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キスを重ねて

作者: 北風

ぼくのまえに立っているのは二人のおねえちゃん。

ぼくはおねえちゃんたちのことが大好きだけど、たまにこうやってぼくの邪魔をしてからかってくる。


「「好くん(ちゃん)、ここを通りたくばおねえちゃんたちを倒していきなさい!」」


好くんとぼくを呼ぶのがいつもほんわかしている柚葉おねえちゃん

好ちゃんとぼくを呼ぶのがいつも元気な美柑おねえちゃん


なぜか二人はときどきぼくの前に立って同じことをいう。

最初はぼくもがんばってとおやってやる!、って思ったんだ。

でも、おねえちゃんはぼくより5つ年上の中学3年生。ぜんぜんとおしてくれなかった。


どうしても通れなかったのでぼくは目をとじ、顔を少し上にあげる。


すると、ぼくの唇にあったかいものがあたる。

すぐに柚葉おねえちゃんのだってわかったから、ぼくはゆっくりと舌で柚葉おねえちゃんの唇をつついた。そうすると、ゆっくりと唇が開き、柚葉おねえちゃんも舌を出してくる。

そこからはゆっくりと舌をからませるだけ、ぼくが息苦しくなってきたとき、柚葉おねえちゃんが唇をはなしてくれる。

ぼくもおねえちゃんも息を整える。柚葉おねえちゃんのほほはすごく赤くなっていてろうかにぺたんと座っている、なんかいつもよりかわいい。

ほんとうにとおりたっかたら、ぼくのおねえちゃんたちはキスしないと通してくれないのだ。


「私のことを忘れてないだろうな」


横から美柑おねえちゃんがちょっと怒った風に言ってくる。すぐにキスしてあげる。

美柑おねえちゃんはいつも元気だけどキスはおそるおそるしてくる。ぼくがいつもちょっと強引にしてあげる。柚葉おねえちゃんよりもしっかりと舌をからませ、だ液も吸ってあげる。

美柑おねえちゃんも唇を離すとぺたんとろうかに座っちゃう。


「今日もぼくのかちだね!

 じゃあ、学校行ってきます!」


ぼくの朝は大体こんな感じだ。


-----------


「今日もすごかったね、好くん」

「うん、朝から腰ぬかしちゃった」


二人の姉たちは弟のいなくなった家で話し始める。


「まさか、こんなことになっちゃうなんてね」

「ほんと。最初はただのいたずらだったのに、今じゃこっちが依存しちゃってる」


そう、こんな普通の姉弟ではやらないことをしているのは最初はただのいたずらだった。

弟の好は幼いながらも整った顔をしている。姉たちも人の目を引く容姿をしている。

柚葉はおっとりとした性格で、さらに出るとこは出ている男心くすぐる容姿だ。

美柑はスポーツ系の快活としたかわいさで運動神経抜群、健康美を体現している。


そんな二人はかわいい弟か妹が欲しかった。まわりからは羨ましがられるような人たちだが、それと同時に好奇の目で見られることに多少のストレスを感じていた。でも、お互いには相談できなかった。相手も同じような悩みを抱えているのは簡単に想像できたから。だから色目で見てこない家族に癒しを求めていた。


