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✧ 詩 ✧   祈り

朝の調理台に七色の虹を


あなたが置くのはいつもきまって水槽(シンク)の横

朝の調理台に七色がキラキラ生まれて、水玉がコロコロ転がって


はじめてあなたの白い喉が水を(むさぼ)る裸身に、透明が濡れて溺れて

唇を食べつくした唇は、あなたの命そのものの(くれない)

ふたりでふたりを味わいつくした唇に、真紅(しんく)に染まって


あの日も透明に洗って水槽の横に置いた、あなた

あなたはいつも、水槽の横にガラスコップを洗って

僕が食器棚にしまっても、あなたはいつも水槽の横


キラキラ七色に華やかに

なにもない二人を、なにもいらない二人にした、あなた

すべてを失っても、透明になるまで洗った、あなた




あなたを失って、僕は水槽の横にガラスコップを置く


あなたほどの透明は無理だけれど

あなたとふたりほど華やかではないけれど


あなたのいない生活を、あなたのしたように、透明に洗って

朝の調理台にキラキラ光る七色の虹を架ける







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