71話 リンネ暑い
「えへへ。ボスにしか見せたことないけど、ミリアちゃんには特別だよ?」
照れたように笑うリンネちゃん。特別って言ったってこんなところで見せてくれてしまったら、みんなから普通に見えてしまうぞ?
案の定カナトが通りかかった。
「うおおお!?誰だてめえ変質者!!どっから湧いた!おい、そいつ新入りの知り合いか?」
私のことを新入りと呼ぶ。私は頷く。そしてその場を離れる。お二人でどうぞ。
「あ、あう。カナト君に、見られ」
「ん?お前リスカか?そういや普段は別の姿を投影してるって聞いたな。ってことはお前それが生身か?まあ服も着てねえしそうっぽいな。って、なんで服着てないんだよ!!」
「だ、だって、服着るとノイズになっちゃうからぁ」
「せめて水着とか着とけや!お前プール好きじゃねえか!」
「そ、それだとむ、胸が、ノイズに」
さらしで押しつぶされている胸に思わず目が奪われるカナト。直ぐにそらす。
「そ、そうか。じゃあ、し、仕方ないのか?」
「う、ん。仕方、ないんだよ?」
「・・・」
「・・・」
「そ、それにしても!お前その左手!リスカとかしてなくて安心したわ。冗談でもあまり言うなよ?」
「う、うん。ご、ごめんなさい」
「それと、なんていうか、あの、お前!」
「ひゃい!」
「や、えーっと。今のお前の方がか、可愛いのに、隠すのもったいねーよ。もっと自分に自信持っていいと思うぜ。じゃ、じゃあ。早く何か着ろよな」
カナトはそう言って仕事に戻った。
「ふえぇ。か、カナト君に、可愛いって」
カアッと赤くなっていくリンネちゃん。
「あ、暑いよぉ。ボスぅ、冷房止まってるよー?」
「何よ貴女そんな恰好までして。ちゃんと冷房はついてるわよ」
「じゃあなんでこんなに暑いのぉ?汗もダラダラだよぉ」
「仕方ない子ね。そんなに暑いならプールにでも入ってきていいわよ」
「あ、ボスも行きましょ~?ミリアちゃんとクリアスターも」
「何言ってるの。ちょっと、貴女さらしずれちゃいそうよ?早くリスカを投影しなさいよ」
「充電しないと使えないよぉ」
「全くもう。わかったわよ、プールに行きましょう。ほらエレベーター乗って。胸が零れるわ。こらカナトちらちら見ない!」
その言葉にまたカアッと赤くなるリンネちゃん。胸を腕で抑えてエレベーターに駆けて行った。
「俺見てないっすよボス」
「うるさい。手が動いてないわよ。ほら、ミリア、クリアスター。プールに行くわよ。ついでにリスカの、そういえばあの子本名話しちゃったって?リンネのお洋服買わなくちゃね。ちらちら見てた男性陣。女性陣はお昼も済ませてくるのでお仕事よろしくね」
こんなに早くプールに入ることになるとは。まあリンネちゃんが暑いらしいので仕方ない。
プールには水着が貸し出されているらしいが、私とアリスが折角買った水着を着ないのはもったいないのでマンションまで取りに行き、それからビルのとある階にあるプールでリンネちゃんとクリアスターと合流した。私は服の下に水着を着ておいた。アリスも同様だ。
既にプールで遊んでいるリンネちゃんたち。他には誰もいない。そしてプールの規模がでかい。ウォータースライダーと流れるプールがあった。天井も高いしどうなっているのだろう。アリスに凄いねと言うと、空間拡張が使われていると教えてくれた。
「ミリアちゃん!ボス!水着可愛いっすねぇ」
にへらと笑うリンネちゃんはフリルの沢山ついている素敵な水着だ。彼女は白色が好きなのか、水着も白だ。あと、水面に浮かぶ胸がでかい。なんだか美味しそう。
「アリスとミリアちゃんは昨日一緒に寝たの?」
クリアスターはスレンダーな体にフィットする競泳水着だ。美しい流線形で、飛沫をたてる様子は物語に出てくる人魚のようだ。
「うん」
私の水着はスクール水着というやつだ。あまり体の露出がなくて助かる。事故もないだろうし。無難。
「今日も明日も一緒の部屋よ」
アリスはなんか大人な感じの黒い水着だ。なんていうか、大人な感じだ。
「ミリアちゃんボスと同棲始めたの?っていうか寝たの?今日も?明日も?未来永劫、ってコト?」




