第46話 北の森
そんな会話が、続いているとは知らずに、僕たちは北の門から、王都を出発した。
「ライト、急ぐわよ。身体強化、発動よ!!。」
「うん、分かった。」
僕は、スキルセットに、身体強化と魔力強化、鑑定をセットした。
二人は、街道を高速で、移動する。
しばらく行くと、二股に道が分かれており、左は街道になっているが、右は誰も行かない細い道だった。
ミーサが、速度を落とし、二股の手前で止まった。
「ライト。この右側の道が、北の森へ続く道よ。この先は一本道で、人も住んでいないわ。」
「ミーサ。まだ、大丈夫だけど、スキルを使いこなしてないから、森の手前で、安全な場所があれば、休憩しないか。もし、何かあったら、消耗したままじゃ、僕は足手まといに、なってしまうから。」
「分かったわ。森に入らなければ安全だから、森が見えるところまで進んだら、休憩しましょう。」
僕たちは、また、身体強化を発動しながら、先を急いだ。
それから、1時間ぐらい経っただろうか。
遠くに山が、見えてきた。
それも、地平線一杯に広がった、山々だ!!。
あれが、アルース山脈か。
「ライト、遠くに見えるのが、アルース山脈よ。その手前に見えてきたのが、北の森よ。」
やはり、あれがアルース山脈で、その手前が北の森って。
森っていうか、樹海じゃん。
でも、これだけ広いのに、魔物の姿がないっていうんだから、そりゃ、何かあるって思いますよね。
初めて来たけど、そう思えるぐらい広大な森だった。
「ライト。その先の木の下で、休みましょう。」
僕たちは移動をやめ、木の下で腰を下ろした。
「ライト。身体強化の方は、どうなの?。」
「前よりは、だいぶ良くなったよ。でも、まだ、消耗は激しいかな。今回は、魔力強化も使ってるから、大分、魔力の消費は、抑えられているけど、その分、体の負担が激しいかな。」
「でも、普通にスキル取得して、レベルを上げるよりも、よっぽど、効率よく上がるんだから、羨ましいわよ。みんな、どれだけ努力して、上げたと思ってるのよ。」
「まあ、そうだよね。そうだ、休憩のついでに、お昼ご飯でも、食べようよ。」
「お昼ご飯?。朝、メイサに作ってもらったやつね。そういえば、私のマジックバッグに、入れなかったわよね。」
「じゃ、じゃ~ん!!。はい、お弁当。」
「これ、まだ、パンが暖かいじゃない。どうしたの?。」
「ふふ~ん、これだよ。」
僕は、肩から下げていたショルダーバッグを指した。
「まさか、マジックバッグなの?。」
「そう、昨日の夜に、作ってみたんだ。昨日、教会に行ったときに、鑑定しただろ。あの時、祭壇があったじゃないか。で、祭壇も鑑定しろって。」
「え、ええ。」
「あの祭壇は、魔力操作を、時空魔法の空間操作で、固定させていたんだ。それで、魔力操作と時空魔法をコピーしたんだよ。宿に帰ってから、いろいろと試した結果、イメージした空間を作って、バッグの中に固定できれば、マジックバッグに出来るかと思って、やってみたんだ。」
「ライト、凄いよ。そんなこと出来る人なんて、世界で何人いるか。」
「でも、まだ、使いこなせてないからね。使いこなせたら、その数人に、入れるかもね。」
僕たちは、パンにお肉を挟んだお弁当を食べていた。
「ほんと、何もいないわね。気配もしないけど。」
「そうだね。静かすぎて、何も感じないよ。」
「ここからは、歩いていきましょう。」
「了解。」
僕たちは、警戒しながら、歩いて北の森に近づいた。
しかし、森に入る直前まで来たが、何もなかった。
「ここでも、何も無いわね。」
「そうだね。相変わらず何もいないよね。」
「じゃあ、森に入ってみましょう。」
僕たちは、森に入った。
ほんと、樹海だよ。
奥に向かって、進んでいく。
しかし、何もいない。
何も出ない。
その時、僕はふっと、何かに気づいた。
