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第24話 ミーサの成長




 暑い時期になっても、ミーサは、言いつけを守った。


 そして、季節が、涼しくなってきた頃、アーシャが、戻ってきた。


「ミーサ。元気に、していた?。」


 ミーサは、母親に会ったように、ニッコリと笑って、アーシャを迎えた。


「今日は、此処に、泊まっていきなさい。」

「はい!!。」


 久しぶりに会ったミーサは、背が少し、大きくなっていた。

 身体つきも、大きくなったような気がした。


 ミーサを、自分のベッドに寝かしたアーシャは、呟いた。


「母親って、こんな気持ちなのかしら。」


 翌日、食事を済ませると、中庭で、ミーサに、剣を振らせ、成果を見た。


「大分、剣を、振れるように、なったわね。」

「ありがとうございます。」


「今日からは、これを付けて、やってみて。」


 アーシャは、ミーサの手首と足首に、ベルト巻いた。

 それは、騎士が、訓練の時に着ける、重し付きのベルトを、子供用にしたものだった。


 そして、同じようにベストも、着させた。


 今までとは、全く違う感覚だったが、ミーサは、必死になって、剣を振った。


「いい、ミーサ。何も付けない時と、同じように、振れるようになること。」


 そして、数日後には、アーシャは、街を発った。



 また、半年後、アーシャがやってきた。

 ベルトの重さが、倍になった。

 そんな事が、数年続いた。


 年月は流れ、ミーサは、14歳になっていた。


 何と、この時、付けていた重さは、40キロにも、達していたのである。


 そして、また、アーシャが、やってきた。


「ミーサ。今日から、剣を、こっちの剣で、練習しなさい。」


 渡されたのは、アーシャが使う剣と同じ、大人用のレイピアだった。



 今までの剣よりも、数倍に感じられる重さだった。


「それから、重りも増やすわよ。」


 更に、5キロの重さを、追加された。


 それでも、ミーサは、訓練を続けた。



 それから、半年毎に、アーシャが、やってきては、5キロづつ重さが増えていった。



 そして、また、アーシャが、やってきた。


「ミーサ。重りを、外しなさい。剣を振って!!。」

「はい!!。」


 ミーサは、剣を振った。


「ミーサ。良い剣捌きね。」

「ありがとうございます。」


「今日からは、技を教えるわ。」

「はい!!。」


「相手の剣を、よく見るのよ。」


 アーシャは、ミーサの前で、剣を振った。


「やってみて。」


 ミーサは、見様、見真似で、剣を振った。


「もっと、鋭く。切れが悪い。もっと早く。」


 散々だった。


「もう一回やるわよ。」


 アーシャが、もう一回見せた。


「いい。今のを、忘れないで。私が居ない時も、さっきの剣を、思い出して練習するのよ。」

「はい!!。」


 そうして、また半年、アーシャが、やってきた。


「じゃあ、今日からは、剣を交えるから。」

「えっ!。あ、アーシャ様とですか?。」


「そうよ。何か問題がある?。」

「い、いえ。」


「ミーサ。剣を、交える時は、礼儀も大切なのよ。いい。」


 それから、アーシャは、ミーサに、礼儀作法を教えた。


 そして、

「始めるわよ。」

「はい!!。」


 ミーサは、アーシャと、剣を交えた。

 何度も何度も、アーシャの時間が、許す限り。


「いい、私が、居ない時は、剣を交えた時の事を、思い出して、私が、目の前に居ると思って、剣を、振りなさい。」

「はい!!。」


 それから、また、半年が経った。

 ミーサが、もうすぐ16歳になる時だった。


 また、アーシャが、戻ってきた。

 だが、その時は、他に三人を、連れてきた。


「ミーサ。今日は、今まで鍛えた成果を、見せてもらうわ。この三人を、相手にして、模擬戦をして。」

「模擬戦ですか?。私、戦った事がありません。」


「何言ってるの?。私と剣を、交えたでしょ。やりなさい。」

「は、はい!!。」


「アーシャ様、いいんですか?。俺達、現役ですよ。彼女、まだ、16歳なんでしょ。」

「構わないわ。命令よ。」

「分かりましたよ。」


 ミーサは、一人目の騎士と、向かい合った。


 アーシャが、

「始め!!。」


 合図を送る。


 ミーサが、先に、踏み込んだ。


「早い!!。」


 対戦した騎士も、驚いた。


 16歳に、なるかならないかの少女が、あの剣を持って、このスピード。

 尋常じゃなかった。


 キイイイイン!!。


 辛うじて、剣で捌く。

 舐めていた騎士も、本気で、相手をする。


 キン、キキキキン!!。


 終始、ミーサに、騎士は押された。


「止め!!。」



 直ぐに、二人目が、対峙した。


「始め!!。」


 今度の二人目の騎士は、油断しなかった。

 しかし、押された。

 スピードと力、


「この女の子の何処に、こんな力が。」


「止め!!。」



 そして、三人目は、女性だった。

 だが、前の二人と、彼女は違った。


 彼女も、また、アーシャに憧れ、騎士になったからだ。

