育てやすい果樹
さて、木を育てるうえでの、実用的な楽しみといったら、やはり、実を成らせることです。
何の木の、どういう種類のものが、初心者向きでしょうか。
私のお勧めは、柑橘類では、ごく一般的な温州蜜柑です。
時折、肥料をやれば、勝手に花が咲いて、勝手に実がなります。
実を付けすぎたときには、摘果といって、実を取ったほうがいいですが、取らなくても、自分の能力に余ると木が感じたときには、自分で、ぼとぼと実を落とします。
早めに落ちてしまった実は、お風呂に入れて楽しむこともできます。
ただし、鉢植えでは、それなりしか成りませんし、隔年結果といって、表年・裏年という、蜜柑がよく成る年と、成らない年があります。
「やったー!これから冬、蜜柑を買わずに済む!」
と思わず、あくまで楽しみの範囲内で。
もう一つお勧めは、葡萄です。
これもごく一般的な、デラウェアが良いと思います。
こちらは毎年、成りますが、花が咲きすぎるので、花後、摘果する必要があります。
種無しにしたければ、薬で処理しなければなりませんし、雨で傷むのが嫌ならば、袋掛けの作業も必要です。
なーんだ、二つとも、何処にでもあるものじゃないか、わざわざ育てる必要あるの?とお思いでしょ?
そうです、そのとおりです。
買ったほうが安いし、早いです。
ありきたりだから、素人にも育てやすいんです。
ただ一つ、市販のものとの違いは、完熟を味わえることです。
市販の果物は、傷むのを恐れて、早めに収穫されますからね。
その甘いことといったら。
去年の葡萄は、樹上にかなり置いておいたので、見た目は悪いですが、貴腐葡萄のようになっていて、上等な砂糖の塊のようでした。
これは、家庭果樹ならではの楽しみであります。
さあ、あなたも今年から、果樹を育ててみませんか?