表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/125

95話 欲望の枷 どこ

 故王に群がる人間たちによってそろそろ死者が出るのではというところで、誰かが能力(スキル)を使った。


 「どけえぇぇぇぇぇ!!!!!!死ねっ!!このっ!!くそ共がっ!!」


 男が暴言を吐きながら武器を振るう。そのたびに悲鳴と人と血が舞った。


赤い閃光(ブラッド・ウェポン)〉。己が血液を代償に、能力を持った武器を生みだす能力。創られた武器は大きな斧。その能力は〈衝撃波〉。これは斬撃によって衝撃波が生じるのではなく、対象に直接衝撃波を発生させるものである。この戦斧の場合は斬撃を放ったときに対象に当たらずとも「衝撃波発生」という概念が対象に生じる。簡単に言うと、効果圏内において強制的に対象に、「斧が振るわれれば私は衝撃波で吹き飛ぶ」という概念を生じさせるということだ。視覚、聴覚、触覚を遮断して、斧が風を切る音や生じる風圧を感じなければ衝撃波は無効化される。とはいえ普通に斧で斬ることもできる。舞い上がる血飛沫はそれだ。


 ブンッ。ビシャ。パンッ。パンパンパン。


 内臓ずたぼろ。近くにいたら脳みそぐちゃぐちゃ。破裂。破裂破裂破裂。


 「うわあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!」


 「ぐえっ!?!?」


 狂乱。むせ返る血の匂い。びしゃびしゃ赤い雨が降る。


 「痛い痛い痛い痛」びしゃ。


 「助けて!!お母」ぱん。


 「ぺ、ぺぶ。ぇぶゃ。あびゅぁ、が。ぁ」ぐちゃ。




 そんな様子をミリアとアリスたちは少し遠くから眺めていた。


 「うわ〜。こんなことになるとはなあ」


 「ま、どのみち殆どの人間は殺すことになるんだし。自分たちで数減らしてくれて良かったじゃねぇか」


 「カ、カナト君、この国終わりだよぉ。SNSで流れちゃってるよぉ」


 「うわグロ。ってかこれからどうするんですボス」


 「・・・まあ。そうね。予定通り、この国を」


 アリスが言葉を紡ぐ。その隙間に私は姿を現す。アリスの後ろに。


 「アリス」


 「ひゃぁあん!!」


 あらら。アリスはこれだから。まったく。しかたないな。


 「ミ、ミリア〜?急に背後に現れて声かけちゃダメでしょ〜?さっき言ったじゃない!ミリアっ!このっ!悪い子っ!こうしてやるっ!このっ!このっ!可愛い〜」


 持ち上げられてくるくる回された。その後ぎゅっ。


 「こんなに可愛いのダメでしょ〜?なんなのもーさっきから〜。ゆうこと聞かない子は〜?めっ!だよ〜?んん〜。かわ〜」


 すりすりされた。私の知ってるアリスじゃない!


 「アリス?」


 「ん〜?どした〜?帰る〜?帰ろ〜。今日は一緒に寝よ〜。抱きしめて寝よ〜」


 「みんな見てるよ?」


 ピタリと固まるアリス。ギ、ギ、ギと首を巡らすアリス。


 生温かい目で見守る面々。男たちはどうぞ続きをとジェスチャー。リンネもあははーと手をひらひら振った。


 燃えた。秋らしく真っ赤に。紅葉みたいに紅潮。本日、見頃です。


 私をそっと地面に置くアリス。丁重。


 「わぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


 アリスは叫びながらどこかへ走り去っていった。暴動とは逆方向。困ったもんだと兵器たちもついて行く。兵器たちはある程度自我があるのか、人間にぶつかったりはしないですいすい移動する。それともアリスの良心に基づいているのだろうか。それにしてもこの後どうするのだろう。


「結局どうするのぉ?」


 リンネちゃんが疑問を提唱した。


 「どうするって、そりゃ」


 遮るように轟音。熱風に煽られる。暴動の方からだ。別の誰かが能力を使ったのか、爆炎が生まれている。


 「びっくりしたぁ。結構やばそーだねぇ」


 「ま、どうせ」


 遮る轟音。先程より数倍激しい爆発。今のであの場にいた者は全員お亡くなりだろう。振り返ると、今のをしでかしたアリスが、立っていると思ったのだけれどあれ?


 「全部、壊す!」


 そこには金髪ショートヘアの人が。まあ恐らくアリスなんだけど。兵器もいるし。でも胸の膨らみが無い。身長は変わらないのに。


 「えええ!!!ボス、随分バッサリと切っちゃって!恥ずかしすぎたからってそこまでしなくても!」


 「男装ですか捗ります」


 「わー、監禁したい」


 IQが下がった男性陣。危ない発言でリンネに引かれるカナト。


 「おいお前ら」


 アリスが挑発的に呼びかける。つかつかと、何故かカナトに近寄ってその手を取った。それを少し持ち上げ、上目遣いでカナトを見つめる。


 「ふ、ふひぃ!」


 気持ち悪い鳴き声をあげてしまうカナトだったが、一瞬で滝のような汗を噴出しウナギの如く柔らかい手から逃れようとしたがそれは許されず、アリスに胸ぐらを掴まれた。ジタバタしながら周りに助けを求めるように視線を送るが皆ジト目で返す。私も一応しておいた。


 「男装とか言ってるけど、アリスは~。元から男だぜ?」


 カナトの手はアリスの胸に触れている。


 「ほぉら。ないだろ?」


 若干恍惚を含んでそうな表情で問いかけるアリス。


 「な、ななな、ないッ!何故なんでどうしてどうやってぇ!?」


 そこからはもうカナト。まさぐりまくった。


 「どこだ!どこだよ!どこに隠しやがった!ちくしょう脱げええええぇぇ!!!!!!」


 「ひぃっ!なんだよお前いかれてんのか!?やめろ、脱ぐわけ、ないだろ!?」


 「ええい邪魔するなぁ!!”顕現“ッ!!おらぁっ!!」


 カナトが顕現剣を呼び出し、一瞬でアリスの服をバラバラにした。女性ものの下着姿のアリス現る。


 「ッ!?て、てめえ!マジでどこに隠したんだ!俺たちのおっp」


 ばちーん、とカナトの頬を叩くリンネ。


 「うわーん!カナト君のぉ、へんたーい!!」


 ばちーん。痛そう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