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観測不能の侵略者  作者: 九月
第一章 巷で噂の変質者
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4話 バラバラ殺人事件~カレーの香りを添えて~

期間が開いた理由は、ありません...。。すいませんでした。

 男性用心棒が自らの血液を消費して創り出した槍。赤く、黒く、まさしく血のような艶めき。先端は鋭く、武器として正しく獲物を殺すための在り方を成していた。


 <赤い閃光(ブラッドウェポン)>はただ武器を生み出す能力(スキル)ではない。まず前提として、この能力は特殊な手術を受けなければ獲得できない。能力による手術。


 全ての人間が能力を秘めている。しかし発現しない者が多数である。能力とは強大な力である。本来人間が扱える力ではない。別の何かに能力を宿そう。


 このような発想によって能力実験を行っていった結果できたこの能力の本質は、能力を強制的に具現化するというものである。因みに血液が消失する原理はよくわかっていない。


 つまり男性用心棒が創った武器にも能力があるということだ。はてさてどのような能力なのだろうか。一応確認しておくことにしよう。


「うおおぉぉぉぉぉお!!!!」


 男性用心棒が鬼気迫る感じで大きく踏み込みつつ槍を突き出す。込められているのは恐怖と殺意。一度受け止めてみようか。そのうちに槍が心臓を貫いた。それと同時、体が心臓を起点に十字に裂ける。心臓から上が分断されてしまった。顔も。血が噴き出し体が後ろに倒れこむ。


「は、っははははははあはっははははははっははははははははっはは!!ざまーみやがれぇ!!」


 斬撃延長。刺突の際、槍の穂先が空気を斬る。四つの反しから斬撃が同軸上に延長されていく。最大30㎝の延長。もし体を貫いたら確実に死ぬだろう。かすっただけでも痛手になる。もちろん刺突だけでなく槍を振れば穂先から斬撃が延長される。まあまあ強力な能力といえよう。護衛としてのランクは高いほうなのだろう。ということは貴族に関わると面倒だということだ。この場を収めるにはどうしたものか。現在、男性用心棒に細切れにされているのだが。


 「お、おい」

 「ぐひひっひっひひひひひひいっひひひ」


 貴族の子供が声をかけるが男性用心棒は気味の悪い笑みを浮かべ何度も槍を振り下ろす。その度に体がバラバラになって血が飛び散る。貴族の子供が嘔吐してしまった。お姉さんは泣いている。


 やがて、発狂を聞きつけたのか足音が聞こえてきた。


 食堂に入ってきたのは赤く長い髪の少女だった。体を覆う黒衣を纏っている。少女は食堂のありさまに顔をしかめながら貴族の子供の背中をさすっている女性用心棒に何があったと尋ねる。女性用心棒はありのままを話した。話を聞いた少女は貴族の子供に何事かを話した。貴族の子供は逡巡しつつも仕方がないと頷く。因みに男性用心棒は天井を見つめぶつぶつ呟いている。逃避だ。


 赤髪の少女は男性用心棒に近づくと、二人の姿が消えた。少しすると赤髪の少女だけが現れた。


 「彼は罪人でした。よって我らが神、アルノアによって導かれました。それと少女の遺体は我々が責任を持たせていただきますので。あなた方はどうぞお休み下さい」


それから赤髪の少女は食堂にいた人達に指示を出し、仲間と思しき集団とともに現場の収拾に取り掛かった。私の体も丁寧に集められていった。貴族の子供と女性用心棒は部屋に戻っていった。む、そういえばカレーを食べていないぞ。食べたいものを食べたいときに食べずして何が人生か。そして私の体は、血は、もとに戻っていく。突然の出来事にその場の全員が驚愕して動きを止める。私は直った足で歩きだす。上半身は修復途中。服も戻るぞ。謎原理によってな。


 注目を集めるのが嫌とはいえだ。流れに身を任せているとご飯も食べられない。今回のことは私に非があるが、触れられることに対する反応が過ぎただけだ。今度から抑えよう。


 体が完全に修復し、カウンターにたどり着いた。


 「すみません。鬼殺し半狂乱カレー甘口普通盛り一つって出来てますか」

 「あ、ああ。とっくに出来ててちょっと冷めたから火を入れればすぐに出せるけど」

 「じゃあお願いします」

 「わ、わかったけど。何ともないの?その、体はさ」

 「全然大丈夫です」

 「でも、」

 「全然大丈夫です」

 「そ、そうなん、だ?」

 「そうなんです」


 よし乗り切った。これでカレーが食べられる。テーブルにもーどろ。と、テーブルに戻ると赤髪の少女が目の前にやってきた。さらなる面倒はごめんだぞ。


 「相席よろしいでしょうか」

 「どうぞ」

 「では失礼します」


 ほかの仲間は戻らせたようだ。やることも無くなったし仕方がない。床に大きく傷が残っていたが後で直しておくか。


 「お話を聞いてもよろしいでしょうか」

 「カレーが来るまでならどうぞ」

 「ありがとうございます。あなたは一体な」

 「おまちどーさま。カレー甘口普通盛りね。冷めないうちにどうぞ。それと、体ほんとに大丈夫?」

 「ありがとうございます。なんともないですよ。心配には及びません。いただきます」


 赤髪少女が何かを言う前にカレーが運ばれてきたので残念、質問は無しだ。赤髪少女はちょっと顔を赤くして私と同じものを頼んだ。すぐに運ばれてくるだろう。よかったではないか。

先の展開を全く考えていないのでどうなるかわかりません

キャラもぶれてるかもしれませんわかりません

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