表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/410

第17話 ライトの過去



 僕は、ミーサさんと、ギルドに着くと、直ぐに、カペラさんが、ギルマスの部屋に、通してくれた。


「来たね、小僧。」

「ギルドマスター、ご心配を、おかけしました。」


「小僧が、生き残ったから、あたしの首も、つなっがたよ。ふぉふぉふぉふぉふぉ!!。」


「ライトが、目を覚ましたら、連れて来るようにって、言われたので、連れて来ましたけど。」

「ああ、そうだったね。」


「僕に、何か用事でしょうか?。」

「昨日の結果が、どうなったのか、気になるんじゃないかと思ってね。」

「それは、そうですけど。」


「全員無事に帰った。そして、持ち帰ったキラービークイーンは、早速、解体してねえ。魔石と甲殻の処分を、持ちかけたら、あっという間に、買い取り先が、決まったよ。相手は、何と、フォルスタッド公爵だよ。それも、破格の値段で、買い取るそうだ。」


「フォルスタッド公爵?。」

「ライトは、知らないかもしれないが、この国で、一番の貴族さ。」

「そうなんですか。」


「フォルスタッド公爵、......。」

「ミーサは、知っているだろ。」

「はい。」


「で、討伐したお前達の取り分は、金貨1800枚だよ。」


 ミーサは、それを聞いて驚いていた。


「そ、そんな金額で。」


「ああ、大きさや甲殻の堅さは、通常よりも、上だったからねえ。めったにない上物さ。」


「でも、そんなに早く、捌けるんですか?。」

「まあ、情報次第だね。それにしても、あの公爵は、耳が早いねえ。あっという間に、他から直ぐには、手を出せないぐらいの金額で決まったからね。」


「凄い人が、居るんですね。」

「それに、言った通り、ゴードンと、ガンドウのAランクは、決まったよ。多分、公爵が、後押ししたんだろうねえ。ミーサ、あんたも、次に、何かあれば、推薦されるだろうよ。報酬は、後で、ゴードンから、分配してもらいな。」


「はい、ありがとうございます。」

「ゴードンさんと、ガンドウさん、Aランク何て凄いですね。」


「ふふ。みんなは、ランクの応じて評価をした。でも、小僧は、報酬も無しだよ。あんたは、依頼のランクに、合ってない案件だからねえ。ランクアップもないよ。」

「はい、それで構いません。」


「ラ、ライト。それで、いいの?。」

「ミーサさん、僕は、いいんです。自分の為に、行っただけですから。」

「ライト、......。」


「ふぉふぉふぉふぉふぉ!!。ほう~らね。あたしの言った通りだろう。小僧は、ランクや報酬なんか、気にしちゃいないんだよ。」

「用事は、済んだよ。帰んな。帰んな。」

「じゃあ、失礼します。」


 僕達が、部屋を出ようとした、その時、

「ああ、小僧、忘れもんだよ。」


 ギルマスが、僕に、布に包まれた長い物を、投げて寄こした。


「これは、.......。」


 僕は、布を取ってみた。

 それは、綺麗な銀色の剣だった。


「これって。もしかして、ギルマス。ギルドで、保管しているレアな剣じゃあ。」


「おや、ミーサは、知っているのかい。そうだよ。何かの時に、使えるように、保管している剣の一本さ。魔鋼とミスリルで、出来た剣。」

「でも、これを僕に、どうしろと?。」


「なあに、昨日、たまたま倉庫に行ったらねえ。剣が、外に出たそうにしてたんで、持ってきちまった。戻すのが面倒だから、小僧、しばらく持っときな。何でも、魔力も、通すらしいよ。」


