第4話 ダンジョンの常識とスキル
天空の城の皆さんと、通路を進んで行くと、僕が、目を覚ました穴があった。
そこには、通路から、岩が、張り出しており、その裏側に、ぽっかりと、穴が空いていた。
照明に当てられて、穴を、確認するメンバー。
「結構、深いな。」
「ライト君は、ここで、目を、覚ましたんだよね。」
「はい、そうです。気づいたら、この中に居て、真っ暗だったので、手探りで、回りを探しました。だけど、何も無くて。手を伸ばしたら、上に空間があったので、よじ登りました。」
「ここだと、岩の影だし。隠れようとして、落ちたみたいだね。」
「まあ、君だけでも、生きて見つかって、よかったよ。」
「君も、さっき見た通り、あのゴブリンの数だ。Dランクのパーティーじゃあ、逃げきれるかは、運次第だよ。確認も済んだし、じゃあ、引き上げるとしよう。」
それから、僕達は、地上を目指し、来た道を引き返した。
天空の城のみなさんは、僕のスピードに合わせて、進んでくれているようで、10階、9階、8階と進んできた。
そして、今日は、8階にある安全地帯で、一泊し、明日には、地上へ戻るらしい。
「よし。今日は、ここで、一泊しよう。」
ゴードンさんが、声を掛けた。
テントの準備や、食事の準備を、始めるメンバー。
焚火を起こしたゴードンさんが、僕に、声をかけた。
「ライト君。少し、話をしようか?。」
「はい!。」
僕は、焚火を前にして、ゴードンさんの隣に、座った。
「ライト君。まずは、さっき、現場検証した際に、話をしていた事を、説明しておくね。」
「はい、お願いします。」
「さっき、戦っていたゴブリンは、ゴブリン、ホボゴブリン、ゴブリンリーダー、ゴブリンナイトとか、ゴブリンメイジ、そして、ゴブリンキングっていう具合に、同じ種族の中でも、種類が、あるんだ。」
「ゴブリンって、そんなに、いるんですね。」
「それで、ランクの下の方から、順に、構成する数が、多くなって、キングだと、数百から数千に、一体の割合で居る事が、多いんだ。」
「なるほど、そうなんですね。」
「今回、キングは、居なかったけど、ナイトと、メイジが、居たね。」
「はい。でも、ゴブリンと、ホボゴブリンの数が、多いような気がしますが。」
「そうだね。僕達も、戦っていて、数は、多いと感じたよ。だから、最悪は、キングが居るかとも、思っていたんだ。」
「でも、居なかった。」
「そう。でも代わりに、ユニークが居た。」
「えっと、ユニークっていうのは、何ですか?。」
「ユニークっていうのは、変異種って事なんだ。同じ種類の個体でも、スキルに、優れていたり、特殊な能力を、持っていたりしてね。生まれる確率も、数百か数千に一体と、言われているね。」
「じゃあ、それが、今回のゴブリンメイジだったって事ですか?。」
「そうなるね。普通、10階は、ゴブリンが、出現する最後の階層で、数が多かったり、強い個体が、出たりしてたんだ。だけど、今回の数の多さは、数年に一回か、数十年に、一回ぐらいだと思うよ。」
「そうだったんですね。」
ついでだから、今のうちに、聞けるだけ聞いておこうかな。
「ゴードンさん、すいません。スキルについても、教えてください。」
「ああ、スキルだね。スキルは、生まれた時に、既に、持っている人や、修行や、訓練で、身に付く技術っていうのかな、才能っていうか。」
「どんなスキルでも、身に付くんですか?。」
「いや、いくら頑張っても、身に付かないものもあるよ。自分が、いいなと思ったものを、練習したりするんだけど、ある程度やっても、スキルが、沸かない事もある。」
「何でも、出来るって事では、ないんですね。」
「でも、大体、才能があれば、沸くんだけど、沸かなければ諦めて、身に付いているものを、伸ばしていくんだ。」
「スキルを伸ばすと、どうなるんですか?。」
「スキルは、最低が1で、最高が10。高くなればなる程、技術だったり、強い魔法が、使えるようになる。」
「魔法?。あの、魔法とかは、どうなっているんですか?。」
「魔法かい。魔法も、基本は、同じだよ。」
「じゃあ、ゴードンさんが、言っていた、スキルが、高くないと、強い魔法や、難易度の高い魔法が、使えないって事ですか?。」
「そうだね。たとえばだけど、剣術なんて、レベルが10いったら、剣聖とか呼ばれて、歴史に、名前を残しちゃうレベルだけどね。魔法も同じさ。大魔導士みたいな人って、感じかな。」
「スキルは、どうやって、伸ばすんですか?。」
「たとえば、強い人と、練習するとか。自分で、鍛えてみるとか。実践に近い方が、早く伸びるとも、言われているね。」
「スキルは、誰でも、10まで、上がるんですか?。」
「一応ね。上がると言われているけど、上がる速度に、個人差が、あるんだ。」
「上がる速度?。」
「そうだね。例えば、1回戦ったら上がる人、10回で上がる人、10万回で上がる人とか。向き不向きによっても、違うと、言われてるんだ。」
じゃあ、僕は、どうなんだろうか。
コピーすれば使えるのか。
コピーしたスキルを、セットして使えば、伸ばせるのか。
使ったのは、投擲1だけ、だからなあ。
石を投げて、上手く、当たったけど。
スキルで当たったのか、たまたまなのか。
自分のスキルは、やっぱりよく分からない。
何処かで確認しないと、これから先が不安だなあ。
ゴードンさんとの会話をしてしていたら、食事の準備が出来たようなので、みんなが焚火の周りに集まって来た。
食事の準備をしていたエリンさんが、みんなに食事を渡していった。
渡された食事は、この世界では何て言うのか知らないが、大きいカンパン、ジャーキー、薄い味のスープだった。
食事についてもゴードンさんに聞いてみた。
「ゴードンさん。ダンジョンでの食事って、こんな感じ何ですか?」
「まあ、普通はこんなもんだね。荷物が多くなるし、ドロップ品を持ち帰るからね。」
配られた大きいカンパンは、堅パンと言うらしい。
確かにそのまんま固いし、ぼそぼそで唾液を持っていかれ口の中がカラカラだ。
それに味も不味い。
唯一水分と合わさると、お腹が膨れた様だ。
ジャーキーは只の干し肉だった。
これも固いし筋張っている。
塩気も薄いので、ジャーキーというより、遠い所に塩分があるスルメイカって言う感じで不味い。
薄い味のスープは、一応野菜スープらしい。
これも塩分が薄く野菜か草か、分からない味しかしない。
冒険者が探索するって、大変だなという感じがした。
疲労回復や栄養って大丈夫なのかこれと、心配もしてみた。
これだけ見るとこの世界の食糧事情は、元の世界より全然、悪いかもしれない。
食事が恵まれないって、辛いと思う。
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