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第29話 真実の告白、そして、さようなら(前編)



 僕と、ミーサさんとの対決が、終わった。

 結果は、引き分けか、僕の負けの様な気がするが、ミーサさんは、自分が負けだと、言い張った。



 僕達二人は、街まで歩いて帰り、途中で、ミーサさんに、

「話は、ミーサさんと、メイサにも、聞いてほしいんですが、いいですか?。」


「もちろんよ。メイサちゃんも、呼ぶって事は、ライトの全てって事ね。」

「はい。信じてもらえるか、分かりませんが。」


 元々、メイサにも、話をするつもりでいたので、とりあえず、メイサの働いている飯処、一刀両断まで、やって来た。


 時間的に、まだ、店は、開店中で、中を覗くと、メイサは、接客中だった。


「ミーサさん。メイサの仕事が終わるまで、待ってもらっていいですか?。」

「いいわよ。丁度、お腹も空いたし、食事をしながら、待ってましょう。」

「ありがとう御座います。」


 僕達二人は、店に入り、席に着いた。

 そんな僕達に気づいたメイサが、テーブルへ、やって来た。


「いらっしゃい、ライト。食事?。ミーサさんと、狩りの帰りかしら。」

「うん。まあ。」


「じゃあ、ミーサさんは、何にしますか?。」

「私は、今日のおすすめ肉料理にするわ。」


「僕も、同じもので。」

「後、お酒も、貰おうかしら。」

「はい、少々、お待ちください」


 メイサが、注文を伝えに行った。


 しばらくすると、メイサが、料理を運んできた。


「はい、お待ちどうさま。」


 テーブルに、料理とお酒が置かれた。


 メイサが、立ち去ろうとしたので、声を掛けた。


「メイサ。仕事、何時まで?。」

「えっと。この時間だと、後、2時間ぐらいかな。」


「分かった。ちょっと、大事な話があるんだ。」

「え~!、何。怖いなあ。」


「ミーサさんも、一緒に話があるんだ。」

「ミーサさんも一緒なのかあ。じゃあ、ちょっと、待ってて。」


 僕達は、しばらく食事をしながら、何気ない話をしていた。

 そして、1時間ぐらい経った頃、メイサが、声を掛けてきた。


「もう直ぐ、終わるよ。マスタが、今日は、早く上がって、いいって。」

「分かった。このまま、此処で待ってるよ。」


「ミーサさん。メイサも、大丈夫そうですけど。何処で話しますか?。」

「此処じゃあ、ねえ。もっと、静かな所が、いいわね。」


「冒険者ギルドとかですか?。」

「あそこも、ちょっとね。そうね。私の家にしましょう。」


「えっ!。ミーサさんの家ですか?。」

「そうよ。仮にも、Bランクの冒険者の家なんだから、安全よ。」


「まあ。ミーサさんが、よければ。」


 メイサも合流し、僕達は、ミーサさん家に、向かった。


 ミーサさんの家は、高級住宅地の一角にあった。


「じゃあ、どうぞ。」

「お邪魔します。」


「随分、広いんですね。」

「元は、貴族のお屋敷で、色々あって、今は、私が使ってるの。」


「でも、こんなに広いのに、一人なんですか?。」

「人を雇ったりするのも面倒くさいから、ずっと、一人で住んでるのよ。」

「へえ。」


「家具も、そのままで使えたから、まあ、不自由はないわね。」

「でも、不在の時とか、どうするんですか?。」

「元々、こういう家は、商業ギルドが、管理をやってくれているの。」


 そんな会話をしながら、僕達は、リビングに通された。


「さあ、二人とも座って。お茶でも入れるわ。」

「私も、手伝います。」

「ありがとう。食堂は、こっちよ。」


 二人が、部屋を出て行った。



 僕は、話すと決めたけど、ずっと、悩んでいた。

 話すって、言ったんだけど。


 一体、何を?。


 死んだ事?。


 転生?。


 前世の事?。


 神様?。


 今まで、色々とあるけど、何処まで、話せばいいんだろうか。


 でも、話す内容は、全て、正直に話そう。

 二人ならきっと、.....。


 そんな、自問自答をしていると。



 二人が、お茶の準備をして、戻って来た。

 テーブルに付くと、メイサが、高級そうなティーポットから、お茶を入れてくれた。



 向かい側に、ミーサさんが座る。

 僕の左隣に、メイサが座った。


「所で、二人揃って、大事な話って、何ですか?。それって、私にも関係が?。」

