第42話 神託
神託:神の意を伺う事。また、その時、伝えられた言葉。
ここは、王都にあるライシール教会。
その中でも、最高位に位置する聖女、彼女は、ライシール。
歴代の聖女は、その名を継承し、最高位として、崇められる。
「明日は、久しぶりに、高度な魔素中毒の治療。まあ、魔力も十分だし、問題ないはず。でも、.....。」
ライシールは、以前から治療費の高騰を、気にしていた。
何故、金品を受け取るのか。
お金など貰わなくとも、治療すれば良かった。
人のために役に立ちたい、彼女は、その思いだけだった。
ライシールが、まだ子供の時、当時いた孤児院に、前聖女様が慰問で来られた。
その際に、たまたま、手を握られた瞬間、意識が通じ合った。
後から、前聖女様から聞かされた話だが、治癒、回復、光属性のスキルを持っており、聖女の可能性がある場合に、そのようなことが起こるらしい。
なんと、前聖女様も、一般の家庭から、見い出されたとのことだった。
孤児院から、教会に連れられていった私は、聖女様の付き人となり、魔力、治癒、回復の修行を、熟して今に至った。
「また、費用の話をしても、教会の人達は、「教会を大きくするため、そうすれば人は救われる。」というばかり。」
納得いかない事もあるが、お金を払っても、治療をしたい人はいる。
その人に罪は無いと、自分に言い聞かせて、治療にあたっていたのである。
明日の予定を確認し、就寝したのであるが、その日は、.....。
いつもと、違っていた。
「ライシール、ライシールよ!!。」
誰かに呼ばれて、起こされる。
ライシールは、不思議な空間に寝ていた。
「ココハ?、........。」
ライシールは、目を開けて見た。
そこには、光輝いて姿はよく分からないが、人らしき人物が立っていた。
「あなたは?、.......。」
「君たちの世界でいう神!。」
面倒くさいから、神って言っておこう。
「わ、わたしは、召されたのですか?。」
「いや、ライシールに、言葉を伝えるために、呼んだのだ。」
「私のような者に、神が神託をくださるというのですか。勿体ない、お言葉です。」
サッサと話して、帰ってもらおうかな。
「ライシールよ、明日、治療を行う高度な魔素中毒の女性が来たら、付き添いのライトという人物に、ライシール、そなたを鑑定させるのだ。」
「私を、鑑定ですか?。」
「そうだ、鑑定させるだけでよい。」
「分かりました。」
「それに、儀式を行う儀式台についても、鑑定させるのだ。」
「儀式台をですか?、分かりました。」
「そして、ライトに、こう伝えるのだ。「北の森に行け!。」と。」
「分かりました。北の森ですね。」
「最後にライシールよ。今、疑問に思い、迷い、悩んでいることがあるな!。」
「エッ!!。そ、それは、......。やはりお見通しなのですね。神様。」
「お前の悩みは、解決されるだろう。」
「本当ですか!!。」
「それはな、ライトと仲間が、答えてくれるだろう。」
「私の悩みを、そのライトという人物が、応えてくれると。」
「そうだ、さすればお前の望んだ未来が、見えるだろう。」
「神様、......。」
「いつも見ておるぞ。」
ス~~~と、意識が薄れていく感覚があった。
ライシールは、目を覚ました。
汗をびっしょりと、掻いていた。
「今のは、いったい。」
窓の外は、まだ暗かった。
ライトとは、どんな人物なのか。
「私に、神託を授かるとは、......。」
涙が頬をつたわった。
「私に、神託が、.....。ライト、鑑定、北の森、私の望んだ未来。」
まだ、朝まで時間があったが、ライシールは、眠れなかった。
いつもの起床時間になると、すぐに着替えて部屋を出る。
ライシールは、日課の礼拝堂に向かうことはなく、前聖女の部屋に向かった。
コン!、コン!。
「名誉聖女様、ライシールです。」
「どうぞ、お入りなさい。」
「名誉聖者様、朝早く、申し訳ありません。」
「ライシール、どうしました?。あなたが、こんなに朝早く、私に会いに来るなんて。初めてね。」
「はい、実はどうしても、お話ししなくては、いけないことが昨晩ありました。」
「あなたが、そこまで言うってことは、聖女に関することね。」
「はい、昨日の夜、神託がありました。」
「し、神託があったと。そ、そう、あなたに神託が。それは、なんと言われていたのですか?。」
「はい、実は今日。治療で見える方で、ライト様という方が、付き添いでみえると。そのライト様に、自分を鑑定させろと言われました。そして、北の森へ行けと伝えろと。そして、ライトと仲間が、私の悩みに応え、私が望んだ未来が見えると。」
「それでは、ライトという人物が、何かしらあるのね。長年、聖女として生きてきた私でさえ、神託は授からなかったわ。やはり、あなたは、私が見込んだだけのことは、あったわね。聖女として、私よりも遥かに上よ。ライシール。いい、神託に従いなさい。もう、教会は、あなたの時代。あなたが、正しいと思う生き方をなさい。」
「名誉聖女様、......。」
「そのライトなる人物、私も会ってみたいわね。」
「はい、治療は午後からになります。」
「分かったわ。行ってみましょう。」
そんな事があったことは、露知らず、僕達は教会へ向かうのであった。
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