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第101話 82階層の決着


「みんな、聞いて。この大きいゴーレムを倒すのに、みんなの助けが必要だ。足の硬氷壁を壊すのに、一人ずつ順番に、壊していかないと、壊れないことが分かった。僕が順番を、決めてもいいかな。」

「分かったわ。」

「分かったニャ。」

「じゃあ、順番を言うよ。一番はポポ。二番はミーサ。三番はピピ。四番は婆やさん。五番は僕。最後の六番は、カエデさん。これから手順を説明するよ。狙いは左足。左足の硬氷壁を壊すからね。左足の硬氷壁を壊したら、直ぐに右足の方へ行って、ゴーレムの気を引いて。次の人が壊したら、普通のゴーレムの対応へ回って。ポポは、一番最初だけど、重要だよ。最後の一枚を壊して、カエデさんが、右足に行ったら、黒炎で、左足を破壊して。そして、倒れたら、近くの人が頭を壊すんだ。」


「大体、分かったけど。大丈夫なの?。」

「これは、玄斎様の試練なんだ。だから、僕は、カエデさんの為に、やりたいんだ。みんな、お願いだ、力を貸して。」

「ライト、.........。」

「ふふ、ライトらしいわね。カエデの為って。」

「そうニャ。81階は、私たちの為に、みんなやってくれたニャ。だからカエデの為に、やるニャ。」

「そうニャ。カエデは大事な仲間ニャ。」

「みんな。」

「決まったよ。カエデさん。じゃあ、攻撃する順番に、配置を代わろう。」


 みんなが、ライトの指示で、位置を入れ替わる。

「みんな集中だよ。硬氷壁が壊れてから、再生するまでが、5を数えるぐらいの時間しかないんだ。動いてるし、的は、訓練した時よりも小さいんだ。」

「ライト。私とライト以外は初見だから、一回、一枚目の硬氷壁を、順番で壊してみたら。」

「そうか。そうだね。カエデさん。そうしよう。じゃあ、みんな、一回、順番で回ってみて、確認してみよう。」

「分かったわ。」

「分かったニャ。」

「よし、じゃあ、ポポ、自分の間で初めて。」

「分かったニャ。」


 ポポは、周りの状況を見ながら、間を取っていた。

 そして、

「行くにゃ!。」

 ポポが、一枚目の硬氷壁に向かって、右手の双剣を突き立てた。

「キン!!。」

「外したニャ。」

「ポポ、落ち着いて。ポポは最初だから、失敗を気にせず、やって。」

「分かったニャ。もう一回行くニャ。」


 そして、ポポはもう一回、間を取り直した。

「行くにゃ!。」

 ポポが、先ほどと同じように、一枚目の硬氷壁に向かって、右手の双剣を突き立てた。

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」

「上手くいったニャ。」

「よし、次はミーサ。」

 こうして僕たちは順番に、一枚目の硬氷壁を的にして、各自が壊す確認をした。

「みんな、どうだった。」

「一枚目でも大分、的が小さいわね。」

「そうなんだ、絶対零度に近いほど、的が小さいんだ。でも、やるしかない。」

「分かってるわ。やりましょう。」

「みんな、もし、一回失敗しても、再生するまでに、5まで数える時間があるんだ。だから、諦めないで、もう一回、集中して。じゃあ、ポポ、自分の間でお願い。」

「分かったニャ。みんな行くニャ。」


 この時、仲間を信じ、仲間の為に頑張ろうとする気持ちが、みんなの集中力をより高めた。

 一番最初のポポは、

「行くにゃ!。」

 ポポが、確認した時と同じように、一枚目の硬氷壁に向かって、右手の双剣を突き立てた。

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」

 直ぐに、場所を移動する。

 そして、二番は、ミーサであった。

「カエデ、私も一緒よ!!。」

 ミーサは、二枚目の硬氷壁に向かって、レイピアを突く。

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」

 直ぐに、場所を移動する。


 三番は、ポポであった。

 ポポも叫んだ。

「みんな、仲間ニャ!!。」

 ポポは、三枚目の硬氷壁に向かって、槍を突く。

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」

 四番は、婆やさんであった。

「みんな、ありがとう。」

 婆やさんは、四枚目の硬氷壁に向かって、槍を突く。

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」

 そして、五番は僕。

 僕は、集中した。

 五枚目の硬氷壁を見ながら、周りからは、何も聞こえなくなっていた。

「みんな。」

 僕は、五枚目の硬氷壁に向かって、レイピアを突く。

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」


 最後の六番は、カエデであった。

 カエデも集中した。

 しかし、狙いは本当に、点としか思えない程、小さかった。

 カエデは、六枚目の硬氷壁に向かって、槍を突く。

「シュッ!!。」

「キン!!。」

「えっ!!、外した?。」


 その時、ゴーレムが動きを変えたのだった。

 それまでは、引付役の方へ常に向いていたゴーレムが、カエデの時だけ、引付役のライトから、急に、右手を振りかぶったのだった。

 その動きにより、カエデが狙った的は、僅かに外れた。

 カエデは、焦った。

 自分が外してしまったことに。

 その時、また、あの声が聞こえた。


