第18話 蜂、再び
僕は、いつものように、薬草の採取に、やって来ていた。
この時期は、名前は分からないが、ちらほら花が咲いている。
丁度、花が咲く季節らしい。
僕は、いつもの場所に向かった。
採取しているメンバも、いつものように来ているようだった。
「ん?!。」
あれは、........蜂!!。
またかよ。
散々、戦いました。
死に、そうになるまで。
勘弁してほしい。
僕は、そっと、剣を抜いた。
そして、ゆっくりと、近づいた。
「よお、ライト。どうした?。」
「シイイイイイイイ!!。蜂が、いるんだ。」
「おいおい、ライト。蜂が怖いのか?。まさか、虫が苦手なのか?。」
「違うよ。彼奴、危険なんだ。殺らないと。」
「何、言ってんだ。あれは、ハニービーだぞ。こっちが、何もしなければ、攻撃何かするもんか。」
「ええっ!、ハニービー?。そんな蜂もいるの?。」
「お前。何も、知らないんだなあ。危険なのは、キラービーだぞ。ほら、よく見ろ。大人しく、花に寄ってるじゃないか。それに、大きさが、全然違うだろう。」
「ほんとだ。小さいな。キラービーは、もっと大きかったな。」
なんか、昨日の今日だったから、.......。
無駄な殺生を、しなくて済んだ。
ごめんよ。
ハニービーさん。
「ライト、知ってるか?。あのハニービーっていうのはな。巣に、花から集めた蜜を、溜め込むんだ。それを見つけたら、一儲けだぞ。」
「ええっ!、そうなの?。」
「お前、相変わらず、何も知らないなあ。甘い物って、結構、限られているから、蜂蜜って、結構、貴重なんだぞ。」
そうなのか、確かに、この世界にやってきてから、甘い物なんて、口にしていないなあ。
食事もなんか、大層なものも、食べていないしなあ。
今度、メイサに、教えてもらおう。
「そうなんだ。初めて知ったよ。」
「ははははははは!。ちょっと待て、何々、巣に、帰るようだぞ。」
「ええっ!、虫の話が、分かるの?。」
「いや、何か昔から、虫に縁があるっていうか、寄って来るっていうか、傍に居るっていうか。だから、何か分かるんだよなあ。クレイも、同じなんだ。」
虫に縁があるって、何か変だよね。
ふうんって、感じだったけど、僕は、アレクを、鑑定して見た。
アレク:レベル13 HP 65/MP 45
スキル 剣技 レベル2 風魔法 レベル1 虫使い レベル4
採取 レベル3 採掘 レベル2
クレイ:レベル7 HP 35/MP 25
スキル 風魔法 レベル1 虫使い レベル3 採取 レベル2
虫使い???。
虫を操れるって、いう事かなあ。
こんなスキルも、あるのか。
「あ、アレク。君さあ。自分のスキルとかって、知らないの?。」
「そんな事、知る訳無いじゃないか。俺ら孤児院出身だぞ。鑑定するような金が、何処にあるんだよ。」
教えていいものかどうか迷ったけど、
「アレク。君って、虫使いっていう、スキルを持ってるよ。」
「ええ~!、なんで分かるんだ。虫使いって。」
「アレク、誰にも言わないで欲しいんだけど。僕は、鑑定が出来る。」
「そ、そうなのか。すげえな。ライトが、黙ってろって言うなら、言わないぞ。お前も孤児だから分かるだろ。糞みたいな奴もいる。だけどな、大人に、信用されようと思ったら、嘘や裏切ったら、お終いだ。二度と、仕事なんか、貰えなくなる。俺は、そう教わった。だから、裏切ったり、騙したりしないって、決めたんだ。」
アレク、君って年下なのに、偉いよ。
「で、他には、何があった。」
「ああ。えっと。剣技、風魔法、採取、採掘かな。」
「そうか、今まで、色々と手伝ったからなあ。風魔法って、どうしてだろう。」
「思い当たらないなら、元々、あったんじゃないかなあ。虫と風って、相性がいいんじゃないかなあ。」
