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観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

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85話 疑念

 「カナト君どうするぅ?」


 「うーん。一度報告に戻ってボスに指示を仰ぐか?」


 「そうだねぇ。それがいいかも」


 「俺は一応監視を続けておく。二人で戻ってボスが引き上げていいって言ったら迎えに来てくれ。待機ってことだったら来なくていい。何か動きがあったら俺から連絡するし」


 「はーい。じゃあミリアちゃんお願い」


 「うん」


 私は返事をして、白に包んだ。




 地下。


 「ただいまボスぅ」


 「アリスただいま」


 「あらおかえりなさい。カナトは?」


 「それがねぇ」


 リンネちゃんはアリスに今日の出来事を伝えた。


 「そう。情報盛られたみたいね。たまにあるのよ、動かすために大袈裟にされることが。まあ兵器と聞けば動かざるを得ないのだけど。提供源を減らすべきかしら」


 「あはは。じゃあミリアちゃん、カナト君のこと迎えにいこっかぁ」


 「うん」


 私は返事をして、白に包んだ。




 アパート。


 「カナト君!撤収していいって~」


 「お、わかった。会話に不審な点は無いし大丈夫そうだな。よし、帰るか。何度も悪いなミリア」


 私は首を横に振った。


 「設置物の回収は後でやらないとな」


 「あ、そうだねぇ。大変だ」


 「んじゃ、ミリア頼む」


 皆が部屋の荷物をまとめたところで、ミリアは白で飲み込んだ。




 「おかえりなさい。ご苦労様」


 「ただいま戻りました。ところでこういう場合仕事したってことになりますか?」


 「まあ、一応?」


 「わ~、じゃあ初仕事成功だぁ」


 「成功かどうかは置いておくけれどとりあえずよくやったわ。ミリアもありがとうね」


 「ミリアのおかげで色々助かった。これからも一緒に頑張ろうぜ」


 そう言ってカナトが右手を差し出してきた。握手を求められている。私はすぐさまリンネちゃんの手をとってカナトと握手させた。


 「えっ。えっ」


 「あはは、ミリアは恥ずかしがり屋さんだなー」


 混乱しつつもカナトと繋いだ手をぶんぶん振りながら顔を上気させるリンネちゃん。それと棒読みで現実逃避気味になっているカナト。実際その通りでもある。私はアリスの後ろからそんな様子を眺めていた。




 「じゃあ簡単な報告書を書いたら今日は上がっていいわよ。音声データも衛星映像も残ってるみたいだし。気になったことがあったら後日聞くわね。それと機材の回収はクリアスターがやってくれるから。丁度帰りに貸倉庫に寄るんですって」


 「どうしてクリアスターに貸倉庫に寄る予定なんてあるんですか?だってあそこは」


 「知らなくていいことって、あるじゃない?」


 「え」


 「クリアスターを探っちゃ駄目。あの人は詮索されることが大嫌いなの。過去に、いえなんでもないわ。とにかく彼女の情報を今よりも増やさないで、会話の中からでも彼女はそれを知り得るわ。もし詮索されていると彼女が感じたら、どうなるかわからない」


 「どうなるかわからないって、どういうことですか。何か、そんなに凄い力でも持っているんですか?」


 「これ以上知ろうとしないで。とにかくクリアスターを詮索したら危険だということ。これだけ覚えておいてあとは忘れなさい。知ろうとしない限り彼女は何もしないから」


 「クリアスターは、悪い人なの?ボス」


 「それは一概には言えないけれど。ただ危険だってことは言えるわ。けれど普段通りに接すれば安全よ」


 「そ、そうだね!あたしいつも通りにするぅ」


 「ボス、こんなこと俺たちに教えたら、ボスが何かされるんじゃないですか?」


 「心配ないわ。このくらいなら彼女の許容範囲内よ。それよりも踏み込んだら危険だけど」


 「そうですか。それで何で急にこんな話を?今までそんな素振りも無かったのに」


 「それは、貴方が疑問を持ったからよ」


 「それもそうですね。わかりましたよ、気を付けます」


 「ええ」




 (おかしい。クリアスターが貸倉庫に用事があるなんて、何で言ったんだ?だってそれさえ言わなければ俺が疑問を持つことなんて無かった。つまりあれは誘導されたってことだ。いくらでも言い訳はあった筈だしな。例えば俺たちの初仕事の様子見の為だとか。それといくらなんでも喋りすぎだ。何が起こるかわからないってんなら流石にもっと警戒するだろう。許容範囲内だからってあんなに迂闊なのはおかしい。ボスらしくない。適性検査的な感じで適当ぶっこいてるっていうなら一番いいんだけどなぁ。多分クリアスターがヤバいのは本当なんだろうなぁ。ボス、操られるかなんかされてんだろうなぁ。この職場ブラック企業よりブラックなんじゃないか?辞めようかなー)

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