第36話 ギルドとパン
僕達三人は、冒険者ギルドへ、向かった。
冒険者ギルドは、王城の正面の向かいに位置しており、この国の冒険者ギルドで、一番大きな建物らしい。
実際に、建物の前に立ってみると、確かに、デルポートの冒険者ギルドよりも、更に、大きな建物で、人の出入りも、多かった。
僕達が、冒険者ギルドに入ると、ミーサは、流石に知り合いが多く、色んな人に、挨拶をされていた。
ギルドの入り口を入り、正面に、窓口が並んでいる。
手前の1番から10番までは、低ランクの冒険者用らしく、大勢並んでいたが、僕達は、それを横目に、一番奥にある15番窓口に、向かった。
それは、Bランク以上の冒険者専用窓口であり、職員も、ベテランが、対応してくれるらしい。
「これは、ミーサ様。お久しぶりですね。」
「あら、イザベラ。久しぶりね。今日は、コマース商会の護衛任務で、来たのよ。」
ミーサは、依頼書とギルドカードを、イザベラさんへ、渡した。
「はい、確認致します。報酬は、口座に、入金で、宜しいですか?。」
「ええ。」
「其方のお二人は?。」
「デルポートから、一緒に来た、ライトとメイサよ。ライトは、冒険者だから、顔を合わすかもね。」
「イザベラさん。宜しくお願いします。」
「ライトさん、宜しくお願いします。ライトさん、ランクは?。」
「僕は、まだ、Eランクです。」
「そうですか。是非、ランクを上げて、こちらもご利用下さい。」
「それでは、ミーサ様。確認しました。ギルドカードを、お返し致します。」
「イザベラ、キングの状況を、教えて。」
「ふふ。ミーサ様。また、挑戦されるのですね。」
「そうね。必ず、攻略してみせるわ。」
「期待していますよ。キングは、現在、一番侵攻したのが、76階に、なりますね。」
「76階?。前回から、1年近く経つけど、3階しか、進んでいないのね。」
「やはり、階層が、深くなりますから、補給と体力が、なかなか厳しく、進んでいないようです。」
「今回も、キングへは、入られる予定ですか?。」
イザベラさんが、ミーサに聞くと、ミーサは、僕の方を見た。
「今回は、ちょっと、考えるわ。」
イザベラさんも、僕を見た。
何故、Eランク冒険者を、気にしたのか、彼女には、この時点では、分からなかった。
「入られるようでしたら、ギルドに、お寄り下さい。依頼もありますので、宜しくお願い致します。」
「分かったわ。さあ、行きましょう。」
僕達は、冒険者ギルドを、後にした。
ギルドの建物を出た時に、ふっと、気づいた。
「ミーサ、隣りの建物って、ギルド?。」
「ええ、そうよ。順に、商業ギルドで、料理ギルド、ギルドは、大体、王城の正面に、並んでいるわ。」
「ライト。あれ、登録するのね。」
「いや、まだだよ。ちょっと、王都の食材を、調べてからね。」
「まだ、何か、あるの?。」
「一緒に、登録した方が、流行るかもしれない物も、あるからね。」
「エヘッ!。また、美味しいもの、食べれるのね。」
「メイサには、試食もしてもらうけど、作り方も、覚えてもらうからね。」
「うっ!。もう、何で、私なのよお。」
「さあ。コマースさんに、紹介してもらったパン屋さんと、食材を売っている所に、行こうよ。」
「じゃあ、パン屋が、先ね。食材は、市場がいいわね。とりあえず、王都で、買えるものは、全部あるはずよ。」
僕達は、中通りに面したパン屋に、向かった。
パン屋の名前は「王都のパン」。
「ミーサも、知ってるの。このパン屋さん?。」
「そりゃ、この国で、一番っていう、パン屋さんだからね。王様への献上も、しているらしいわよ。」
コマースさん、そんな立派じゃなくても、よかったのに。
「凄いね。この国で、一番だって。食べてみたいわね。」
メイサは、張り切ってるなあ。
まあ、この国一番なら、僕の前世の味覚と、比べられるかも。
しばらく歩くと、中通りに、着いた。
中通りは、飲食店が、多く連ねている通りだった。
ミーサが、立ち止まる。
「ここよ。」
確かに、パンのいい香りが、する店だった。
店に入ると
ちゃりん、ちゃりん!!。
お店のドアに、付けられた呼び鈴が、鳴った。
お店には、前世と違って、パンが、並べられている訳では、なかった。
「いらっしゃいませ。」
僕と、同い年ぐらいの女の子が、出てきた。
「すいません。コマースさんに、紹介されて来たんですけど。」
