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観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

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76話 見ないで

 その日の仕事が終わり、私とアリスは帰宅した。といっても私はリンネちゃんに兵器の紹介を受けたり、使い方を教わったりしただけだったが。面白い兵器ばかりだった。皆は普段あれらの兵器を使って諜報や工作をしているらしい。


 「今日はミリアに助けてもらったわ。カナトが元に戻って良かった。ありがとう」


 「もし私がいなくても、そのうちリンネちゃんが解除できるようになってたよ」


 「そうね。けれどあなたのお陰でリンネも落ち着いていられたわ。思いつめたりしちゃう子だから」


 たしかに折角頑張って姿を見せたのに相手がどうしようもない状態に陥ってしまったらトラウマだろう。それが長く続かなくて良かったということだろう。まあ私が来たことでリンネちゃんの気持ちに変化が出て、それで能力を発現したという可能性もあるので、自分のせいだったことを自分で片付けただけかもしれない。だとしたら私はトラブルを持ち込んで人に迷惑をかけ、それを自分で解決して恩を売るという最低な行為をしてしまったのではないだろうか。そういう可能性もあるので、この件に関して誰かから何かしてもらったりするのは固辞しよう。逆に何かしてあげよう。それがいい。




 アリスの作った夕飯を食べて、アリスと一緒にお風呂に入り、アリスと一緒に寝た。




 翌日。アリスと共に出社?すると、リンネちゃんがにへらと笑っていた。昨日買った服を着ている。私はリンネちゃんに話しかけてみる。


 「リンネちゃんおはよう。どうしたの?」


 「あ、ミリアちゃんおはよぉ。あのねあのね!カナト君がね?今日も可愛いって言ってくれたの~!」


 「よかったね」


 「うん!それでねそれでね!」


 リンネちゃんのお話はしばらく続いた。なんで私にこんなに教えてくれるんだろう。まあいいか。


 「リンネ、今日は外でお仕事あるわよ。準備して」


 「えー?暑いのにやだよぉ。服も重いしぃ。歩きたくな~い」


 「仕方ない子ね。カナトも一緒だからおんぶでもしてもらうといいわ。目立つでしょうけど」


 「えぇ!?カナト君も一緒なの!?ふ、二人っきりぃ?」




 「ちょっとボス?俺、雑用枠で採用されたんですけど?裏の仕事はしなくていいって」


 「やりなさい」


 「でも」


 「カナト、実は諜報も取引も工作も暗殺も全部雑用なの。だからあなたの仕事なの」


 「雑用で済まされるか!!パワハラっすよボス」


 「うるさいわね。減給されたいの?」


 「パワハラっつってんでしょ!?はぁ、減給は嫌なのでやりますけど。どんな仕事ですか?」


 「それは、リンネ?貴女もこっちで話聞きなさい」


 「ふ、二人きりとか無理ぃ。ミリアちゃんも連れてくぅ」


 「はあ、仕方ない子ねリンネ。ミリア?あなたがよければついて行ってくれる?」


 「うん、いいよ」


 私は肯定の意を示す。いー。




 「え、ミリアは入ったばかりで危ないんじゃ。兵器のこともまだ教えている途中でしょ?」


 「大丈夫よ。ミリア何故か足音しないもの」


 「そ、それは凄い、のか?でもそれだけじゃ」


 「それにいざとなれば一人で離脱する手段も持っているし」


 「その場合俺とリンネは死ぬんですが」


 「ミリアは守られる存在じゃないって言いたかったのよ。カナトを治したのはミリアだって言ったでしょう?凄い力を持ってるんだから」


 「たしかに、そうみたいですね」




 「それに貴方たち三人、同い年でしょ?いいじゃない仲良くしなさい」


 「え!?ミリア16!?いや確かによく考えたら10歳を採用したりしないか流石に。それにしてもまさか同い年とは」


 カナトがまじまじと眺めてくる。顔見られるのやだ。私は首を横に振ってリンネちゃんの後ろに隠れた。


 「なんでだ?」


 カナトが首を傾げる。


 「言ったでしょ。シャイなのよ」


 アリスが答えた。


 「そんな風にジッと見られたら恥ずかしいよ」


 リンネちゃんも答えた。

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