第39話 女性が欲しがるアレ
さあ、次の準備をしよう。
取り出しておいた牛乳が、常温であることを確認し、光属性の魔法を追加でセットしてから、新しい器に手をかざし、錬金で殺菌してみる。
分離が出来るのだから、器を無菌することも可能なはずだ。
牛乳を半分、器に移して、村で採っておいたサンシュユの葉に付いた朝露を、器に入れた。
軽く混ぜてから、残しておいた牛乳へ戻す。
室温が体感的に、25度よりも涼しいと思うので、部屋にあった毛布で、瓶を包んで置いておく。
「ねえ、ライト、この牛乳は、何にするの?。」
ミーサが、不思議そうに聞いてきた。
「これはね、僕の世界で、ヨーグルトっていう食べ物になるんだ。お腹に良い食べ物っていう感じかなあ。それに、そこからパンの材料も、出来るんだよ。そうすれば、ヨーデルさんの所で食べたパンよりも、もっと美味しい物が、出来るかもしれない。」
「ヨーデルさんって、国一番って言ってたじゃない。それを超えるって?。」
「うん、確かにこの世界では、一番、美味しいと思ったよ。でも僕のいた世界では、もっと美味しいパンがあったからね。だから、いろんなことを試して、美味しい物を食べてほしいんだ。」
「ふふ、ライトらしいわね。自分が得することを考えずに、行動するところ。」
そんなことをしていると、煮詰めていたお鍋を持って、メイサが戻ってきた。
「ライト、煮詰め終わったよ。確認してみて。」
メープルウォーターを、煮詰めたままの状態で、味見してみる。
見た目や香りは、前回、僕が作ったものと、遜色ないように見える。
「うう~ん、やっぱり錬金を使ってないと、不純物があって、円やかさや、甘みも少し違うような感じだね。」
「そうだよね。前回、ライトが作ったものに比べて、ちょっと違うなって感じだよね。」
「でも、大丈夫だよ。前回は、煮詰めながら、錬金使ったけど、今度は、こうするんだ。」
僕は、メイサが煮詰めてくれた鍋を受け取り、鍋の両脇を抱えて、前世で食べたシロップを思い浮かべながら、錬金スキルを発動させた。
しばらく発動を続けると
「うんっ!。これでどうだろう。」
なんか出来上がったことが、まだハッキリとじゃなく、なんとなくだけど、感覚で分かるようになった。
「さてと、不純物とか、余計なものを除いたけど、味見してみようよ。」
三人で、出来上がったシロップを、味見してみる。
「おおっ!、出来上がってると、思うんだけど。どうかな。」
「うん、なんか前回の時よりも、香りも味も、よくなっているような気がするわ。」
ここは、料理人のメイサの意見を待つ。
「うん、美味しいよ。前回よりも、よくなっているわ。錬金のスキルが上がったからか、作る工程が、今日の方が、合っているのかもしれないわね。」
「今回の作り方でも、問題ないみたいだね。スキルも、錬金と料理を組み合わせてみたんだ。これなら、アイラさんとアイさんでも、問題ないと思うんだけど。」
「アイラさんとアイさんに、作ってもらうのって、大丈夫なの?。」
「最初に作ったやり方だと、煮詰めながら錬金を長時間発動するから、魔力も体力も大変だと思ってたんだ。でも、今回のやり方なら、煮詰めるのは、ほかの人にやってもらって、最終の仕上げを、アイラさんとアイさんが、仕事にすれば、出来ると思うんだ。」
「ライト、やっぱり、いろいろと考えていたのね。」
「まあ、あの二人にお願いをしたら、無理をしてもがんばってしまうだろうけど、苦労してまた体壊したら、元も子もないだろうって。彼女たちは、奴隷じゃないんだから。生活できるお金も稼いで、自分の自由な時間をもっと、楽しんでもらいたいんだ。」
さあ、明日の準備は、終わったから、お風呂に入って休もう。
なんと、この宿屋には、お風呂があった。
僕たちは、大浴場にいって、体を休めることにする。
いや~!、長旅だったから、ゆっくりとお風呂に浸かって、疲れを取るとしよう。
久しぶりに、ゆっくりと、お風呂に浸かることができた。
いや~、満足、満足。
