第16話 ミーサの処分
森を抜けゴードン達はデルポートに着いた。
そして直ぐに、ギルドに向かった。
ゴードン達がギルドに到着すると、カペラが待っていた。
「ミーサさん。無事で良かった。」
「カペラ。直ぐにギルマスに会いたいんだが。」
「はい。確認してきます。」
と言っても、カペラとゴードン達は、一緒にギルマスの部屋に向かった。
ライトは未だ気絶した状態のままだった。
コン!
コン!
「ギルマス。ゴードンさん達が戻りました。」
「入っていいよ。」
ゴードン、ガンドウ、ミーサは、ライトと共にギルマスの部屋に入った。
背負われたライトを見て、ギルマスが様子を見る。
「小僧は、どうした?」
ゴードンが、ざっくりと事の次第を話す。
「そうかい。そんな事が。だが命に別状は無さそうだね。ミーサは小僧を、直ぐに家まで運んでおやり。カペラ、中級の回復薬と魔力回復薬を渡すんだよ。それで、ミーサは小僧を寝かせたら、直ぐに戻っておいで。」
「はい。ギルマス。」
ミーサは、カペラから回復薬と魔力回復薬を受け取り、ライトを背負ったまま、第三孤児院に向かった。
孤児院に着くと、院長先生に訳を話し、ライトを部屋に運び、ベッドに寝かせた。
「ライト、ありがとう。院長先生。後は宜しくお願いします。」
「了解しましたよ。」
そしてミーサは、直ぐに孤児院を後にする。
ミーサはギルドに向かいながら、自分の処分を覚悟した。
自分のせいで、みんなを危険な目に合わせてしまった。
ライト、ありがとうと感謝を思う反面。
彼はどうやって、あんな戦い方を思いついたのか疑問もあった。
彼は誰?
そんな考えが頭を過ぎる。
ライトなんだけどライトなの?
彼の過去を知れば知る程、彼の事が分からなくなった。
そんな事を思いながらギルドに着くと、直ぐにギルマスの部屋に向かう。
「ああ、ミーサ、お帰り。小僧はどうだい?」
「はい。ベッドに休ませてきました。院長先生にも看病をお願いしました。」
「そうかい、そうかい。あんた達も無事に帰って来て良かったよ。」
「いや、でも。ギルマス。」
「ミーサ。あんたが居ない間に話は聞いたよ。」
「そうですか。じゃあ、私の処分も。」
「処分?、処分って、何を言ってんだい。」
「しかし私の所為で。」
「あんなバケモンが居て、それを退治したんだよ。」
「でも。」
「処分何て誰がするんだい。」
しばらくの沈黙の後、ギルマスが言った。
「今回の件でゴードン。あんたはAランク。まあ推薦して間違いないだろう。ガンドウもだ。そしてミーサは、今までの実績がまだ少ない。だけど今回の功績は大きい。私はそういう風に、本部には報告しておくよ。」
「でも。そ、それじゃあ。」
「ああ。何だい。あたしの結論に、何か不満でも有るのかい。」
「い、いえ、それは。」
「ゴードンもガンドウも、いいね。」
「はい!!」
「じゃ、じゃあ、ライトは。ライトはどうなるんですか?」
「小僧かい。小僧は何も無い。そのままだよ。」
「な、何で、ですか。一番活躍したんですよ。」
ミーサは食い下がった。
「ミーサ。いいかい。それは小僧、本人が望まないからだよ。」
「ライトが、......。」
「小僧は、何を考えているんだか。目立ちたく無いのか、ランクにこだわっていないのか。」
「そ、そんな。」
「まあ、でもね。何時か小僧の気が変わって、ランクアップを望んだら、あたしゃ、幾らでも推薦してやるよ。」
あははははははははは!!
「ギルマス。分かりました。」
「所でミーサは、小僧の戦いを見てどうだった?」
「どうだったも何も。私達が思いもつかない様な事をやりました。手から炎を真っ直ぐに出し続けて、キラービーを焼き尽くしたり。剣に火を纏ったり。」
「そうかい、そうかい。」
「でもギルマス。彼は何なんですか。あの事故で記憶が無いんでしょう。それなのにあの戦い方。俺らも含めて状況を見極めて、的確に指示を出して。」
「ゴードンよ。あんたもパーティーのリーダーだ。今回の件で少しは成長したんじゃないかい。」
「それは、......。」
「ガンドウはどうだい。」
「そうじゃのう。土魔法の使い方にしても。まさかあんな使い方を思いつくなんぞ。思いもしなかったぞい。」
「まあお前達にとっても、今回の一件は希少な一件だったねえ。さあ、お開きだよ。」
ミーサ達が、ギルマスの部屋を出ようとすると。
「ミーサ。」
「はい。」
「小僧の監視は今日でお終いだよ。」
えっ!
