表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/410

第18話 蜂、再び


 僕は、いつものように、薬草の採取に、やって来ていた。


 この時期は、名前は分からないが、ちらほら花が咲いている。

 丁度、花が咲く季節らしい。

 僕は、いつもの場所に向かった。


 採取しているメンバも、いつものように来ているようだった。


「ん?!。」


 あれは、........蜂!!。


 またかよ。

 散々、戦いました。

 死に、そうになるまで。


 勘弁してほしい。

 僕は、そっと、剣を抜いた。

 そして、ゆっくりと、近づいた。


「よお、ライト。どうした?。」

「シイイイイイイイ!!。蜂が、いるんだ。」


「おいおい、ライト。蜂が怖いのか?。まさか、虫が苦手なのか?。」

「違うよ。彼奴、危険なんだ。殺らないと。」


「何、言ってんだ。あれは、ハニービーだぞ。こっちが、何もしなければ、攻撃何かするもんか。」


「ええっ!、ハニービー?。そんな蜂もいるの?。」

「お前。何も、知らないんだなあ。危険なのは、キラービーだぞ。ほら、よく見ろ。大人しく、花に寄ってるじゃないか。それに、大きさが、全然違うだろう。」


「ほんとだ。小さいな。キラービーは、もっと大きかったな。」


 なんか、昨日の今日だったから、.......。


 無駄な殺生を、しなくて済んだ。

 ごめんよ。

 ハニービーさん。


「ライト、知ってるか?。あのハニービーっていうのはな。巣に、花から集めた蜜を、溜め込むんだ。それを見つけたら、一儲けだぞ。」

「ええっ!、そうなの?。」


「お前、相変わらず、何も知らないなあ。甘い物って、結構、限られているから、蜂蜜って、結構、貴重なんだぞ。」


 そうなのか、確かに、この世界にやってきてから、甘い物なんて、口にしていないなあ。


 食事もなんか、大層なものも、食べていないしなあ。

 今度、メイサに、教えてもらおう。


「そうなんだ。初めて知ったよ。」

「ははははははは!。ちょっと待て、何々、巣に、帰るようだぞ。」


「ええっ!、虫の話が、分かるの?。」

「いや、何か昔から、虫に縁があるっていうか、寄って来るっていうか、傍に居るっていうか。だから、何か分かるんだよなあ。クレイも、同じなんだ。」


 虫に縁があるって、何か変だよね。

 ふうんって、感じだったけど、僕は、アレクを、鑑定して見た。


 アレク:レベル13 HP 65/MP 45

 スキル 剣技  レベル2 風魔法 レベル1 虫使い レベル4 

 採取 レベル3 採掘 レベル2


 クレイ:レベル7 HP 35/MP 25

 スキル 風魔法 レベル1 虫使い レベル3 採取 レベル2 


 虫使い???。

 虫を操れるって、いう事かなあ。

 こんなスキルも、あるのか。


「あ、アレク。君さあ。自分のスキルとかって、知らないの?。」

「そんな事、知る訳無いじゃないか。俺ら孤児院出身だぞ。鑑定するような金が、何処にあるんだよ。」


 教えていいものかどうか迷ったけど、

「アレク。君って、虫使いっていう、スキルを持ってるよ。」

「ええ~!、なんで分かるんだ。虫使いって。」


「アレク、誰にも言わないで欲しいんだけど。僕は、鑑定が出来る。」


「そ、そうなのか。すげえな。ライトが、黙ってろって言うなら、言わないぞ。お前も孤児だから分かるだろ。糞みたいな奴もいる。だけどな、大人に、信用されようと思ったら、嘘や裏切ったら、お終いだ。二度と、仕事なんか、貰えなくなる。俺は、そう教わった。だから、裏切ったり、騙したりしないって、決めたんだ。」


