第61話 ミーサとカエデ
「ところで、カエデさんとトメさんて、ランクはどうなってるんですか?。」
「これの事か?。」
二人とも、ギルドカードを出してくれた。
「ええっ!!。ゴールドカードって。Aランクってことですよね。トメさんもBランクって!。」
「国を出るときに、推薦状を持ってきてな。最初の海沿いの街で、それを出したら、これを貰ったのだ。」
まじかあ、どんなだよ。
「すいません、失礼かもしれないですけど、カエデさんて年は、幾つなんですか?。」
「わたしか。わたしは、20だ。今年で21になる。」
ぶぶっ!!。
思わずお茶を吹き出しそうになった。
ミーサより年下で、Aランクって、どんなだよ。
なんか、恐る恐る、ミーサを見た。
いやいやいや、また、熱血漫画のように、目が燃えてるわ~!!。
知らんよ。
わし。
「カエデさん、一緒にダンジョンへ行くなら、実力を知りたいわ。私と一回、模擬戦でもどうかしら。ほら、私もAランクだから。」
ああ~あ、始まったよ。
ギルドカードって、今日、貰ったばっかですよね。
「こちらこそ、受けて立ちますわ。」
もう、二人とも目が、バチバチじゃんか。
知らん、シラン、知らんよ。
勝手にやってよ。
もう。
二人は、地下にある訓練場に移動した。
リンドさんの話だと、いろいろと使えるように、防御壁が施されているらしい。
防音、物理、魔法は、外には出ないと言っていたけど。
二人が、訓練場の中心で向かい合う。
トメさんが、立会人らしい。
「それでは、お二人とも宜しいですか。始め!!。」
ミーサはレイピアを、カエデは片刃刀を抜いた。
最初にミーサが動いた。
シュッ!!。
「は、早い!!。」
カキン!!。
カエデが弾く。
しかし、ミーサは続けて、突きを繰り出す。
シュッ!!、シュッ!!、シュッ、シュッ!!。
カエデも捌いてかわす。
カキン!!、カキン!!、カン、カキン!!。
一瞬の間で、攻守が逆転する。
「では、参る!!、フン!!。」
ビュッ!!。
ガン!!。
ビュッ!!、ビュッ!!、ビュッ!!。
ガン!!、ガン!!、ガン!!。
「やるわね。」
「そちらこそ。」
あのう、真剣を使っているんで、僕はもうその辺で、いいんじゃないでしょうかと思ったけど。
でも、二人の打ち合いは続いた。
しばらく鍔迫り合いから、打ち合いを繰り返した時、ミーサが、仕掛けた。
間合いを取った一瞬、下がった時に剣を下に下げた。
「百花繚乱!!。」
「何!!。」
カエデには、目の前のミーサが、霞んで見える。
一瞬、踏み込んだように見えた、その瞬間。
無数の花が、カエデの目の前に咲き誇った。
だが、カエデも、只者では無かった。
始めて見た百花繚乱をかわす。
カキン!、カキン!。
カンカンカン!。
「ぐわっ、うっ!!。」
致命傷とはならないまでも、数発は受けてしまった。
片膝を付くカエデ。
「どう、わたしの技は?。」
「フフッ!、さ、さすがにAランクのことはあるな。だが、まだ、終わっては、おらぬぞ。」
「フフッ!。」なんて笑っちゃうけど、大丈夫ですか?。
いやいや、それに、まだやるんですか?。
トメさんも止めないんですか?。
更に、ビシバシって感じじゃないですか。
立ち上がった、カエデさんは、剣をしまった。
どこに仕舞ってあったのか、一瞬で棒を取り出した。
「んっ!、なんだ、あの棒は?。」
「ライト殿、カエデ様は、剣士ではないのです。槍がもっとも得意な方なのですよ。」
「ふっ!。」
カエデが、右腕を振った。
すると、持っていた棒が、いつの間にやら槍に変わった。
いやいや、格好ええなあ。
どんな仕組みなんだろうって。
「参る!!。」
今度は、カエデが攻める。
シュッ!!、シュッ!!、シュッ、シュッ!!。
ミーサが、捌いてかわす。
カキン!!、カキン!!。
カン、カキン!!。
一瞬の間で、攻守が逆転し、ミーサが近距離に入ろうとするが。
しかし、微妙な間の取り合いで、カエデがそれを許さない。
「凄い、なんていう間の取り方と槍捌きだ。」
そんな攻守が続いた時、今度は、カエデが動いた。
ミーサを、弾き飛ばした瞬間、
「氷雪原槍術、一の型、吹雪!!。」
ミーサには、目の前のカエデが、霞んで見える。
一瞬、踏み込んだように見えた。
その瞬間、ミーサの目の前に、無数の雪が吹雪いて、目の前に舞った。
ミーサも、始めて見た吹雪をかわす。
カキン!、カキン!。
カンカンカン!。
「ぐわっ、うっ!!。」
ミーサも、致命傷とはならないが、数発は受けてしまった。
片膝を付くミーサ。
「どう、わたしの技は?。」
「ニヤ!、やはり流石に、Aランクのことだけは、あるわね。」
いやいや、まだ、やるんですか?。
「ミーサ様、カエデ様、これぐらいで如何でしょうか。お二人の実力は、分かったと思われますが。」
ナ~イス!!、トメさん。
二人とも、無傷とはいかなかったよね。
ああ~あ、仕方ないなあ。
「ミーサ、そこまで、本気でやらなくても、いいんじゃないの?。」
「駄目よ。カエデさんに失礼だわ。」
「そ、そうなんだ。アハハハハ!。はい、回復!!。」
僕は、ミーサに中回復の魔法を掛けた。
「な、回復とな!。」
あっ、カエデさんとトメさんは知らないよね。
でへへ。
「カエデさんも流石ですね。はい、回復!!。」
「す、すまない。ライト殿は回復が使えるのか?。」
「ええ、出来ますよ。」
まあ、一緒にダンジョンに行くんなら、いずれは分かるし、まあ、いいか。
二人は健闘を称えあって握手した。
「カエデさん、刀と槍を見せてもらってもいいですか?。」
「ああ、構わぬが。」
僕は、カエデさんから刀を借りた。
「これが、東の国の刀か。少し重いんですね。んん~ん、重心がこうなってるのか。それに、波紋が、......。」
「ありがとうございます。」
次に槍を借りた。
「こっちは、また、ちょっと、違うんだね。確かこう持って、こうやって突くのか。じゃあ、こうやって、氷雪原槍術、一の型、吹雪って。」
僕は、槍を振ってみた。
「カエデさん、ありがとうございます。」
あれ!、カエデさん、トメさんが唖然としていた。
「どうしました?。」
「ラ、ライト殿、どこかで、槍術を教わったのか?。」
「いいえ、初めて持ちましたよ、槍。」
二人は目を剥いて、驚いていた。
ん!、どうしたんだろう。
ちょっと、借りてみただけなのに。