「まあ、そうね。ライト君の幼馴染で、ずっと、傍で見てきたから、薄々は、気づいていたんじゃない。ライト君の事?。」


「ライトの事?。」

「そうね。あの事件から帰って来て、記憶喪失って言われたけど。信じた?。」


「事件の後、.....。生きて帰って来たのは、良かったけど。やっぱり、昔の事とか、全く知らないし。寂しかったですね。」

「じゃあ、ライトが、記憶喪失じゃないって、言ったら。」


「ええっ!!。どういう事ですか?。記憶喪失の振りを、していたって事ですか?。」

「まあ、それは、これからライトが、話してくれるわ。約束守って、くれるならね。」


「ミーサさん、大丈夫ですよ。信じて貰えないかも、しれないですけど、全てを話しますよ。」



 そして、僕は、正直に、全てを語り始める。


「ミーサさん、メイサ。僕はね。転生者なんだ。」


「え、えっ?!。転生者。転生者って?。」

「僕は、元々、高橋幸雄っていう人間で、違う世界で、生きていたんだ。そこで、事故があって、一旦、死んだんと思う。多分。」


「事故で死んだ?。多分って?。」

「僕が見ていた先に、御婆さんがいてね。事故に遇いそうだったんだ。それまでの僕だったら、気にもしなかったかもしれない。でも、僕は、お婆さんを、身を挺して、助けたんだ。」


「それで、死んだの?。」

「多分て、言ったのは、死んだ事なんて、本人は、分からないから。見てないし。でも、その後、何処か知らない、真っ暗な空間に居て、誰かの声がしたんだ。」


「誰かの声?。」

「うん。見た事も、会った事もない人っていうか。神様っていうか。」


「神様?。」

「その人が言うには、僕は、その前に生きていた時にも、能力を、使い切れずに、死んだらしいんだ。そして、今回も。だから、何処かで、その能力を使わないと、暴走するぐらい溜まってるって。」


「能力が、溜まってる?。」

「だけど、死んだ時の世界には、もう肉体が、残っていないから、戻れないけど、違う世界で、能力を使える様に、頑張って欲しいって言われたんだ。」


「えっ。でも、何で、ライトなの?。」

「分からない。その説明をしてくれた人が言うには、霊体だけになってしまった僕を、能力が使える世界で、肉体が残っていた場所に移して、生かしてくれるって。そして、気づいたら、ライトの体になっていたんだ。初めてミーサさんと会った、あのダンジョンで。」


「じゃ、じゃあ、本当のライトは、何処にに行ったの?。肉体だけって?。」

「分からない。僕も、会った訳でも、見た訳でもないんだ。でも、あの状況からして、多分、.....。」


「えっ!。多分。多分って、何?。」

「ミーサさんは、現場に来たから、分かると思いますけど。」

「そうね。あの状況で、Dランクのパーティーなら、全滅していても、おかしく無い状況だったわ。」


「全滅って、......。やっぱり、ライトは、巻き添えで、死んだって事ですか?。」

「残念だけど、そうね。」


「嘘、うそ、うそよ。こ、ここにライトは、居るじゃない。」

「メイサ、ごめん。僕は、本当のライトじゃない。」


「やっぱり、そうなんだ。ライト、ライトは、もう居ないのね。」


 メイサが、涙を流していた。


「やっぱり、信じられなかった。ライトだけが、生き残ったの。仲間を、見捨てて、一人で、逃げるなんて、絶対にしないって。弱っちいくせに。何にも、出来ないくせに。グスン。もう、あのライトが、居ないなんて。」

「すいません。」


「なんで謝んのよ。あんたが、悪い訳じゃない。あんただって、お婆さん、助けたんでしょ。」

「似ているから、神様も、ライトを選んだのかも、しれないわね。」


 ライト、僕達は、似たもの同士なのか?。

 君の体で、僕の心が、生きているんだ。


 その時、心臓が大きく、


 ドクン!!


 ってなった。


 そして、声が聞こえた。


「あ・り・が・と・う。僕・の・分・も・生・き・て。」


 そんな言葉が、何処からともなく聞こえた。


「い、今。ライトが、僕に、.....。ありがとう。僕の分も生きってって。」

「ライト~~、.....。」



 メイサが、僕に抱きついて泣いた。





当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


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