると、様子が見えてくる。
「ええ~?!、ライト、......。」
僕は、ミノタウロスクイーンの角を掴んで、その場所にいた。
ブモォッ!。
ブモォッ!。
ブモォッ!。
クイーンも、まさか止められるとは、思ってなかったのか。
その場で、首を左右に振って暴れる。
ぶもおおおおおおおおお!!。
クイーンが、大きく首を右後方に振って、僕を投げ飛ばした。
僕は、また、少し離れた場所に飛ばされる。
「ね、ねえ、ミーサ。今、ライトって、あのクイーンの突進、手で受け止めたわよね。」
「え、ええ、そうね。」
「そんなこと出来るの?。」
「さ、さあ。ライトだから。」
クイーンが、またしても僕に突進してくる。
「くそっ、またかよ。」
こつっ!。
足元に、何かが当たった。
それは、ほかの五人が倒した、ミノタウロスのドロップ品の斧だった。
僕は、咄嗟にその斧を拾った。
拾った斧を両手で持ち、クイーンの突進を食い止める。
ブモォッ!。
ブモォッ!。
ブモォッ!。
首を必死に動かし、進もうとするクイーン。
流石に同じように、止められるのは学習したようだ。
不意に左下から、斧で切り付けてきた。
「ちっ!!。」
僕は、飛びのき、斧を避ける。
再び、間を開けて対峙する。
「一進一退って、感じになったわね。」
「ライト、どうする気かしら。力じゃ負けないのは、分かったみたいだけど。」
その時だった。
クイーンが、鼻息荒く、
バフっ!!。
って、息を吐くと、離れた位置から斧を振り出した。
「あんな所から、何を始めるきだ?。」
振った斧を、遠心力で体ごと回転を始める。
「嘘!、そんなこと出来るの?。」
「あんなことするなんて、聞いたことないわよ。」
クイーンは、尚も、斧を持って回転する。
速度が増してくると、風が起こり、どんどん大きくなる。
「嘘だろ。なんニャあれは!!。」
更に、回転速度が上がり、竜巻のようになる。
そして、竜巻の進行する方向に、無数の斧が現れる。
「あんなの巻き込まれたら、ひとたまりもないわよ。」
僕は、クイーンを鑑定した。
「斧嵐?。」
クイーンは、技を発動したのだ。
「魔物って、技まで出すのかよ!!。」
聞いてねええ!!。
斧嵐が、ライトに向かってやってくる。
「ライト、逃げて!!。そんなの避けるしかないわよ。」
避けても、この部屋の中だ。
いつまで続くか分からないし、5人も巻き添えになるかもしれない。
「どうする。どうする。また、あれしかないのか。」
ライトは、斧嵐をコピーして、技にセットした。
そしてライトは、急ぎ少し後方に下がると、斧をぐっと握り、回転し始める。
その光景を見た、カエデ、婆や、ピピ、ポポは唖然とする。
「ええ~!!、嘘でしょ?。ライト!。」
ミーサは、頭を抱えた。
また、やってるって。
ライトも同じように回転するが、もともとの体の大きさや、斧の大きさが違うこともあり、竜巻と化した大きさに差が出ていた。
「ライトはあのまま、ぶつかる気なの?。」
「多分ね。」
カエデの心配を他所に、ミーサは呆れていた。
「ライトったら、また、相手の技コピーしたのね。だけど、あの勢いで来られたら、確かに対抗できないかも。まあ、やってみるしかないわね。」
そんなことを考えている間に、クイーンとライトがぶつかる。
それは、大きな独楽同士が、ぶつかる様に。
どがあああああああああ!!。
がガガガがガガガが!!。
激しくぶつかり合い、火花が散る。
しばらく何度かぶつかり合いが続いた時、小さい竜巻の方が押し始める。
「小さいライトの方が、押し出したわね。」
徐々に、押される勢いも増してくる。
クイーンは、とうとう壁際まで押されてしまう。
そして、壁との間で、クイーンの竜巻の大きさは、次第に小さくなる。
最後には、クイーンが弾き飛ばされた。
どおおおん!!。
ドン!!。
ドさっ!。
クイーンは、力尽きた。
「やった!、勝ったあああ!。ふうううう。」
ライトが、持っていた斧はボロボロになっていたが、ケガはしていなかった。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!。
扉が、開く音が聞こえる。
出口が、開いたようだ。
既に戦いが終わったみんなは、ドロップ品も回収済みだった。
僕が倒したクイーンも、消えていくとドロップ品が現れる。
「肉に牛乳、魔石か。」
僕は、それらを拾ってカバンに入れた。
「さあ、ここを出ましょう。」
みんなで、出口から出ていく。
「ライト、やったじゃない。クイーンの肉なんて最高級品よ。それに牛乳なんて滅多に、手に入らないわよ。」
「いやあ~、そうなんだけど。」
チラッと、カエデさんたちを見る。
そりゃあ、そうだよね。
いきなりあんな技、使っちゃうんだから、ビックリだよね。
「ね、ねえ、ライト。あの技って?。」
「へへへへへ~、ええっと。帰ったらお話しします。」
「そ、そう、分かったわ。」
僕はミーサにそっと、聞いてみた。
「どうすればいいかなあ。」
「いずれ、分かっちゃうし、カエデや婆やさん、ピピ、ポポも、最終階層まで目指す仲間なんでしょ。使えることぐらい、話しとけばいいんじゃない。」
「そ、そうだよね。」