 アレク、君って年下なのに、偉いよ。


「で、他には、何があった。」

「ああ。えっと。剣技、風魔法、採取、採掘かな。」


「そうか、今まで、色々と手伝ったからなあ。風魔法って、どうしてだろう。」

「思い当たらないなら、元々、あったんじゃないかなあ。虫と風って、相性がいいんじゃないかなあ。」


「そうなのか。そうかそうか。ライト、教えてくれてありがとう。」

「クレイも、風魔法、採取、虫使いを、持ってるよ。」

「そうかあ、兄弟だからなあ。いつか教えてやるよ。」


「あ、蜂が、飛んで行くよ。」

「よし、追いかけよう。」


 僕達は、蜂を追った。


 蜂は、少し行った先で、森の中に、入っていった。


「森の中かよ。少しなら大丈夫だけど。あんまり奥だと、危険だぞ。」

「行ける所まで、行ってみようよ。」

「そうだな。」


 僕達は、蜂を追って、森の中に入った。

 蜂は、どんどんと、奥の方へ向かって行った。


 しばらくすると、他にも、蜂が飛んでいるのが、分かった。


「近いんじゃないかなあ。」

「そうだな。他のも巣を目指してる。きっと、もうすぐだぞ。」


 そこから、少し離れた所に、枯れた木があった。


「おっ、あの木に、入るぞ。」


 僕達は、少し離れた所から、様子を見た。

 ハニービーが、飛んで来ては、木の穴に入り、また出ていく。


「間違いないな。あれだ。これで、中に蜜があれば、稼げるぞ。」


 僕達は、そっと、巣に近づいてみた。


「ライト。俺が、覗いて見るから。」


 そういうと、アレクは、顔を木の穴に、近づけて覗いた。


「そんなに近づいて、大丈夫なの?。」

「ああ、俺は、虫使いだからなのか、分かんないけど、襲われた事無いんだ。」


 虫使い、恐るべし。


 徐に、アレクが、穴から手を突っ込んだ。

 おいおいおい、大丈夫か。


「よいよし、あったぞ。」


 アレクは、手の指に着いた蜜を見せた。


「やったね。アレク。」

「よし、この下あたりだ。木の皮を引っぺがして、蜜を取るぞ。」


「駄目だよ。アレク、そんな事しちゃ。」

「ん?!。何でだ?。だって、蜜、採るんだぞ。」


「引っぺがしたりしたら、巣を壊しちゃうだろ。そうしたら、もう取れなくなっちゃうじゃないか。」


「もう取れなくなっちゃう?。」

「そうだよ。上手く取り出して、この巣を、ずっと、使ってもらうんだ。そうすれば、また、蜜を取れるだろう。」


「そ、そうか。ライト、お前、頭いいな。で、どうするんだ?。」

「蜜があるのって、どの辺?。」

「手を突っ込んで、この辺からありそうだから、この辺からかなあ。」


 アレクは、木の穴から、下の方へ木の幹を、指で指して見せた。


「この辺だね。」


 僕は、ナイフを出して、幹を削り始めた。


「アレク、ロープ持ってない?。」

「ロープか。今は持ってないぞ。何にするんだ?。」

「後で、使いたいんだ。」


「よし、ちょっと待ってろ。」


 アレクは、来た道を、戻っていった。


 僕は、木を削り続ける。

 木は、枯れていて、そんなに時間が掛からずに、四角に、くり抜く事が出来た。


 僕は、くり抜いた幹を取ってみた。


「おお~!、これは。」


 中には、びっしりと、蜂の巣があった。

 昔、テレビで見た、何層にも分かれた巣と同じに、蜜もあった。


「凄いな。」


 いつの間にか、アレクが、帰って来ていた。


「ライト、ロープは無いけど、これでどうだ。」


 アレクは、長い蔦を、取って来てくれた。


「これぐらいあれば、足りると思うよ。」

「よし、蜜を取るぞ。これを取って、よし、いいぞ。」


「あれ。アレク。一個でいいの?。」

「ああ。さっき、ライトに言われたのと、いっぺんに大量に売りに行くと、目を付けられるからな。少しずつにしておくよ。お前達、悪いな。少し貰っていくからな。」


 アレクは、ハニービーに、挨拶をしていた。


「そう、じゃあ、蓋をしようか。」


 僕は、外した幹を元に戻し、アレクが、持ってきた蔦を使って、グルグル巻いて、結んだ。


「今日は、いいものを、クレイに、食わしてやれるな。そうだ、ライトも、一緒にどうだ。一緒に見つけたんだ。報酬も分けないとな。」

