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観測不能の侵略者  作者: 九月
第二章 海から砂へ

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45話 悪魔 is 悪魔 so 悪魔

 私たちの乗った潜水艦はやがて海に潜っていき、静かに街を発った。


 潜水艦の乗組員の大体は入れ替わっている空間の方にいるということで、この潜水艦に乗っていたのはジュドと数名の部下だけらしかった。いつか無人でも動かせる潜水艦ができるかもしれない。もしかするともうできているのかもしれないけれど。期待。


 どうやら部屋は一人一つでも問題ないようで、私も一人部屋を与えられた。レイニーは心配だと言って同じ部屋にしたがっていたが、流石にこの部屋は二人分のスペースは無いので諦めてもらった。鍵もついているので大丈夫だとレイニーには言っておいた。まあ鍵にそれほどの信用はおかれていないとは思うけれど。




 私は部屋の鍵を内側からかけて一息つく。最近は乱れも無く、私であれていると思う。いや私になってきたというべきか。ともかく段々と落ち着いてきている気がするようなしないようなと思わないでもないと考えるべきか否かと見せかける。


 この潜水艦は先刻発った海岸から南下していき砂漠のある大陸に着く。私はそこでレイニーと別れて、広大な大地をさらに南へ進む。万能地獄(ヘルオール)に家を作ってしばらく遊ぼう。ローリスキーはどうしようか。悪魔ならば私を許容してくれるだろうか。その時になったら考えよう。



_________________________________________________



 ところ変わってここはミリアの隣の部屋。そこにいたのは大悪魔。


 (まさか海を見せるために笛を使われるとは思わなかった。やはり子供の無垢というのは素晴らしい。それに大抵の人間であれば私利私欲で笛を吹くだろうにミリアは私に与える為に笛を使った。正直、呼び出されたときは諦観したのだが。ミリアは穢れなき純粋であってくれた。しかし、だからこそ私はさらに彼女に望みを求めなければならない。私は悪魔なのだ。どうしようもなく悪魔なのだから。だからきっといつかは、彼女も穢れてしまうのだ。私がいる限り)


 (私は人間に芸術的な意味しか見いだせない。あるいはただの道具であるとしか思わない。呪いをかけられてこの姿になって感情というものがどうしても顕著になっても、人間は私にとって特別ではないし同族にもなんの感情も湧かない。人間が消えても同族が消えても私が消えてもどうだっていい。ただミリアは消えてほしくない。これが芸術品に対しての気持ちなのか、ミリアという存在に対する気持ちなのかわからない。私は私がわからない。私は私がなんなのかを模索している。これは必要のある行為だったか?頭が曇る)



_______________________________________________



 部屋の窓からどんな景色が見えるのかと期待していた私は少しばかりがっかりした。窓から見えたのは海の中などではなかった。地上の景色だ。空だって見える。どうやらどこかの施設のようで、周りは高いフェンスに囲まれておりその周りは何もない平原だ。実験施設だろうか。


 どうやらこの窓は開けられないらしい。空間として外形は固定されているのだろう。私は開けようと思えば開けられるが事故のもとになりそうなのでやめておくとしよう。どこか海の中が見える部屋はないか探しに行こうかな。

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