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観測不能の侵略者  作者: 九月
第二章 海から砂へ

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41話 歩く

 カーテンなど無い窓から、太陽光が思う存分部屋に入り込み時刻は既に朝だと伝えてくる。私は目が覚めてすぐに、鼻孔をくすぐる匂いに気が付いた。そういえば昨日、バ行さんが朝食も作らせてくれと言っていた。この階下には美味しい朝食が諸手を挙げて私を待っている。急がない道理はない。どうやらレイニーは先に起きて既に朝食の下へと向かったらしい。私も早急に迅速に馳せ参じるとしよう。


 一階に降りるとテーブルの上には昨晩と同じく大量の料理が並べられており、バ行さんとレイニーはお話をしていた。今日のお昼にここを発つことを話していたみたいだ。私はおはようと挨拶する。


 「おはよう」


 私はおはようと挨拶した。人間は大抵の場合、人間同士で顔を合わせて最初にすることは挨拶だ。挨拶にもいろいろと形があるが。挨拶の意味もいろいろある。例えば会話の導入とか慣習とか礼儀とか。むずかしい。簡単なことも考えてみると難しくなる。考えてみても簡単だったって言えたらいいのに。


 「おはようミリア。今日もご飯が美味しいわよ」


 「お、おはようミリアちゃん。今日行っちゃうんだってね。れ、レイニー、ちゃんに聞いたよ。残念だけど仕方がないよね。ぼ、僕頑張るから、ミリアちゃんも頑張ってね。僕応援してるから。何をしているのかはわからないけど。とにかく応援するよ」


 二人とも挨拶を返してくれた。ご飯が美味しいらしい。応援してくれるらしい。どうも。さて朝食をとるとしよう。




 朝食を終えると、私は部屋に戻って荷物をまとめることにした。しかしそれほど荷物はないし大した時間もかからずに終わってしまった。暇になった。何をしようか。散歩しようか。散歩しよう。


 昨日散歩した海岸に来た。お昼に船が来る海岸だ。足跡は消えていた。そんなものだろう。よくわからないけれど。思考が単調になっている気がする。思考が単調になっているのは集中できていないからだ。何故集中できていないのか。というかそもそもこれは思考していない。思っていることを吐露しているだけだ。脳がとろとろなんだ。


 お昼までゆっくりと海を眺めよう。相変わらずいろいろなものが砂浜に漂着している。歩く。歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いてまた足跡でもつけておこう。それもきっと明日には消えるから。

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