部屋に帰ると、彼女たちは、まだ、帰ってきていなかった。
「そうだ、この時間を利用して、あれでも作ってみよう。」
スキルセットで、錬金と回復魔法、治癒魔法、光属性魔法をセットする。
僕は、メープルウォーターを、少し器に移し、錬金スキルで不純物の除去、僕の時代でいうアンチエイジング効果、美肌効果を念じながら、魔力を込める。
しばらく発動を続けると、これもなんか、出来上がったことが、感覚で分かった。
買い物の途中で、買ってきた小さい小瓶に、出来上がったメイプルウォーターを入れて、待っていると、ミーサとメイサが、お風呂から帰ってきた。
「ああ、サッパリした。やっぱりお風呂があると、いいわね。」
「本当、髪の毛も綺麗になったし、お風呂はいいわね。」
「ミーサ、メイサ、ちょっとこれ、試してみてくれないかなあ。」
「ライト、これは?。」
「村に寄った時に、女の人の肌を見ただろ。何か違うと思わなかったかい。」
「そうね。前から村に何回も寄ったけど、確かに、村の女性って、肌が綺麗よね。」
「ライト、何か知ってるの?。」
「前の世界で、例の水があるだろ。あれって女性の肌をよくする効果があるって、聞いたことがあったんだ。」
「肌が綺麗に、......。それで、それで。」
「確か、あの水に含まれているものが、お肌に効果があるとか。」
「ほう、それで、それで。私たちに水を、使えってこと?。」
「いや、水をそのまま使っても、シロップと同じで、薄まっていると思ったから、帰ってくるまでに、錬金と回復魔法、治癒魔法、光属性魔法を使って、これを作ってみたんだ。」
僕は、二人の前に、先ほど作った液体を、出して見せた。
「こ、こ、これが、お肌に良い水なの?。」
「うん、僕の世界で、美容に使っているような効果を想定して、不純物も取り除いた液体だよ。」
ごくっ!!。
二人して、喉を鳴らした。
「あれっ!。やっぱりそういうのって、興味があるんだよね?。」
「ライト、私たちだって女なのよ。興味が無いわけないじゃない。冒険者だって、料理人だって、女は女なのよ。当然、いつも美しく見せたいわよ。」
なんか、すごい勢いで、ハモった感じで、攻められてるんですけど、....。
「すいません。あの、これを顔に、塗ったりしてちょっと、お肌を観てもらっていいでしょうか?。」
二人はそれぞれ、瓶を取って、手の平に液体を少し取ってみた。
「匂いは、やっぱりあの水の匂いがするのね。」
「まあ、他の匂いを、混ぜたわけじゃないんだ。そのままの感じだね。」
二人は、恐る恐る顔に、馴染ませていく。
一回、二回と瓶から液を出しては、顔全体に馴染ませてみた。
最後に、両手で顔を覆う感じで、馴染ませて、しばらく、じっとしている。
あれ?、何にも言わないで、じっとしている。
何か、ダメなんでしょうか?。
「ええ~、もしもし。」
「ラ・イ・ト~~~!!。」
いや、二人とも、喋りだすタイミングも、口調も、手で顔を覆っているから合わないはずなのに、ピッタリとか、なして。
ガバっ!!。
「なんで、今まで黙っていたのよ。こんな凄いの初めてよ。つるつるモチモチって、これ、使うわよ。毎日ね。」
「は、はあ、使われるんですね?。」
大変、気に入った様子で、御座いますけど。
なんか、二人でひそひそと、話をしている。
「これ、ヤバいわね。知られないように、黙っていないと。」
「あの~、これもコマースさんに、....。」
「駄目よ!!。ライトは、女の人の怖さが分かってない。金持ち連中なんか、こぞって、手に入れようとするわよ。」
そこから、しばらく話が続く。
言うか、言わないかで押し問答が続いたが、結局は、相談するということで落ち着いた。
二人には、毎日、必ず使えるようにすることが、条件だ。
なんか、大変なものを、出してしまったようだ。
まあ、明日、コマースさんへ相談しよう。
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