「そうなのか。そうかそうか。ライト、教えてくれてありがとう。」
「クレイも、風魔法、採取、虫使いを、持ってるよ。」
「そうかあ、兄弟だからなあ。いつか教えてやるよ。」
「あ、蜂が、飛んで行くよ。」
「よし、追いかけよう。」
僕達は、蜂を追った。
蜂は、少し行った先で、森の中に、入っていった。
「森の中かよ。少しなら大丈夫だけど。あんまり奥だと、危険だぞ。」
「行ける所まで、行ってみようよ。」
「そうだな。」
僕達は、蜂を追って、森の中に入った。
蜂は、どんどんと、奥の方へ向かって行った。
しばらくすると、他にも、蜂が飛んでいるのが、分かった。
「近いんじゃないかなあ。」
「そうだな。他のも巣を目指してる。きっと、もうすぐだぞ。」
そこから、少し離れた所に、枯れた木があった。
「おっ、あの木に、入るぞ。」
僕達は、少し離れた所から、様子を見た。
ハニービーが、飛んで来ては、木の穴に入り、また出ていく。
「間違いないな。あれだ。これで、中に蜜があれば、稼げるぞ。」
僕達は、そっと、巣に近づいてみた。
「ライト。俺が、覗いて見るから。」
そういうと、アレクは、顔を木の穴に、近づけて覗いた。
「そんなに近づいて、大丈夫なの?。」
「ああ、俺は、虫使いだからなのか、分かんないけど、襲われた事無いんだ。」
虫使い、恐るべし。
徐に、アレクが、穴から手を突っ込んだ。
おいおいおい、大丈夫か。
「よいよし、あったぞ。」
アレクは、手の指に着いた蜜を見せた。
「やったね。アレク。」
「よし、この下あたりだ。木の皮を引っぺがして、蜜を取るぞ。」
「駄目だよ。アレク、そんな事しちゃ。」
「ん?!。何でだ?。だって、蜜、採るんだぞ。」
「引っぺがしたりしたら、巣を壊しちゃうだろ。そうしたら、もう取れなくなっちゃうじゃないか。」
「もう取れなくなっちゃう?。」
「そうだよ。上手く取り出して、この巣を、ずっと、使ってもらうんだ。そうすれば、また、蜜を取れるだろう。」
「そ、そうか。ライト、お前、頭いいな。で、どうするんだ?。」
「蜜があるのって、どの辺?。」
「手を突っ込んで、この辺からありそうだから、この辺からかなあ。」
アレクは、木の穴から、下の方へ木の幹を、指で指して見せた。
「この辺だね。」
僕は、ナイフを出して、幹を削り始めた。
「アレク、ロープ持ってない?。」
「ロープか。今は持ってないぞ。何にするんだ?。」
「後で、使いたいんだ。」
「よし、ちょっと待ってろ。」
アレクは、来た道を、戻っていった。
僕は、木を削り続ける。
木は、枯れていて、そんなに時間が掛からずに、四角に、くり抜く事が出来た。
僕は、くり抜いた幹を取ってみた。
「おお~!、これは。」
中には、びっしりと、蜂の巣があった。
昔、テレビで見た、何層にも分かれた巣と同じに、蜜もあった。
「凄いな。」
いつの間にか、アレクが、帰って来ていた。
「ライト、ロープは無いけど、これでどうだ。」
アレクは、長い蔦を、取って来てくれた。
「これぐらいあれば、足りると思うよ。」
「よし、蜜を取るぞ。これを取って、よし、いいぞ。」
「あれ。アレク。一個でいいの?。」
「ああ。さっき、ライトに言われたのと、いっぺんに大量に売りに行くと、目を付けられるからな。少しずつにしておくよ。お前達、悪いな。少し貰っていくからな。」
アレクは、ハニービーに、挨拶をしていた。
「そう、じゃあ、蓋をしようか。」
僕は、外した幹を元に戻し、アレクが、持ってきた蔦を使って、グルグル巻いて、結んだ。
「今日は、いいものを、クレイに、食わしてやれるな。そうだ、ライトも、一緒にどうだ。一緒に見つけたんだ。報酬も分けないとな。」
「僕は、いいよ。」
「なんだ、遠慮すんなよ。二人で、見つけたんじゃないか。」
「そ、そうか。じゃあ。」
