第30話 真実の告白、そして、さようなら(後編)
メイサが、落ち着いてきたのを、見計らって、ミーサさんが、質問をしてきた。
「ライトって言った方が、いいかしらね。もう一つ、教えてくれない。」
「もう、ここまで話しましたから、僕が、答えられる事なら。」
「何で、私の技を使えるの?。剣技も、ランクEの冒険者なんて、信じられないわ。」
そうか、やっぱり、スキルが、普通とは違うんだ。
「それは、僕が、授かったスキルが、他の人や魔物から、スキルを、コピー出来るからですよ。」
「コピー?。他の人の持っているスキルを、使えるようになるって事?。」
「そうですね。相手に対して、鑑定をして、そこで、確認したスキルを、僕の中に、持てるんです。」
「そんなスキル、聞いた事もないわ。」
「まあ、こちらの世界に来た時に、貰ったものですから、他には、無いかもしれません。」
「じゃあ、スキルを貰っちゃえば、何でも出来るの?。」
「いや、僕も、こちらの世界に来てから、スキルをコピーして、使ってみたんですが、上手くいきませんでした。」
「上手くいかない?。」
「どうも、スキルは、コピー出来ても、スキルを持っていた人が、そのスキルを、得る為に、経験した事や、努力した事は、貰えないみたいなんです。」
「スキルを持っても、使えないの?。」
「いいえ。そのスキルを、使いこなすような経験や努力をすれば、使えるようになります。」
「じゃあ、私と戦った時に使った剣技は、ライトと訓練した事とかによって、レベルが上昇して、私に近づいたって事?。」
「そうですね。魔法なんかも、エリンさんに、教えてもらった事を、自分なりに、訓練したお陰で、上位のものまで、使えるようになりました。」
「それで、あの魔法が、........。」
「魔法は、基本、原理は、同じなので、想像できる使い方さえ掴めれば、その応用で、上達も早かったですね。」
「だから、回復も、極めなんて、使えるように、.....。」
「後、今では、相手が持っている技も、コピー出来るんですよ。」
「ええっ!!。技って?。百花繚乱のような。」
「そうです。だから、ミーサさんとの戦いで、使えたんです。」
「何でも、有りなのね。」
「でも、多分、ミーサさんの技が使えたのは、それまで、突剣技を練習していたのもあると思います。初めて使う技では、多分、使えません。」
「何か、微妙な感じね。でも、スキルや技を持っていれば、いずれ使いこなす事が出来るんだから、やっぱり凄いわ。」
「あの、僕の性格もあって、そういうスキルに、してくれたんだと思います。」
「ライトの性格?。」
「僕は、この世界に来る前から、何かあると、諦めるっていうか、そこまでしか出来ないって、自分で、止めちゃうんです。それで、満足っていうか。他の人と、同じぐらいで、いいやって。だから、やれば出来る、諦めずに頑張れって、言われているんだと思います。だから、そんなスキルに、してくれたんだと思います。」
「なるほどね。」
「メイサに、もう一つ、伝えないといけないことがあるんだ。」
「何よ。私に伝える事って?。」
「さっき、ライトの声が、聞こえた時、彼の感情も、伝わったんだ。彼はね。メイサの事が、好きだった。大切な存在だった。でも、もう、守る事も、助けてあげる事も出来ない。だから、僕に、託したいって、そんな感情が。」
「なに、何、言ってんのよ。好きだったなんて。そんな事あるわ無いじゃない。」
メイサは、顔を真っ赤にしていた。
「そして、僕も。ダンジョンから帰って来て、初めて会ったけど、ライトの事を、心配して泣いてくれた。それからも、記憶を無くしたと言った僕を、心配して面倒を診てくれて、いつも支えてくれた。本当にありがとう。僕も、メイサが好きだ。」
「また、なに。何、言ってんのよ。好きだなんて。」
「僕は、前の世界でも、女の人に、こんな事を、言った事も無かったから。でも、正直に諦めないで、この世界で、生きていきたいと思いました。だから、好きな人にも、正直にいたいんです。」
