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観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

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98話 遅すぎた騎士団

 「さっきの変態みたいに~、服ビリビリにするぞ~?覚悟できてんだろうなリンネ・フリージア」


 急に低い声で脅しをかけるアリス。ここでカナトを投入したいのだが大分遠くまで行ったようだ。だが距離など関係ない。回収そして開放。

 パッと現れ、組み敷かれているリンネちゃんを目撃するカナト。状況把握は一瞬で行われたようで、カナトの体がブレる。その動きはとんでもなく早い。アリスの顔に容赦無い蹴りが飛ぶ。


 「お~」


 アリスは能力(スキル)で浮かせていた兵器の一つ、超粘着質爆弾魔盾(ストーキンボマー)でカナトの蹴りを防ぐ。ぬちょ、っと音がして勢いが死ぬ。


 「ばかくずまぬけどっかいけ」


 カナトがそう言うと、盾はしょんぼりとカナトの足から離れていった。どうやら盾の弱点はメンタルらしい。兵器を誰よりも上手く扱えるカナトにはアリスの<百器夜行(パレード)>は不利かもしれない。

 アリスはそのうちにリンネちゃんの上からどいて、両手を挙げながら離れる。だがカナトは止まらない。一瞬でアリスに接近し、その右手には顕現剣(アピア)。繰り出される突き。狙いは喉笛。しかしアリスの兵器が二人の間に滑り込む。


 甲高い音が響き、火花が散った。そして、アリスの半径3mくらいに浮かんでいた兵器が全て爆ぜた。


 「ヤバイってこの変態。リンネ~こいつ止めてくれ~」


 ついでみたいにまたも衣服を切り裂かれてしまったアリスが助けを求める。その声にハッとしたリンネちゃんはカナトに後ろから抱き着いた。


 「やめて!あたしが悪かったの!ごめんなさいっ!ボスはあたしに教えてくれただけなの!だから、ダメ、カナトくん」


 カナトはこちらに問うような視線を送ってきた。本当か?と。私はこくりと頷いた。ついでにジェスチャーで事のあらましを説明した。


 ふーっと息を吐き武装解除するカナト。


 「リンネ、あまり変態になるなよ?」


 「なぁ!?か、カナトくんが先に変態になったんじゃん!はぁ!?どの口が言ってんのぉ!?」


 「落ち着けって。あんま怒ると変態になるぞ。さっきもそんな感じだっただろ?」


 「ぐぬぬ。変態はカナトくんだったのにぃ」


 そんなやり取りをしている間に、服や腫れを治しておいた。


 「アリスは悪くないんだぞ」


 そう宣うアリスを二人はジトっと睨んだ。だが私が、今のアリスの精神年齢がかなり低そうであることを告げて二人の怒りを霧散させた。やれやれ、何故私が皆の世話係になっているのだろうか。そろそろ大人を出そう。




 「ぐへへアリス君ぺろんちょ。ってあれ!?」


 「ふひひメイドさんになろうねぇ。っておい!?」


 変態が二人増えた。が、まあ大人だし何とかしてくれるだろう。期待。




 大人二人に情報共有をした。


 「なるほど、つまり俺たちがしっかりしないとだめってことか」


 「しゃーねーなー」


 片やお菓子を咥えたおじさん。片や仮面を付けた変な人。


 「不安だ」


 カナトが嘆いた。




 「ふぁ~あ。もうそろそろ5時じゃん。空が白んできたよぉ」


 リンネちゃんの言うように少しづつ明るくなっていく世界。ここ1番区で起きた事件も次第に知れ渡るだろう。ちらほらと人の姿も出てきている。


 それから1時間ほど状況を見守っていると、辺りが人で埋め尽くされてきた。


 「なあ、ここにあったよな?キングオブ電力。更地なんだが。よく見たら城もねえじゃん!」


 「おい!こっちに爆発の形跡があるぞ!」


 「SNSで流れてきたんだがテロで国王死んだらしい」


 「てかめっちゃグロい動画上がってんだけど」


 「いや、は?騎士団何してんの?王様と一緒に死んだの?まさか国の危機に寝てるなんてこと無いよな?」


 気になる単語、騎士団。シガレットに聞いてみた。


 「ああ、そういやいたなそんなの。姿を見せてない所を見るとバカみてぇに酒飲んで寝てたんだろうな。そのうち出てくると思うぞ。ノコノコと」


 「仕事してるところ見たこと無いもんな」


 「クズの集まりぃ」


 どうやらとんでもない集団らしい。国民を守る存在じゃないのか?




 ふとどよめきが起こった。見れば、いるぞ。騎士団っぽい人達。なんか土下座してる。


 「うおー!すいませんでした!!寝てました!!許せ民よ!」


 「ざけんなクソどもが!!俺たちの金で飲む酒はうまいか!?」


 「最高でした!!」「僕は一升飲んじゃいました!!」「僕は二升!!」「私なんか樽です!!」


 「うるせえ!元気に答えてんじゃねぇよ!死ね!!」


 「あ!この人騎士団に向かって暴言吐きましたよ!処刑しましょう!」


 「お、そうだな!」「殺そう!」「お前が死ぬんです!」「処刑!」ザシュザシュ!


 暴言を吐いた男が騎士団にめった刺しにされて殺されてしまった。騎士団って怖い。




 民衆が蜘蛛の子を散らすように逃げていき、私たちと騎士団だけが残った。


 「さて、あんたらがテロリストってやつか?それともプロ根性たくましいテレビ局の人かなぁ。ん?カメラはどうしたんだい?暴徒に壊されちゃった?」


 さっきのふざけた態度からは一転してこちらに詰めてくる騎士団。彼らの中では私たちが国家転覆犯で決まりのようだ。


 「そうなんですよ~。壊されちゃってぇ。途方に暮れてたんですぅ」


 「それはそれは民が申し訳ない。おや、そちらの仮面の方はタレントさんですかな?」


 「はい。えー、彼は、えーと、ミスターSです」


 「どうもミスターSです。小学生に罵られたい。MなのにSとはこれ如何に」


 「クソつまらないですねぇ」


 「てめぇこら俺がテロリストだかかってこい」


 「何バラしちゃってんの!?」


 「「「テロリストみーつけた!」」」


 騎士団が笑顔で剣を抜く。


 「こいつら怖い!!」

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