「楓、よくぞ。ここまで来た。さあ、今こそ。絶対零度じゃ。お前なら出来る。」

 その言葉を聞いたカエデは、我に返った。

「絶対零度。」

 カエデは、ほんの5を数える間、いや、1、2を数える間に集中した。

「氷雪原槍術 第五の型 絶対零度!!。」

 だが、集中したカエデは、もう止められなかった。


 そして既に、アイスゴーレムも、右手を振り上げ、拳をカエデ目掛けて放っていた。

「まずい!!。」

 僕は、スキルに、怪力と肉体強化をセットし、カエデとゴーレムの間に走った。

「間に合え、間に合ってくれ!!。」

 ほんの数秒の世界が、走馬灯のようにゆっくりと流れる。

 一歩、一歩が遠く、遅く感じられた。

 一歩近づく。

 ゴーレムの拳がカエデに迫る。

 また一歩近づく。

 ゴーレムの拳が、更にカエデに迫る。

 徐々に近づく、僕とゴーレムの拳。

 あと一歩。

 僕は、手を伸ばした。


 そして、僕は間に合った。

 カエデとゴーレムの拳の間に入った僕は、胸と両手で拳を受け止めた。

「カエデさんは、僕が守るんだあああああ!!。」

「どおおおおおおおん!!。」

「プシュウウウウウウウウ!!。」

 ゴーレムとライトの間に、白煙が舞った。

 それと同じくして、カエデの絶対零度も、ゴーレムの左足の六枚目の硬氷壁に迫った。

 周りで見ていたミーサたちは、カエデが一瞬、青い光になったように見えた。


 そして、青い光は、ゴーレムの最後の硬氷壁の目に刺さった。

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「パリン!!。」


 僕は、

「ポポ~~!!。今だ、頼んだ!!。」

「任せろニャ!!。黒炎ニャ!!。」

 ポポは、ゴーレムの左足に向かいながら、双剣に黒炎を纏った。

 そして、

「ザシュッ!!。」

「だあああああああん!!。」

 ゴーレムの左足は、砕けた。

 バランスを崩したゴーレムが、床に左手を着いた。

 僕は、ゴーレムの右手の拳を、抑えながら叫んだ。

「カエデさん、今です。頭を狙って!!。」

「分かったわ。」


 カエデは、ゴーレムの頭部を見て、一瞬で目を見極める。

「眉間だわ!!。」

 頭には、硬氷壁が無いゴーレムは、カエデに眉間を攻撃されると、

「シュッ!!。」

「ズシャ!!。」

「ピキ、ピキ、ピキ、メキメキメキ!!。」

「ドゴオオオオオオオオン!!。」

 ゴーレムは頭を砕かれ、倒れた。

「はあ、ハア、ハア、ハア。終わった。」


 そして、残りのアイスゴーレムも倒すと、巨大アイスゴーレムが描かれていた壁の下に、

「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!。」

 扉が現れて、開いた。

「今度の最後は、巨大ゴーレムと残り全部か。」

 僕たちは、扉を出てみた。


 そこは、81階層と同じように、安全地帯があり、ライトが想像した通り、奥に階段と、転移の魔法陣もあった。

「じゃあ、指輪を置いて、みんな帰ろう。」

「そうね。」


 その晩は、みんなで82階の攻略のお祝いだった。

 お祝いと言ったら、なんかステーキって、決まったらしい。

 食事が終わり、みんなが引き上げた後、ミーサ、メイサ、カエデが、リビングに残っていた。


 昨日の話を、ミーサは、既にメイサに話をしていた。

 だが、カエデは、ミーサに伝えたことを、自身でもメイサに直接話をして、気持ちを伝えたかったのだ。

「そうなんだ。私もカエデさんだったら、良いと思う。ライトは、昔、東の国に似た所に住んでいたって言ってたし、ライトもそこの女の人だったら、いいんじゃないかと思うけど。だから、私も応援する。」

「ありがとう。メイサ。」

「メイサ、今日の82階の最後のボスの時だって、カエデが危ない時にライトったら、「僕がカエデさんを守るんだあ!!。」なんて言って、かばったのよ。」

「じゃあ、満更でも、ないんじゃないの~。」

 それを聞いて、カエデは真っ赤になった。

「私は、倒すのに必死だったから、あんまり覚えてないんだけど、......。」

「そういえば、後、二人、怪しい人いるんだよなあ。」

「ええ~!、そんな人いるの?。」

「私しか、気づいていないのかなあ。」


「誰よ、それ。」

「一人は、アイちゃん。」

「ああ~、そうね。やっぱり、お母さんのこともあるしね。」

「で、もう一人は?。」

「もう一人は、ライシール様。」

「ラ、ライシール様って、聖女でしょ。」

「うん、だけど、あの協会での話を聞いて、態度とか考えると怪しいかな。」

「まあ、教会だと出会いもないかもね。」

「それに神託とかを賜るって、憧れちゃうんじゃないかなあ。」

「ライトの周りって、そんなに女の人がいるの?。」

「でも、別にライトがよければ、いいんじゃないかなあ。だって、あんな人、他に居ないし。」

「カエデ、頑張りましょう。」

「ええ。」

 ライトの知らないところで、女子トークが炸裂しているのであった。


当方の作品をお読み頂いて、感謝の言葉しかありません。


宜しければ、感想や励まし、続きが見たい等お言葉を頂ければ幸いです。


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


素直に感じた評価で結構です。


また、ブックマークをして頂けても幸いです。


何卒よろしくお願いいたします。

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