第57話 アルフォード侯爵
ギルドに着くと、イザベラさんが、個室に案内してくれた。
「報酬の件ですね。売却が決まったので、清算させて頂きます。報酬は、如何致しますか?。」
「金額を聞いてから、決めるわ。」
「承知しました。今、明細をお持ちしますね。」
イザベラさんが、部屋を出て、しばらく待つと、
「おお、待たせたな。」
「ギルマス?、どうして?。」
「いや、久しぶりの大金だったんでな。俺が、説明した方がいいだろう。」
「分かったわ。」
「それでだな。サイクロプスの方だが、直ぐに、買取が決まった。お前達の報酬は、魔石が金貨1750、目玉が金貨700枚だ。」
ギルドは、3割か。
色々あるからな。
「皮と骨は、状態が、すこぶる良かったからな、金貨840枚だ。お前たちの取り分の皮と骨は、帰りに、窓口に言ってくれ。」
ミーサと目を合わせて、頷いた。
「分かったわ。それでいいわよ。」
「よし、支払いなんだが、どうする?。」
「金貨2500枚は、現物で頂戴。残りは口座へ入れて。」
「分かった。イザベラ用意してこい。」
「はい。」
「ギルマス、ちょっと、聞きたい事が。」
「おっ、ライト。どうした?。」
「あの~、その~。」
「あ、何だ。聞き難い事か。まあ、どのみち話せる範囲でしか、答えられないから、聞いてみろ。」
「ダンジョンキングで、ピピと、ポポって、知ってますか?。」
ガタッ!。
って、いきなり、ギルマスが立ち上がった。
「あ、あいつらの事、何か知ってるのか?。」
いや~、こっちが聞いてるんですけど。
「スマン。急に、気にしていた奴らの名が、出たんでな。」
「ダンジョンキングの依頼に失敗して、違約金を払っとか。」
「あっ、ああ~!。何、言ってんだ。あいつらは、一番先行して、攻略に行ってたんだ。依頼も何も、何が出るかも知らないんだぞ。依頼なんか出来るか!。あいつらの方が、進んだ分の情報を、持ち込んでただけだ。貴族経由でな。」
何か、話が違ってる。
じゃあ、借金は、何なんだ。
「パーティーが全滅して、依頼を失敗したから、違約金が高かったって。」
「噂だ。噂。何も、報告も無いからな。」
ミーサと顔を、見合わせた。
「じゃあ、ギルドも、ちゃんとした情報が、無いんですか?。」
「貴族が、情報を売りに来る時にな、最近の状況を、聞いているぐらいだ。」
何か、沸々と、怒りが湧いてくるのは、僕だけだろうか。
人を、道具の様に、使い捨てるなんて。
「実は、ピピと、ポポが、今、僕達の所に居まして。」
「何~~~!!。ダンジョンから、戻ったのか。」
「いえ、奴隷として売られてました。」
「ど、奴隷だと~!。」
僕は、ピピと、ポポから聞いた話を、ギルマスへ話した。
「ぜ、全滅だと。S、A、B、何人も、居た筈だぞ。それが全滅なんて。あくまで、噂だと思ってたぞ。はあ~あ、なんて事だ。」
「その貴族に、処罰とかって、出来ないんですか?。」
「ああ~~、それは無理だ。冒険者は、自己責任。雇われるのも個人の自由だ。」
僕は、ミーサに、肩を叩かれて、顔を横に振られた。
「じゃあ、あいつらは、生きているんだな。まあ、落ち着いたら顔を出せって、言っといてくれ。」
何かギルマス残念そうだな。
「お前らも、気をつけろよ。あの貴族の事だ。買い取った事も、もう知られてるだろう。何か、してくるかもしれん。」
side:アルフォード
「ほほう、そうか。あの二人を、引き取った奴が、居るとはな。物好きもいるものだ。ハハハハハハハハハ!。」
「しかし、アルフォード様、いつもの情報売却ですが、如何、致しましょう。」
「そうだな。どこまで流した?。」
「はい、今の所、76階です。」
「そうか、先に、流されると面倒だ。81階までの、情報を流せ。どうせ、それ以上は、攻略は進むまい。あの階層は、軍隊か、強力な魔法使いでも、突っ込まないと無理だ。」
「それでは、アルフォード様。攻略は、諦められるのですか?。」
「まさか、最終階層にあると言われている、お宝を手にするのは私だ。宝さえ手に入れれば、あの忌まわしいフォルスタッドに、一泡吹かせてやれるわ。」
「それでは、これまで通りに。」
「無論だ。強力な魔法使いと、頑丈な盾役を募集しろ。いつもより、金額を上げてもいい。そして、いつも通りだ。」
「はは、かしこまりました。早速。」
「それにしても、ミーサか。B級にしては、運があるのか。サイクロプスに、謎のドラゴンか。」
「キングの攻略が、目標とも、言っているらしいですが。それに、稀にみる美人とか。」
「ほう、それはそれは。攻略した際の報酬をチラつかせれば。ふふふ、美人となれば、失敗しても、....、ハハハハハ!。まだまだ、私の運の方が、いいようだ。」
「おい、ミーサにも声を掛けろ。」
「宜しいんですか?。Bランクですが。」
「ああ、もうAになる。Aなら他の冒険者も、文句も言わんよ。」
side:フォルスタッド
「そうか。アルフォードが、目を付けたか。」
「如何、致しましょう。」
「そうだな。ピピと、ポポに出会ったのも、何かの縁。彼らに、任してみるのもいいかもしれん。」
「任せると申しますと。」
「アルフォードと如何に、対峙してくれるか。これまで犠牲になった者達に代わって、アルフォードを、.....。数々の悪事を、牛耳っていることは確か。しかし、私も王も、寸前で、証拠や証人を失った。この国がこれから先、開かれて、この大陸でも力を振るうには、他の国の見本となるべく国を進めねばならん。アルフォードとライトが、ダンジョンキングを切っ掛けで、出会ったというのも、何かの縁。」
「フォルスタッド様、それでは、いよいよ。」
「今晩にでも、彼らに話をしよう。彼らを呼んでくれ。」
「はい、かしこまりました。」
「この国の未来を背負ってくれ、ライト。守護獣に認められた人間なんだ、頼むぞ。」
この時、僕達は、色んな思惑が、知らない所で、進んでいる事も知らずに、新しい料理に、舌鼓をうつのだった。
次回より、ダンジョンキング編が始まります。
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