表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/410

第54話 奴隷




 フォルスタッド公爵との、朝の挨拶が、終わった。



 ミーサと、ブリーニャは、徹夜で仕事だったので、部屋で休むらしい。


 メイサは、ミリガンさんと、今朝のフレンチトーストの手順を確認し、午後には、パン屋のヨーデルさんの所へ、行くらしい。


 アイラさんと、アイさんも一緒に行って、自分達で、作ってみた粉の具合を、確かめながら、試すという事になった。


 何か、僕は、暇になったな。


 そんな時、コマースさんが、

「ライトさん。フォルスタッド公爵様に、目を掛けられるなんて、流石で御座いますね。」

「何か、よく分からないですけどね。」


「ライトさん。今後の相談なのですが、アイラやアイが、錬金を使いこなせるようになったら、カイーデ村に、製造拠点を置こうかと、思っております。」

「カイーデ村にですか?。」


「ええ、あそこは、丁度、王都とデルポートの中間ですし、中継地点には、丁度良いかと。それに、コームギの粉の運搬で、通る途中なので、加工には、丁度、良かったと思います。」


「それじゃあ、村に拠点を作れば、出稼ぎに行かなくても、生活出来るように、なりますね。」

「そうなんです。逆に人を送らないと、足りないかもしれません。で、相談なんですが、.....。」


「どうしました、コマースさん?。遠慮しないで、言ってください。僕に出来る事なら。」

「はい、只の作業なら、人を送ればいいのですが、錬金は、スキルが無いと出来ません。しかし、スキルを鑑定出来るのは、ライトさんしか、いらっしゃらないので。」


「ああ~!。そんな事ですか。構いませんよ。候補の人がいれば、いくらでも、鑑定しますよ。」


「おお~!。そうですか。それは、ありがとうございます。そうしましたら、これから奴隷商に、行きませんか?。」

「奴隷ですか?。」


「奴隷と言っても、借金奴隷、犯罪奴隷がありまして、借金奴隷については、こちらが借金の肩代わりをして、借金分を、働いてもらいます。その後も、雇われて働き続ける者も、多いので御座います。」

「それが、借金奴隷ですか。」


「犯罪奴隷については、犯罪者ですから、信用は、格段に落ちますが、契約魔法で、縛りがありますから、護衛や、単純な労働であれば、可能なのですよ。契約期間を、まじめに働けば、刑期が短縮されたりしますから、まじめに働く事が多いのです。殺人犯は、また、別になりますが。」