「いいんですか?。」
「ああ。」
「監視って?」
「ギルマスに言われて、ライトに何か変わった事がないか調べていたの。」
「事故の時もそうだろう。」
「事故の時って、ゴブリンメイジですか?」
「そうだよ、小僧が居なかったら、どうなっていたか。」
「まあ確かに。」
「それに今回も。本当に記憶が無いのか、隠しているのか。それは分からんが。」
「確かにそうですけど。でも、ライト君が何かするとは思えませんが。」
「まあそうじゃな。これで一つ言えるのは、小僧は敵じゃない。私達の味方だって事さ。これから先も、色々と有るんじゃないかい。でもみんなで、小僧の行く末を見守ろうじゃないか。」
そんな事がギルドで話し合われていたという事は、ライトは全く知らない。
翌朝。
「クイーン、.....。」
あれっ!!
「此処は、......。」
ガバッ!!
僕が上半身を起こすと、自分のベッドで寝ていた。
んっ?!
自分の腿の辺りに重さを感じ、其処を見ると誰かが伏せて寝ていた。
「メイサ?」
何で?
「駄目だよ。死んじゃあ。私を一人にしないで、.....。」
メイサが独り言を言った。
「一人にか、.....。」
それを聞くと。
そうか、やっぱり。
ライトとずっと一緒にいたんだ。
やっぱりそういう気持ちなんだね。
僕は、メイサの頭をそっと撫でた。
ぐあっ!!
今更だが体を動かすと全身が痛む。
それに目眩がする。
僕は助かったのか?
クイーンは、どうなったんだろう?
そんな時、メイサが目を覚ました。
ん!!
「ライト起きたの。大丈夫なの?」
「まあ何とか。まだ全身が痛いけどね。」
「これ。」
メイサが僕に、二本の瓶を渡してきた。
「これって?」
それは回復薬と魔力回復薬だった。
「これどうしたの?」
「昨日。ミーサさんが、此処までライトを運んで来たんだって。それでベッドに寝かせてから、これを渡して帰ったって。院長先生が言ってた。」
「ミーサさんが、........。」
そうかミーサさんは、無事だったんだ。
良かった。
「メイサ、御免。」
「な、な~に、言ってんのよ。私は別に心配何かして無いわよ。」
「いやでも。」
「たまたま孤児院迄来てみたら、院長先生が忙しいって言うから、看ていただけだから。」
「そうか。メイサ、ありがとう。あのさあ。僕って変わった?」
えっ!
「どうしたのよ、急に。」
「いや何か。記憶無くす前は、何時もどんな感じだったんだろうなって思って。」
「そうね。前は何をやっても駄目だったけど。最近は積極的になったっていうか。やれば出来るじゃんって。」
「そんなに僕って駄目だった?」
「そうね。何をやらしても駄目だったけど。でも、無茶はしなかったかな。だから、.....、安心してた。」
「そうか、御免。」
それから僕は、回復薬と魔力回復薬を飲んだ。
「ああ~、すっきりした。ちょっと出かけてくるよ。」
「大丈夫なの?」
「うん、薬飲んだから。昨日のお礼を言って来るよ。」
僕はメイサと別れて、何時もの様に第一孤児院へ行ってみた。
昨日の今日だし、訓練はしていないだろうと思ったけど。
第一孤児院に近づくと
シュッ!!
シュッ!!
シュッ!!
えっ!
まさか。
其処には何時もの様に、ミーサさんが剣を振っている姿が在った。
「やっぱり流石ですね。」
僕は何時もの様に、ミーサさんの横に並んで剣を振った。
シュッ!!
シュッ!!
シュッ!!
暫くすると、ミーサさんが剣を振るのを止めて、声を掛けてきた。
「ライト、大丈夫なの?」
「はい。回復薬と魔力回復薬を飲みました。」
「そう。」
そしてミーサさんが、僕に近づいた。
僕も剣を振るのを止めた。
ミーサさんが、僕の正面に立った。
バシッン!!
僕は思わず頬を押さえた。
それはミーサさんが、僕の頬を思いっきり引っ叩いたからだった。
「低ランクのくせに何て無茶をするのよ。死んでいたかもしれないのよ。」
「す、すいません。」
「ゴードンやガンドウに、任せればよかったのに。」
「で、でも。僕はミーサさんが心配だったんで。どうしても、どうしても、.....。僕にとってミーサさんは、大切な人なんで。」
ミーサはライトを、そっと抱きしめた。
「でも助かった。ありがとう。」
ほんの少しの時間だったかもしれない。
だけど僕にとっては、前世からしても、今までに無い貴重な時間だった。
その後、僕達は何時もの様に訓練をした。
「ライト。この後、一緒にギルドまで来て頂戴。」
「あ、はい。何か、有るんですか?。」
「昨日。ギルマスに結果は報告したけど、ライトが目を覚ましたら、一緒に来るようにって、言われてるの。」
「分かりました。大丈夫です。」
そして僕達は、ギルドへ向かった。
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