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観測不能の侵略者  作者: 九月
第三章 DELETE

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99話 の続き

 「それで~。能力(スキル)で認識を歪めたとはいえさ?新しく生まれた人とか外から来た人には関係ないわけじゃん?まあ周りの環境が歪んでるから新しく生まれた人達は歪んで育ったんだけど。外から来た人はねえ、でもそこもカバーされててねえ。自国が最先端だっていう認識で、ダメだろとかヤバいだろとか言われても遅れてるなあくらいにしか思わなかったみたい。実際国の水準はトップで軍事力も持ってた。当時は平和条約が結ばれたばっかだったし他国もあまり突っついては来なかったよ。とはいえ獣人をペットとして扱っている国っていうのはすぐに広まってね。当然楽園(パラダイス)が怒って声明を出したりもしたんだけど、この国は無視した。それどころか秘密裏に当時最先端の兵器で威嚇砲火を行ったの。被害は出さなかったけど黙らせるには十分な威力を見せつけたんだ。あ~。それで話戻るけどさ~、100年200年経つうちにね?この国はおかしいんじゃないかって気づき始めるわけよ。技術の発展で外の情報は簡単に手に入るし正しい歴史もね?そう、正史を綴ってるところもあるんだよ。現代ではさ、誰も王の能力の影響下に無いって言うのにずーっとルールを守ってる。古い慣習を守り続けてる。勿論ね~、最近、と言っても50年ほど前からかな。声をあげる人はいたよ?でも縛られ続けてきた大人が弾圧してきた。変化が恐ろしくてたまらない彼らはどうか自分たちの世代で問題を起こさないでくれって。誰に怒られるでもないのに、歴史が課す責任を負って、お互いを監視して、ずっぶずぶになっていくわけ。で、声をあげたら弾圧されるから水面下での活動家が増えていったの。そういう人達が集まって、まあ国家転覆を企んでいたんだけど。悉く失敗してるの。それは何故かって言うと、必ずこの」


 ラヴィは言葉を切ってベッドを見やる。白い布が小刻みに揺れている。顔が布で覆われていて苦しいのか、かなり息が荒い。犬のよう。私はかわいそうに思って顔を覆う部分をめくった。


 「はぁっ、あァッ。んァ。んっ」


 私はかわいそうに思って顔に布をかけてあげた。


 「クリアスターみたいなスケベが、いやスパイが紛れ込んでたからだね。国防の表が騎士団だとして諜報機関は裏かな。うん。裏で起きてることを未然に防いできたんだから裏だ。そうなんだよ、犯罪の温床が大抵裏の時点で、表に出ないうちに潰されちゃうから騎士団の仕事がないんだよ。だからあんなに朝から飲んだくれていられるんだろうね。平和の証とか自分たちで言っちゃって。諜報機関の優秀さにかまけて税金泥棒。だから今回の作戦はこの」


 ラヴィは言葉を切ってベッドを指さす。白い布が時折大きく跳ねている。身体をくねらせるようにして何か悶えているみたいだ。怖い夢でも見せられているのだろうか。私はかわいそうに思ってチラッと様子を見るべく布をめくった。


 「んあああぁぁぁぁぁッッ!!!!」


 なんか、いつの間にか全裸になってて全身濡れてたし、顔の横でピースしてたので、なんか大丈夫そうだ。多分元気なんだろう。じゃないとピースなんてしないものな。きっと熱があって汗かいてるんだ。でも心配させないように元気な声をあげてアピールしてくれたんだろう。早く治ると良いね。私はふかふかの掛け布団をそっとかけてあげた。


 リンネちゃんはクリアスターの元気アピールに何故か引いてた。確かに、気絶してるのにピースなんて器用だからな。


 「ド変態女をなんとかすれば確実に成功するって目算は立っていたんだ。それで話は、えーと?何故僕が直接やらなかったのかっていうのとミリア様を巻き込んだ理由か~。うーん。ちょーっと考えさせて?」


 事実があるのにそれを考えるのか?これから嘘をつくと言ってるようなものだぞ。別にいいけれど。




 カナトは考えていた。殺す以外の選択肢を。


 能力で巨大化した剣が迫るのを捉え、頭蓋にぶち当たる刹那、アピアで粉々に砕く。能力で引き寄せられ、多方から能力を纏った剣が身体に突き刺さる刹那、アピアで粉々に砕く。ただの銃弾がとんでくる。腹をぶち抜く刹那、アピアで粉々に砕く。手榴弾が投げられる。これは爆発するので回避。と同時に攻めに転じよう。手榴弾を空中で爆発させる。ついでに煙幕も撒いておくか。


 「うおっ!あっぶね!!畜生何なんだよあいつ!武器を破壊する能力か!?」


 投げた奴が目の前で宣う。さてどうしようか。殺すか殺さないか。でもなあ、こいつらは俺を殺すつもりで来てるからなあ。でもまあ戦意喪失くらいにするかあ。


 「おいお前、何脱いでんだよ・・・」


 「は?・・・えっちょっはあ!?なんやこれ!うわっ!ちょ、ちょぉ見んといてぇ!!」


 「おいおい、こっち来いよ。下まで脱いで、そういうつもりだったんだろ?ほらそこの路地入ろ?な?俺と一線超えよ?な?今誰も見てないから」


 「ちゃうって!!ほんま違うねんて!!おい何脱いでんだっ!!おまっ、何でそんな大きく!?おい触んなぁ!!いやや!!好きな人おんねん!!好きな人おんねんてえぇ!!」


 「ふっ、俺のことだろ?分かってるって、ほらこっちだ。俺達きっとアダムとイヴだ。いやお前はリンゴ。禁断の果実。俺はアダム。お前食う」


 「なんやおまえぇ!?普段無口やったやん!!なに積極性出して意味わからんこと抜かしとんねん!!今、こんなことしてる場合ちゃうんや!!空気読めっ!!アホっ!!」


 「やーなこと言う口はこの口か!」


 「~~~~ッ!?!?!?」


 二人は幸せなキスをして路地裏に終了していった。騎士団ってやっぱりおかしいんだ。残りの6人もこんな感じになったらやだなあ。

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