「そんな、大事な剣を。あ、ありがとうございます。大事に、預かります。」


 こうして、僕達は、部屋を出た。



 小僧、お前さんは、どうしちまったんだい。

 3年近くも、全く目立ちもせず、誰にも、知られなかった奴が、突然、ここ一か月で、とんでもない事を、起こしている。

 本当に、同じ人間かい。

 事故の時、何があったんだい。

 でも、今のあんたの働きをみると、あたし達、いや、この国の為に、何かを、やってくれそうな気がするよ。

 小僧、あたしの期待を、裏切らんでおくれな。


 ギルマスは、自分の机に座りながら、独り言を、囁くのであった。



「ライト。その剣、Sランクのモンスターや、戦争が起こった時とかに、出すやつよ。ギルマスも、思い切った事をするわね。」

「そうなんですか。何か、使いづらいなあ。」


「でも、渡したって事は、使って欲しいのよ。大事に、使いなさいよ。」

「はい。」


「じゃあ、私は、別件があるから。またね。」

「ミーサさん、ありがとうございます。」


 さて、僕は、いつものように行きますか。



 side:ミーサ


 今、思い出しても、信じられないような戦いだった。

 私だったら、あんな事を、思いつくかしら。

 剣に、火を纏うだなんて。


 それに、石の壁に囲わしたり、電撃を食らわしたら、一瞬の間があるなんて。

 何で、気付けるのかしら。


 一番、不思議なのが、彼は、いつから、あんなに魔法が使えるの?。

 ダンジョンで、見つかった時に、使えたのかしら。


 でも、そうしたら、何故、ゴールドラッシュは、事故に遭ったの?。

 彼がいれば、みんなは、生きていたんじゃないの?。

 ミーサは、そんな事を考えながら、街を進んでいた。




 ミーサは、ある一軒の店を、目指して進んでいた。


「ここね。」

「いらっしゃいませ。あら、ミーサさん、どうしたんですか?。こんな時間に。」


 そう、そこは、メイサが、働いている「一刀両断」だった。


「ごめんなさい。今日は、食事をしたいわけじゃないの。メイサちゃんと、話がしたくて。」


「そうなんですか。今、お昼も過ぎたんで、お客さんも居ないから、大丈夫ですよ。どうぞ座ってください。」

「ありがとう。」


「それで、話って何ですか?。」

「ライトの事、なんだけど。」


「ライトが、どうかしましたか?。あっ!、昨日の事ですね。迷惑かけちゃって、すいません。」

「いえ、そうじゃないの。本当の事を言うと、ライトが、居なかったら、みんな危なかったのよ。」


「ええっ!!。そうなんですか?。私はてっきり、ライトが、無理やり付いて行って、迷惑を掛けたんじゃないかと、思ってました。」

「違うわ。ライトが、魔物を倒したのよ。」


 その話を聞いて、メイサは、驚いた。


 それは、今までのライトとは、違っていたからだ。

 あのライトが、自分から魔物を、倒すなんて。

 何の取柄もない、あのライトが。


「メイサちゃん、ライトって、昔からあんななの?。事故から戻って、何か、変わった事ない?。」


「今朝、ライトが、目を覚ました時に、ライトからも、聞かれました。」


 メイサは、朝のライトとのやり取りを、ミーサに話した。


「昔も、確かに、直ぐに、謝りはしたんですけど、それは、何にも出来ないから、出来ない事に対してで、最近は、心配させたりする事に、謝ったりするんです。」


「昔は、何も、出来なかった?。」

「ええ。武器の訓練をしても、何かの技術を、身に付けようとしても、人より出来なくて。」


「そ、そんな事が、あるのかしら。」

「どうかしたんですか?。」


「いえ、私達を助けた時も、使った事が無いような魔法まで、使ったのよ。そう、初めて会った時には、鑑定まで。」


「ええっ!!。魔法ですか?。魔法何て、まるっきし出来ませんでしたよ。それに、鑑定なんて、子供の頃から、一緒に居ましたけど、そんな事、一切、出来ませんでしたよ。」


「出来なかった?。魔法が。」

「ええ、そんなの出来ていたら、もっと、何かに役立ってますよ。」


 本当に、何も出来なかった。

 あのライトが。


 それなのに、どうして、今は?。

 あの戦いで、みんなを引っ張り、助けたあのライトが。

 何も出来ない。


「ああ、そうだ、ミーサさんと、毎朝、訓練してるんでしょう?。」

「ええ、そうね。」


「剣は、振れてますか?。8歳から、孤児院で、剣を振ってたんですけど、全く、身に付かなかったんですよ。だから、冒険者になるって言った時には、荷物持ちぐらいしか、出来ないから、反対したのに。」