「ちょっと、待って下さいね。ご主人、呼んで来ますね。」
奥に入った娘が、男の人を、連れてきた。
「コマースさんの紹介だって?。俺は、此処の主人で、ヨーデルだ。」
「ライトといいます。こっちは、ミーサとメイサです。パン作りについて、教えてほしいんですが。」
「何だ、パン屋でも、やりたいのか?。」
「いえ、パンに、使っている材料で、新しい物を作ろうかと。なので、先ずは、パンが、どうやって作られているかを、知りたかったんです。」
「珍しいな。パンていっても、そんなに、種類があるわけじゃない。四角いやつか、丸めたやつ、細長いやつとか。固いのもあるぞ。ここじゃあなんだ、奥の厨房で、教えてやろう。」
僕達は、店の奥にある厨房に、通された。
その間も、
ちゃりん、ちゃりん!!。
と鈴が、鳴っている。
やっぱり、繁盛している店らしい。
「この国で、一番って、聞いて来たんですが?。」
「一番かどうかは、分からないけどな。みんな、よく買いに、来てくれるよ。」
「王様へ、献上もしてるとか。」
「ああ。王様へは、週に一回、一番、出来のいいやつを、持って行ってもらってる。」
「凄いですね。王様へ、献上なんて。」
「ハハハ!。それぐらいしか、自慢出来る事は、ないんだがな。」
「じゃあ、何が、知りたいんだ。普通は、作り方なんて、教えたりしないんだ。お店毎に、材料や、作り方が、違うしな。」
まあ、前世でも、お店毎に、企業秘密とかって、言ってたし。
「材料は、どんな物を、使ってるんですか?。」
「コマースさんの所から、卸してもらっている、これが、コームギだ。」
コームギって、前世の小麦やん。
白い粉かあ。
これは、同じだな。
いや、確か、種類によって、用途が違うって、母さんから、聞いたなあ。
「粉は、一種類だけですか?。」
「そうだ。コマースさんの所で、扱っている最高級を、卸してもらってる。」
それにしても、この世界の食事って、前世に比べて、イマイチなんだよなあ。
「よし、出来上がったパンでも、食べてみるか?。」
おお、出来立てか。
ヨーデルさんが、前世でいう一斤に相当するパンを、2センチぐらいの厚さに、切ってくれた。
「どうだ、美味そうだろう。食ってみてくれ。」
断面から、パンの肌理を、見てみる。
前の世界で、スーパーなんかで、売っていた食パンの肌理よりも、粗い感じだ。
家にもあった自動パン焼き機で、小麦粉を使って、パンを焼いたような感じだった。
今まで、食べたパンよりは、美味しかったが、.....。
流石に、国一番と呼ばれる事はあるんだけど、.....。
だけどなあ、......。
確か、小麦粉の種類で、薄力粉、中力粉、強力粉だったかな。
たんぱく質の量で、変わってきたはずだ。
まてよ、まてよ。
強力粉の方が、イースト菌によって膨らむとか、母さんが、言っていたぞ。
ここで使われているのは、薄力粉に、近いんじゃないだろうか。
僕は、パンの肌理や、食べてみて、そう思った。
もしかして、小麦粉も、錬金で、.....。
「ヨーデルさん。パンを作る時に、菌っていうか。種になる物を、混ぜますよね。どんな物を、使ってるんですか?。」
「おお、よく知ってるな。パンの元の話か。これも、お店毎に違うからな。修行した所から、分けてもらうか、自分で、探すかだな。俺は、色んな所を旅して、自分で、見つけたんんだ。」
「大変、苦労されたんですね。ご自分で、見つけられるなんて。」
「いやあ。俺には、他に出来る事が、無いし。やるなら、一番に、なりたくてな。」
ヨーデルさんの邪魔をしてはいけないと思って、そろそろ失礼しよう。
「ヨーデルさん、色々とお話を聞けて、助かりました。ありがとうございました。」
「なあに、コマースさんの紹介だからな。また、何かあったら来いよ。」
ヨーデルさんも、いい人なんだなあ。
「あの~。もし、今よりも、もっと、良い粉が見つかったら、使ってみてもらえますか?。」
「そ、そんな話が、あるのか。そりゃ、願ってもねえな。もっと、美味いパンが作れるなら、使ってみてえなあ。」
「分かりました。見つかったら、お持ちしますから、是非、作ってみて下さい。」
「期待しないで、待ってるぞ。」
ヨーデルさん、なんか、嬉しそうだな。
パンのお店も見たし、他の食材について、見に行こう。
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