第31話 新たな旅立ち
僕は、夜明け前に起きた。
昨日の事を、後悔しつつ、荷物を準備した。
元々、そんなに荷物があるわけじゃない。
装備や簡単な食事と、今まで貯めたお金を持って、朝6時の開門に、向かった。
門の前には、商人やら馬車、違う街に、移動する人々が、並んでいた。
僕も、開門を待つ人の列に並び、開門を待った。
それから直ぐに、時間となり開門されると、並んでいた人達が、おもいおもいの行先に向けて、街の外に、出て行った。
そして、僕も、その流れで、街の外に出た。
「はあ~あ!。デルポートにも、一年ちょっとか。色々あったなあ。」
この世界で、初めての街だったな。
色々あったけど、また、何時か、来る事もあるかもしれない。
さようなら、デルポート。
さて、隣の国に、向かうには、南に進んで行けば、いい筈だ。
僕は、南に進む街道を、歩き始めた。
街道を、少し進んだ所で。
「ちょっと、何処、行くのよ?。」
「えっ!。僕?。」
僕は、驚いて、振り向いた。
そこには、ミーサさんが、立っていた。
「なっ!。何で、此処に、居るんですか?!。」
「ライトが、一人で、悪い方に、考えたら、きっと、何処かに行くんじゃないかと、思ったのよ。」
やばっ!!。
何か、バレバレですか。
「そうよ。何かある度に、悪い方に、考えちゃうんだから。」
「ええっ!!。」
と驚き、また振り向くと、そこには、メイサが、立っていた。
「メ、メイサまで。何で?!。」
「あんたの考えそうな事何か、分かるのよ。ほんと、単純なんだから。」
「いや、でも、僕なんか、得体のしれない他所もんだし。変な話して、あの。何か、スイマセン。」
「ぷっ!、ぷっ!。あハハハハハ!!。」
「あハハハハハ!!。」
何か、二人に笑われた。
「ライト、言っておくけど。私だって、得体がしれない他所もんだよ。物心ついた時には、孤児院に居た。親の顔も、何処から来たかも、分からない。あんたと同じかもしれない。」
「そうだよ、私だって、親の顔も、分かんないよ。ライトは、覚えているんでしょ。家族を。それだけでも、羨ましい。」
そうか。
ミーサさんや、メイサも、孤児だった。
僕の方がマシ?。
家族の記憶が、あるから。
そうなのか。
自分ヨガリで、悲観していたのか、僕は。
「でも、申し込んだ返事が、無かったから、.....。」
「それは、....ライト。急に、そんな話、言われたって、ほら、何。色々、考えるじゃない。」
「そうよ。いきなり言われたって。」
「えっ!。じゃあ、まだ、振られていないの?。」
「そうよ。あんたが、先走って、勘違いしてるだけよ。」
「ライト。私は、ずっと、ずっと、私に、勝てる男なんて、いないと思ってたよ。それを、あんたは。ふふっ!!。相手にするなら、私より強い男っていうのは、合格よ。だ・け・ど。」
「だけど?。」
「もうちょっと、しっかりして、欲しいわね。普段から。それと、もう、ミーサさんって、呼ぶのは止めて。ミーサで、いいわ。ダ・ン・ナさん。」
「そうよ。こんな美人を、二人も、一度に、貰うんだから。しっかりしなさいよね。」
「そ、そ、それじゃあ。」
僕は、二人を、抱きしめた。
何か、涙が、出てきた。
この世界でも、家族が出来る。
独りぼっちじゃないんだと。
僕は、この世界に来て、一番、嬉しかった。
それから、僕達は、今後の事を、相談する為、また、ミーサの家に行った。
そして、各々が、自分の想いを語った。
ミーサは、冒険者として、名を挙げ、Sランクへなる事。
メイサは、一流の料理人になって、自分達のような、孤児の面倒を、看てあげる事。
僕は、何だろう?。
今まで、何をしたいのか、目的は何なのか。
考えもしなかった。
目先の事ばかりだったから、先の事まで、考えてこなかった。
僕は、何をしたいんだ、......。
二人に、僕の想いを、正直に話した。
「ふふ、ライトらしいわね。ゆっくりと、見つければいいんじゃない。」
「そうだよ。何時か、やりたい事が見つかるよ。」