「えっ!。それって、誰に教わったの?。」

「孤児院の卒業生とか、慰問の冒険者だったり。」


「他には、何かなかった?。」

「そうですね。年に1回、騎士見習いの募集が、あるじゃないですか。あれにも、行ってましたよ。でも、全く引っかかりも、しませんでしたけどね。」


「あ、ありがとう。メイサちゃん。話を聞けて、良かったわ。」



 私は、店を後にした。

 向かったのは、街にある騎士の詰め所だった。


「すいません。アルフレッドさん、いらっしゃいますか?。」

「ああ、ゴードンさんのパーティーの人だね。ちょっと待ってな。」


 受付に居た騎士の人が、副団長のアルフレッドを、呼びに行った。


 少し待つと、

「やあ、ミーサ。久しぶりだね。今日は、どうしたんだい。こんな所に、来るなんて。」

「すいません。ちょっと、お話があって。」


「そう、ここじゃ何だから、中に入って。」


 アルフレッドは、ここデルポートに、駐留している騎士団の副団長で、ゴードンの兄だった。


 副団長室に、通されるミーサ。


「で、話って何だい?。」

「ちょっと、調べてほしい事があって。」


「調べる?。何を、調べればいいんだい。」

「騎士団が、年に一回、見習いを募集しますよね。その記録を、調べてほしいんです。」


「見習いの記録ねえ。余り外には、出さないんだけど。何か、大切な事かい?。」

「はい、ちょっと、確認しないといけない事があって。」


「まあ、ミーサなら、外で漏らしたりしないだろうから。で、何処の誰だい?。」

「第3孤児院出身で、ライトっていう少年です。」


「分かった。記録を見て来るから、ちょっと、待ってて、貰えるかな。」


 アルフレッドは、席を立ち、部屋を出て行った。


 そして、しばらくすると、アルフレッドが、戻ってきた。


「ミーサ、あったよ。第三孤児院出身のライト。」

「どうでしたか?。」


「ミーサも、知っているとは思うけど、受験資格は、16歳から18歳まで。才能や、過去の受験からの、成長度を考慮して、合格が決まる。」

「はい、知ってます。」


「で、ライトという少年は、16歳、17歳と受験して、今年も18歳で、受験している。結果は、不合格だった。」


「そ、それは、どんな成績だったんですか?。」

「成績は、Eランク。」


「Eランクなんですね?。」

「ああ。最低のランクだった。力、技、体力、魔力、どれをとっても、騎士になるというか、冒険者でも、ちょっと、無理なレベルじゃないかな。」


「無理なレベル、......。」

「この子が、どうかしたのかい?。」


「あ、いえ。ちょっと知り合いで。何か、いい仕事でも、探してやろうかと。」

「そうかい、孤児院出身だからかな。後輩、思いだね。」


「あ、あのう、アルフレッドさん。もし、何かの事故や、自分に、影響が大きい事件に会ったとして、突然、才能が、出たりするもんでしょうか?。」


「どうしたんだい、急に。そうだねえ。例えばだけど、僕達みたいに、貴族出身で、才能が有るか、無いかなんて、子供の頃に鑑定して、ある程度、分かるもんだよ。家を守る為にね。」

「確かに、鑑定すれば、分かりますけど。」


「ライト君だっけ。一番、良い時期に、3年も受験して、何年も試験官をやっている人間が、何も良い所が見つからないようじゃ、戦う様な職業は、向いていないと思うけどね。もっと、頭を使うか、裏方で、がんばる方に、勧めるね。」


「アルフレッドさん、ありがとうございました。」

「ゴードンに会ったら、宜しく伝えておいてくれ。ランクアップのお祝いしようって。」

「あ、はい、伝えておきます。失礼します。」


 私は、詰め所を、後にした。


 どういう事なの?。

 ライト、あなたは、いったい。


 事故前のあなたと、事故の後のあなた。


 話を聞く限り、別人じゃない。

 どういう事なの?。

 分からないわ。


 ミーサは、ライトの事を知れば知る程、疑念が湧いてくるようになる。




当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