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第21話 救出とアルフレッド




 クロードの仲間は、クレイの首元に、ナイフを突きつけて、部屋から出て来た。


「そこを、退いてくれねえかなあ。おっ!。動くとナイフが、滑っちまうかもしれねえぞ。」

「クレイ、心配すんな。兄ちゃんが、助けてやるからな。」


「おい、小僧。お前も、妹が、大事だったら、動くんじゃねえぞ。そっちの小僧もなって。おい!、どうした怪我は?。」

「ははははは!。何の事ですか?。怪我って?。」


 クロードの仲間は、自分も傷めつけたライトが、無傷になっている事で、唖然とした。


 その時だった。


 クロードの仲間の目の前に、高速で、移動したアルフレッドが表れて、

「フンっ!。」

 と裏拳を見舞ったのだった。


 その一撃で、男は、壁まで吹っ飛んでいき、気絶した。


「やあ、大丈夫だったかい。」

「は、はい!。ありがとうございます。」


「や、やめろう!!。誰だ。俺の事を、掴んでいるのは。離せええええ!!。」

「ふう。これで、クロードの一味も、お終いだな。」


「ありがとうございました。助かりました。」

「君が、ライト君だろ。ふうううん。君がね。」


 何か、金髪美男子に、ジロジロ見られてる。


「副団長。全員、捕まえました。」

「よし、連行しろ。」


 クロード達は、兵士の人達に、連れられて行った。



「無事で、よかったよ。ライト君。あんまり無茶するなよ。」

「すいません。副団長さん。」


「あははははは!。アルフレッドでいいよ。僕はね、ゴードンの兄なんだ。」

「そうなんですか。お世話になってます。」


「お世話にか。どっちが、だけどね。」

「ええっ!!。」


「それじゃあ、僕は、失礼するよ。あいつらの尋問を、しなくちゃいけないからね。ライト君。何かあったら、いつでも、詰め所に、来ればいいよ。それじゃあ。よし、帰るぞ!!。」


「ありがとうございました。」

「ライト。あんたって人は。」

「ミーサさん、すいません。」


 アルフレッドさんが、ミーサさんと、すれ違いざまに、何かを、話して去っていった。


「あれが、ライト君だろ。凄いな。あの怪我を、一瞬で、直したんだ。回復の上級以上の腕前だ。それに、幻覚の毒、麻痺の毒、どうやって使ったんだい。興味深いね。今の彼なら、一発で、試験は合格だよ。」