「僕は、いいよ。」


「なんだ、遠慮すんなよ。二人で、見つけたんじゃないか。」

「そ、そうか。じゃあ。」


 僕と、アレクは、洋々と引き上げた。


 採取している場所まで戻って、クレイに取った蜂の巣を見せてやると、飛び上がって、喜んでいた。

 僕達は、その日は、早めに切り上げて、ギルドに向かった。


 僕は、受付に居た人に、薬草を渡して、清算をする。

 アレクも、薬草と蜂の巣を渡して、清算をした。


 あれ?、何かアレクの様子がおかしい。

 ソワソワしている。


 ギルドの出口で待っていたら、アレクがやって来て、

「おい、ライト。ヤバいぞ。」


「どうしたの?。」

「あの蜂の巣、大変だぞ。金貨だぞ。」

「えっ!、そうなの。」


 僕達は、ギルドを出ると、急いで、食事する場所に向かった。

 もちろん、一刀両断だ。


「いらっしゃい。あら、ライト、外で食事なんて、珍しいわね。」


 メイサが、迎えてくれた。


「うん、今日は、ちょっと、稼いだんだ。だから、友達と食事しようと思って。」

「そうなんだ。私は、メイサ。宜しくね。」


「俺はアレク。こっちは妹のクレイ。宜しく。」

「ライトに、友達なんて、初めてじゃない。」


 なんか、メイサは、嬉しそうだった。


「ご注文は?。」

「今日のお肉のお勧めで。」

「あ、じゃあ、俺達も。」


「はい、お勧めお肉、3人前!!。」

「あいよ!!。」


 まだ、夜には早い時間だったので、メイサも忙しくないのか、暇そうにしていた。


 僕は、メイサに、手招きして呼んでみた。


「何?、ライト。」

「忙しくないなら、一緒に話しないか?。」

「あら、いいの。」


 4人で、テーブルに座って、話をする。


「ライト、稼いだって何したの?。また、危ない事でも、したんじゃないの?。」

「あ、いや。蜂蜜を、見つけたんだ。」


「ええっ!。蜂蜜なんて、高級品じゃない。どうしたの?。」


「アレクと一緒に、いつもの薬草を、摘んでたんだ。この間の一件があっただろ。だから、蜂を見たら危ないと思って。退治しようとしたら、アレクが、ハニービーだって、教えてくれたんだ。」


「ハニービーね。確かに、蜜を集めるけど。」

「で、アレクが、巣があるかもっていうから、後をつけて、探したんだ。見つかったんだよ、巣が。」


「凄いじゃない。巣を見つけるなんて。なかなか無いのよ。蜜が取れるほどの巣って。」

「そうなの?。」


「だって、蜂蜜って言ったら、高級品で、滅多に食べれないもの。」

「アレク、そうなの?。」

「ああ、なかなか見つからないから、高値で、買い取ってくれるんだ。」


 ごくっ!!。


 僕は、唾を飲んだ。


「アレク、今日の幾らになった?。」

「お、おう。驚くなよ。金貨、金貨。」


 アレクは、手を広げて見せた。


「5、5枚なのか?。」

「そうだ。」

「やったな。そんな大金。」


「あ、これ、ライトに、渡すよ。」


 アレクは、僕に、金貨3枚を、渡そうとした。


「アレク、多いんじゃないか。」

「いや。元々は、ライトが、蜂を見つけたからだ。だから。」


 遠慮しようかとも思ったけど、アレクが納得しないだろう。


「いや。僕は、2枚でいいよ。」

「それじゃあ、俺が、貰いすぎだよ。」

「いいんだ、クレイもいるだろ。それに虫の事、色々と、教えてくれたじゃないか。」


「いいのか。本当に。」

「ああ、クレイがもっと、大きくなったら、何かに、使ってやれよ。」

「ありがとう。ライト。」


 アレクは、本当に、嬉しそうに笑った。


「じゃ、じゃあ。俺が、この店の代金は、払わしてくれ。」

「うん、分かったよ。」


 僕は、素直に、奢ってもらう事にした。


「ふふ、ライト。いい友達なのね。」

「ああ。」


 僕は、心からメイサに応えた。

 それから、たわいもない話をして、暗くなってきたので、帰る事にした。


「じゃあな、ライト」

「ああ、アレク。またね。」





当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