そんな中生まれてきたのが好だった。5歳下の男の子は二人の姉からしたら、天使のような可愛さだった。

周りからどれだけ見られ、ストレスを感じていても、家に帰れば、天使の笑顔が出迎えてくれる。

心の余裕が出てきて、二人の可愛さにはさらに磨きがかかっていった。中学校に入ってからは告白されることも多くなっていた。


そんな話を家で好に愚痴をぽろっと言ってしまった。その時の好はまだ小学2年恋愛のことなどまだまだ分からない年頃のはずだ。

だが、好はあからさまに嫉妬しているように二人の姉からは見えた。話している間に二人に近づいてきて、最後には二人の手を小さな手がギュッと握った。

好には自覚はもちろんなかっただろうが姉がとられるかもしれないとでも考えたのだろう。

姉たちの心は跳ね上がっていた。溺愛する好が少年心ながら嫉妬してくれている嬉しさに、心も体も震えていた。


「好くんがキスしてくれたら、私はどこにも行かないんだけどなー」

「ほんとに!?」


好の思いもよらない言葉にちょっとしたいたずら心だった柚葉はびっくりして、ちょっと硬直してしまったその間に好はただでさえ近かった距離をさらに詰める。

気付いた時には柚葉のファーストキスは好に奪われていた。


「わたしもしてくれたら、ずっと好ちゃんのそばにいてあげるよ」

「ほんと!?」


柚葉からくちびるを離し、こんどは美柑に迫る好。

すぐに美柑のファーストキスも好によって奪われた。


そこからはちょこちょこキスする機会が増えていった。さらに姉たちは中学生そういった知識もどんどんつけてしまう。キスも大人のものをやってみた。


そこで一番驚いたことは、好がキスをすごいうまくなったことだ。

姉たちとやっている間にどんどんうまくなっていき、姉たちのほうが好とのキスに依存しだした。

姉弟でのキスはよくないことだとわかっている、しかしそれには向かう背徳感がさらに姉たちの心を高ぶらせていた。


しかし、少し経った頃から、好はキスを渋るようになってきた。

ようやくキスがどういった意味を持つのか理解しだし、気恥ずかしくなってきていたのだ。

依存していた姉たちは危機感を覚える。

そして考えたのが、自分たちの有利な土俵で勝負して、キスしてくれたら許す。というかキスするまで勝負し続けるというものだった。最初は好も渋っていたが、そのうちキスしないといけないとわかると躊躇いはなくなっていき、今ではすぐにしてくれる。