「それが、犯罪奴隷ですか。」


 やっぱり、この世界でも、奴隷ってあるんだなあ。


「コマースさん、分かりました。行ってみましょう。」

「はい、よろしくお願いします。」


「みゃああああああ~!。」


 あれ、サンニャも、行きたいみたいだね。


「コマースさん。サンニャを、連れて行ってもいいですか?。」

「大丈夫だと思いますよ。奴隷には、獣人もおりますし。」


 僕は、サンニャを、肩に乗せて、コマースさんと、奴隷商に向かった。



 いつも思うけど、落ちないんだよね。


 コマースさんは、外通りを過ぎて、外壁沿いまで来た。

 外壁に沿って進んで行くと、どんどん寂しい場所に、なっていく。


「コマースさん、この辺は?。」

「ライトさんは、初めてですね。王都は、外壁に近くなるにつれ、治安が悪く、スラムがあったりするのです。奴隷商の店も、そんな場所にあります。」


 へえ~、そうなんだ。

 王都でも、スラムってあるんだな。


「ここで、御座います。」


 何か、普通の汚い、アパートって感じだけど。


 コン!、コン!。


 コマースさんが、ノックをする。


「どちらさんで?。」

「コマースだ。」


 ガチャッ!!。


 鍵が開く音がして、扉が開いた。


「これはこれは、コマース様。いつもお世話になります。」

「ザビールさん、今日は、また、奴隷を、ちょっと、見させてもらいに来ましたよ。」


「本日は、どのような奴隷を、お探しで。」

「一つは、警護、護衛。一つは、商品を作る作業をさせる為ですね。」


 コマースさんが、ちらっと、僕を見た。


「こちらの方は?。」


 ザビールという人物が、僕を見る。


「ああ、紹介が遅れましたね。こちらは、ライト様と仰って、今、私どもと一緒に、仕事をしていましてね。」


「どうも、ライトです。」

「これは、ライト様、この奴隷宿の店主ザビールと申します。以後、お見知りおきを。」


 僕達は、ザビールさんに案内されて、建物の奥に通された。


「特定の条件があれば、こちらで相応な奴隷を選んで、お部屋で面通しをして頂くのですが、今回は、特に条件は無い、という事で宜しいですか?。」

「うん、まあ、そうなりますな。」


 コマースさんが、チラチラと、僕を見てるけど。


「ザビールさん、僕が、鑑定持ちなんですよ。だから、コマースさんは、条件を出していないんです。」

「おお~!。ライト様は、鑑定持ちだったのですね。」


「一応、こちらでも、奴隷の情報は、調べておりますが、ご自分で確認されるという訳ですな。」

「はい。ザビールさんが、宜しければ、こちらで確認させて頂きますが。」


「はい、大丈夫ですよ。気になる奴隷がおりましたら、鑑定して頂いて結構ですよ。」

「ありがとうございます。」


「あの~、ライト様。そちらの猫は、変わった猫ですね。」

「あっ、すいません。連れて来てしまって。一緒じゃ不味いですか?。」


「いえ、中には、獣人もおりますので、こちらは構いません。もし、中で逃げるなりして、何かあっても、責任は負いかねますが、如何でしょうか。」

「それは、大丈夫です。離れませんから。」


「にゃあああああ~!。」


「何か言葉が、分かっているような感じですね。はははははは。」


「それでは、まず、こちらからになります。ここは、個人で、借金奴隷になった者がおります。」


「個人?。」

「ええ。あと家族で、奴隷になった者もおりまして、それは別室におります。家族は家族で、一部屋に入れておりますので。」


「分かりました。」


 奴隷だけど、扱いは、それなりなんだな。


「この国では、奴隷と言っても、ちゃんと扱われるように、決まっているんですよ。フォルスタッド公爵が、王様に進言されて。」

「成程。」


 フォルスタッドさんて、やっぱり凄いんだな。



 この部屋には、30人いたけど、良さそうなスキルの人は、いなかった。

 次の部屋も同じようだった。


「この辺の奴隷は、あまり変わり映えは、しませんね。元々が、貧しくて、借金がかさんだ連中なので。次は、家族になります。」


 次の部屋に、行ってみた。


 ここもあまり変わり映えしないと、思っていた最後の4人家族の所で、僕は止まった。


「こちらの家族は?。」

「はい、こちらの家族は、村で生活できなくて、王都にやってきたのですが、主人が怪我をして働けなくなり、代わって奥さんが働いていたのですが、治療などで、借金がかさんで、奴隷となった家族です。」


「話しかけても、大丈夫ですか?。」

「どうぞ。おい、お前たち、質問には、ちゃんと答えるんだぞ。」

「はい。」


 元気ないね。

 まあ、しょうがないか。


「どこの村の出身ですか?。」

「はい。王都から、4,5日行った山の中にある、カイーデ村になります。」


 やはりそうだ。

 あそこの村の住人は、やはり錬金のスキルが、代々ある人が、多いのか。


「そうですか。先日、王都に来る時、カイーデ村に寄ったんですよ。」

「そ、そうですか。何も無い所でしたでしょう。残った者も、生活が、ぎりぎりの貧しい村なので。」


「もし、生活出来る様なら、村に居ましたか?。」

「それは、生まれ育った村ですから。泣く泣く王都まで、出てきております。」


「村に居たアイラさんは、ご存じですか?。」


 奥さんは、目を剥いて驚いた。


「ア、アイラを、ご存じなんですか?。私達の隣に、住んでおりました。も、もしかして病気が、悪化したとか。」


「ええ、魔素中毒が、高度まで悪化して、寝たきりのようでした。」

「そ、そうですか。アイラが、.....。」


 奥さんは、悲しそうだった。


「でも、安心して下さい。今は、この王都にいて、病気の治療もして、元気ですよ。」


「アイラが、元気に、...良かった。でも、治療って、もしかして、私達と同じように、借金して治療を。今は、奴隷か、何かですか?。」

「いえ、今は、これから仕事をする為に、訓練している所ですよ。」


 一瞬、ホッと、安心した顔をしたが、直ぐに、その顔も、また曇った。


 その時、奥にいた娘が、話しかけてきた。


「あの~、アイお姉ちゃんは、元気ですか?。」

「アイさんも、元気だよ。お母さんと、一緒に、これからの仕事の準備を頑張っているよ。」


「よかった。また、会いたいな。」

「す、すいません。変な事を。」


「娘さんは、アイさんと、仲が良かったんですか?。」

「はい、いつも、実の姉の様に、慕っておりました。」


 僕は、コマースさんに、頷いた。


「ザビールさん。こちらの家族は、幾らですか?。」

「あの~、宜しいんですか?。主人は、怪我が、完治しておりませんが。」


「構いませんよ。幾らですか?。」

「そうですね。金貨150枚ですが、鉱山へ送る手前だったので、金貨120枚で、如何でしょうか?。」


 僕は、コマースさんへ、頷いた。


「では、この家族と、契約いたしますよ。」

「ありがとうございます。」


 家族は、涙を流しながら、お礼を言っていた。


 では、次は戦える奴隷になります。


 ここは、全て個人の奴隷だった。


 そりゃそうか、家族で居たら、こっちが驚くわ。

 武闘派家族とか。


 部屋に入ると、アピールが凄かった。


 どこぞのダンジョンで、何階まで行ったとか、何の魔物を倒したとか。

 でも、鑑定してみても、確かに、そこそこなんだけど、パッとしなかった。


 でも、最後に居た二人は、別格だった。



当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