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観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

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92話 仲良し

 リンネとカナトは所長の拉致に成功していた。幸いなことに広い空間に職員が集まっていたので、後処理に使う予定だったぽにゃぽにゃが役立ったのである。寝ていた者もまとめてぽにゃぽにゃだ。


 「うおおお!ぽにゃぽにゃ万能すぎだろ!」


 肩に所長の入った袋を担いだカナトがはしゃぎながら言う。袋といっても空間拡張が施されているため、大きさはそれほど大きくない。


 「たまたま運が良かっただけだと思うけどぉ。でもカナト君の扱いが上手だったっていうのはあるかな」


 「いや、全部ぽにゃぽにゃのおかげだから。俺の人生ぽにゃぽにゃで成り立ってるから」


 「そこまで言うぅ?」


 大袈裟にぽにゃぽにゃを讃えるカナトに呆れたようなリンネ。


 「ま、リンネが走り出したから上手くいったようなもんだ」


 「結果良ければ全てよし、だねぇ」


 「それはそうだけどなぁ」


 「わかってるよぉ。反省してるよぉ」


 「ならいいけど」




 「そろそろ集合しましょうか」


 アリスがそう提案した。CSC作戦の開始から10分ほどしか経っていないが、皆任務を無事に遂げたことだろう。


 「ミリア、お願い」


 「うん」


 私は頷きながら答え、白に包まれた。




 回収完了。4人を出す。「キングオブ電力」の前だ。


 「ふう、ありゃりゃこれは酷い」


 「これボスがやったんすか?すげー」


 「ただいまぁ。ミリアちゃんあたし頑張ったよぉ」


 そう言ってしゃがんだリンネちゃんの頭を撫でる。なでっ。


 「えへへぇ」


 喜んでいるようで大変よろしい。若干アリスから視線を感じたがきっと気のせいだろう。


 「ゴホン。さて、あなた達ご苦労様。作戦は今のところ順調よ」


 「あのー、気になっていたんですけどクリアスターの方は大丈夫なんすか?」


 カナトが質問する。


 「ええ、問題ないわ。ビジターが行ってるから」


 「え!?ほんとに存在したんですか!?」


 「いるんだなこれが」


 「あいつとはたまに飲みに行くぞ?」


 カナトのリアクションにシャリテとシガレットが反応する。


 「え?皆顔知ってんの?知らないの俺だけ?」


 「あたしも会ったこと無いなぁ」


 リンネちゃんもビジターと面識はないようだ。


 「ビジターが常に能力(スキル)を使っていたらそうなるでしょうね」


 アリスがうんうんと頷きながら、「当然だ」といった感じでそう言った。認識されないという能力なのだろうか。その疑問に対する答えをシャリテが口にした。


 「ビジターの能力は<最親(パートナー)>といって簡単に言えば相手の『最も親しい人』になるってものだ。それでお前らが奴を認識していない理屈としては、ビジターをビジターとしてじゃなく『最も親しい人』として認識しているからだ。『最も親しい人』って状態は、何をしても何をされても当たり前って感じるところまで行くんだ。だから記憶には殆ど残らない。日常の動作を日付ごとに覚えていたりしないだろ?そんな感じだ。まあなんにせよビジターが能力を解除しない限りは奴を認識できないだろうよ」


 そんな説明をリンネちゃんとカナトは戦々恐々とした様子で聞いていた。きっとビジターの凄さに戦慄しているのであろう。私はビジターと普通に話したことがあるけれど、何故か体を触ろうとしてきたので振り払っておいた。キョトンとした顔で固まったので、何故触らせると思ったのかと思っていたがそういう能力だったならば納得だ。今までは皆触らせてくれていたのだろう。何故触るのかは分からないが。そういえばその後アリスに色々話しかけていたな。その時少し似ていると思ったんだった。




 「ねえ、そろそろ上がらない?いい加減ふやけちゃう。それにそろそろ寝ないと」


 「そうだねクリス。でも寝かさないよ?朝まで楽しいことしよ?」


 「ラヴィがそう言うなら」


 ビジターの能力には発動条件がある。それは名前を知り合うこと。クリス・アスターとラヴィ・アメリア。この二人は現在、クリスの家で仲良くお風呂に入っていた。


 「それじゃベッド行こうか」


 「ええ」


 ザバッと湯船から立ち上がるビジターことラヴィ。彼女は女性だった。

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