それが私たちの普通になるように姉たちは努力している。


-----------


ぼくは一人通学路を歩いる。

もう毎朝やっているおねえちゃんたちとのキス。

一度はずかしくてやめていたけど、おねえちゃんたちはキスしたかったみたいで、それからはいつもしている。

だけど最近はぼくも不思議な感じになることがある。

もっとキスしたいと思うと、体があつくなってむずむずする。

そのうちなくなるけど今は、すごくかんじてる。


「好、おはよ!」


話しかけてきたのは、家が近くの幼馴染、姫川真衣ちゃん


「真衣ちゃん、おはよ」


朝はいつも一緒に登校している。

いつも真衣ちゃんがいっぱいはなしてくれて、ぼくはその話をきいている。

真衣ちゃんは話すのが上手で、いつも話がおもしろい。

だけど、今日のぼくはすごくむずむずしていて、話もぜんぜん聞けない。

真衣ちゃんの話している口にばかり目がいく。


「どうしたの、具合悪い?」

「うん、ちょっと」


心配して顔を近づけてくる真衣ちゃん。

もうぼくの目には真衣ちゃんの唇しかうつってなかった。


「真衣ちゃん、ごめんね」

「なに、んんっっ」


ぼくは真衣ちゃんにキスしていた。

いつもおねえちゃんたちとやっているみたいに、いやもっとはげしく。

むずむずがなくなるようにいっぱいした。

気づいた時には、真衣ちゃんを小道に入れて、壁におしつけていた。


「ごめん、ほんとごめん」

「うん、びっくりしちゃったよ」


顔を赤くして、ちょっとわらっている。


「ねえ、キスしたってことはそう言うことだよね」


もじもじしながら真衣ちゃんが聞いてくる。

そういうことってどういうことだ、一瞬わからなかったがすぐに理解した。

ふつうキスは好きな人よすることだ、おねえちゃんたちとしていて、普通になっているぼくとちがって、

真衣ちゃんはふつうの女の子だ。ぼくが真衣ちゃんのことが好きだからキスしてきたんだと思っているはずだ。

もしぼくが好きじゃないのにキスしたなんて知られたら、もう一緒に遊んだりしてくれない。


「うん、そうだよ」

「じゃあ結婚ね」

「えっ」

「わたしも好のこと好きだし、まだ結婚はできないから婚約者かな

すぐにご家族にあいさつ行かないと

あと、これからは一日二回はキスしてね

学校も登下校これまではたまにバラバラな時があったけどこれからは毎日一緒ね

あとはわたしを第一に行動すること

もし、ほかのもの人のこと好きになったりしたら許さないから」


「じゃ、学校いこ」

呆然としているぼくの手を取って真衣ちゃんは通学路を歩き出した。

「もしだけどね、こんなことないのはわかってるけど、もしもだよ、私以外の人とキスなんかしてたら。

わかるよね」

にっこりとした笑顔で言っているのに目が笑っていない。

ぼくは体をふるわした。


-----------


「じゃあまた明日ね」

「うん、また明日」


学校から帰り、やっと家に戻ってきた。

真衣ちゃんは学校でもぼくにくっついてきて、婚約者になったことをみんなにいいふらしていた。

みんなからはからかわれるし、真衣ちゃんは小声で、「外堀は埋まった」とかいってるし、意味わかんなかったけどなんかやばい気がする。


「ただいま」


中学生のお姉ちゃんたちはまだ帰ってきてない。

早めに今日の宿題終わらせよ。


「「ただいま」」

「おかえりなさい」


なんかお姉ちゃんたちの機嫌が悪い。

息も上がっているし家に駆け込んで入ってきてた。

ちゃんとカギ閉めたのかな。

前までは家に帰ってきたときに機嫌が悪かったこともあったけど、

最近はなかったのにどうしたんだろ。


「なにか、おねえちゃんたちにいうことあるかな好ちゃん」

「えっ」


なにかいうことあったかな、ぼくが考えていると美柑おねえちゃんが勢いよく言ってきた。


「真衣ちゃんとキスしたってホント?」

「う、うん」

「なんでそんなことしたの」


おねえちゃんたちをこんなにも怖く感じたのは初めてだ。

正直に言わないと。


「なんか最近おねえちゃんたちとキスした後ムズムズするんだ。

いっつもは我慢してたらそのうちなくなるんだけど、今日はなんか我慢できなくて。

ごめんなさい。」

「そ、そうなんだ」

「そっかー」


おねえちゃんたちの顔が赤い。どうしたんだろ。

なんかこそこそ話し出しちゃったし、ぼくはどうすればいいんだろ。


「あれってそういうことだよね柚葉」

「うん、多分」

「「好ちゃんが欲求不満!」」

「でもわたしたちいつもので腰砕けにさせられてるのにあれ以上って」

「やばいね、もう押し倒しちゃうかも」

「でも、他の子にやっちゃうくらいなら私たちにしてほしい」

「それは私もそうだけど」

「じゃあがんばろっか」

「うん」


話はおわったみたいだし、もう怒ってないみたいだ。


「好くん、これからはムズムズがなくなるまでキスしていいよ」

「好ちゃんのためにお姉ちゃんたち頑張るからね」

「うん、わかった!」


「じゃあ今からいいかな?」

「「えっ」」

「今日はおねえちゃんたちが帰ってきてからまだしてないから」


恥ずかしいけど、我慢の限界だった。いつもはおねえちゃんたちが帰ってきたら、すぐにキスしようとしてくるのに今日は怒ってたからできてない。


「じゃあお姉ちゃんたちの部屋にいこっか」

「なんで、ここでいつもしてるじゃん」

「今日は部屋でしたいの!」

「う、うんわかった」

「「じゃあ、いこっか」」


-----------


あれからはすごかった好くんもだいぶたまってたのか、あれから晩御飯までずっとキスしてたし、

夜はお風呂出てから今度は好ちゃんの部屋でまたキスして、でも好くんはまだ小学生だから早めに寝ちゃった。

いま私たちは好くんのベッドに川の字で並んで寝ている。


「好くんすごかったね」

「うん、あれはやばかった。いままで我慢してたからかもしれないけど、これからも今日のレベルでやられてたら私生活に支障をきたすレベル」

「たしかに、どうしましょうか」

「うん、あたし考えたんだけどさ、基本的に私たちキスしてるときは受け身になっちゃうじゃん、そこを変えていければいいと思うんだ」

「私たちからも攻めていくってことですか?」

「そう、お互いに頑張ったほうがましにはなるんじゃないかと思って」

「なるほど、やってみましょうか」

「とりあえず明日は土曜で予定は特にないしゆっくり寝よ」

「そうですね」

「「おやすみ、好くん(ちゃん)」」


両頬にキスをして私たちはぐっすりと眠りについた。


-----------


ピーンポーン

わたしは土曜日の朝はやくから好の家にやってきていた。

もう婚約者になったんだし、朝から会いに来ても特に問題ないでしょ。

それに好の姉たちには会っておきたいのだ。

いつもわたしの好にくっついている邪魔な姉たち、私たちは婚約したんだし離れてもらわないと。

それにしてもだれもインターフォンに反応しない、試しに玄関のドアノブを開けようとしてみると開いてしまった。

起こしてあげるのもありかも?

朝から婚約者におこしてもらえるなんて好もうれしいでしょ。

わたしは家に入り、好の部屋に進む。

ドアを好が起きないように、ゆっくりと、音が鳴らないように開ける。

部屋は真っ暗だけど、好の部屋には何回も来てるし電気のスイッチの場所はわかる。

わたしは電気をつけながら大きな声で起こしてあげる。


「好、もう朝よ起きなさーい!」





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