 ミーサは、それを聞いて、愕然とした。


「やっぱり!。」

「あれ、ミーサさん、何、話してたんですか?。やっぱりって?。」


「ううん、何でもないの。こっちの話よ。」


 ミーサは、ライトが、無事だった事への安心感と、益々、深まる疑問に苛まれる《さいなまれる》のだった。


「ライト、本当に、ごめん。」

「いや、仕方ないよ。だって、クレイが、人質だったんだろう。」

「うん。だけど、もっと早く、相談していれば、こんな事には。」


「そうね。これからは、もっと、仲間を信じなさい。冒険者だったらね。」

「はい。ミーサさん!。」


「あ~あ、勿体ない事したなあ。あいつらに、みんな取られちゃったね。」


「そうだね。蜂蜜も、巣が少なくなったから、当分、取れないだろうね。」

「あら、被害にあった分は、全部、取り返せるわよ。」


「本当ですか?。」

「ええ、取り調べが終わると、被害にあった君達も、聞き取りされて、被害相当が、保証されるわ。あいつらが、払えなければ犯罪奴隷で、借金してでも、補填されるの。」


「やったあ!。これで、少しは、気が楽になった。」

「おいおい、アレク。」


「ごめん。」

「はははははははははは!!。」



 翌日には、詰め所に、僕と、アレク、クレイが呼ばれた。

 アルフレッドさんに、何でクロードに捕まったとか、色々と聞かれた。


 やはり、僕、アレク、クレイが、一人の時を、狙われたらしい。


 アレクとクレイが、清算する為に、ギルドに行った時、アレクが、窓口に並んでいる隙に、クレイが捕まった。

 清算が終わったアレクが、クレイを、探している際に、あそこに連れていかれたらしい。


 その後は、脅されて蜂蜜を採って、渡していた。


「君達、知らないのかい。大金は、持ち歩かなくても、ギルドカードで、精算が出来るって。」

「えっ!。そんな事が、出来るんですか?。」


「おいおい、これはギルドも悪いな。ちょっと、僕から言っておくよ。これからは、大金は持たないで、預けるんだぞ。」

「はい、アルフレッドさん。すいませんでした。」


「所で、ライト君。君、これから、どうするんだい?。冒険者を、続けるのかい。良かったら、僕の所へ、来ないかい。」


「えっ!。騎士にですか?。あ!、いやあ。僕みたいな、何も出来ない奴なんか、駄目ですよ。」

「ふうん、そうかい。残念だなあ。まあ、気が向いたら、いつでも来てくれよ。」


 そんな会話があって、僕達は、詰め所を、後にした。


 その後、被害額や迷惑料を加味して、金貨50枚が、僕達に、支払われる事になった。

 クロード一味は、他にも、色々と悪事をしていた事が立証され、賠償金を払う事も出来ず、犯罪奴隷となった。


 数か月の奴隷商での預かりで、見受けがなければ、一生、鉱山で働く事になるそうだ。


 金貨50枚だけど、アレクが、迷惑を掛けたからって、僕に、全部渡そうとするんだ。

 僕だって、全部は、貰いすぎなのは、分かる。


 結局、僕が、30枚、アレクが、20枚で落ち着いた。

 差分は、いつかクレイにでも、何か買ってあげようと思う。


 で、クレイはっていうと、アルフレッドさんに、夢中らしい。


 確かにイケメンで、強いと来たら仕方ない。

 今じゃあ、鍛えて騎士になるって、言っているらしい。

 マジかって思ったけど。



 side:ミーサ

「アルフレッドさん、話って、何でしょうか?。」

「やあ、ミーサ、来てくれたんだ。まあ、座ってゆっくり、話でもしよう。」


「ライトの事ですか?。」

「まあ、そうなるね。事件の時、ちょっと、言ったけど。彼、面白いね。」


「不思議なのは、確かです。今までに、出会った事が無いというか。」


「ああ、僕も、あの事件現場に行った瞬間に、思ったよ。何せ、ランクEなんだろ彼。そんな彼が、一人で、クロードの一味と対峙して、倒してるんだよ。」

「そうですね。」


「普通だったら、アレクの様に、上位のランクに対峙したら、何も出来ないのが普通だよ。クロードに至っては、毒を喰らって、幻覚まで見てる。」

「はい。私も驚きました。」


「彼は、どこで、麻痺や、幻覚なんて毒、調達したんだろうね。それから、取り調べして、分かったんだけど。あの毒は、彼が、殴られている最中に、口から出た血と唾液で、一緒に、吐き掛けたらしいよ。」

「吐き掛けたんですか?。」


「そう。でも、自分は毒に、侵されていない。という事は、最低でも、耐性を、持っているって事だ。」

「耐性を持ってる?。」


「それに、君だって見ただろう。クレイが、人質になった時、相手の気を逸らす為に、回復魔法を、使って見せた。」

「そうですね。」


「その隙に、僕は、飛び込んで、救う事が出来た。でも、僕が、飛び込まなくても、彼が、飛び込んでいただろうね。」

「ライトがですか?。」


「ああ、彼は、底が知れない。でも、言えるのは、友の為に、彼は、本気で、救おうとした。自分が、どうなろうと。僕は、素晴らしいと思ったよ。だから、先日、彼が、此処に報告を聞きに来た時に、スカウトしたんだ。」

「あ、アルフレッドさんが、スカウトしたんですか?。副団長、自らですか?。」


「ああ。今の彼なら、一部隊の隊長ぐらい、任せてもいいと思ってるよ。」

「そこまで、彼を。」


「だって、そうだろう。回復は、出来る。耐性を、持っている。剣だって、出来るんだろう。他にも、魔法だって。それに何より、仲間を見捨てない。自らが、先頭に立って、戦い、守る事が出来る。こんな逸材、見た事がないね。あの年でだよ。」