「うん、そうだね。今まで通り、冒険者やったり、色んな所に、行ってみたら、何か、見つかるかもしれないね。でも、僕が、やりたい事の一つは、見つかったよ。」
「ライトが、やりたい事?。」
「僕は、ミーサとメイサの夢を、一緒に叶えることさ。」
「ライト、.........。」
「ライト、.........。」
「そうだ、ライト。丁度、護衛の任務で、王都まで、行くんだけど。一緒に行かない?。」
「王都?。」
「私も、行った事ないなあ。王都かあ。行ってみたいなあ。」
「スターフォード王国の王都よ。王様が住んでいる、この国、一番の都。」
「へえ。きっと、色んな物が、あるんだろうね。」
「ライト。王都には、ダンジョンが、2個もあるんだよ。」
「あら、メイサ。知っていたの?。」
「前に、孤児院を出て冒険者になった人が、王都の話を、してくれたんだ。ライトも、一緒に聞いて、.....。ごめん。」
「そうか。ライトも、行きたかったのかなあ。」
「私もね。王都に行くのは、久しぶりなの。王都のダンジョンは。」
「キングとクイーンでしょ。」
「そうね。キングとクイーン。未だ、誰にも攻略されていないダンジョン。」
「攻略されていない?。」
「それぞれが、100階層と言われているわ。両方とも、70階層の途中までしか、攻略されていない筈よ。まあ、前に行った1年半前の話だけどね。」
「じゃあ、もう攻略されているんじゃ。」
「ふふ、そんな生優しいもんじゃないわよ。攻略されたら、国中に、知らせが出るから。」
「そんなに、難関なの?。」
「うう~ん。そうねえ。上位ランクで、組んだパーティーでも、途中で、全滅したって、噂もあるぐらいだから。」
「そうなんだ。」
「わたしの夢、目標の一つよ。攻略出来たら、国中に。ううん。この大陸中に、認められる。そして、間違いなくSランクに、なれるわ。」
「そうなんだ。ダンジョンキング、.......。」
「王都かあ。きっと、いろんな新しい料理も、あるんだろうな。」
「ミーサ、メイサ。みんなで、王都に行ってみようよ。」
「えっ!!。ライト、いいの?。」
「だって、メイサを、一人残してなんて、行けないだろ。ミーサを、一人で行かせるのも。」
「本当に。やったあ~!!。」
「ミーサ。君は、護衛の任務だけど。僕達は、普通に向かうよ。王都で、待ち合わせだね。」
「そうか、みんなで、一緒に行きたいけど。任務の出発は、一週間後だから、依頼主に、一緒に行けないか、聞いてみるわ。」
「えっ!。そんなの大丈夫なの?。」
「まあ、相手は、大商人だし。前からの知り合いだからね。」
という事で、ミーサが、依頼主である大商人に、頼んでくれて、一緒に、行ける事になった。
だけど、一週間後に、出発だと言っても、色々と、やる事があった。
デルポートでの住む所、ギルドへの連絡、天空の城パーティーなど。
結局、住む所は、ミーサが、住んでいた家に、三人で、住む事にして、引っ越しをした。
といっても、大した荷物も無かったので、メイサの荷物を、移動しただけだったけど。
メイサは、王都に行くので、お店の手伝いを辞めると、マスタに言ったら、
「新しいメニューを、仕入れてきてくれよ。」
何て、言われたらしく、長期休みという事で、了解を得られたらしい。
僕とミーサは、冒険者ギルドで、王都に、行く事を伝えた。
天空の城は、元々、メンバーが、全員、高ランクという事もあり、個別の依頼も多く、パーティの名は残して、今まで通り、当面は、個別に活動をする事になった。
ミーサは、ギルドマスターに、
「また、キングに、潜るんだろ。頑張んなさいよ。」
って言われたらしい。
僕には、
「ライト。ミーサを、しっかり、守ってやんな。」
って、こっそり耳打ちされて、お尻を叩かれた。
ランクは、向こうの方が、全然、上なんですけど。
僕が、守って貰いたいって、思うけど。
商業ギルドにも、家の留守を、お願いした。
これで、準備は万端だ。
さあ、王都に出発だ。
次回より、王都編が開始になります。
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