僕と、アレクは、洋々と引き上げた。
採取している場所まで戻って、クレイに取った蜂の巣を見せてやると、飛び上がって、喜んでいた。
僕達は、その日は、早めに切り上げて、ギルドに向かった。
僕は、受付に居た人に、薬草を渡して、清算をする。
アレクも、薬草と蜂の巣を渡して、清算をした。
あれ?、何かアレクの様子がおかしい。
ソワソワしている。
ギルドの出口で待っていたら、アレクがやって来て、
「おい、ライト。ヤバいぞ。」
「どうしたの?。」
「あの蜂の巣、大変だぞ。金貨だぞ。」
「えっ!、そうなの。」
僕達は、ギルドを出ると、急いで、食事する場所に向かった。
もちろん、一刀両断だ。
「いらっしゃい。あら、ライト、外で食事なんて、珍しいわね。」
メイサが、迎えてくれた。
「うん、今日は、ちょっと、稼いだんだ。だから、友達と食事しようと思って。」
「そうなんだ。私は、メイサ。宜しくね。」
「俺はアレク。こっちは妹のクレイ。宜しく。」
「ライトに、友達なんて、初めてじゃない。」
なんか、メイサは、嬉しそうだった。
「ご注文は?。」
「今日のお肉のお勧めで。」
「あ、じゃあ、俺達も。」
「はい、お勧めお肉、3人前!!。」
「あいよ!!。」
まだ、夜には早い時間だったので、メイサも忙しくないのか、暇そうにしていた。
僕は、メイサに、手招きして呼んでみた。
「何?、ライト。」
「忙しくないなら、一緒に話しないか?。」
「あら、いいの。」
4人で、テーブルに座って、話をする。
「ライト、稼いだって何したの?。また、危ない事でも、したんじゃないの?。」
「あ、いや。蜂蜜を、見つけたんだ。」
「ええっ!。蜂蜜なんて、高級品じゃない。どうしたの?。」
「アレクと一緒に、いつもの薬草を、摘んでたんだ。この間の一件があっただろ。だから、蜂を見たら危ないと思って。退治しようとしたら、アレクが、ハニービーだって、教えてくれたんだ。」
「ハニービーね。確かに、蜜を集めるけど。」
「で、アレクが、巣があるかもっていうから、後をつけて、探したんだ。見つかったんだよ、巣が。」
「凄いじゃない。巣を見つけるなんて。なかなか無いのよ。蜜が取れるほどの巣って。」
「そうなの?。」
「だって、蜂蜜って言ったら、高級品で、滅多に食べれないもの。」
「アレク、そうなの?。」
「ああ、なかなか見つからないから、高値で、買い取ってくれるんだ。」
ごくっ!!。
僕は、唾を飲んだ。
「アレク、今日の幾らになった?。」
「お、おう。驚くなよ。金貨、金貨。」
アレクは、手を広げて見せた。
「5、5枚なのか?。」
「そうだ。」
「やったな。そんな大金。」
「あ、これ、ライトに、渡すよ。」
アレクは、僕に、金貨3枚を、渡そうとした。
「アレク、多いんじゃないか。」
「いや。元々は、ライトが、蜂を見つけたからだ。だから。」
遠慮しようかとも思ったけど、アレクが納得しないだろう。
「いや。僕は、2枚でいいよ。」
「それじゃあ、俺が、貰いすぎだよ。」
「いいんだ、クレイもいるだろ。それに虫の事、色々と、教えてくれたじゃないか。」
「いいのか。本当に。」
「ああ、クレイがもっと、大きくなったら、何かに、使ってやれよ。」
「ありがとう。ライト。」
アレクは、本当に、嬉しそうに笑った。
「じゃ、じゃあ。俺が、この店の代金は、払わしてくれ。」
「うん、分かったよ。」
僕は、素直に、奢ってもらう事にした。
「ふふ、ライト。いい友達なのね。」
「ああ。」
僕は、心からメイサに応えた。
それから、たわいもない話をして、暗くなってきたので、帰る事にした。
「じゃあな、ライト」
「ああ、アレク。またね。」
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