「ライト、......。」
メイサが、僕を、見つめていた。
「ミーサさん、戦いが終わった後に、言った事も、本当なんです。初めて、ダンジョンで、会った時から、こんな綺麗な人が、居るのかと思いました。それは、前の世界にいる時に、憧れていた人が、目の前に、現れたようでした。」
「ライト、......。」
ミーサが、僕を見つめていた。
「僕は、この世界で、生きていくって、決めたんです。だから、大切な人を守りたい。ずっと、傍に居たいと思いました。だから、憧れじゃなくて、傍に、居たいんです。傍に、居てほしいんです。」
「ミーサさん、メイサ。僕と結婚してください。」
ミーサとメイサが、顔を真っ赤にしていた。
だけど、二人は、沈黙していた。
それぞれが、色々と、思うところ、考える事が、あるんだろう。
二人には、ライトが隠していた秘密が、分かった。
けど。
そんな事が、あったなんてと、ミーサも、メイサも、想った。
自分達も、孤児という、同じような境遇だった。
しかし、ライトは、つい最近、突然に、そんな境遇になった。
何も知らない世界に、放り出されて、どんなに、苦しかったろうかと、二人は思った。
もしかしたら、大人になってから、そんな境遇に放り出された方が、辛かったかもしれない。
自分達よりも、大変な境遇にあって、不安で、どうしようも無かったんだと思った。
だから、誰にも、何も言えずに、記憶喪失なんて、ふりをしていた。
二人は、そんなライトに、結婚を申し込まれた。
でも、自分なんかが、ライトに相応しいのか、二人には、自信がなかった。
side:ライト
結局、二人から、返事は、貰えなかった。
そりゃ、そうだろう。
こんな、訳の分からない余所者から、急に告白され、結婚まで、申し込まれたんだ。
僕にとっては、全て、本当の事なんだけど。
やっぱり、信じてもらえないよね。
記憶喪失から、頭のおかしい人に、なっちゃったかな。
はあ~あ!。
やっぱり、ずっと、誤魔化しておけば、よかったかなあ。
そんな、後悔の念に、囚われながら、メイサを、一言も、会話が無いまま、自宅まで送って行った。
ライトじゃない!!。
お前、誰だって、思ったかなあ。
訳の分からない話をして、キモ~~いとか。
はあ~~、駄目だ!!。
超ネガティブ。
前世でも、告白もした事もないのに。
女の人と、付き合った事もない。
恥ずかしいやら、情けないやら。
誰だよ。
転生したら、TUeeeeeeeee!!とか。
そんなの全くないんだけど。
僕は、YOeeeeeeeeee!!って。
ハア~あ!!
溜息だよ。
ほんと。
でも、正直に、話せたから、騙してるとか、罪悪感は、少しは減ったかも。
やっぱり、僕って、駄目な奴なんだな。
孤児院に帰った僕は、ベッドに、横になりながら、この世界に来てからの事を思い出して、色々と、考えてしまった。
「神様。何で、僕を、転生させたんですか?。」
あ~あ。
あんな事、言ってしまった僕が、明日も、平気な顔をして、彼女達に会えるだろうか?。
彼女達からしたら、迷惑なんじゃないだろうか?。
そんな思いが、巡ってしまう。
「そういえば、あの時。神様、言ってたな。結婚の前祝とか。神様、振られたんで、前祝に、なってないですよ。」
やっぱり、こんな得体のしれない奴じゃ、彼女達だって、迷惑だよね。
そうなんだよなあ。
まあ、何処に、行ったって、この世界じゃ、知った人なんか、居ないんだ。
違う国にでも行って、また、ひっそりと、していようかなあ。
大分、この世界の事も分かって来たし、いつかは、良い事があるかもなあ。
「ハア~あ!!。もう溜息しかでないよ。」
この時、僕は、やっぱり、諦めちゃう事で、納得してしまう。
二人と会わずに、何処かに、行こうって。
「ミーサ、メイサ。今までありがとう。さようなら。」
何か。
涙出た、.......。
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