第106話 仲間の責任とライトの覚悟
「ライト。要件は、二件って言ってたな。」
「ええ、そうなんですけど。ピピとポポって、...........。」
その時、リビングの入り口が勢いよく開いて、ピピとポポが飛び込んできた。
そして、ゴンドウさんの前にきて、床に頭を擦りつけるように、土下座をした。
「す、すまないニャ。ゴンドウさん。」
「すまないニャ。ゴンドウさん。許して欲しいとは言わないニャ。」
何々、何?。
どうしたんだよ、ピピ、ポポ。
「どうした、ピピ、ポポ。ん!、もしかして、お前ら、あの噂って、本当なのか?。おい、なんとか言え。」
「ほ、本当ニャ!。」
それを聞いたゴンドウさんは、鬼の形相をしていた。
「なんてこった。」
その時、ミーサが耳打ちした。
「81階の全滅したパーティに、甥っ子が居たのよ。確か、ドンクって言ったはず。」
そうだったのか。
だから、ピピとポポは、顔を出さなかったのか。
「ゴンドウさん。」
「なんだ!!。」
「ピピとポポに代わって、僕も謝罪します。」
「何で、お前が謝る。」
「彼らを奴隷商から、引き取ったのは僕です。だから、責任も一緒に、請け負ったと思ってます。だから、謝ります。」
「謝っても、あいつは帰ってこん!!。」
「だから、僕は、同じ過ちを犯さないように、戦うことに決めたんです。」
「誰と戦うってんだ!!。」
「アルフォードです。」
「あ、アルフォードだと、.......。あいつは侯爵だぞ。お前みたいな冒険者が、どうやって戦うってんだ。」
「あいつより先に、キングを攻略します。そして、あいつが狙っている、最下層のお宝を、先に手に入れます。」
「ふん、お前らがどうやって。」
それから、僕は、今まで攻略した82階までの話をした。
そして、
「ゴンドウさん、ピピとポポは、自分が助かりたい為に、逃げるような奴じゃない。きっと、全滅した時も、仲間が、そのことを伝えるために、逃がしたんだと思います。そして、自分達の代わりに、攻略して欲しいって思ったんだと思います。」
「ライト。俺だって分かってるんだ。だがな、身内が死んだって事実がな、.........。」
ゴンドウさんが、ポロっと涙を流した。
「ライト、お前。アルフォードか、随分と大物を相手にするんだな。それに、お前らも奴隷って、あいつに売られたのか?。」
「そうニャ。みんなの分も、全てチャラに出来るように、高額で売られたニャ。」
「そうか。あいつの家族は、どうした。一緒に、どっかに行ったはずだが。」
「多分、アルフォードの領地ニャ。屋敷には、ドンクが一人だったニャ。」
「ライト、アルフォードと戦うのに、あいつらの家族を救えるのか?。」
「今は、どうなるかは分かりません。だけど、生きているなら、きっと救って見せます。」
「そうか、分かったよ。」
「ゴンドウさん、.........。」
「ピピ、ポポ、あいつらの為にも、必ず攻略してくれ。頼んだぞ。」
「ご、ゴンドウさん。分かったニャ。必ずやるニャ。」
「じゃあ、続きの話を、しようじゃないか。」
「分かりました。ありがとうございます。作って欲しいのは、こんな感じの武器なんですが。」
「な、何じゃこりゃ。」
僕が、ゴンドウさんへ見せた絵は、前の世界でいうトンファーだった。
僕は、武器の長さや重さ、そして新たな武器として、握り側どうしを装着できるようにして、棒状に出来ることを説明した。
ミーサやカエデさん、ピピとポポも、初めて聞く話で、興味を持って聞いていた。
「おい、ライト。これをピピとポポが、使うんだな。」
「ええ、そうですよ。だから、持つところから先端の方へ、重さが重くなるようにして欲しいんです。」
「それで、どうやって使うんだ。」
「ピピとポポもよく聞いて。ポポは元々、双剣を使っているよね。」
「そうニャ。」
「この持ち手の部分を持って、こうやって振るんだ。それで、先が重ければ、威力が増すはずなんだ。」
「なるほどニャ。」
「私は、どうするニャ。」
「ゴンドウさん、ピピの物は、ポポの奴よりも、長くしてください。」
「分かったが。」
「ピピ。ポポと同じように振ってもいいし、この持ち手側をくっ付けてみると、槍と同じように長くできるんだ。だから、槍と棒術を合わせたように、こうやって回したりすれば、勢いで威力は増すはずなんだ。」
「分かったニャ。」
「ライト、お前の依頼は分かった。だがなあ、材料が揃ってから作るからな。大分、時間がかかるぞ。」
「そうなんですか?。」
「元の素材はあるんだが、錬成しないとな、良いものにはならないんだ。」
「錬成って、出来ないんですか?。」
「ああ、錬金術師が限られていてな。注文しても、相当時間がかかるぞ。フォルスタッドさんへも、相談してみるか?。」
「ちょっと、待ってください。今、錬金って言いました?。」
「ああ、そうだ。なかなか上手い錬金術師がいないんだよ。いるにはいるが、相当待つぞ。」
「ゴンドウさん、もしかして、今、何か素材的なものを、何か持っていませんか?。」
「ちょっと待て。」
そう言うとゴンドウさんが、カバンの中を漁った。
「まずは、これが銅線だな。」
「この銅線が、普通のやつなんですか?。」
「そうだぞ。高純度は、なかなか手に入らないんだ。ほれ、やはり錬成に、時間がかかるんでな。」
「ちょっと、これ、借りますよ。」
僕は、ゴンドウさんの目の前で、銅線の巻きついた物を手に取って、眺めてみた。
「ちょっと、やってみるかな。金属は初めてだけど。」
「やるって、何をするんだ?。」
「まあ、ゴンドウさん。ちょっと、ライトを見ていて。」
ゴンドウさんは、不思議そうだった。
僕は、錬金スキルと光属性、土属性、火属性の魔法と、魔力操作、魔力強化をセットした。
そして、錬金スキルを発動して、魔力を流し始める。
「銅線の不純物よ無くなれ、不純物よ無くなれ、不純物よ無くなれ、.....。」
「おいおい、マジかよ。錬成する気か?。この場で出来るのか?。」
「ゴンドウさん、もう少しライトを見ていて。」
ライトが、しばらく錬成をすると、
「シュウウウウウウウウ!!。」
と手に持った銅線が光って、それが治まった。
金属だとこんな感じで、錬成って出来るんだ。
「ゴンドウさん、こんなもんで、どうでしょうか?。」
「お、お前、これって。」
ゴンドウは、ライトから受け取った銅線を見て、驚く。
「大丈夫そうですか?。」
「何、言ってんだ。大丈夫も何も、普通のやつが、最高級品になっちまった。」
「じゃあ、錬成できれば、武器の方も出来ますか?。」
「お前が、錬成するってことか?。」
「はい、やってみます。時間が無いので、やるしかないです。」
「ああ、そうだな。錬成した材料さえ出来れば、二日、いや、三日くれれば、俺も納得するようなものが出来そうだ。帰ったら、材料を吟味して、明日には届けさせる。」
「じゃあ、明日の朝に届けてもらえれば、夕方に渡せるように、錬成しておきますよ。」
「おお、そりゃ、助かるな。」
当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。
宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
素直に感じた評価で結構です。
また、ブックマークをして頂けても幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。