 アルフレッドは、ライトの事を、見抜いていると、ミーサは思った。

 流石、最年少で、副団長まで、登った男だと思った。


 最年少で、将軍まで、登るとまで言われている男が、ライトを、欲しがっている。


「ライトは、僕のスカウトを、どうしたと思う?。」

「えっ!。受けたんですか?。」


「いや、僕みたいな、何も出来ない奴が、騎士なんて、出来ないって、言い放って断ったよ。はははははははは!。面白い子だね。彼は。」

「断った?。」


 やはり。

 三年間も、受験したのに。

 何故?。


「キラービーの事件も、調べたよ。記録には、彼の名前は、出てこなかった。だけど、........。本当は、彼、何だろう?。」

「調べたんですか?。」


 私は、何も言えなかった。

 でも、アルフレッドは、これも、気づいていると、ミーサは思った。


「彼に、欲は、無いのかなあ。お金、出世、何の為に、彼は頑張るのか。非常に、興味があるね。ミーサ。君は、彼を、どう思っているんだい。嫉妬かい。あのダンジョン遭難事件から、彼は、変わった。覚醒したと、言っても、いいぐらいに。」


 やはり、この男は、只者じゃない。


 今までの全てを、知っている。

 それを知って、私に言っている。


「そ、それは、.....。」

「ま、まあいいよ。君にだって、思う事が、あるんだろうね。だけどね、僕は、諦めないよ。あんな逸材を、目にしてしまったんだ。もし彼が、騎士になれば、僕を超えて、出世するかもしれない。それでもいいと思ってる。彼と僕、二人で、この国を、守れると思うと、ゾクゾクするね。」


「アルフレッドさん。彼は、騎士には、もう、ならないと思います。彼は、何か新しい事を見つけるのが、好きなようですよ。剣だって、魔法だって、色々なスキル、.........。」

「ん?!。ミーサ君?。」


「すいません。彼は、一所で、満足しないんじゃないかと思います。」

「だろうね。騎士になって欲しい願望はあるけど、無理強いは、しないよ。彼なら、この国の為に、何かやってくれそうな気がするんだ。」


 私は、そんな話を、アルフレッドとして、詰め所を後にした。


 あの会話で、私は気づいた。


 スキル!!。


 そうだ。


 よく考えると、あのダンジョンで、そして訓練で、キラービーで、相手のスキルを、彼は知った。


 それを、使っている。

 何等かの方法で。


 それが、彼の特殊スキル?。

 だけど、.........何故、直ぐに、使えない。


 鍛える必要があるの?。


「その辺に、秘密がありそうね。そして、嫉妬って。」


 そう、ミーサは、分かっていたけど、分かりたくなかった。


 嫉妬。


 あのスピードで、剣を覚えられる。

 魔法も。


 もし、彼が、以前から、今の状態だったら。


 紛れもなく史上最年少での、Sランクは、間違いない。

 そして、これだけの短期間で、名だたる人からの信頼。


「そうね。確かに、羨ましいかもね。」


 ミーサは、そんな一言を、呟くのだった。


「まだよ。彼に、確かめないと。」



 僕は、そんな話があった事なんて、全く知らずに、普通に過ごしていた。


 そして、そんな事があって、しばらくして、噂を聞いた。


 アルフレッドさんが、地方で出たSランクの魔獣討伐に、騎士から派遣される隊長に、志願したと。


 そして、見事に、討伐を、果たしたと。


 だが、討伐で、大きな代償があった。

 それは、死者は、居なかったが、アルフレッドさんが、片腕を、無くしたらしい。


 街の人々は、

「黄金の貴公子も、終わったな。片腕じゃ、これから大きな仕事は、無理だろう。出世を、焦ったな。」


 そんな声が、聞こえてきた。


 でも、僕は、知っている。

 アルフレッドさんは、そんな出世を焦って、志願するような人じゃないって。


 知り合って、期間は、短かったけど、この国を、いや、この国の人を、誰よりも、大切にして、守りたいって思っていた人だ。


 派遣された隊の人を、一人でも、失いたくない思いだったんだろうって、僕は思う。


 アルフレッドさん、また、何処かで、会いましょう。





当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

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