「何かいる!!。」
確かに、何かいるんだ。
見える範囲に居る訳じゃないけど、何かいる。
感ていうか。
呼ばれている?。
「ネエ、キズイタネ。」
「ソウダネ。キズイタネ。ボクタチニ、キズクナンテネ。」
「キズイタダケデモ、タイシタモンダヨ」
僕は、ミーサに
「こっちだと思う。」
「ライト、何か分かったの?。」
「いや、見えたりした訳じゃないんだけど、何か感じるんだ。」
「分かったわ。警戒しながら、進みましょう。」
僕たちは、何にも遭遇しないまま、更に奥に進んだ。
「ア、ナニカ、キタネ。」
「ウン、ナニカキタヨ。アッ!、コレハ、アイツダ。」
「メンドウクサイヤツガ、キタネ。」
「ミンナ、イナイカラ、ハラヘラシテ、デテキタンダナ。」
「マズイネ、ハチアワセダ。」
「マア、オテナミ、ハイケンダネ。」
更に進むと、奥に若干、光が差し込んでいる所があった。
その先に、そいつはいた。
「ミーサ、この先に何かいる。」
「えっ!!。この先に?。」
僕と、ミーサが、更に進むと。
「あっ!!。ね、ね、猫!。ミーサ、猫がいる。」
「ねこ?。こんな所に、猫なんているわけないじゃ、....、いた。なんで、猫なんかいるのよ。普通、ここじゃあ、餌よ。餌。」
「魔物がいないから、間違えて森に入っちゃたのかなあ。」
と言いつつも、こんな奥まで来るか、普通。
ありえへん。
僕たちは、猫に近づいた。
じっと、僕たちを、見ている猫。
これが逃げないんだなあ。
とうとう、手を伸ばせば触れるぐらいに、近づいた。
猫、可愛いなあ。
前世と同じやんか。
でも、ちょっと色が、不思議な色だった。
一匹は金色?っていうか、前世でも茶色はいたけど、もう一匹は、水色か?。
「よしよし、森の外まで、連れて行ってあげようね。」
なんて声を掛けて、触れる寸前だった。
森の奥から、
ズシン!、ズシン!!。
おいおいおい、何だこれ?。
凄い勢いで、こちらに、向かって来るものがあった。
まだ、遠くなのに、この感じ。
「やばいっ!!。」
て思った瞬間。
「ライト。サイクロプスよ。」
「ええっ!、ミーサ。気配で分かるの?。」
「いえ、デカいから、もう見えてる。」
「まじかっ!!。」
って、僕もそっちを見たら、
「デカっ!!。」
ここから見ても、デカいのが分かる。
「ライト、不味いわよ。あのデカさ。普通のやつより、二回りはデカいわ。」
「ミーサ、逃げよう。」
「無理ね。あのデカさで走られたら、あっという間に、追いつかれるわ。」
「じゃあ、どうするの?。」
「やるだけ、やるしかないわ。」
ミーサは、剣を抜いた。
マジっすか。
ミーサさん、やるんすね。
はあ~~~!。
だから、いやって、いうたやん。
「ミーサ、こいつの弱点ってもしかして、目?。」
「そうよ。普通は遠距離攻撃のメンバが狙うけど、今回は、私とライトしかいないし、そんなの準備してないから。」
ですよね~。
はあ~、死にそう。
まじで。
そんなことを言っているうちに、目の前にサイクロプスがやってきた。
ぐわああああああああああ~!!。
うるさいわ!!。
威嚇しとるんやろう。
って、思った矢先、でっかいこん棒を振りかぶった。
何処、狙ってる。
馬鹿がって思ったら、その下に猫がいた。
早く逃げて。
「みゃあ~~!!。」
こっち向いて鳴いてるよ。
やばい猫が!!。
って思った瞬間、僕は、身体強化を発動し、全力で猫に向かって走っていた。
どこかであったようなシーンだな。
あっ!。
前世で、お婆さんを助けた時だ。
また、同じことに、.....。
どがあアアアアアアア~ん!!。
猫がいた場所に、こん棒が、めり込んでいた。
周辺には、土煙が舞っていた。
「ラ、ラ、ライトお~~!!。」
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