 ミーサの事は、噂で知っていた。

 アーシャの愛弟子。


「今日は、一泡吹かしてやる。」


 彼女は、密かに、そう意気込んでいた。

 そして、二人が、対峙した。


 彼女の視線で、ミーサも、彼女を、察した。

 凄まじい殺気が、二人を包んだ。

 その光景を見ていた、先に剣を交えた二人も、察した。


「おいおい、マジかよ。あの二人。」


「始め!!。」


 だが、アーシャは、止めようともしなかった。


「うりゃああああ!!。」


 騎士が、ミーサ目掛けて、突っ込んだ。

 ミーサは、剣でいなした。


 今度は、ミーサが、剣を出した。

 騎士は、振り向きざまに、剣を捌き、切りかかった。


 キン!!、キキン!!。


 数分間のせめぎ合い。


 見ていた騎士が、アーシャに言った。

「アーシャ様、止めなくて、いいんですか?。どちらか怪我しますよ。」


 だが、アーシャは、黙って観ていた。


 その時、騎士の雰囲気が、一瞬、変わった。


「キエエエエエエエ!!。」


 気合と共に、一閃が、ミーサを襲った。

 ミーサは、必死になって、剣で捌こうとした。


「ぐうっ!。」


 しかし、捌ききれず、左腕を負傷した。

 それでも、アーシャは、止めなかった。


 また、鍔迫り合いになった。

 今度は、ミーサが、動いた。


 一瞬、引いて剣先を下に、構えた。


「あ、あれは!!。」


 思わずアーシャは、声を出してしまった。


 次の瞬間、ミーサが、無数の突きを、放った。


 騎士も、必死に捌いたが、

「ぐうう!!。」


 右腿と、左肩に、傷を負った。

 再び、二人が、剣を交えた時、アーシャが動いた。


 キン!!、キン!!。


 二人の剣が、宙を舞い、少し離れた処に、刺さった。


「お終いよ。二人共、よく出来たわ。」


「おいおい、マジかよ。あのミレイと、互角以上だぞ。」

「う、うるさいわね。」


「ありがとうございました。」

「流石ね。アーシャ様の愛弟子。凄かったわ。私は、ミレイ。宜しくね。」


 二人は、笑顔で握手をした。


 ミーサは、その晩、いつものように、宿舎に泊まった。


「ミーサ。今日は、よくやったわ。あなたも、もう16歳ね。これからどうするの?。」

「はい、冒険者に、なろうかと思います。」


「そう。」


 アーシャは、それ以上、何も言わなかった。


「ミーサ。今日で、卒業よ。」

「えっ!、何でですか?。まだまだ、教えてもらってない事が、一杯あります。」


「そうね。でも、それは、私じゃなくても出来る。冒険者なら、自分で、見つけなさい。」


「ちょっと、中庭に行きましょう。」


 二人は、剣を持って、中庭に行った。

 中庭には、松明が灯され、明るくなっていた。



「ミーサ、構えなさい。」

「はい!!。」


「あなたに、餞別よ。私の技を、見せてあげる。今日までの訓練で、何処まで出来るか、受けて見なさい。」

「はい!!。」


 向かい合った二人。


「行くわよ。百花繚乱!!。」


 アーシャが、一瞬、引いて剣先を、下に構えた。


「この構え、私が、昼間やった構えと同じ?。」


 次の瞬間、アーシャの姿が消え、無数の花が、ミーサを襲った。

 ミーサは、必死に、剣を振って、捌こうとしたが、吹っ飛んだ。


「げふうう!!。はあ、はあ。」

「大丈夫、ミーサ。」


「これが、百花繚乱!!。アーシャ様の技。」

「いい、ミーサ。餞別でもあり、最後の宿題よ。次に会うまでに、この技を習得しなさい。」


「はい!!。今までありがとうございました。」


 二人は、部屋に戻った。



 アーシャは、ミーサに、回復薬を飲ませた。

 昼間の疲れもあり、ミーサは、直ぐに眠りについた。

 だが、アーシャは、寝れなかった。


 愛弟子というより、もう愛娘の様に、愛おしかった。

 そんな時、ミーサが、寝言を言った。


「お母さん、.......。」

「ミーサ、.......。」


 その言葉を聞いて、アーシャは泣いた。


 本当は、何もしてやれていないんじゃないかと、不安に思っていた。

 だが、さっきの一言で、アーシャも、救われた。


「わが娘。精一杯、冒険者として、生きていきなさい。」


 翌朝、ミーサが目を覚ますと、既に、アーシャの姿は、無かった。


 只、机の上に、メモがあった。


「線と円。」


 ミーサには、その意味が分かった。

 これは、あの技のヒントなんだと。


 ミーサは、宿舎の中で、アーシャを探した。


「み、ミレイさん。アーシャ様は?。」

「何か、急用が出来たって。朝早く、王都に向かわれたよ。」

「そ、そうですか。」


「そうそう、アーシャ様が、何かあったら、今度は、自分で、私の所に、尋ねて来なさいって。」

「自分から、......ありがとうございます。」


 アーシャは、ミーサに、巣発てと、言いたいのだと思った。




当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

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